二次創作小説(映像)※倉庫ログ

パート4:忍の街(6) ( No.38 )
日時: 2015/03/01 14:56
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

「この部屋でさァ!」

 階段を駆け上ると、巨大な重い石の扉があった。

「連中が降りて来られないように、この扉を術で封鎖していたんでさァ」
「じゃあ、これを開けた途端に下級が襲い掛かってくるってことも」
「無きにあらずでさァ」

 いや、無きにあらずというか、それはかなりまずい状況では無いだろうか。

「とにかく、拙者が術を解く。お主らは原型に戻っていろ」

 クナイが進み出るが、ボマーが止めようとした。
 
「だけど、それじゃあお前が一番危ないぜ」
「何、扉の隙間に隠れれば良い話」

 と言い、クナイが扉の前でブツブツと唱え始めたので、慌てて一行は原型の姿に戻る。
 
「--------破ッ!!」

 叫んだ瞬間だった。扉が唸りを上げて開く。その瞬間、飛び退いたクナイが扉の影に隠れて「今だ、気をつけろッ!!」と叫ぶ。
 案の定、叫びを上げて下級の影の携帯獣が現れる。
 ヘルガー、ジュペッタ、カイロス、アブソル。
 敵は全部で4体。しかし、まだ完全体にはなれていないのか、姿が不完全だ。

「メガシンカパワーヲ、ヨコセェェェエェェェエエ!!」

 叫んだそれらが一斉に襲い掛かってくる。
 しかし。

「大文字ッ!!」
「氷柱針!!」
「捨て身タックル!!」
「岩雪崩!!」

 それぞれの技を食らって、敢え無く消滅。
 難なくこの場を切り抜ける事ができた。

「よっしゃぁ、楽勝だぜ!」

 叫び、部屋に躍り出るボマー。
 此処もも先ほどと同様、武道場のような部屋だった。しかし、奥に瘴気ができているのが目に見えて分かる。

「ありゃ、何なんだ……?」
「多分、あれが守護級なんだろうけど……」

 ケケケケケケ、と声がする。
 とても邪悪な気配だ。

「いなく……なりなさい……!!」

 瘴気が裂け牙が生える。そこから男が現れた。黒いローブに身を包んだ男だった。
 ボマー達は身構える。

「さもなくば……痛い目を見ることになりますよ……ケケケケケケケ!!」

 ゴキゴキ、と首を鳴らす音も聞こえた。
 周りの不気味な雰囲気と合わさって、ボマー達は目の前の敵に恐怖すら感じる。
 しかし。

「痛い目を見るのはおめぇの方だぜ、携帯獣の皮を被った化け物が」

 進み出て啖呵を切ったのはガメリオだった。

「俺の仲間を傷つけやがったその罰、身をもって思い知れ」
「余り怒り任せに行動しないほうが良いですよ……ケカカカカ」

 影は言った。

「誰だって死ぬのは嫌でしょう? もっと、自分の命を惜しんだ方が良い……!!」

 男はまるで自分の力を見せ付けるかのように、瘴気を纏わせる。
 そして、本来の姿が露になった。
 シャドーポケモン、ゲンガーだ。
 挑発するように声を発するゲンガー。「逃げるなら、今のうちですよ」と。
 しかし。
 そうだな、とボマーが言って進み出た。

「だが、惜しむときは今じゃねぇ。この程度で命を惜しむ程、てめぇは怖くねぇーってこと、そうだろ。ガメリオ」
「……そうでさァ、ボマーさん。俺らはこんな奴にビビってる暇なんて、ねぇーってことだゼィ」
「ボマーの言うとおりだわ。ビビってたら何も始まらないもの」
「私達は今の全力を持って、敵に挑む。それだけなのですっ!」

 チッ、と目の前の影から舌打ちが聞こえた。

「ならば仕方がありません……全力で貴方方を排除するとしましょう」

 仕方なさ、といった表情はその顔にはない。長い舌をべろーん、と出して嬲り殺しにしてやろう、といった狂気の殺意が滲み出ている。

「私は、全てのゴーストの恨みから生まれたのです」

 何? とボマーは怪訝そうに聞き返した。

「ぼっちだった私のプレイヤー達は周りに交換進化をする相手が居らず、結局我々はいつまで経ってもゴーストのまま……憎い、交換進化だなんてシステムを付けた世の中が憎い!」
「ソフト複数用意してGTS使えば良いのに、何言ってんだコイツ」
「しっ、ボマー。それは言っちゃいけないお約束!」

 ちなみに、作者は交換相手は一応いる。リアルにも。周りにポケモンやってる人がいるのって良いよね。交換進化は面倒だけど。

「全部聞こえていますよぉぉぉぉぉ!!」
 
 おっとこれはまずい。全部聞かれていたようだった。
 一気に5体のポケモンが現れる。
 リザードン、フシギバナ、カメックス、フーディン、ピカチュウ。
 今回は紛れもない初代統一パーティだ。

「では、貴方達に悪夢のパーティを見せてやることにしましょう……!!」

 今度こそ、来る。
 危ない気配を存分に浴びながら、ボマー達は臨戦態勢に入ったのだった。