二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- パート4:忍の街(9) ( No.43 )
- 日時: 2015/03/08 18:37
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
【ゲンガーの祟り目!】
恐怖を誘う瘴気がガメリオに襲い掛かる。
「おいおい、ゲンガー。そんな技、俺には利かないゼィ」
しかし、闇の瘴気はガメリオの身体をすり抜けて消えてしまった。ノーマルタイプにゴーストタイプの技は利かない。当たり前の事である。
だが問題はそこではない。
「ボマーの旦那。今の奴の行動、どう思いやすか」
「は? どうって何がだ」
分かってやせんね、やっぱ脳筋ですか、とガメリオは続ける。
「よし、ならば戦争だ」と捨て身タックルの体勢に入るボマーをムゥが氷の礫で黙らせた。
「ごめん、うん。脳筋で悪かった」
「あんたも本当は分かってるでしょう。今の祟り目、そしてパーティの面子で全部分かるはずでさァ」
「---------ああ、敵のパーティは重力催眠祟り目構築って言いてぇんだろ」
「そうでさァ」
重力催眠→祟り目構築。これは、マスターがかなり泣かされたことのある構築である。
重力を誰かで発動し、回避率の下がった相手を催眠技で相手を眠らせ、ゲンガーの祟り目(威力2倍)で一方的に屠る、というものだ。
「そして、大抵重力起点にはステロなどを踏まないので襷を持たせやすく、尚且つ素早いフーディンが担当するんでさァ」
「だが、フーディンはいなかった」
「そう。あっしやムゥさんの先制技がよっぽど怖かったと思われますゼィ。だから、あっしらを警戒して先発にバナを置いた。だから、残りの1体。恐らく、自分から状態異常を撒ける奴をもう1体用意しているやもしれません」
此処まで推測できるのも素晴らしい。ボマーは、自分も戦闘面の知識はあると思っていたが、完全に思い上がっていたと反省した。
「どーやら、作戦云々はお前に任せることになりそうだ」
「でも、もう1つ。何で相手はメガシンカしやがらなかったんでしょうね、旦那」
「そりゃーよ……え?」
【ゲンガーは引っ込んだ!】
「チッ、折角影打ちを選択したのに、逃げ足だけは速い野郎だ」
【番人はリザードンを繰り出した!】
「オマエ、焼ク、オマエ、焼ク------------!!」
「うるせぇっ!!」
べろーん、と長い舌を伸ばし、ガメリオの影が更に長く伸びて、リザードンの身体を貫く。
【ガメリオの影打ち!】
【ガメリオは変幻自在でゴーストタイプになった!】
『リザードン:残りHP80%』
ガハッ、と黒い血のような影を噴出すリザードンだが、それでも「オマエ、焼ク、オマエ、焼ク」と言い続けて不気味な限りだ。
此処での行動は唯一つ。
「野郎に岩雪崩ブチ当てて一撃で倒す、それだけでさァ」
「よし、見せてやれ、お前の力!」
「あいよっ!」と駆け出したガメリオ。しかし、相手のリザードンの口角が不気味に上がった。
「---------分カッテネェナァ、テメェミテェニ良イ気ニナッテル奴ホド、焼キ殺シタ時、気持チ良イッテモンダゼ----------!!」
むっ、とガメリオは一瞬踏みとどまる。
相手の行動、それは---------
【リザードンの鬼火!!】
だった。
青白い炎がガメリオに襲い掛かる。
そして、確実に身体を焼いていく。
「ぐああっ! まさか、これは流石に予想外……!」
「倒セルモンナラ、倒シテミロ、コノド腐レガ! 言ッタダロ、テメェハ焼クッテナ!」
ギャハハハハ、と笑うリザードン。
これで、物理アタッカーのガメリオは機能停止。
何故ならば、物理技の威力が半減してしまうからだ。
「おいっ、大丈夫かガメリオ!」
「ボマーの旦那」
「んあ、何だ?」
ニヤァーッ、と今度はガメリオが不気味に笑った。
「あっしが好きなことは何か、分かりやすか?」
「んなもん分かるわけねぇだろーが」
心配そうな表情のボマーを見ても、尚余裕そうに、いや違う。
この状況を楽しんでいるかのように、ガメリオは言った。
「正解は、コイツみてぇに自分が強い、と思ってる奴の踏ん反り返った寝首を-------------」
ぐらぐら、と地面が揺れる。
そして、天井から大量の岩が降り注ぐ。
「-------------チョン切ることだ」
【ガメリオの岩雪崩!】
リザードンが憫笑した。
「ギャハハハハ、テメェミタイニ俺トハ違ッテ攻撃モ特攻モ低イ奴ガ火傷ニナッタラ、不一致弱点ノ岩技デモギリギリ耐エ----------」
「ああ、世間はそれを---------」
ぐさり
【ガメリオは変幻自在で岩タイプになった!】
つまり、だ。変幻自在は使った技の威力をタイプ一致のボーナスで1.5倍にできる。
リザードンの背中に岩が突き刺さった。そして、羽根を破り、尻尾を潰していく。
「バカ、ナッ----------!!」
そして最後に頭蓋を貫通した。
「慢心って言うんだゼィ、リザードン」
断末魔の叫びと、ガメリオの声が小さく消えていく。
リザードンの影は一瞬で消滅した。
【効果は抜群だ!】
【敵のリザードンは倒れた!】
「耐久に振ったXじゃなかったみたいですぜ、ボマーさん。ちーと安心しやした」
ちなみに、羽根休め耐久型メガリザXは、軽く筆者のトラウマである。鬼火は食らうし、相手は回復するし、しかも上がった防御で並の攻撃でも入らない。
正直、ボマーに空元気を搭載させた理由の1つでもある。
「ま、火傷食らってもXにメガシンカしなければ、一致4倍が一致2倍になるだけだからな」
「すごいです! 本当に一撃で持っていっちゃうなんて!」
「こんなもんでさァ。……」
ガメリオは考え込むように黙り込んでしまった。そして。
「成る程。相手のポケモン3体はメガシンカポケモンだったんですよ、旦那。恐らく、状況に合わせて使い分けようだなんて魂胆だったんでしょ。と、一概には言い切れませんが」
「んじゃあ、さっきメガシンカしなかったのは、他の奴----------つまりはバナでメガシンカする可能性を残したかったから、か?」
「真相は闇の中。連中が何考えてるのか、なんてあっしらには全部は分かりやせん。ですが、まだ1体持っていっただけですゼィ、ボマーの旦那」
そうだ。まだ、敵を1体しか倒していない。
後続には、ゲンガー。そして、フシギバナがいるのだ。
しかも、ゲンガーの方が可能性が高いとはいえ、相手はまだメガシンカを見せていない。
「そうだな。だけど、逆に言えばだ。1体、こっちは瀕死無しで持っていけたんだ。気張っていこうや」
「……旦那ァ。悪いがそれが油断だ。逆に言えば、その2体にパーティが壊滅させられる恐れがある」
そして、相手が繰り出したのは------------
「ホレ見た」
【番人はフシギバナを繰り出した!】
「悪夢の第二章だ」