二次創作小説(映像)※倉庫ログ

パート4:忍の街(10) ( No.44 )
日時: 2015/03/01 22:04
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
参照: https://www.youtube.com/watch?v=ZbP5gGsmny0

 現れたのはフシギバナ。このままでは、フシギバナとの我慢比べになって、ジリ貧になるのが見えている。
 しかも、先ほど岩技を食らって、ガメリオは岩タイプになっている。つまり、バナのメインウェポンで一致弱点を食らってしまうのだ。
 万が一、ボマーもフレイもゲンガーに落とされたとき。手負いのゲンガーを倒せるのはガメリオだけだ。

「ですが、策は考えていやすゼィ」

 ガメリオが指を指した方向には、眠ったフレイの姿があった。

「--------フレイのお嬢を此処で出すんでさァ」
「ちょっと待て、テメェ」

 そんなことをすれば、どうなるかは目に見えていた。

「そしたら、ゲンガーが出てきて-----------」
「分かっていまさァ。だけど、相手はゲンガーはあっしを見ているにも関わらず、素直に祟り目で殴ってきますかねィ?」
「---------それを突くのか」
「ええ、そうでさァ。少々運が絡みやすが。それに、あんたが出て行ったら、交代読みの眠り粉が来る可能性だってある。エースのあんたを此処で危険には晒せねェ」

 と、答えたガメリオだったが、本心は違った。
 ---------ボマーの旦那。旦那が仲間思いなのは、さっきのバトルでも分かっていまさァ。ムゥのお嬢を身を挺してあっしの岩雪崩から守ったことから、な。一見傲慢に見えても、自分勝手に見えても、傍若無人な立ち振る舞いをしても、あんたは結局自分のことより仲間のことを何より思っている。

「なら、仕方がねぇか。とりあえず、フレイをフィールドに出すぞ!」

 ---------でも、生憎旦那。それだけじゃあ、この先の戦いにはあんたは勝てない。戦いとは、時に切り捨てるべきものを切り捨てることも重要。忍の訓練を積んできたあっしだからこそ、分かることでさァ。勿論、仲間を捨てろだとか、優しさを捨てろって言ってる訳じゃない。

「寝てるところすまねぇが、頼むぜ、フレイ」

 ----------俺があんたに捨てて欲しいのは、恐らく足手纏いになるであろう、今も見せたその甘さだ。
 優しくあっても、甘くあってはいけない。それが勝負の世界なのだ。
 ガメリオは、もしも自分の思ったとおりのシナリオになり、ボマーにどう言われることになろうが、既に覚悟はしていた。
 しかし、彼とて仲間の仇討ちという使命を背負っている。平和だった街を乱そうとする悪を討たなければならない、という覚悟を背負っている。

「----------分かってるさ、本当は、こうでもしねぇと勝てねぇのは」

 しかし、その葛藤を断ち切ったのは、意外にもボマーだった。

「旦那」
「お前の考えてることが分からねぇと思ったか、ガメリオ。フレイをクッションにして、俺を死に出しし、ゲンガーとバナを突破する、だろ」

 図星だった。
 ボマーはバカかもしれない。いや、バカだけど。
 だが、どうすれば勝てるのかも分からない程、頭が悪い訳ではない。

「俺だって、出来れば完勝してぇ。特にこういう連中相手には」

 それに、とボマーは続けた。

「フレイにも二度とあんな辛い思いをさせたくねぇんだ」

 だけど、とボマーは続けた。

「本当に勝ちたいなら、例えどんなにそいつが好きでも、俺らがポケモンである以上は勝つために犠牲は出さないといけねーのかなっ、て」
「---------生憎、あっしはチームの勝利のために作戦を考えてまさァ。そのために、切り捨てるモンは何でも捨てる。それが納得できないなら、この試合は負けるしかない」
「いや、俺は納得したぜ。フレイも納得してくれる」

 ---------後味は悪くなったとしても、だ。

「それに、自分の所為で負けたって思ったらフレイは、もっと傷つくはずだ」
「すいやせん、旦那。あんたも辛いでしょうが-----------」
「いや、これで良かったんだ」


【チーム・ボマーはフレイを繰り出した!】


 眠ったままのフレイが繰り出される。

「どうしやすか、旦那ァ」
「俺はお前の指示に従うだけだ。それに、まだお前の言ったとおりになるとは限らねぇ」
「---------了解しやした」

 そして、相手の行動は----------


【フシギバナのギガドレイン!!】


 攻撃行動。一度目の読みは外れで終わった。
 そして。


【番人はフシギバナを引っ込めた!】


 フシギバナを引っ込めて--------------


【番人はゲンガーを繰り出した!】


 ゲンガーを繰り出した。

「やっぱり来やがったか、ゲンガー」
「クククク、どうしたものですかね、ここは……」

 そして、ボマー達の選択肢は唯一つ。

「---------此処で突っ張ることだ」

 相手の読み違いを狙ったその行動だけ。これ以上、後続に負担を掛ける事も出来ないのだ。

「頼む、読み違えてくれ-----------!!」

 祈りの中、相手が放った行動は自身の身体からヘドロを----------


「---------やっぱ、やーめた」


 生成、しなかった。

「はははははは、大方、読み外しを狙おうとかそう考えて居たんでしょう?
 ざーんねんでしたァァァァァん!! 相手の行動に甘えてんじゃねえよ、このド低脳の抜け策がッ!! 消し飛べや、ボケッ!!」

 一気に瘴気が襲い掛かる。
 そして-----------フレイを吹き飛ばした。