二次創作小説(映像)※倉庫ログ

パート7:暴龍警報(22) ( No.134 )
日時: 2015/05/06 22:20
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

「何だ、これは-----------!?」

 突如、今まで大人しくしていた敵のボーマンダがアメーバのような形状になる。
 同時に、守護級のミミロップは身体がどろどろに溶けていき、丸い核のような物が剥き出しになった。
 そして、そこにアメーバのようになったボーマンダが覆いかぶさる。
 核のような物は光り輝き、1つの巨大な龍となる。
 同時に、神殿が音を立てた。
 地震のように揺れ始める。
 小石や砂が天井から降ってきた。不安そうな顔でムゥが呟く。

「な、何が起こってるんですか!?」

 次の瞬間、柱にヒビが入った。
 
「まずい、崩れるぞ!! 皆、俺の背中に乗れ!!」

 ボマーは叫ぶと、そのまま全員を背中に乗せた。

「どうなってやがる!? あの野郎、まさか味方を吸収して更に強くなるつもりかよ!?」
「分かんない! だって、あいつらのこと知ったつもりになってたけど、まだ何か隠してるなんて!」
「あ、出口が塞がってます!!」
「お前ら、耳塞げぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 キィィィィ、と空気を吸い込む音が聞こえた。


「ハイパァァァァ、ボォォォォォォイス!!」


 彼の咆哮は質量を持った衝撃波となり、そのままがれきを一気に吹き飛ばした。
 そのまま、外へ脱出する------------!!


 ***


「おいおい、嘘だろ------------!!」

 一直線に天を衝く巨大な龍。
 それは、まさしく、天を裂く神々しさと禍々しさを兼ね揃えた何かだった。
 擬人化体に戻り、肩で息をしていたボマーだったが、いよいよ呼吸が止まりそうになる。
 目の前の敵は恐ろしく強大だ。
 

「---------ようやく、俺様の進化に気付いたようだな-----------!!」


 声を上げたのは、守護級-----------いや、レックウザだった。

「伝説の力を手にした影……俺様は最早、守護級(ガーディアン)などというちっぽけな存在じゃねえのよ!! 本来なら、俺のような下っ端がこの姿になるなんてとんでもねぇ。だが、セブンスドラゴンの膨大なエネルギーはそれを可能にした!!」 
「ふざけんな!! こんなことが有り得るか!!」

 クハハ、と笑い声を上げたレックウザ。
 同時に、1体の携帯獣が影として出現する。
 それは余りにも凶悪なオーラを放っていた。

「デオキシスだと---------------!?」

 これもまた、伝説のポケモンだ。呼び出すポケモンが、これほどの存在になろうとは、誰が予測したろうか。
 ----------畜生!! 本体が伝説なら、呼び出す手下も伝説かよ!!

「野郎……前にクナイさんが言っていた……禁止伝説ポケモンの姿を借りた最悪の悪性プログラム……」

 ガメリオは、擦れ擦れの声を絞り出す。
 種族値が高い故にレーティングでは規制されるポケモン、禁止伝説。その姿を借りているのだ。いかにチート染みているかが分かる。

「……”弩級”……!! ”弩級携帯獣”だ……!!」
「なーるほど。強いて、今の奴に名前を付けるとすれば、”守護弩級”といったところか」
「安易なネーミングね……でも、ヤバいのは分かるわ。禁止伝説の姿を借りてくるなんて」
「はわわわ、まずいのです-----------」

 さて、とレックウザは目をギラ付かせた。

「まずは、どいつからやろうかなぁぁぁぁぁぁ!!」

 次の瞬間、レックウザの口から光線が放たれた。

「えっ、嘘----------!!」

 一瞬で、フレイ、そしてモーターの居た場所が破壊された。
 爆風で全員が吹っ飛ばされる。

「く、いたたたた……!! フレイ、モーター!!」

 見回すと、既にモーターとフレイは戦える状況では無いようだった。
 
「う、動けない……!」
「ソーリー、ボマー……」
「くそっ、ガメリオももう無理だ-----------!! 後は、ムゥ、お前と俺しかいなってのかよ」
「……」

 しばらく押し黙っていた彼女だったが、キッと目の前のレックウザを睨みつけて言った。


「私、戦います!!」


 その言葉に一番驚いたのは、フレイだったであろう。
 あの弱虫のムゥが。
 あの泣き虫のムゥが。
 
「ダメよ!! 死にたいの!? 嫌よあたしは!! もう誰も、仲間は失いたくないの!! あんたが行くくらいなら、あたしが行くわ!!」
「フレイさん!!」

 彼女は叫んだ。


「フレイさんが、あたしに勇気を教えてくれたんです。フレイさん達が戦う姿を見て、あたしもああなりたいって思ったんです!! あたし、後悔はしません!! むしろ、今のレックウザに対抗できるのは、氷タイプのあたしです!!」


 フレイは言葉を失った。ムゥは自分が怒鳴った頃のムゥではなくなっていた。戦いを通し、携帯獣として強くなっていたのだ。
 待ちな、とボマーは彼女の肩を叩いた。


「ドラゴンに傷を付けられるのは、ドラゴンだ。俺も勿論戦うぜ」


 いつもの笑みを浮かべながら、彼は言った。

「フレイ。どの道お前の体はボロが来てる。休んでろ」
「……ごめん」

 呟いたフレイは、力が抜けたように倒れる。
 
「茶番は済んだか……?」

 レックウザは邪悪な眼差しでボマー達を見た。

「うるせー。その面圧し折ってやるぜ、レックウザ」
「先発は私が行くのです!」
「ソーリー、ボマー。万が一のときは私が行くネ!」
「オーケー。頼むぜ!!」


 選出確定
・ボマー
・ムゥ
・モーター

 
 まさかの連戦。
 しかし、これが真の最終決戦だ。
 相手は伝説ポケモン。それでも、立ち向かうしかない。


「いくぞ、おめーら!! こいつを倒せば、最後のエリアを解放できる! 気張ってこーぜ!!」