二次創作小説(映像)※倉庫ログ

パート1:セントラル・フィールドへ(7) ( No.146 )
日時: 2015/12/19 19:11
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: S0f.hgkS)

【チーム・モノクロ BOHメンバーズが勝負を挑んできた!】

【行け、ガメリオ!】

 
 先発で飛び出したのは、ガメリオであった。相手の型にもよるが、先発は恐らくサーナイトのココロである、と踏んだのだ。
 しかし。ガメリオは残る2つの可能性も捨てることが出来なかった。
 -----------サーナイト以外でもう2つ、先発に来る可能性が高いポケモン。まずは、気持ち悪い方のラグラージのラグナロク。そして-----------



【BOHメンバーズはトンベリを繰り出した!】


 ------------相性は最悪ですねぃ……!!
 ヤミラミ。それは、ボックスでカフェ兼情報屋を営んでいるのが約一名程いるのはガメリオも知っていた。
 彼女の実力も知っている。
 故に。これから起こることが何となーく読めたのであった。

「まずいな、ありゃ」
「最悪ね」
「ガメリオさんは物理技か毒しかダメージソースをもちません……! でもでも、相手のヤミラミって-----------」
「物理技を封じる”鬼火”。変化技を封じる”挑発”。極めつけは、ダメージ回復ソースの”自己再生”はあると思った方が良いな」
「そんな! 完封されちゃうじゃないですか!」

 ヤミラミの特性は”悪戯心”。それは変化技の優先度を+1して出すことができるというもの。
 先回りして相手の行動を封じることに特化した特務型のヤミラミは、装甲型のガメリオにはかなり分の悪い相手と言えよう。

「だから、此処は読み合いだな。まず、此処で出しても失敗しない手は何だと思う?」
「出しても失敗しない手、ですか?」
「ああ。それは、”どくどく”だ。例えば、相手が挑発を打った場合はフレイに引けば良いし、鬼火を打ってきても、猛毒を盛るという最低限の仕事は出来る」

 -----------そうだ。しかも、相手は”裏にフレイさんがいる”という前提で進めているはずですぜぃ、ボマーの旦那。
 ガメリオは小声でボマーに言った。頷く彼は「そりゃ、毎度焼かれてっからな」と言った。
 一方のトンベリもボソボソ、と後ろの仲間に向けてか、何か言った。フードで目は隠されており、素顔ははっきりとは分からない。
 しかし、たった今。確かに原型へと”成った”。
 露になった気難しそうなその顔は、策謀家のそれだ。

『タク
カクレオン(ガメリオ):装甲
HP:167/167』

『モノクロ
ヤミラミ(トンベリ):特務
HP:100%』

「……成る程、執念深そうな……面倒そうな面しているねィ」
「オレは……やることは……やる……お前を……封じる」
「悪くない……いや、むしろ好きだねィ。そういう奴は」
「……お前、煩い……黙れ」

 うっとおしそうな表情でトンベリは言った。
 そしてそのまま----------
 ----------安定手は挑発------------しかも裏にはシャンデラがいる……!!
 哀しいかな。その思考は、今まで何度も彼女に焼かれたことがあるからか。
 だが、身代わりが封じられた場合、フレイの選択肢はかなり狭くなる。
 そう。
 後続の”彼女”のためにも、奴を封じねば------------!!

「補助技は使わせ-----------」

 しかし。次の瞬間だった。
 ぞっ、と後ろから危険な気配を感じる。


「----------いつから俺が毒を盛ると錯覚していた?」


【ガメリオの影打ち!!】


 ザクリ、ガメリオの爪がトンベリを切り裂く。
 しかし。そこは流石耐久型。彼程度の攻撃などは恐れるに足りない。
 だが、問題はそこではない。
 雷切達からすれば、彼の次の行動が分からなくなってしまったのだ。

「えほっ、バカな……!」
「残念ながら、この俺にはお見通しだ。ま、経験の差だぜィ。俺の闇は、お前の闇なんかよりも、ずっと深く、ずっと濃い------------!!」


『トンベリ残りHP:95%』


 -----------補助技を打ってこなかった? 裏にシャンデラが居ないのか? それとも、アタッカー型だから、こいつを突っ張らせるしかないのか? 
 

