二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- パート7:暴龍警報(1) ( No.103 )
- 日時: 2015/04/03 22:36
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
「いよいよ、最後のエリアの攻略だな」
次の日だった。ボマーは、そう皆に呼びかける。ここは言うまでも無く静炎邸。そこに臨時に作られた(空き部屋)会議室である。
現在、ここには司会のボマー含め、フレイ、アクア、ムゥの4人が------------
「ちょっとまてやコルァァァァ!!」
そこまで数えた所で、ボマーはブチ切れた。
居ない。明らかに数が足りない。
「レイドは!? ガメリオは!? チャモは!? そんでもって、モーターはぁぁぁぁ!!」
「ヘーイ、ボマー! ワタシはさっきから天井裏でボマーの姿を見ていたネ!」
「何でそんなところにィィィ!? 軽くストーカーだよ、お前!!」
がたり、と天井が開いてそこから、爛々とした目を輝かせて、モーターが飛び出してくる。
もう、何も突っ込むまいとフレイとムゥは呆れていたのだった。
「仕方ねぇ、アクア! 呼んで来い!」
「……」
ノートパソコンを前にしているアクア。眼鏡の反射でいかにもインテリ系のそれを漂わせている。
が、何の反応も示さないので、ボマーが彼の肩を揺すったそのときだった。
ぐらり、と彼の身体が傾き、椅子から転げ落ちた。
「はっ!? 死んでる!?」
「いや、よく見なさい」
フレイが彼の襟を引っ張り上げると、眼鏡がずれて彼のぴったり閉じた瞼が露になった。
寝てます。完全に寝ています。
ぐーすかぴー、と寝息を立てている。
「てめーもかぁぁぁ!!」
「はわわ、朝から怒鳴らないで下さいよぉ……アクアさんだって、昨日は徹夜でコンピューターの解析をしていたのですから」
「だぁぁぁまらっしゃいやぁぁぁ、何で朝の会議から欠席アリ、居眠りアリとか、そんなんばっかなんだ、弛んでるぞおめーら! 今日は頂龍山域に行くんだぞ!!」
だが、しかし。
全員が、おめーが人のこと言えるか、と言わんばかりの冷たい眼差しを向けていた。
何故ならば、彼の服装もパジャマのそれだったからである。トレードマークのグラサンだけ掛けていたからパッと見いつも通りだと思っていた時代が我々にもありました。
「はっ! ここは、どこですか!」
「おはよう、アクア君」
「あ、あれ、ボマー先輩、パジャマでどうしたんですか、プププ」
「うるせぇぇぇ!! よくあるだろうが!! 遠足の日の朝、ついついウキウキしちゃって、パジャマのまま家を出ちゃうことってよぉぉぉ!!」
「ねーよ!! 100万歩譲ってお前くらいのもんでしょーが!!」
「会議中に居眠りする奴が何を言うか!」
「パジャマで会議の司会やってた奴にゃ言われたくねぇよ!」
この後、役10分の間、口論が続けられたのであった。
***
「いった〜い、拳骨なんて酷いよ、ボマーせんぱ〜い」
「すいやせんでした、旦那ァ。水戸黄門視てたんでさァ」
「お、俺もハァハァ、水戸黄門を」
「てめぇはぜってーちげーだろ、変態触手野郎」
ボマーが後輩にしっかりとキツいお灸を据え、しっかりいつもの服に着替えた後。
まずは、アクアがコンピューター解析の結果を伝えたのだった。
「コンピューター解析の結果ですが、そこらのネットで流通しているセキュリティプログラムを改造し、独立したコンピューターにしているようです」
「成る程ね。相手は相当やり手のハッカーということかしら」
「もう少し時間があれば、こいつらの技術を盗むこともできるのですが、今は守護級の掃討・及びエリアの開放が先でしょう」
残るエリアは唯一つ。頂龍山域だ。
頂龍山域は、まだこのエリアがボックス内の仮想空間の1つに過ぎなかった頃。誰もポケモンが住んでいなかった頃、突如ドラゴンポケモンが自然発生したエリアである。
そして、その中から最強クラスの7体のドラゴン・セブンスドラゴンが現れ、争いを始めた。
ドラゴン同士の衝突は余りにも激しく、その影響はセントラル・フィールドにも及び始めていた。
送り込まれた妖精でも、あまりの破壊力に手が付けられなかったという。
そして、何とかセントラル・フィールドの役員達がドラゴンの封印に成功したのだった。
頂龍山域は現在、自分の身体を鍛える強者達の鍛錬の場になっているのだ。
セブンスドラゴンは、カイリュー、キングドラ、ボーマンダ、ガブリアス、サザンドラ、オノノクス、ヌメルゴンの7体。
うち、5体が600族であり、そうではない2体も環境で猛威を振るった暴龍。
万が一、それが何らかの要因で復活した場合は手が付けられない。そうなったときに備え、マスターは同じ種族のドラゴンを育成していたのだ。
いや、そんなことは最初は知らず、単なるドラゴンタイプ好きだったのもあるが。
「”燃えよ! ドラゴンタイプ”という大会がこの間行われたが、今挙げられたセブンスドラゴンは、そこでも公式で運営にピックアップされた種族だ。それくらい、環境で暴れまくった。
カイリューはマルチスケイルで積む起点を作り、神速逆鱗で全抜き。別名・”マルスケデブ”。
キングドラは雨の下で脅威の火力と素早さを手に入れる。別名・”妖怪水をくれ”。
ガブリアスは言うまでもない環境のトップメタ。別名・”お前そろそろ引退したら?”。
サザンドラは高い特攻から放たれる高火力技と、耐久の高さで敵を殲滅。別名・”弱いもの虐めのプロフェッショナル”。
オノノクスは最高クラスの攻撃種族値の持ち主。別名・”思考停止逆鱗ぶっぱの時代はもうおせーんだよ、ヴァーカ!!”。
ヌメルゴンは高い耐久と、タイマン性能の高さ。別名・”R18のお供”。
そして、ボーマンダは圧倒的超火力による受けづらさ。別名・”空を飛べるイケメン最強700族”。
いずれも、相手にしたくはない敵だ」
「別名に悪意と傲慢さが滲み出てるわよ!!」
ボーマンダではなく、もうゴーマンダに変えてしまっては如何であろうか。
「んでもって、どの道あのエリアは危険だ。今回は全員で行こう」
「ですが、このエリアは誰が守るんですか」
「今まで敵は向こうからやってこなかった。よって、今回も来ないだろう」
今回のエリア攻略は最後というだけあって、かなり重要なミッションである。
総戦力を持ってして、立ち向かうべきなのだ、と彼は結論付けた。
「……オーケー、分かりました。確かに、少ない数で行けばこの間の僕らのような目に遭いかねませんし」
「そう来ないとな」
画して、頂龍山域への総力戦が決まったのである。
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----------来タカ、ツイニ……!!