二次創作小説(映像)※倉庫ログ

パート1:謎の敵(5) ( No.7 )
日時: 2015/02/17 20:58
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

 炎の如く龍の、600族の誇りを背負った紅き翼、鋼の鱗と装甲、非常に鋭角的に変化した身体。
 彼の者に触れることは決して出来ない。何故ならば、その刃のような羽根で全てを切り刻んでしまうからだ。
 ボーマンダはメガシンカすることによって、防御力が大きく上昇する。特防も少し上昇する。しかし、攻撃性能も上昇していないどころか、むしろこちらがメインである。
 先ほどの敵も見せた特性・スカイスキンでノーマルタイプの技は全て飛行タイプとなり、タイプ一致の補正が掛かる。それだけではなく、素の威力にも1.3倍の補正が掛かるため、捨て身タックルなどの技の威力は、バカにならなくなる。
 その破壊力、耐久の高いあのマリルリを一撃で沈めるほど。それだけではなく、ドラゴンキラーとして名高いマリルリのじゃれつくを余裕で耐え切り、逆に起点にすることもできるほどだ。
 さらに、素早さも120になり、準足でも最速ガブを余裕で抜ける程になる。
 まさに、全てを破壊する戦闘機だ。
 それだけに、今目の前にしている敵が恐ろしいが、逆鱗程度ならば耐えることができるだろう。

「返しの攻撃で沈めてやる!!」
「沈ムノハ……貴様ダ……!! データノ塵ニナッテ、消エテイケ……!!」

 しかし、防御力、特防、共にガブリアスよりも上ではあるが、特防は90と防御の120とは見劣りする数値だ。
 そう、つまり------------

「特殊技デ一致弱点ヲツケバ、一撃デ倒セル……!!」


【敵のボーマンダの龍星群!!】


 直後、流星群が降りかかる。

「ま、まずいですよボマーさん!! これを食らったら、幾ら貴方でも一撃で倒れてしまう!!」
「せ、先輩ぃーっ!!」

 にやり、とボマーは笑った。


「舐めんじゃ、ねぇぞっ!!」


 直後、ボマーは降りかかる炎の纏われた岩を、身を翻し、避け始めた。
 いずれもスレスレではあるが、辛うじて全てを----------

「避ケキッタ、ダト……!?」


【しかし、ボマーには当たらなかった!】


「性能はな、自覚Aランクなんだよ! あるときはメガクチートの邪烈苦(じゃれつく)を避け、あるときは有効急所を引きまくり-----------運の良さも実力の内だ!!」

 そして、とボマーは続けた。


「今回も、同じだ!! エースはこの俺様、ボマー一択だ!! 他は有り得ないんだよっ!! お前が倒したガブリ姉のお墨付きでなっ!!」

 
 はぁ、とアクアは溜息をつく。

「全く、自惚れが過ぎますよ」
「そーかな? ボマー先輩はこれくらいが丁度いいと思うな」
「自信過剰なんですよ。特性は威嚇の癖に---------」
「……うん?」

 呻くような声がした。振り返ると、フレイが起き上がっている。
 
「フレイ先輩っ!」
「……どうなったの? 何が起こってるの?」

 駆け寄るアクアに担ぎ上げられ、彼女は物音のする方を見た。
 戦っている。
 ボマーが戦っている。

「ほんと、ずるいよ……いっつもあんたは……負けたら許さないんだから」
「フレイ先輩。ボマー先輩は絶対勝ちます」
「アクア君達にも迷惑掛けちゃったかな。ごめん」

 ふらっ、とフレイはようやく立ち上がった。まだ、全身の傷はずきずきと痛むようだったが。

「助けに来てくれたんだね、ありがとう。あたしはそうでもないんだけど、ガブリさんが相当やられて……」
「一応の応急手当はしておきましたよ」
「相手がボマーさんに気を取られてる隙にねー」

 へえ、とフレイは言うとボマーが今、敵と向かい合っている方に向かって
叫んだ。


「ボマー、絶対に勝ちなさいよ!!」
「やっかましい、勝つって言ってんだろうが!!」


 言ってすぐに、文句が返ってきた。まあ、ボマーらしいが。

「な、何よ! 人が応援してやってんのに!」
「ったく、くたばったのかそうなのか、はっきりしろよ特攻お化け。まあ見てな。俺の最高火力でこいつをぶっ飛ばすからよ!!」
「……頼むわよ」


