二次創作小説(映像)※倉庫ログ

パート5:この風が泣いている(10) ( No.59 )
日時: 2015/03/11 22:57
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
参照: https://www.youtube.com/watch?v=IjcY-UDihi4

「ンァァァン? オ前ラ、俺様ノ特攻ガ下ガッタラ良イトカ思ッテンダロ? 俺様ハ”天邪鬼”ダカラ、逆ニ特攻ヲ上ゲチマウノサ!!」

 特性:天邪鬼(あまのじゃく)。自分に掛けられる全ての能力変化が、逆転する。
 つまり、自分の能力が上がる効果の積み技を使えば、その能力は下がってしまう。
 が、逆に言えば、だ。
 自分の能力が下がる効果を受けた場合、その能力は上昇する。
 今のリーフストームが良い例である。

「ちょ、ちょ、ちょぉーっ!? 受けきれるのコレェ!?」
「残念でした、変態ユレイドル。此処で出オチして貰います」
「いやいやいや、俺にはミラーコートあるから!!」


【レイドは食べ残しで体力を回復】
『レイド残りHP:153』

【ジャローダは食べ残しで体力を回復】
『ジャローダ残りHP:99%』


 相手は食べ残し持ちだった。
 いよいよ、これで相手のクレッフィは瞑想ドレイン型で確定である。
 瞑想一回も積んで来なかったけど。
 電磁浮遊も来なかったけど。

「んじゃあ、精々頑張って下さい」
「頑張るよ、頑張るよ! 食らえぇぇぇぇ、流影陣ぃぃぃぃん!!」
「ミラコな」

 
【ジャローダのリーフストーム!!】

【しかし、レイドにはあたらなかった!!】

【レイドのミラーコート!!】

【しかし、上手く決まらなかった!!】


「何やってんですか、変態ユレイドル」
「俺は悪くない」
「ですが、相手はミラコを見たはず。とりあえず、此処は纏わり付いてください」
「お、おう、分かった!」

 しかし、レイドは気づいた。
 ----------あれ、でもこれリフスト来たら、俺死ぬくね?
 さぁぁぁーっ、とレイドの顔から血の気が引いた。
 ぶっちゃけ、この状態で顔色なんか分からないが。

「ミラコだ!! やっぱ、俺はミラコを選ぶぞぉぉぉ!!」

 しかし、一瞬。さっきアクアが言っていた纏わり付くが頭にチラ付く。
 蛇睨みでもされて、ここを起点にされるのも怖い。壁貼りにリフスト持たせている可能性だってある。
 

【ジャローダのリーフストーム!!】
『レイド残りHP:51/193』


 が、現実は非常也。
 蛇睨みも壁も補助技は飛んでこず、飛んできたのは木の葉の嵐であった。

「すいません、レイドさん」
「何だよ、アクア」
「旋さん無償光臨のために、クッションになってください」
「ちょっ、分かってたよ畜生ォーッ!!」

 ぜぇぜぇ、と息を切らしているレイド。
 もう、この後の展開など分かりきっていた。

「くっ、安定行動を取らなかったこちらの負けということですか」
「危険な橋ばっか渡るからこういうことになるんだろうがぁぁぁ!?」

 
【レイドの纏わり付く!】

【効果は抜群だ!!】
『ジャローダ残りHP:減った?』

 纏わり付くの火力など、最初から分かりきっている。そして、

『ジャローダ残りHP:結果的に約7/8』

『レイド残りHP:食べ残しで63/193』

【ジャローダのリーフストーム!!】

【レイドは倒れた!!】


 お察しである。
 だが、1つアクアが言い訳をするとすれば、だ。ミラコを見た以上、別の行動をしてくるかとも思ったのだろう。
 例えば、蛇睨みとかで行動回数を減らす、などだ。
 結局は相手からすれば、リフスト連打が安定だったようである。

「って、ふざけんなぁぁぁーっ!?」
「まさか、ラグラージ対策用のジャローダをそんなに簡単に捨てるとも思わなかったんですよ!」
「喧嘩はやめてよ、2人とも!」

 その様子を見かねたのか、旋が1人進み出た。

「だが、此処からは俺が出て暴れる、それだけだろう」

 旋の言葉に、アクアは頷いた。

「そうですね。プレイングミスはありましたが、逆に言えばノーリスクで旋さんを無償光臨できたということ!」
「そうと決まれば、此処で全抜きするだけだ!!」


【頑張れ! ピジョット!】


 旋は息こそ切らしてはいたが、まだまだ諦める訳にはいかない、といった顔をしていた。
 ----------俺は、もう負けない……!! この風に誓って、師匠に誓って、俺は奴らを倒すんだ……!!

「此処での行動はどうするんだよ、アクア!!」
「相手は、先ほどのクレッフィ交換を読まれたので、同じ手は二度も使ってこないでしょう。暴風連打が最安定です!!」

 アクアの叫びに、旋は頷いた。

「たとえ、交換されたって、受け出しなんかさせない!! 受けさせはしない!!」

 -----------俺ら馬鹿に出来ることは、何か知ってるか旋
 -----------師匠、何ですか

「それは、即ち-----------!!」


【ツムジの暴風!!】


 轟!! と風が吹き抜けた。
 そして、吹き上げられたそれは、勢いよく暴走特急と化したジャローダを真空波で切り刻んでいく。
 
「ソンナ、バカナ……!!」

 ザクリ、ザクリ、ザクリ、ザクリ
 
 嫌な音が響き渡る。
 そして、風が止み-----------ジャローダの影は、八つ裂きになって、消滅した。

「風が笑っている。”この程度、取るに足らない、と”」

 相手の1匹目を倒した。
 そして、残るは2匹。
 クレッフィ、そしてラグラージ。
 こちらが優勢であることには変わらないが-------------


「……僕ノ戦略ガ尽ク潰サレテイク……!! 何故ダ、何故オ前ラハ僕達ノ邪魔ヲスルンダ……!! 辛イ現実ナンカヨリ、夢ニ浸リキッタ世界ノ方ガ、ヨッポド楽ナノニ……!! ギ、ギギギャアアアア!!」


 ラグラージが憎悪に満ちた奇声を発した。

「デリート……!! デリートデリートデリートデリートデリーィィィトォォォォォ!!」
「……目の前から皆、消えてほしいという願望……かつての僕そのもの、か」

 相手は、まだ戦う意思を見せている。
 いや、それどころか自分達を抹殺するつもりでいる。

「まだ、気を抜けないということですね……!!」