二次創作小説(映像)※倉庫ログ

パート4:忍の街(11) ( No.45 )
日時: 2015/03/01 23:16
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

「分かっていたさ、こうなるのは----------」

 ガメリオに、さっと運び込まれたフレイは気を失っているようだった。
 だが、しかし。これで活路が出来た。
 後は、ボマーが一撃耐えて、反撃をするだけなのだ。

「だけど、お前のおかげで俺は無償光臨することが出来たんだ。感謝するぜ」

 彼女の頬を一瞬、擬人化体に戻ってから撫でる。
 そして------------再び原型となって飛び出した。


【チーム・ボマーはボーマンダを繰り出した!!】

 不気味な笑いを浮かべるゲンガーは、叫ぶように言う。

「--------ヒャハハハハハハ、貴方が私に勝てると思っているんですかァ、ボマーさん。私は、貴方が倒した同属から、貴方の選出時のデータを解析したんです。つまり、貴方がどういう型なのかは既にお見通しということですよ!!」

 それに、と彼は続けた。

「よくもまぁ、仲間だの友情だのと言った寒い茶番劇で我々の同胞を消してくれたものだ……!!」
「仲間や友情に恵まれなかったテメェには分からないだろうな」
「何だと、貴様……」

 ゲンガー、いや交換進化でゲンガーになれなかったゴーストの集合体は、怒りの怨嗟を紡ぎ出す。

「お前に、何が分かる-----------!! 友達なんて居なくて、いじめられていた俺の気持ちが----------」
「分からねーな」

 キッ、とボマーは哀しいゴーストの集合体を睨んだ。

「てめぇは努力したか?」
「何!?」
「友達や仲間を作るために努力したか?」
「貴様----------」
「俺には仲間だなんて呼べる奴なんか、一生できないって思ってた時期があった。いや、作る必要なんかない、が正解か」

 遠き日を思い返すように、ボマーは呟く。
 
「だけどな、無茶ばっかする俺を心配して、フレイが付いてきた」

 ---------今度練習の時はあたしがあんたを見張っておくわ。あんたが無理しないように、ね?

「BOHに1人だけで出るとかバカを抜かした俺に、チャモとアクアが着いて来た」

---------たった1人でフリーに潜ろうって、貴方はやっぱりバカのようだ。そして、バカにはストッパーが必要。僕が貴方を抑える足りないブレインになります。
 ---------あたしだって、先輩に迷惑掛けてばっかりは良くないって思ったもん!

「----------辛いこともあった。だけど、こうして仲間が着いてきてくれたことに、俺は感謝するぜ」
「貴方に、何が分かる!! 知ったような口を、利くなぁぁぁぁぁ!!」
「来いよ、ゲンガー。道連れなんて捨てて掛かってきやがれ」

 そして、互いの所持しているメガストーンが反応する。一方は、光が。一方は瘴気が。その身体を包み込み、進化論を上書きした進化、即ちメガシンカを生み出した!!


【タクのキーストーンとボマーのボーマンダナイトが反応した!】

【黒い影の怨念が、瘴気を生み出す-------------!!】


 ほぼ、同時に互いに更なる進化を遂げた。

「それに、フレイは唯の捨て駒で終わった訳じゃねえぜ。お前らの構築が分かった上に、メインウェポンが祟り目しかなかったってことを見ると、大方他は重力と組み合わせるための低命中率技ってところか?」


【ボマーはメガボーマンダにメガシンカした!】


「----------オマエモ、アノ蛙ト同ジ目ニ遭ワセテヤルヨ!!」


【ゲンガーはメガゲンガーにメガシンカした!】


 ああ、そうかい。とボマーは呟いた。
 しかし、相手の鬼火も警戒せねばならない。

「----------此処は、イチカバチカだが----------!!」


【ボマーの空元気!!】

『ゲンガー残りHP:赤突入』


 ボマーの渾身の突撃。
 しかし、耐えられた。まずい。そして、後に続くようにゲンガーが攻撃を仕掛けて来る。

「舐メルナァァァァァァ!!」


【ゲンガーの雷!!】


 雷が落とされて、ボマーの身体をたたきつける。
 熱い電撃が体中を駆け巡り、ボマーは堪らず悲鳴を上げた。そして、ようやく放電が終わる。
 ゲホッ、と吐血し。相手の方を見た。
 2発。耐えられるだろうか。


『ボマー残りHP:89/171』


 相手の方を朦朧とする意識の中で見る。
 麻痺状態になっていないだけ、まだマシであるが。
 どうせ、相手の方が速いだろう、というマイナス思考に頭が持っていかれそうになる。
 さらに、どうせ一撃耐えるのならば、此処は起点にして舞ってしまった方が良かった気さえする。
 というか、今の空元気は完全に悪手そのものだっただろう。

「くっ、くそっ、こんなところで終わるわけには-------------!!」

 そう、ふらつき、身体が揺らめいたそのときだった。


「こんの、バカマンダァァァァーッ!! しゃきっとしなさい、しゃきっとォォォォーッ!!」


 声が響いた。
 ちらり、とその方に目を向ける。フレイだ。既に、擬人化体に戻っていたが、辛うじて声を張り上げられるようにはなっていた。

「お前……」
「分かってるわよ。あたしをクッションにしたんでしょ。そんなの気にしてないわ。今回のは完全にあたしの自己責任だし」
 
 そんなことより、とフレイの声が大きくなる。


「これで負けたら本当に許さないんだから!!」
「お前って奴は」


 そういえば、だ。
 ---------あれ? 何でさっきのターン、奴より先に俺は攻撃できた?
 そういえば、ゲンガーは自分の型を調べたと言っていた。その瞬間、全てが繋がる。
 

「相手は、素早さに性格補正を掛けていないんだ!! ゲンガーを育成する上でSの努力値を裂くのは有り得ねぇ、だから考えられるのはそれしかねぇ!!」

 
 ---------そうだ、何を心配する必要があったんだ。俺はいつでも何も考えずに目の前のものをぶっ壊してきたじゃねえか!! そして、今回もだ!!

「ぶっ壊すだけしか能のねぇ奴は、大人しく、いや大人しくせず------------ぶっ壊すだけだ!!」

 次の瞬間、再び轟!! と勢いをつけてボマーは加速する。目の前の敵に向かって。
 ゲンガーの顔が青くなる。そして、喚き散らした。

「ソンナ、私ノデータハ完璧ナハズナノニ!!」
「残念だったな、ゲンガー。今日の俺は------------」


【ボマーの恩返し!!】


 一瞬で、ゲンガーの身体をボマーは貫いた。


「----------最ッ高に、”陽気(ハイ)”って奴なのさ」


【敵のゲンガーは倒れた!!】


 ゲンガーの影は断末魔と共に、消滅するのみ。
 そして、辛うじて最後のポケモンを繰り出す。


【番人はフシギバナを繰り出した!!】


 しかし。メガシンカもない弱点ポケモン如きに--------------


【ボマーの恩返し!! 効果は抜群だ!!】

【フシギバナは倒れた】


 ---------メガシンカしたボマーは止められない。


【街域の番人との勝負に勝った!!】