二次創作小説(映像)※倉庫ログ

パート5:この風が泣いている(9) ( No.58 )
日時: 2015/03/11 21:19
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

 しばらく、旋は何も言わなかった。
 だが、息を漏らすとようやく、その口を開いた。

「分かった。お前の言うとおりにしよう。俺はお前を信じるぞ」
「旋さん……!」


【チーム・アクアはツムジを引っ込めた!】

【行け! ラグラージ!】

 
 さて、肝心な相手の行動だが、仮に相手が突っ張ってきたとしても、今回のアクアは物理受け型。物理技に対してはかなり強い。


【番人はラグラージを引っ込めた!】

【番人はクレッフィを繰り出した!】

 
 予想通り、クレッフィが現れる。
 さて、問題は此処からだ。いばみが運ゲーに持っていかれたら、まずい。

「まずは、威張る運ゲーに勝たなければ、勝機は無いでしょう」
「……何か忘れてるよーな……」
「さあ、来いよクレッフィ! いばみがなんか捨てて掛かって来てください!」

 アクアが高らかに叫ぶが、次に相手のクレッフィの取った行動は-------------


【クレッフィのドレインキッス!!】


「は?」


 一瞬、アクアの思考はフリーズした。
 そして、金属の鍵束がジャラジャラ音を鳴らしながらやってきた。
 次の瞬間、ちゅ、とアクアの唇にキスをする。

「……は?」


【相手のクレッフィはアクアから体力を吸い取った!】

【アクアはタラプの実を食べて特防を上げた!】
『アクア残りHP:168/207』

「……あっくん……何やってんの?」
「いや、チャモさん、何で怒ってるんですか……?」
「あ、やべーぞ、アクア。このクレッフィ狙い済ましたかのように、♂だぜ?」

 ガクガク、とレイドが震えているのが分かった。
 チャモが悲しみに震えているのが分かった。

「……あっくん、♂ポケモンのことが好きだったの?」
「ち、違うんです、これは誤解……」
「おっ、ホモかな?」
「死ね、変体ユレイドル」
「もう何も言わんぞ、俺は」
「旋さぁぁぁぁん!!」

 まずい。このままでは、ホモと勘違いされてしまう。
 つーか誰得だよ、この状況。

「ソーヨネー、アタシトアクア君ハ、前世カラ赤イ糸デ繋ガッテイタノヨー」

 アクアの必死の弁解を水に帰させるかのごとく、クレッフィが悪魔の囁き。否、悪夢の囁き。
 口調からして、性別からして、何もかもがお察しである。

「最悪だよ、このクレッフィ!! ホモを通り越してオカマだったよ!!」
「ウフフー、良イ男ー、食ベチャイタイワー」

 ブチッ

 アクアのこめかみから、音がした。何かが切れるような、そんな感じの音だ。
 プルプル、と青い巨体を怒りに震わせ、吠えた。

「好い加減にしろや、この害悪糞鍵……」

 そして、巨大な腕を地面に突き立てて、揺らしたてる。


「ダメージチェックの時間だ、オラァ!!」


【アクアの大地の力!】

【相手のクレッフィに効果は抜群だ!】


 どごーむ、と地面が隆起し、相手のクレッフィの体を跳ね飛ばした。 
 哀れ害悪糞鍵は目を回している。全国の皆さん、アクア君がやってくれた。幾つもの3DSを葬ってきた害悪糞鍵を、アクア君が物の見事にやってくれた。
 流石、頭脳派眼鏡ヤクザ。容赦や慈悲など無い。


『クレッフィ残りHP:40%』

 
 おっと驚き、まだ立てていた。
 が、それを眼鏡ヤクザが見逃すわけも無く。

「ア、ギ、バカナ……」
「おいこの野郎、立てよ。もう一発、食らわせてやるよ、大ボケ鍵ィ……!!」
「ヒ、ヒィィ……!!」


【番人はクレッフィを引っ込めた!】


 再び大地の力の動作に入ったアクアを見るや、クレッフィはすぐさま主人の元に帰ってしまった。

「……さて、相手のクレッフィの型は瞑想ドレインキッスですか」
「切り替えるの速いな……流石、参謀と言ったところか」
「良かったぁ〜、あっくんホモじゃなかったんだね!」
「ケッコン(仮)」
「はい、とりあえず表出ろや、レイド」

 しかし、此処でメガラグラージを出してくるとは限らない。
 考えられるのは唯一つだ。
 3匹目を考えなければならない。

「此処で一番出られたら困るのは--------------」


【番人はジャローダを繰り出した!!】


「全ク……俺様ノ手ヲ煩ワセルンジャナイヨ!!」

 これである。


【アクアの大地の力!!】
『ジャローダ残りHP:90%』


 当然といえば当然ではあるが、全くダメージを入れられていない。しかも、アクアはジャローダへの有効打を1つも持っていない。
 結局、不利対面になってしまった。
 それだけではない。

「……まず、旋さんの受け出しは、まず無理ですね」
「無理だな」

 此処で旋を捨てるのは勿体無さ過ぎる。攻撃技を食らえば、そこで落ちる。
 ジャローダは特攻攻撃が低い代わりに、防御特坊、そして素早さも高い耐久寄りのステータスをしているものの、それでも何かされればジ・エンド。
 つまり、考えられる手は唯一つ。

「仕方がありません、レイドさん」
「んあ?」
「受けに行って下さい」
「あいよー!」

 レイドが快活な声と共に出て行く。
 そして、相手のジャローダは葉の嵐を巻き起こし、レイドへ吹きかけるが----------


【ジャローダのリーフストーム!!】

『レイド残りHP:141/193』


 流石、特殊受けと言ったところか。
 殆ど、ダメージを食らっていない。

「しかも、リーフストームは使うたびに特攻が二段階ダウンする! 勝った!!」

 確かに、今までリーフストームを使うポケモンとは何度も合間見えている。
 普通ならば、このまま受けきれるであろう。

「あ、そういえば言い忘れていましたけど」


【ジャローダの特攻は二段階あがった!!】

 
 ただし、ジャローダという種族に限っては、違う--------------!!