二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- パート1:セントラル・フィールドへ ( No.150 )
- 日時: 2016/07/30 09:57
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
【影の携帯獣のクチートが勝負を仕掛けてきた!】
【いけ! フレイ!】
初手。
取り敢えず、脚の遅いポケモンを起点に出来るフレイが進み出る。
彼女の型はいつも通りの火炎放射、シャドボ、エナボ、身代わりで持ち物はラム。
正直、これが一番強いのだから仕方がない。
ある時は交代読みで出て来たバンギにエナボをブチ当てた後に、電磁波を起点に身代わりを張って、エナボでごり押しして追い詰め、交代したスイクンもエナボでごり押し、そのまま相手を降参に追い込んだ程度には強い。
その火力、C145。彼女のネックウォーマーにもそうプリントされてある。
彼女に一貫を作った時点で相手は負ける。そう思わせるほどだ。
しかし。
【相手の影はヌメルゴンを繰り出した!】
「ごめん、パス」
——シャンデラとは非常に得意不得意が分かれるポケモンである。
確かにBDも90あり、並み大抵の不一致弱点程度では落ちない。
が、しかし。
現れたのは600族最強の特防値150を誇り、不一致の特殊弱点では一撃で落とすのはほぼ不可能に近いヌメルゴンだ。
体力もギルガルドより高いため、実質特殊耐久はギルガルドのシールドフォルムを上回る。H4振りだけでH244ギルガルドと同じ耐久値を持つことからも圧巻の特殊耐久がお分かりだろうか。
火力は他の600族より低いが、その耐性故に特殊技で落とすのは至難の業だ。
特にシャンデラにはヌメルゴンへの有効打がない。一致等倍で落とす前にこちらが落とされてしまう。
「ヌメルゴンは特殊型が多い——! 此処はガメリオ、あんたに託すわ!」
「了解でさァ! 今回の俺はいつものチョッキアタッカー型! ヌメルゴンの技くらい、受けきれますぜぃ!」
「恐らく撃ってくるのは龍技か……まあガメリオならいけるだろ」
特殊防御が高いのは我がパーティのガメリオも同じであった。
特に変化技と引き換えに圧巻の特殊耐久を与える突撃チョッキを装備した今のガメリオならば特殊アタッカーを受けきることは難しい事ではない。
ヌメルゴンは特防は化物のように高いが物理耐久はそこまで高くないので、ガメリオの変幻自在で一致技となった物理技で攻め落とすことも難しくはないだろう。
ボマーはこの時、そう思っていた。
そう、この時だけは——
【もどれ、フレイ!】
【任せた、ガメリオ!】
「よし、俺の参上ですぜぃ!! さあ、流星群だろうが龍波だろうがなんでも来やがれってんだ——」
そう言い、構えるガメリオ。
虚ろな目をした、相手のヌメルゴンは技の構えに映る。
鈍重な動きではあるが、その火力は決して高くは無い。
受け止めることは容易い——
【ヌメルゴンの逆鱗!】
——物理技でさえ無ければ。
「え、ちょ、おま——」
次の瞬間、怒りのままにヌメルゴンがガメリオの身体を弾き飛ばす。
ヌメルゴンの物理火力は特殊のそれよりも低い。
しかし。カクレオンもヌメルゴン同様防御の種族値が低いのだ。
そのまま地面にめり込んでしまう。
「ガ、ガメリオー!?」
「ちょっ、まともに食らったけど大丈夫なのアレ!? カクレオンって防御種族値70しかないわよね!?」
「偶然だな。ヌメルゴンも70だ。カクレオンは120で特防種族値はこっちのが低いけど——ってオイ、大丈夫か!?」
と、叫んだ途端に影が飛び出す。
どうやら何とか逃げ出せたらしい。
辛うじて彼は立っていた。
『ガメリオ残り:52/167』
「あ痛つつつつつ……まさかの物理型ヌメルゴンかよ……こりゃ受けるのは無理ですねい、旦那ァ」
「クソッ、物理型ヌメルゴンのことがすっかり抜け落ちてた……仕方ねえ、死に出しで俺が行く。出来るだけ削ってくれ」
「りょ、了解でさぁ……」
ぐったりとしていたガメリオだったが、何とか持ち直す。
再び暴れ出すヌメルゴン。しかし——
「先制技なら俺だって持ってるぜぃ!! 食らいなッ!!」
【ガメリオの不意打ち!】
【特性:変幻自在で悪タイプになった!】
