二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- パート1:セントラル・フィールドへ ( No.153 )
- 日時: 2016/12/23 21:54
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: y0p55S3d)
【ガルーラはメガガルーラにメガシンカした!!】
現れてしまった。
最強のメガシンカポケモン・メガガルーラ。
特性・親子愛による二回攻撃は勿論、耐久・速度ともに文句なし、ノーマルタイプであるが故に弱点が格闘のみというイカれた性能の持ち主だ。
まさに、言うなればゲーフリの誤算、環境に巣食う災厄と言えるほどのぶっ壊れである。
「メガシンカッテノハネェ——コウイウモンダヨ!!」
「コウイウモンダヨ!!」
【相手のガルーラの猫騙し!】
「ッ……!!」
その実態は、メガシンカパワーによって成長した子供による。
バチン、と目の前で手が叩かれ、怯むモーター。
そのうちに、親、そして腹の袋から飛び出した子による二連撃が襲い掛かる。
メガガルーラの最大の特徴は、この2回攻撃だ。親による攻撃、そして0.5倍の威力の子供の攻撃が加えられる。
これによる脅威は威力強化のみならず、追加効果を2回発動させる、タスキ貫通など枚挙にいとまがない。
『モーター残り体力84/157』
【モーターは怯んで動けない!】
子供も合わせて、拳を構える。
交換読みの地震を警戒してルカに退かなかったのが裏目に出た。
しかし、次に飛んでくるのはグロウパンチか恩返しだ。
ルカに受けさせるのはきつい。
「おい、モーター、俺に交換を——!!」
「絶対に嫌、ネ!!」
吐き捨てるようにモーターはいう。
戦術というのは勿論ある。
しかしそれ以上に、同じシンオウ組としてルカには弱みを見せることが出来なかったのだ。
「サア、キテンニサセテモラウヨ!!」
「モラウヨ!!」
「来るなら、来るネ——!!」
ギッ、と目の前の敵を睨みつける。
物理受けさえも起点にする脅威の技のレパートリー。
その一端が見せられようとしていた。
【相手のガルーラのグロウパンチ!! ガルーラの攻撃が上がった!】
『モーター残り体力68/157』
【モーターはオボンの実を食べて体力を回復した! 体力107/157】
再びガルーラの拳がモーターを捉えた。
がたん、と崩れる彼女だが、隠し持っていたオボンの実を洗濯機の蓋を開けて放り込み、体力を回復して見せる。
だが、もう1撃が残っている。
それを食らい、彼女は地面へ叩き落された。
「あ、ぐっ——! まだ、まだやれる——ネ!」
【ガルーラの攻撃が上がった!】
『モーター残り体力95/157』
グロウパンチは、攻撃するたびに攻撃力の上がるメガガルーラの最大の積み技。二回攻撃の為、1度放てば攻撃が二段階も上がる恐ろしい技と化す。
そのため、今のメガガルーラの攻撃は倍増しているわけだが——
「——まだ、いけるデース!!」
【モーターの鬼火!】
ぼうっ、と青白い炎がゆらめきながら放たれた。
それがメガガルーラを焼いていく——!!
「ギッ、コイツ——!!」
【相手のガルーラは火傷した!】
これにより、能力上昇は完全にプラマイゼロになった。
更に、火傷を負ったことで、ガルーラは更にダメージを負う。
『ガルーラ残り体力50%』
「へへへ——まだ、これでも起点にするつもりデスか? ハイドロポンプと火傷ダメージを食らえば、今度こそアナタは機能停止——ジ・エンドネ」
「オ、オノレ——最強ノ、最強ノアタシニ——!!」
ギリッ、と目を血走らせてガルーラはモーターを睨んだ。
流石物理受けと言ったところか。
ガルーラの足止めに成功している。確かにグロウパンチを積めば攻撃は元に戻せるが、もうそうなると次のモーターの攻撃で確実にガルーラは体力が赤ゲージまで削られることになるのだ。
「舐メルナアアアアアアアアアアアア!!」
【相手のガルーラの恩返し!!】
ガンッ!! ガンッ!!
メガガルーラは力のままにモーターを殴りつける。子供も一緒になり、追撃した。
成程、凄まじい火力だ。
しかし、それでも——
『モーター残り体力4/157』
「——!!」
「これで、これでやっと後を頼めマスね——」
にい、と無理な笑みを浮かべると、モーターは続けた。
「モーター、おまえ」
「貴方は昔っからボマーに似てるところが多すぎネ——自堕落で、我儘で、理不尽で——大っ嫌いな貴方がボマーに似てるから、余計気に食わなかったネ」
だけど、と彼女は続ける。
「それでも頼りにしてるってことダヨ! ワタシは、ルカにこっちに来てほしいネ!!」
ふっ、とルカは笑みを浮かべてみせた。
【モーターのボルトチェンジ!!】
『メガガルーラ残り体力:15%』
閃光がフィールドを包んだ。
そして、場に立っていたのは——ルカだった。
「——よお、自称最強。名乗って最強なら、俺もメガシンカ最強だな」
「ルカリオ——オ前ゴトキガ、カ……!? ナメルナヨ——!!」
「そりゃ、こっちのセリフだ。もう、動けねえだろ。俺の可愛い仲間がお前を機能停止に追い込んでくれたおかげで、な」
うっ、とメガガルーラは呻いた。
火傷ダメージだ。これでもう、体力は10%も満たない。
『メガガルーラ残り体力:10%未満』
「ギ、ギギギギギギ!! 勝ッタト、オモウナヨ——!!」
「ああ、残りの奴も全部俺がぶち抜く。皆、血の雨に濡らしてやるよ」
ひゃは、と狂った笑みを浮かべると、体中に迸った波動をルカは容赦なくぶつけた。
【ルカのラスターカノン!!】
【メガガルーラは倒れた!!】
交代読みを兼ねて撃ったラスターカノンであったが、やはりトゲキッスは飛んでこなかった。
最強のメガシンカポケモンは、血涙のルカを前にして——倒れたのだった。
「よし、1匹撃破!!」
「で、でも、まだトゲキッスが——」
【相手の影は、トゲキッスを繰り出した!】
現れたのは、予想通りトゲキッスであった。
此処でガルーラを突破されても、まだトゲキッスによる全滅エンドが残っている。
しかし、それも——
「ルカ、アタシに代わるね!」
「おうよ!」
【戻れ、ルカ——行け、モーター!!】
体力ギリギリで繰り出されたモーターが受けに飛び出して行く。
案の定、トゲキッスは再び空気の刃を放ってきた。
【トゲキッスのエアスラッシュ! 効果はいまひとつのようだ】
【モーターは倒れた!】
どさあ、と遂にモーターは倒れる。
しかし、犬死だったわけではない。トゲキッスの相手をするのは——
「ムゥちゃん、頼むネ!」
その声に押されるように、彼女は答えた。
自分の役割。それは——今此処で、エースの障壁となるものを駆逐すること。
「はいっ!」
戦場に渦巻く吹雪のように、彼女は本来の姿を現して降り立った。