【ボマーの捨て身タックル!!】


 うおおおお、と雄叫びを上げて相手に突っ込んでいく。
 弾丸の如き速さで、相手に突進をする。自らへのダメージを省みず。
 しかし、それを見た敵のボーマンダが笑う。
 
「引ッカカッタナ……貴様ノメガシンカエネルギーヲ……!!」

 敵のボーマンダの影が薄れ、白い手が伸びていく。
 しかし。
 それは切り裂かれた。
 ボマーの紅き翼によって。

「バカ、ナ……!!」
「後輩と同じ手は踏まねぇよ」


【敵のボーマンダは倒れた!!】
『ボマー残りHP:反動により143/171』


 敵の残りHPも少なかったため、反動も少なかった。
 敵のエースを無傷で倒すことが出来たのは、大きいプラスだ。
 ボーマンダの姿は影も形もなくなり、元の黒い塊へと戻る。

「今だ!! 奴を此処で完全に倒す!!」
「やらせはせん……!! 我らの恨み……思い知れ!!」



【黒い影はドーブルを繰り出した!!】

【ドーブルに尖った岩が突き刺さった!!】

『ドーブル残りHP:7/8』


 ここは苦い選択肢となった。
 殴れば、キングシールド、舞えばキノコの胞子。
 地震だと倒せない可能性もある。

「どうしますかボマーさ」
「此処は、勇気の捨て身タックルだ!!」
「お、おいいいい!?」

 ボマーの身体が再び、弾丸のように相手のドーブルへ突っ込んでいくが-----------!!


【ドーブルのキングシールド!!】

 
 ボマーの顔が青ざめた。王の盾が現れ、ボマーの行く手を阻む。


【ボマーの捨て身タックル!!】

【ドーブルは攻撃から身を守った!!】


「ぐああああ!?」

 瘴気がボマーの身体を覆った。同時に、疲労感が襲い掛かってくる。

『ボマー:攻撃二段階ダウン』

「まずい、これでは相手のドーブルを倒せない恐れがあります!!」
「うるっせぇぇぇぇ!! ぶっ飛ばす!!」

 再び、向かっていくボマー。阻まれても、何度でも突撃すればいい。一撃で倒せなければ---------

「何度でも、突っ込んでいくだけだぁぁぁぁぁ!!」


【ドーブルのキングシールド!! しかし、うまく決まらなかった!!】


 キングシールドは不発に終わった。そして-----------!!


【ボマーの捨て身タックル!!】

【急所に当たった!! ドーブルは倒れた】

『ボマー残りHP:反動により96/171』


 一撃で、相手を粉砕する。

「す、すごいよっ!! ボマー先輩!!」
「無駄急所だったんじゃないの、今のは」
「ええ、急所じゃなくても倒せてましたね。ステロで襷も潰れていましたし。HB振りでもない限り。まだです。相手にはローブシンがいます。さっきのローブシンはAに殆ど割いていなかったはず。ですから、その分を耐久に割いているはず。二段階下がった攻撃では、一撃でローブシンを倒せません」

 あれ、結局ステロが役に立っている。起点作りならば、襷を持っていても何らおかしくはない。


【黒い影はローブシンを繰り出した!】

【ローブシンに尖った岩が突き刺さった!】

『ローブシン残りHP:15/16』


 流石、第五世代では究極破壊神と呼ばれたハイスペック爺である。

「え!? じゃあ、ボマー先輩負けちゃうの!?」
「4倍弱点の冷凍パンチを食らったら、流石に……今の体力では持たないかもですね」

 しかも、今ボマーは急所を引いたばかり。つまり、次もローブシンへの攻撃を急所に当てられる確証はないのだ。
 というか、急所に当てられる可能性など、これで潰えてしまったも同然だ。

「アホか、あいつ……何で無駄急所なんか引くのよ!!」
「これは、負けたかもしれませんね……運に見放されたってことでしょうか」
「そ、そんな----------」



「うるっせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーっ!!」



 一瞬、全員の思考が停止した。ボマーの一喝で。

「無駄急所が何だ、この野郎ォーッ!! 俺の捨て身タックルは等倍でも一撃で持っていけるんだ!! 勝ってに負けたことにしてんじゃねえよ!!」
「アンタが自分で負ける原因作ったんでしょうがぁぁぁ!!」
「うるっせええええ!! もう、殴るしか選択肢はねぇんだぁぁぁ!!」

 ボマーは、再び突撃する。
 弾丸のように、目の前の敵を撃ち滅ぼすため。
 そして自分の仲間の仇を討つため。

「俺は、何度でもぶっ飛ばす!!」

 
【ボマーの捨て身タックル!!】


 装甲は度重なる突撃で所々、損傷していた。
 しかし。
 風が、鎧になって自分を守ってくれる。

「無駄だ……!! 諦めろ!!」
「諦めるのは、テメェの方だぁぁぁぁぁぁーっ!!」

 直後。
 ザクリ、と切り裂くような音が響いた。
 全員はその光景に目を見張った。





【急所に当たった! 敵のローブシンは倒れた!】
『ボマー残りHP:反動により40/171』




 ローブシンの姿をした影は、バラバラに切り刻まれ------------消滅した。


【謎の黒い影との勝負に勝った!】