——その俊敏な動きでヌメルゴンの視界から消えたガメリオは、そのまま爪による一撃を背後から食らわせる。
鈍重な体重の従うままに、地面へ倒れ込むヌメルゴン。
流石に一撃で倒す事は出来なかったが——
『ヌメルゴン残り体力20%』
「何だ? ヤケに柔らけえな」
「まあ、物理耐久は低いけど——」
【急所にあたった!!】
「お、おお……流石だぜガメリオ!!」
妙に高かったダメージは急所のおかげだったのだ。
何であれ、これでヌメルゴンの突破は容易になる。
「意地は貫いた。後は頼みましたぜぃ、旦那ッ!!」
「おうっ!!」
起き上がるヌメルゴン。
再び暴れ出し、ガメリオを殴り倒した。
そのまま吹っ飛ばされるガメリオ。流石に耐え切れない。
【ヌメルゴンの逆鱗!!】
【ガメリオは倒れた!!】
どさぁっ、と地面に突っ伏すガメリオ。
しかし。
これで突破口は開かれた。
【タクはボマーを繰り出した!!】
「そんじゃ俺様の出番だな」
前に進み出るのはボマーだった。
そのまま擬人化形態を解き——自らの真の姿を現す。
「相手はまだ逆鱗状態が解けてない——なら、いける!」
怒りに任せて狂い暴れる軟体龍を睨み、ボマーはその翼を広げた。
そして、大きく、咆哮する。
【ボマーの威嚇で、ヌメルゴンの攻撃力が下がった!】
これで攻撃力も削いだ。
「そんじゃ行くか——お待ちかねのメガシンカ!!」
咆哮するカロスの軟体龍。
相対するはホウエンの暴慢龍。
その脚に枷の如く嵌められたメガストーンが——共鳴を起こした。
進化の光がボマーの身体を包み込む——
【タクのメガバングルとボマーのメガストーンが反応した!】
真紅の翼を広げ、プロテクターを身に着け、咆哮したボマーは地面へ降り立った。
これこそが更なる高み、メガシンカ。
このボックス最大の切札となる存在であった。
【ボマーはメガボーマンダにメガシンカした!】
「ノガサン……ノガサンゾ……!!」
「へっ、誰も逃げやしねぇよ!! 教えてやる。この世界の常識——」
次の瞬間、ボマーの身体に赤い稲光が現れる。
そして、彼の戦意がどんどん高まっていく——
【ボマーの竜の舞! ボマーの攻撃と素早さが上がった!】
「——ボーマンダは初手竜舞ってことをな!!」
これにより、ボマーの攻撃と素早さは一段階ずつ上昇した。
しかし、このままではヌメルゴンの逆鱗をまともに食らってしまう。
幾らボーマンダでも一致弱点では耐えるのは難しい——ただし、メガボーマンダとなれば話は別だ。
【ヌメルゴンの逆鱗! 効果は抜群だ!】
暴れ狂うヌメルゴンの腕がボマーへ炸裂する——しかし。
「んだよ。その程度か?」
「ナ、バカナ……一致弱点ダゾ……!? ギイイッ!?」
【ヌメルゴンは反動で混乱した!】
「俺は威嚇さえ入ってりゃガブの逆鱗でも耐えられるんだ。舐めんな」
『ボマー残り体力:79/171』
確かに手痛い一撃ではあった。
だが、彼はまだ戦える。
メガボーマンダの物理耐久は威嚇と合わせることで、タガの外れたものとなりえる。
大抵の物理攻撃、場合によっては4倍弱点でも耐える事があるのだ。
故に——ボーマンダはガブリアス、ましてヌメルゴンの逆鱗を起点にすることなど容易い。メガシンカで強化されたのは火力だけではない。その脅威の物理耐久は無振りでも十分に発揮される。
全ての弾を防盾で弾き返す戦闘機のように攻撃を受け止め、そして全てを殲滅する爆撃機のように破壊を振り撒く。それがメガボーマンダの戦い方なのだ。故に、よりデリケートで慎重かつ大胆な動かし方が必要である。
「んじゃ、いい加減落ちて貰うぜ。捨て身タックルで今反動を食らうのはアレだから、空元気を代わりに食らって貰おうか——!!」
スカイスキンで底上げされた火力では、素の空元気すら強力な威力に成りえる。
竜の舞を積んだ後は、捨て身タックルと違い、反動を食らわない強力なダメージソースにもなるのだ。
物理耐久の低いヌメルゴンは、上空からのその攻撃を前にして落ちるしかない——ボマーが構え、翼を三日月の形へと変え、空へと飛び立ったその時であった。
【相手の影はヌメルゴンをひっこめた!】
「んあ? 交代? まあいい、大抵のヤツは負担を掛け——」
余裕そうな笑みを浮かべたボマーの表情は——次の瞬間、歪むことになる。
「キャハハハハハ、キャハハハハ……美味しそうねぇ……味見、味見させててよぉ……!!」
【相手の影は、クチートを繰り出した!】