二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- パート2:遮断された箱庭(7) ( No.18 )
- 日時: 2015/02/24 04:31
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
「きゃあっ!?」
悲鳴を上げたフレイはそのまま強制的に退場させられる。
「はい、君。イエローカード2枚でレッドカード、退場だからな」
「ボケんな、バカマンダァァァ!!」
「……まあ、成る程だ。相手はこれを狙ってたのか。でもこのコンボ、ムゥが出てこなかったら失--------」
【ムゥは強制的に戦闘に引きずり出された!】
「……うん、分かってた」
「超携帯獣級のフラグ建築士ね」
これである。もう、フラグ立てそうな奴は全員黙っておいた方が良いのではないだろうか。
無理矢理引きずり出されたからか、ムゥは少し涙目になっていた。
「……うう……」
『ポケモンDETA
ムゥ:マンムー♀
HP181/181
性格:気弱な性格で控えめ。泣き虫ですぐに泣いてしまうが、本心では強くなりたいと思っている。そのため、ここぞという時に勇気を出す。つまり、芯は強く通っているのだ。
性能:ドラゴンキラーにして、飛行複合電気タイプを安全に処理できる数少ないポケモン。また、特性・厚い脂肪によって炎と氷には抜群を取られず、痛い目を見たトレーナーも多いだろう。襷を持つだけで、ほぼ100%何かの仕事はしてくれるので、役割遂行力はかなり高い。……さて、擬人化体は小柄な少女といったもので、ぱっと見は厚い脂肪要素など何処にも無いように見えるが……。
火力:A 速度:B 耐久:B 自覚:B 遂行力:SS』
しかし、早速サワムラーの足がムゥに襲い掛かる。
【サワムラーのブレイズキック!! 効果は抜群だ!!】
『ムゥ残りHP:130/181』
はぁ、はぁ、と息を切らしていた彼女だがすぐに攻撃に転じた。
「とりあえずは……地震ですね」
【ムゥの地震!】
【サワムラーは倒れた!】
『サワムラー残りHP:0%』
大地を大きく揺らし、サワムラーの足を取る。
案の定、上を取られることはなく、そのまま倒してしまった。
サワムラーはそのまま身体がぐにゃり、と曲がって消えてしまった。
「やっりぃ!」
「まだよ。次がグロスだと、余り美味しく無いわね」
もし、グロスが耐久に振っている場合、地震を耐えられて、コメットパンチ→バレットパンチという第五世代の悪夢が起きる可能性もある。
というか、メガシンカ型の可能性も捨てきれないのだ。
『謎の黒い影はゴローニャを繰り出した!』
……杞憂であった。現れたのは、鋼の塊ではなく岩の塊であった。
「ゴローニャぁ? 何で、そんな奴を繰り出してきたんだ?」
「取りあえず、行けるんじゃないの?」
ゴローニャの特性・頑丈(HPが満タンならば一撃は耐える)地震を二回ぶち当てれば勝てるはずだ。同じ抜群でも氷柱針だと、少々運が絡むので不安である。
ゴローニャは防御が固い。半端な攻撃では倒せない。
「と、とりあえず……!」
【ムゥの地震! 効果は抜群だ!】
再び地面を踏み鳴らし、ゴローニャの足を掬う。
地面にすっ転んだゴローニャは-------------
『ゴローニャ残りHP:10%』
「……頑丈に届いていねえ」
「エッジって急所に当たりやすいのよね、万が一マンムーの耐久でも急所行ったらやばいんじゃ……襷も潰れてるし、大損害を負うわよ」
ムゥも少し震えていた。
彼女とて、怖さを押してこの戦いに臨んでいる。
「嫌だ……急所は----------!」
「ヘヘヘ……ブッ刺シテヤルヨ……!」
【ゴローニャのストーンエッジ!!】
ゴローニャの影が歪んだ顔で、岩の刃を地中から召還した。
そして、それを一気にムゥへ突き刺す。
しかし。
『ムゥ残りHP:31』
「でも……! そんなに易々と急所に当てはしない……!」
「ギッ、バカナ……!」
にやり、とボマーは笑った。
「マンムーはよぉ、H110、B80。下手したらガブリアスとどっこいどっこいの耐久してんだ。一致等倍の大技如きで死ぬ程ヤワじゃないわな」
「何よ、あの子……」
---------下手したら、あの頃どころか、今のあたしよりも-----------!
