二次創作小説(映像)※倉庫ログ

パート3:湖の決闘(4) ( No.24 )
日時: 2015/02/24 02:38
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
参照: https://www.youtube.com/watch?v=6SxJC-9PZmE

 ***

【緑域の番人が勝負を仕掛けてきた!】

【行け! ラグラージ!】


 飛び出したアクアは、手に隠し持ったメガストーンを見て呟いた。

「これに恥じない戦いをしなければ」


【番人はエルレイドを繰り出した!】

 
 先発、早速出し負けた気がした。
 エルレイドはリーフブレードを覚える数少ないポケモンの一角。
 つまり、此処でエースのアクアが出オチしたら危ないのである。

「とりあえず、チャモさんお願いします!」
「おっけー!」

 しかし、此処で一貫して負担をかけられる思念の頭突きとか、そういった技を使われるのが一番怖いのである。
 だが、此処は安定行動だ。極力、リスクの少ない選択をしていきたい。


【ポケモントレーナーのタクは、チャモを繰り出した!】

【黒い影の怨念が、瘴気を生み出す-------------!!】


 次の瞬間、邪悪な瘴気がエルレイドを包み込んだ。

「メガシンカ、完了。排除スル……!」

 巨大になった腕の刃、純白の胴体。
 そして、黒く汚れきった瞳-----------
 翻されたマントの色は、復讐の赤に染まっていた。


【エルレイドのリーフブレード! 効果はいまひとつのようだ】

『チャモ:残りHP113/154』


 流石、A種族値165。半減でもそこそこ入る。

「あ、あぶなかったです、何とか受け出しには成功ですね」
「変な読みしなくて良かったなー」

 とりあえず、この状況を打開するには、まずは1度加速することが大前提だ。

「守れば、次のターンに珠大文字であわよくば持っていけるはずです!」
 

【チャモの守る! チャモは守りの体勢に入った!】

【エルレイドの地震! チャモは身を守った!】

【チャモの特性:加速発動! 素早さが一段階上昇した!】


 今のところ、両者共に無傷。しかし、次のターン、盤面が動き出した。
 まず、タイプ一致珠大文字の威力は伊達ではない。
 しかし、メガエルレイドは特防が高いのである。
 万が一、耐えられでもしたらそれが負けに直結する可能性すらある。

「というか、当たらなかったらその時点でGAMEOVERですから!」
「だいじょーぶ! あたしの大文字の命中率は驚きの100%だよっ!」
「それがフラグだって、何でどいつもこいつも分からないんですかぁぁぁぁぁ!!」


【チャモの大文字!】


 大の字に広がった炎が、相手のエルレイドへ向かって直進し------------------爆散した。
 しかし、エルレイドは確かにそこに立っていた。

「マダ分カラナイノカ。私ノ特防種族値ハ115……一致等倍デハ落チン」
「あれ、何でしょうかこのデジャブ」

 え、ちょ、やば--------とチャモの声が聞こえる。
 しかし、エルレイドの残りHPはぎりぎり。強がってはいるが、どうやら、辛うじて耐え切ったに過ぎないようだ。


『エルレイド:残り体力僅か』


 だが、それでもだ。


「落チロォォォォーッ!!」


【エルレイドの地震攻撃っ! 効果は抜群だ!】

【チャモは倒れた!】


 こうなるのは見え見えであった。
 エルレイドの放つ揺れによって、チャモは足をとられ、力尽きる。

「……うっ、そんな……」

 涙目になるチャモ。当然だ。このままでは負け筋を作ってしまう。

「……待ってください」

 アクアは口を開いた。

「相手はこの状況で、不一致4倍弱点を食らう僕と、一致弱点を食らうレイドさん、どちらを出してくると思いますか?」
「えーと……そーいえば、あっくんの耐久だったらメガバナの花吹雪でも耐えるんだよね?」
「そうです。これは相手依存の読みですらないゲームですが------------」

 え、とレイドの顔が青ざめていく。

「ちょっと死ぬ目に遭って来て下さい」
「えええええー!? ちょっと待て、アクア! 何考えてるんだよぉー!」
「此処で、わざわざ一致弱点を突かれる貴方を出した場合、相手はどう考えるでしょうか?」
「えーっと。……ひょっとしてあっくん」

 そうです、とアクアは言った。

「あたかも僕がゴツメを持っていて、インファイトを誘っているかのように見せかけます!!」
「ちょ、ちょ、ちょ、それってかなり無理が入った奴だよね!?」
「仕方がありません。さもなきゃ、この試合ジ・エンドです」

 
【タクはユレイドルを繰り出した!】


 いやいやではあったが、無理矢理戦闘に出されるレイド。
 顔は既に、インファイトでぶち壊されるのではないか、という未来への恐怖で真っ青になっていた。


『ポケモンDETA
レイド:ユレイドル♂
HP193/193
性格:一言で言えば、楽観主義であっけらかんとした性格。しかし、加えて気に入った♀ポケモンに容赦なく触手プレイを仕掛けるド変体。しかもしぶとく、以前相手のメガクチートに纏わり付いた際、返しのアイアンヘッドで粉砕されたにも関わらず、試合の後には自己再生で復活していたほど。
性能:積まない特殊アタッカーに対しては滅法強く、粘り強く相手を定数ダメージで苦しめていく。纏わり付くはタイプ無効がないのも強み。また、自己再生以外は攻撃技を採用しているため、挑発にも強い。対水タイプポケモンとして使うのが一般的。
火力:C 速度:D 耐久:S 自覚:A 変体力:SS』


「ちょ、ちょ、ちょ、死ぬって-----------」

 しかし、そんなレイドの恐怖心とは裏腹に、相手のエルレイドは葛藤していたのだった。
 --------何ダ? インファイトヲ誘ッテ裏ノラグラージノゴツメデ私ヲ倒スツモリカ? ダトスレバ美味シクナイナ、リーフブレードデ行クカ?
 空城の計。わざと無用心な陣形、つまり城の門を開け放しておくことで、逆に相手に罠があるのではないか、と錯覚させる戦法。
 というのは建前で、アクアはこの段階で勝てるなどとは既に考えてはいなかった。
 とりあえず、逃げるための考えを巡らせていたのだ。
 
「エエイ、仕方ガアルマイ!!」

 ひいい、とレイドの顔が青ざめた。
 そりゃ、一致弱点突かれる相手の前に放り出されたら、誰だって怖くなるというか、心底絶望するだろう。
 アクアの指示は”ギガドレイン”だった。
 が、そんなもの撃つ前にやられる予感しかしない。
 レイドは心底後悔した。ああ、何でこいつらに関わってしまったんだろうか、と。
 そして、一瞬で間合いを詰めたエルレイドが刃を振り下ろす------------







【エルレイドのリーフブレード!!】