二次創作小説(映像)※倉庫ログ

パート5:この風が泣いている(8) ( No.57 )
日時: 2015/03/11 19:59
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
参照: https://www.youtube.com/watch?v=nTHXQlA8yU8

【峡域の番人が勝負を仕掛けてきた!!】

【行け! ピジョット!】

 
「俺がいきなり出ることになるとはな。だが、この風で奴など容易く切り裂いてやろう」
「ま、またまた……」
「つい昨日もメガアブソルを輪切りにしてやったばかりだからな」

 ----------やっぱ、怖いよあんたぁぁぁぁ!?
 アクアは正直、げんなりした。こんな奴を敵に回さなくて良かった、と。
 輪切りとはどういうことだろうか。かの切断王子のウルトラマンエースもびっくりである。

「さて、相手の初手は……」


【番人はラグラージを繰り出した!】


「ラグラージ、ですか。何故初手に出してきたのでしょう」
「初手のあたしを警戒したとか?」
「……メガシンカ……するよなぁ? こいつ」

 少々、不気味さを漂わせるラグラージ。恐らく、メガシンカ型だとは思うが。

「どうするの? 此処で攻めてみる?」
「うーむ……」
「----------任せろ。俺の役割は、初手で暴れまわって相手を掻き乱すことだ」

 やることは唯一つである。
 いきなりではあるが-------------


【タクのメガバングルと、ツムジのピジョットナイトが反応した!】


 ツムジのメガストーンが激しく光り輝いた。そして、同時に殻のようなものに包まれ、それが弾け飛ぶ。
 そこに居たのは唯一鳥と呼ばれていたピジョットの姿はでは無かった。
 より屈強に、たくましく、そして速く。進化論を破壊し、上書きに成功した猛禽の姿がそこに居た。
 一陣の風が吹き抜けると共に、なびく虹色の光沢を放つ鬣、殺意を放つ紅い瞳、強靭かつ巨大な翼。
 全てが、自らを風と一体に、否、風そのものになるための進化だった。

「……メガシンカ、完了だッ!!」

 
『ポケモンDETA
旋:ピジョット
HP:159/159
性格:純粋な飛行タイプ(ノーマル複合)故に、風の声を聞くことができる生真面目な少年。責任感が強く、さらに馬鹿正直。曲がった事は許さない。だが、一度熱くなると誰にも止められなくなることあり。自らの種族値の低さを憂いていたが、メガシンカを得ることでORASからの巻き返しを図る!
性能:一見、地味なメガシンカではあるが、あなどるなかれ。外れない上にタイプ一致の暴風の火力は、凄まじい。並みのポケモンならば簡単に確定2発にしてしまう。そのくせ、メガボーマンダよりも速い上に、熱風まで使えるので、相手にできるポケモンの数は少なくない。暴風の混乱効果は、勝ち筋になりえるので、運による負けは愚か、運による勝ちを拾うことさえできる。逆に言えば、やることが暴風連打+熱風+めざパ氷とバレバレなため、苦手な相手にはとことん苦手。とんぼ返りや身代わり、守るなど、4つめの技次第や仮想敵に対する調整で、使い勝手は幾らでも変わってくる。また、ギルガルドに対しても強い。等倍程度は耐える上に、影打ちがこいつには通用しないからである。
火力:A 速度:A 耐久:C 自覚:A 責任感:SS』


 羽を羽ばたかせ、相手を見据える。
 しかし、相手のラグラージも同じだった。


【黒い影の怨念が、瘴気を生み出す-------------!!】


 瘴気がラグラージを包み込み、そして更なる進化を促す。
 筋肉が隆起し、邪悪な気配を発するそれは、正しくメガラグラージであった。


【ラグラージは、メガラグラージにメガシンカした!!】


「同胞カラ……アクア、貴様ノメガシンカデータハコピーシタ……!」
「同胞……まさか……!!」

 あのときのメガボーマンダだ。メガシンカの力は取り返したかと思っていたが、コピーされているとは思わなかった。
 しかし。


「馬鹿にするな。借り物のメガシンカで、俺達を倒せると思っているのか」


 旋が吠え、暴風を巻き起こした。
 そして、それがメガラグラージの巨体を上空へ巻き上げていく。
 

【ツムジの暴風!】
『ラグラージ残りHP:30%』


「確定……2発!? H100、D110の耐久を誇るメガラグラージを確定2発!?」
「正確に言えば、H振りメガラグならば乱数2発です」
「じゃあ、相手は素早さに割いたセルフ雨乞い型なの、あっくん」
「それは知りません、が」

 メガラグラージが両腕を地面に叩き付けた。
 そして、その衝撃で揺れが起きる。
 岩が崩れて振ってきた。


【ラグラージの岩雪崩!!】


「お前らメガシンカしたらA150になるんだろ!? これ耐えられるのかよ!?」
「レイドさん。確かに、あんたの中じゃメガピジョットはボマー先輩に比べたら見劣りするかもしれません」

 メガシンカはBOHで何度も経験している。
 そして、当然同属の火力の高さも承知。
 メガピジョットの耐久はお世辞にも高いとはいえないのだ。倒されるのが目に見えていた------------


『ツムジ残りHP:23/159』


 ----------ように見えた。
 
「……言っただろう。借り物のメガシンカじゃあ俺を倒すことは不可能だ」
「バ、バカナ……!!」

 実は、メガピジョットはH4振りにするだけでも、A特化メガバシャーモの雷パンチを耐えるくらいの耐久はある。
 ラグラージの特化岩雪崩如き、耐えて当然だ。
 メガシンカして上昇したのは、何も火力だけではないのである。
 耐久も、心なしかあがっているのだ。

「仮にもメガシンカ。見劣りするだけで、弱いわけじゃあないでしょう。むしろ、油断をすれば、容赦なく食らい付いていく猛禽!!」
「悪いが、次の暴風でジ・エン-----------」
「待ってください!」

 アクアが叫んだ。

「恐らく、相手は次にクレッフィを出してくる可能性が高いです! もう、身代わりは使えないし、此処は僕が行きましょう!」
「し、しかし---------!」
「あんたはあの人に似てるんです。強いけど、自分1人で突っ走ってしまいがちだ。僕がそれを抑えるブレインになります!」
「……だが」
「まずジャローダクリムガン、紙耐久のオオスバメは出て来れないはずです。マリルリも腹太鼓を積むために、極力死に出しで出たいはずです。此処で交代させるなら、相手が出せるのはクレッフィだけなんです!」

 そして、クレッフィと対面した場合、電磁波or身代わりという択ゲーが発生してしまうのだ。

「僕を信じてください!!」
「---------何故だ? 俺は仮にも、お前らを襲ったんだぞ? 何故そこまで……」
「簡単ですよ」

 アクアは力の限り、旋に呼びかけた。


「僕らはもう、同じパーティのメンバーなんです!! そして、僕はパーティが勝つために、貴方が勝つために最善の戦略を考える、それだけですから!!」