二次創作小説(映像)※倉庫ログ

番外編:パート1 ( No.101 )
日時: 2015/04/25 09:15
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

「ちょ、ちょ、ちょ、今何て言ったァ!?」
「ご、ごめんなさい〜!!」

 さて、次の瞬間だった。

「はっ、大バカヤロー共が。見せてやるよ、俺様のメガシンカをな!!」

 バシャーモは、自分の拳に付けられた自らのメガストーンを見せ付けた。圧倒的な戦力差を見せ付けてやらんとばかりに。


【キーストーンとバシャーモのバシャーモナイトが反応した!】

【バシャーモはメガバシャーモにメガシンカした!】

 
 咆哮を上げるメガバシャーモ。
 そして、目の前の敵にキッ、と眼光を向けた。


【バシャーモの雷パンチ!! 効果は抜群だ!!】

『ルル残りHP:28/192』

【オボンの実で回復した!】

『ルル残りHP:76/192』
 
 アクアジェット二発ならば十分倒せていた見込みはある。
 が、しかし。これは完全にミスであった。押しミスであった。プレミ以下のそれであった。
 まずい。このパーティでバシャーモを倒せるのは、ルルしかいないというのに。


【ルルの腹太鼓! しかし、上手く決まらなかった!】

【バシャーモの加速発動! 素早さが一段階あがった!】


「あ、あはは、押しミスだ……!」
「ふざけんなあああ、何やってんだテメェはぁぁぁ!!」

 瞳孔をカッと開いて、完全に怒った様子で怒鳴るドーラ。
 対して、ルルも眉を吊り上げて反論する。完全にお前が悪いだろ。

「う、うるさい! ドーラだって、流星群外したりすること毎度毎度あるじゃないか!」

 しかし、これについては仕方がない。なぜならこのサザンドラ、流星群を外しすぎてレートパからクビにされたこともあるのである。
 誰にってそりゃ、タクに決まっています。

「てめーのミスの方がよっぽど致命的だわ、どうするんだぁぁぁ!!」
「ドーラにだけは言われたくない!!」

 あんたらのミス両方共致命的だから。

「何だと、この脳筋雑巾女ァ!!」
「何だと、この無能600族!!」
「喧嘩はやめてください!! 仕方がない、此処はパーフェクトゥなこの私が出れば問題な----------」
「てめぇは黙ってろ!!」
「うざいんだよ、ド無能スパコン!!」

 
【メタンは倒れた!!】


「そんなぁ……一度くらい、良いじゃあ無いですかぁ」
「何言ってんだコイツ」

 メガシンカしたままの姿で部屋の隅で腐ってしまっている。鋼の王の異名もへったくれもあったもんじゃない。


「オイ、好い加減にしろよ、クソガキ共……!!」


 バシャーモがキレた。
 仲間割れを繰り返す彼らに辟易しているのであろうか。

「おい、こんな茶番見せる為に戦ってんのかゴミ共……殺すぞ、終わらせてやる!!」

 地面を蹴り、拳に電撃を溜めているのが見えた。
 まずい。確実に殺す気である。
 ここでのこちらの勝ち筋だが----------

「アクアジェットを急所にブチ当てろ! それしかねぇ!」
「分かってるよ!」

 現在、バシャーモは加速で一段階Sがあがっている。しとめるならば、ここしかない。
 ルルは、バシャーモよりも更に速く、早く、加速し、激流を身に纏い、突撃する。


【ルルのアクアジェット!! 効果は抜群だ!!】
『バシャーモ残りHP:30%』


 しかし、都合の良い所で急所には当たるわけもなく。
 完全に負け濃厚の雰囲気になってしまった。
 
「はっ、馬鹿な始末屋共だ!!」


【バシャーモの雷パンチ!! 効果は抜群だ!!】

【ルルは倒れた!】


 電撃を込めた拳がルルの身体を捉えた。
 そのまま、ボロボロに焼け焦げ、動かなくなる。
 そのままバシャーモに耳を掴まれると、ナノマシンが集まっていきルルが擬人化体に戻っていったのが分かった。

