二次創作小説(映像)※倉庫ログ

パート7:暴龍警報(24) ( No.136 )
日時: 2015/08/03 14:16
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

【黒い影が集合していく----------------!!】

 先ほど、切り刻んだはずのレックウザとデオキシスの身体が再び、集合していく。
 そして、強大な1つの影を作り出した。
 その影はとてもおぞましかった。
 何故ならば、自分が知っている限り、此処までのポケモンはいない。
 迫力、単純な熱量、重量感。
 この3つを完全に兼ね揃えたポケモンがそこに立っていた。

「弩級? ふははは、これが最終形態の超怒級と呼んで貰おうかぁぁぁぁぁ!!」



【朱護超怒級のグラードンが現れた!!】



 その戦いを見守っていたフレイ達。
 見れば、目の前には怪獣のような姿をしたポケモンがあった。
 大陸ポケモン・グラードン。
 ホウエン地方の伝説のポケモンで、レックウザでなければ止めることができなかったほどの日照りを起こしたとゲームでは伝わっている。


『ボマー残りHP:100』


 「……奴を……仕留める!!」
「出来るかなぁ? この俺様を!! 俺様は超弩級携帯獣となったのだ!! お前など、虫ケラ同然よ!!」

 吼えたグラードンは、大地と共に震動した。
 そして、黒い影が一気に自らを包み込む。
 暗雲が広がっていく。
 しかし、空は黄金の太陽が照り付けており、自分の身体が蒸発してしまいそうな勢いだった。
 そして、グラードンの身体が黄金の太陽と共鳴するように光に包まれた。
 メガシンカではない。
 
「ま、まずいですぜィ……!! あいつがゲンシカイキしたら------------------!!」
「このボックス……蒸発するわよ!!」
「固体が一瞬で気体になるってこと!? ベリーホット、じゃすまないヨ!?」
「一瞬じゃないわ、流石に……でも、このまま奴を野放しにしていたらの話よ!!」

 遂に、グラードンが赤い宝石のようなものに閉じ込められた。
 しかし、それは奴自体が作り出したエネルギーの結晶だ。
 それがどんどん膨れ上がっていく。
 そして----------------爆ぜた。



【グラードンはゲンシグラードンにゲンシカイキした!!】



 その姿を、余りの光にしばらくは直視することができなかった。
 しかし、ようやく目を開ける。

「ひっ」

 フレイは思わず声を漏らした。
 ゲンシグラードン。それが敵の名前だった。ゲンシカイキとは、封印された原始の力を解き放つ行為なのだ。
 しかし、その身体ははっきりとは見えない。余りの熱量に陽炎が出来ているのである。
 そして、体から溢れ出るエネルギーは溶岩そのものとなり、体中を巡り巡っていた。
 極めつけは------------自分の身体が干上がるほどの熱だった。

「あ、暑い-----------!! いや、身体が熱い!!」
「水、水が……!!」
「もう無理……何も考えられないネ……!」

 それだけではない。倒れているムゥにもこれは危険な状態だ。
 炎タイプのフレイでさえ、悶絶しているというのに。
 これがゲンシグラードンの特性:終わりの大地だった。その太陽は絶対に沈まない。
 大地が灼熱、そして気化するまで永遠に照らし続ける。
 ボマーでさえ、熱でどうにかなりそうだった。


「くっそおおおおおおおおおおおおおお!!」


【ボマーの地震! 効果は抜群だ!】

『グラードン残りHP:50%』


 地面に降り立ち、揺さぶりを掛けたものの、ギリギリ確定2発という始末。
 しかも、ボマーを襲った悲劇はこれだけではすまなかった。


「ギャアアアアアアアアアアアアアア!!」


 最早、人格さえも失ってしまったのだろうか。グラードンはただただ悲鳴のような声を上げるだけだ。
 憎悪の集合体だからだろう。
 そして、そこから放たれる溶岩が、雨のようにボマーへ降り注いだ。
 同時にそこから煙が発生し、じりじりと焼いていく。


「ぐあああああ!?」


【グラードンの噴煙!! 急所に当たった! 効果はいまひとつのようだ】

『ボマー残りHP:33』


 終わりの大地によって強化された炎業の威力は伊達ではなかった。
 半減でもごっそり体力を持っていかれる。
 それだけではない。
 全身がじりじりと焼けている。


【ボマーは火傷になった!】


「ボ、マー……」
「くそ、今日の俺は、空元気を積んでいないんだぁ……ゲホッ」

 血反吐が出るような苦しみ。噴煙は火傷させる確立が30%とかなり高いほうだ。しかもそれを急所に食らったのだから無理は無い話である。
 全身がデータのキューブが蒸発しだした。
 とうとう、終わりの終わりが近づいてきたといったところだろう。
 もう、地震ではグラードンを倒すことは出来ない。
 ----------奴にまともなダメージを与える手段が1つだけある。だが、チャンスは一回だ。

「皆ぁぁぁ!! 俺を信じて祈ってくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 力の限り、叫んだ。
 意識が朦朧としていたフレイ達は、その言葉で目が覚める。

「ぼ、まー……何言ってんのよ----------! あたし達は最初っからあんたに全部賭けてるわよ!!」
「旦那……ゲホッ、あんただけが頼りだ!」
「絶対、絶対、勝つって信じてるヨ!!」

 じりじりと燃やされていく身体。
 しかし、それさえもエネルギーになる気がした。
 ---------お願い、神様!! ボマーに力を!!
 ---------旦那は負けない、絶対に!!
 ---------いっつも先陣切って戦ってくれたヨ!!
 ---------ぼまー、さん……!
次の瞬間だった。
 ボマーの身体に、落雷のようなものが落ちてくる。
 全員が悲鳴を上げ、驚愕の表情を浮かべるが、それは落雷ではなかった。
 ボマーの目に、力が戻っている。 
 
「これは……マスターか!! ったく、いっつもてめぇはおせーんだよっ!!」

 目の前の敵に全意識を集中させた。
 そして、仲間が背中を押してくれた気がした。
 今此処に、ドラゴンタイプ最強の技を放つとき------------!!

「消し飛べ、永遠に蘇るんじゃねえええええええええええええ!!」



【ボマーの流星群!!】



 次の瞬間、巨大な隕石がグラードンへ降り注いだ。
 特殊技ならば火傷していても関係ない。
 そして、一気に大打撃を与えることができる。
 グラードンの身体が砕け散っていく。
 そして、1ビットも残さず全ての悪しきデータを--------------破壊し尽くした。



【グラードンは倒れた!!】

【山域の番人との勝負に勝った!!】