「よしっ! ゴローニャには不意打ちがある可能性もある!(レートでなければ) 礫で確実に決めるんだ!」
「……分かりました」
空中に氷の粒が集まっていく。
そして、それが一瞬で------------
【ムゥの氷の礫! 効果は抜群だ!】
敵のゴローニャの身体を貫いた。
【ゴローニャは倒れた!】
『ゴローニャ残りHP:0%』
岩の身体は崩れて、跡形も無くなる。
「やれば出来るじゃねえか!!」
「……まだです……あいつが……!」
チッ、と舌打ちが聞こえた。
「ったくよぉぉぉぉ〜? どいつもこいつもどうしてこう弱い奴ばっかなんだぁぁぁぁん?」
フーディン……正確に言えば、影の本体だ。
「てめぇらはやっぱ、この俺様が直々にぶっ潰さなきゃいけねぇみてーだなぁぁぁぁん!?」
口調が変わった。
ようやく、影としての本性を見せたか。口汚い言葉で罵りながら、憎悪の念を一切隠さずに溢れ出させてくる。
【黒い影はフーディンを繰り出した!】
スプーンを持った、一見非力そうなポケモン。
しかし、その精神から発せられる超能力の威力は伊達じゃない。
「……でも、もう私は逃げたくない」
氷の礫を選択するムゥ。防御が低いフーディンならばそこそこダメージは入るはずだ。
しかし。
「フハハハハ……てめぇの力、貰うぜ……!!」
【黒い影の怨念が瘴気を生み出す------------!!】
邪悪な黒い煙がフーディンの身体を包み込んだ。
「---------メガシンカ、完了ォォォーッ!! 死ネ、下等ナゴミドモガァァァァーッ!!」
宙を舞う幾つものスプーン。
額の赤い宝石。
座禅をしたまま宙に浮いている。
【メガフーディンの特性:トレース発動! フーディンは厚い脂肪を得た!】
【ムゥの氷の礫!】
『メガフーディン残りHP:90%』
まずい。メガシンカで若干防御種族値が上がったのに加え、特性:厚い脂肪で氷タイプの技は半減。
全く削れていない。
【フーディンのサイコショック!】
「消エ失セロォォォーッ!!」
念じ球が実体化し、ムゥに襲い掛かった。
浮かび上がったそれは、めがけて一直線----------
「そ、そんな----------」
爆発。
ムゥはそのまま地面に倒れた。
『ムゥ:残りHP0%』
「ザマァナイナァァァ、C175ノ攻撃ガ並ノポケモンニ耐エラレル訳ガナイダロウガァァ!!」
己の能力を誇示するかのように高らかに笑うフーディン。
すぐさま、倒れたムゥにボマーとフレイが駆け寄った。
「大丈夫!?」
「……フレイさんが教えてくれたんです。フレイさんが一喝してくれたおかげで、もう一回立ち向かおうって思えたんです。だから、気にしないで」
「馬鹿よ……あたしは馬鹿よ……勝手に早とちりして、怒鳴り散らして、挙句の果てには----------何やってんのよ……」
「フレイ!!」
ボマーが吼えた。その声に、フレイは頷く。
「……行ってくる」
【ポケモントレーナーのタクはシャンデラを繰り出した!】
フレイはじっ、と相手を見据えた。
そして、言う。
「あんた、C175が何だとか言ってたけど。それじゃあ、吹っ飛ばしてみなさいよ。削れたあたしを」
「何ダトォ? テメェ、俺ヲオチョクッテルノカァ? 言ワレナクテモ、一瞬デ吹キ飛バシテヤルヨ!!」
メガボーマンダがいるパーティへ、グロスの代わりにわざわざ出て行ったのだ。
めざパ氷かマジカルシャインは持っているだろう。
ボマーで相手をすれば、確実に死ぬ。
此処でフレイが耐えるかどうかは、ボマーには疑問だった。
「耐えるのか、これ……!」
【フーディンのサイコショック!!】
無数の念じ玉が実体化した。そして、フレイの方に向かっていく。
そして、全て----------爆発した。
煙が舞って見えなくなる。
「ヤッタ……後続ノマンダハ余裕デ殺セル……! 勝ッタ、勝ッタゾ……!」
ぐしゃり
一瞬、フーディンは自分の身体に何が起こったのか、分からなかった。
しかし、見えた。
抉れた自分の身体の断面が-------------!!
煙が晴れ、そこにはフレイの姿があった。
「……言ったでしょ。BD90。防御性能はガブリさんにも引けを取らないわよ」
そして、Cは圧巻の145。
この火力から、一致弱点を食らって倒れないポケモンは居ない。
フーディンの身体は、既にフレイのシャドーボールで抉れていたのである。
【フレイのシャドーボール! 効果は抜群だ!】
【フーディンは倒れた!】
「ソンナ……モット……強イポケモンニ……生マレテイレバ------------!!」
影の形は、一気にゆがみ、消滅した。
『フレイ残りHP:25』
「あんたは悲観し過ぎたのよ。自分の境遇を。……もっと強いポケモンに生まれたかった、か」
--------馬鹿ね、自分で弱いって思ってるから弱いのよ。
フレイは消えていく影を見て、ふぅと吐き出すように言った。
「そんな願いは今ので焼き尽くしてやったけど」
【水域の番人との勝負に勝った!】