「ほーう、お前女だったのか。確かに、坊主にしちゃあ可愛らしい面してんじゃねーの。だが、変だな。となると……」

 卑しい笑みを浮かべるバシャーモは彼女の胸にあてがうように手を滑らせると、気づいたように呟いた。

「なーるほどねぇ。コルセットで胸を抑えていたか。大方、女の始末屋は舐められることが多いからな……男装していたってところか」
「おい、バシャーモ! こいつら殺った後、その女だけ生かしておこうぜ! 後で好き放題できるしよォ」
「仕方がねーな。和解も兼ねてってことで、良いだろ」

 ギャハハハハハ、と笑い声を上げる2体。
 完全に勝ち誇っていた。勝ちを確信している表情だった。

 


「おい、そいつを離せよ」




 だが、彼はまだ勝利を諦めてはいなかった。

「何勝った気になってんだよ、腐れギャング共」
「ああん? 何抜かしてんだァ? てめーは俺様に負けるんだよ。サザンドラがバシャーモに勝てる訳がねぇだろうがァァァ!!」
「それが、慢心だ」

 瞳孔を開いた彼は、目の前の敵を食らう勢いで睨み付けた。
 そして、進み出た。


【3人組のリーダー、ドーラが飛び出した!】


「勝てる訳がねぇって分かってても……そいつは金じゃ買えねぇ、俺の仲間だ」
「頭がイカれたか? 自分の女が見も知らずの野郎に連れてかれるんだからなぁぁぁぁん」
 
 バシャーモは、ルルの首根っこを離すと、地面を蹴った。
 空中にいるドーラ目掛け、地面を蹴った勢いのまま、下から上に膝を突き込む。
 普段こそ上から下に膝を叩き込む。しかし、今回に限っては話が別だ。
 空中に浮かぶ敵を狙い打つならば、下から上に勢いをつけた方が威力は格段に上がる。
 バシャーモはそれをしっかり熟知していた。だから確信していた。
 「殺せる」と。
 悪/ドラゴン複合のドーラにとっては即死級のダメージを与えることに等しい。
 

「死ねぇぇぇぇぇぇ!!」


【バシャーモの飛び膝蹴り!!】


 天井も突き破る勢いで跳ね上がったバシャーモは、そのままドーラの巨体を目掛けて膝を突き上げる。
 しかし。
 バシャーモは失念していた。
 まず、この状態で標的を外せば、天井にそのまま激突するということ。
 そして、もう1つ。
 ドーラの”根性”を甘く見ていたことだった。


「うおおおおお!!」


 直前でドーラは力一杯に羽を羽ばたかせた。
 根性、火事場の馬鹿力。人間にある感情の爆発から起こるパワーの増加。
 それは、ポケモンにも当てはまる。
 そして、バシャーモの膝の射程圏内を外れたのだ。
 要約すれば、つまりバシャーモの飛び膝蹴りを避けたことになる。
 びりっ、と自分の皮が破けたことに気づいた。
 掠ったのだ。
 だが、そんなことは問題ない。完全に敵の身体は天井を目掛けて跳び上がっている。

「ぐえええええ!!」

 硬いコンクリートの天井を貫き、さらに上に向かおうとするも鉄骨が喉にブチ当たり、バシャーモは悲鳴を上げた。
 そして、そのまま動かなくなり、床へ落下した。
 

【しかし、ドーラには当たらなかった!】


「皮肉なモンだ。自分の必殺技で自ら倒れることになろうなんてな」

 
【バシャーモは反動でダメージを受けた!】

【バシャーモは倒れた!】


 何であれ、だ。強引にバシャーモを突破することに成功する。
 そして、残るはマニューラのみだった。


【ギャングコンビの片割れのマニューラが現れた!】


「テ、テメェ!! ちっ、串刺しにしてやらぁぁぁぁぁ!!」
「消えろ、俺を誰だと思っている」

 しかし、ドーラの目の前に立った以上、彼はもう敵ですらなかった。
 目の前の単純な障害物に過ぎなかったのだ。

「6つの目に睨まれたが最期------------せめて命が尽きねぇことを祈りやがれ!!」
「ヒ、ヒィィィィ!!」

 今回のドーラの持ち物はスカーフ。マニューラ程度は問題なく抜かせるのだ。


【ドーラの流星群!】


「消え失せろ、雑魚がぁぁぁぁぁぁ!!」


 凶暴龍の叫びと共に、大量の流星群が降り注いだ。
 そして----------マニューラとバシャーモを完全に消し飛ばしたのだった。


【マニューラは倒れた!】

【ギャングコンビに勝利した!】