【トンベリの挑発! ガメリオは挑発されてしまった!】


 これで補助技を使ってくるという選択肢は潰したものの、雷切側からすれば次の行動が分からない。 
 一方のボマー側は、これで一気に安定行動が増えたことになる。

「……やることは……やらないと……!!」

 トンベリが有利に試合を進めるには、目の前の敵に致命的なダメージ……即ち、攻撃力低下による機能停止をさせてしまえば良いのは言うまでもない。

「……ボマーの旦那」

 一方、小さい声でガメリオはボマーに囁いた。
 こくり、と彼も頷く。

「嗚呼。それで行くか」


 次の瞬間。今度は青い炎がガメリオ目掛けて飛んでいく。トンベリが鬼火の体勢に入ったのだ。
 しかし。相手が行動したということは、ボマー達も行動を決めたということ。
 そう。ガメリオの取った行動は-----------


「そんじゃ、一旦オサラバするぜィ」


『戻れ! ガメリオ!』


 ----------”交換”であった。
 そして、交換によって現れたのは-----------


「あたしの出番ね。全部燃やしてあげるわ」


『頼んだぞ! フレイ!』


 フレイだ。
 ----------……しまった。……さっきまでの行動、全部ブラフ……!?
 ----------悪いな。ブラフにブラフを重ねる、それが戦いの常套句だぜ!! 俺様の頭は悪いが、こいつの頭は舐めて貰っちゃ困るってもんよ! リーダー=参謀のそっちに対し、こっちはリーダー=エース。ならば参謀は誰か。答えは簡単!!
 ----------ボマーの頭はすこぶる悪いはず--------なら、あのカクレオンが参謀----------! そしてオレ達はまんまとハメられた-----------!
 ----------成る程。ちったぁやるようになったわけか、ボマー共も。良い参謀を手に入れたじゃねえか。


【トンベリの鬼火! しかし、フレイには効果が無かった!】

 
 炎タイプのフレイには、鬼火は通用しない。
 まさに、無償光臨となった。

 
『タク
シャンデラ(フレイ):駆逐
HP:135/135』


 
「まずい……」
「今更後悔しても遅いわ。あたしの火力の高さ。あんたも知ってるはず。あんたらのところの”攻めの要”も、”守りの要”も、あたしの前では燃えカス同然……つまり、あたしの火力は最強よ!! 焼き尽くしてやるわ!!」

 何時になく、自信満々な態度をとる彼女。
 ----------何だ? 今日のフレイ、やたら張り切ってるっつーか-------!!
 HP特化ヤミラミ程度ならば、フレイは火炎放射で焼き尽くせる自信がある。
 しかし。特防に努力値を多少裂かれていた場合。あるいは特防特化だった場合。
 反射技・メタルバーストを持つヤミラミにこのまま突っ込むのは、かなり危険といえよう。

「-----------おい、大丈夫なんだろうな!」
「-----------平気よ。こいつの後ろにも多分居ると思うけど-----------そいつごとき、”あたし1人”で焼き尽くせる範疇だわ」
「それがお前の悪いところだ、調子に乗りすぎだぞ!!」
「うるさいわね!! あんたにだきゃ、言われたかないわよ!!」

 強い口調で言い返したフレイは、どこか強がっているように見えた。
 まるで、いつもの彼女とはどこか違うように見えた。

「……冷静にやってくれると良いんだが」

 
『タク
シャンデラ(フレイ):駆逐
HP:135/135』


 -------------今のオレは、特防に努力値を割いている……耐えられる。”必殺の”一撃を決められる……。
   



 ***



 ——オオオオオ……!!