二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- パート7:暴龍警報(3) ( No.105 )
- 日時: 2015/04/07 21:25
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
野生のオノノクスである。取り押さえられて動けないボマーに、鋭い斧のような刃を突き立ててくる。何度もそれを寸前でかわし、地面にそれが突き刺さる様を見る。
「らあああああああ!!」
【アクアの冷凍パンチ!】
直後、オノノクスの巨体がアクアの拳で吹っ飛ばされた。ボマーは何とか一息ついて起き上がる。
見れば、先まで腰を抜かしていた門番が急に通信機に向かって叫んでいた。
「おいっ、妖精軍団は何やってるんだ!! 何で逃がすような真似を!! ……なに!? 馬鹿な!! 妖精が龍に負ける訳が無いだろう!?」
そして、再び立ち上がるオノノクスだが---------
「ボマーに手を出した罪は重いネ!! キャピタル・パニッシュメント(死刑)執行デース!!」
「一瞬で消し炭になりなさい!!
既にフロストロトムとなっていたモーターと、シャドーボールを溜めていたフレイが真正面に立つ。
そのまま、猛吹雪と影の弾がオノノクスに襲い掛かった。
爆発音が轟き、砂埃が舞う。オノノクスの断末魔も同時に響き渡った。
「やった!?」
「それ、死亡フラグだっつーの!!」
砂埃が薄れてオノノクスの居た位置が明瞭になった。
そこには、氷の柱が立っていた。中には物の見事にオノノクスが閉じ込められている。
最後に追い討ちと言わんばかりにフレイがシャドーボールを放ち、氷の柱は粉々に砕けたのだった。
オノノクスのデータ片が転がっている。
「全く、何なんだったんだァ、こいつは」
と、ボマーがそこに近づいたときだった。
『バックアッププログラム、再起動。肉体を再生します』
直後、バラバラになっていたはずのオノノクスの肉片がそのままパズルのピースのように合体し、再び----------
「ギッシャアアアアア!!」
竜として顕現した。
「な、馬鹿な!! 何の治療も無しに今のダメージを回復できるわけがねぇ!!」
「おかしい、これはおかしいですよ、ボマー先輩!!」
普通、今ほどの損壊を食らったデータ生命体は何の処置もしなければ、そのまま消えるしかない。
しかし、このオノノクスはまるで自分が不死身と言わんばかりに、どっかのダイハードよろしく復活したのだった。
「これでも、食らいやがれィ!!」
「いっくのです!!」
今度は2人が原型となり、技を放つ。
【ガメリオの冷凍パンチ!!】
【ムゥの氷柱針!!】
ガメリオの冷凍パンチが炸裂し、オノノクスの巨体が凍りつく。
そこに、氷柱の針が何本も頭蓋に突き刺さり、再び氷像となったオノノクスは砕け散った。
が。
『バックアッププログラム、再起動。肉体を再生します』
「ギッシャアアアアアア!!」
再度、肉体を修復し、立ち上がるオノノクス。そして、今度は咆哮と共に尻尾でガメリオを弾き飛ばした。
【オノノクスのドラゴンテール!!】
巨大な尻尾が胸に食い込み、血反吐が出たのが、分かる。
そのまま、翼もないのに吹っ飛び、身体が空を斬る感覚を覚えた。
そして、ムゥと激突した。
その瞬間に、擬人化体に弾みで戻ってしまう。
「い、いたたたた、なんつー馬鹿力だ、オイ」
跳ね飛ばされて、ムゥに圧し掛かった形になったガメリオは、自分の手がどこにおかれているか気づく。
むにむに、と柔らかな感触-----------
「……あ」
「がーめーりーおーさぁぁぁぁん!?」
うるうる、と涙目になった彼女の顔が、映った。
あ、やべ、と彼は咄嗟にそこを退こうとするが、ぐさり、と頭に何かが刺さって悲鳴を上げた。
一方、アクア達はこの何度も再生する敵を考察していたのだった。
「成る程、此処を立ち入り禁止にしていて、妖精軍団を送り込んでいた理由がようやく分かりましたよ。こんなヤバいのが居たら、そりゃそうしますか」
「こいつぁ、ヤベェ。しかも、多分こいつ1体だけじゃねぇはずですぜィ」
「お前の頭氷柱刺さってびゅーびゅー血が出てるが、お前の方がヤバくねぇか。ま、でもこれでラッキースケベ属性獲得だ、喜べ」
「いらねーよ、こんな目に遭うならゲボッ、あんたじゃあるめーし」
「悪い、俺は真性のスケベなんだわ」
「あんたの属性の方がいらねーんですがねィ」
「てめーら好い加減に目の前の敵に集中してください、しやがれ」
恐らく、この何度も再生する敵は、データを幾つにもバックアップしており、さらにそれを無尽蔵にコピーする能力を持っているのであろう。
----------この様は、不老の癌細胞のそれですか。
そう、アクアは感じた。厄介極まりない。
「まるでよぉ、掃討斑も始末屋も駆逐できなかったセブンスドラゴンに似ていねーか?」
「いや、ひょっとしたら-----------」
アクアはメガシンカし、オノノクスを冷凍パンチで殴りつける。
氷像となるオノノクスだが、
『バックアッププログラム、再起動。肉体を再生します』
再びその肉体を、電脳空間に復活させた。
「こいつこそが、龍の骨に封印されていたセブンスドラゴンかもしれません」
「なーるほどねぇ」
ボマーが今度は進み出た。
そして、アクアに「なあ」と問いかける。
「弱者は知恵・奇策を持って強者を食らう。だが、強者は強者に対してどうするか」
「はいはい、分かってますよ。力づくで捻じ伏せるのがベネ、と」
「ほんっと脳筋ね……」
「それが旦那の良いところだと思いますがねィ」
「今回のエリア開放---------ひょっとすれば昔のセブンスドラゴンの戦いに決着を着けることができるかもしれねーぜ」
にやり、と笑ったボマーは高らかに宣言する。
「この、俺様がドラゴン共の頂点に立つことでなっ!!」
不安そうな顔でフレイは言った。
「大丈夫なの? 下手したらあんたが----------」
「俺を誰だと思っている。皆を頼んだぞ」
「お供します」
「おうっ、着いて来いアクア!!」
アクアは擬人化体のままで、ボマーのサポートに徹する。
一方、原型となったボマーが唸りを上げて、オノノクスに突貫した。そのままメガシンカし、勢いよく喉元を食い破った。
普通ならばダメージは愚か致命傷。
しかし、再びオノノクスはバックアップデータを別の次元から復活させ、再びボマーへ襲い掛かった。
【オノノクスの逆鱗!!】
怒り、暴れ、狂うドラゴン。
そのままボマー目掛けて突貫した。
止める術はない。
「これならどうだぁぁぁ!!」
だが、止める術がないのならば、正面から迎え撃つだけだ。
【ボマーの捨て身タックル!!】
つまり、こちらも暴龍で対抗するしかないのだが、これが一番手っ取り早い。
そのまま刃のような翼でオノノクスは真っ二つになる。
再び、再生をしようとするが----------
「何度も同じ手は使わせないですよ!!」
アクアの作ったウイルスが、バックアップデータを取り寄せようとするオノノクスのプログラムに進入した。
そしてそのまま、火花を放ち----------オノノクスは爆発四散した。
「力の俺様に」
「頭脳の僕がいれば、敵はありません」