二次創作小説(映像)※倉庫ログ

パート6:雷電霹靂(8) ( No.83 )
日時: 2015/03/27 16:35
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
参照: https://www.youtube.com/watch?v=Z3kwvOzhJzE

【械域の番人が勝負を仕掛けてきた!】

【行け、ボーマンダ!!】

 
 初手、リザードン警戒でボマーが進み出た。
 
「うーん、赤い羽根、凛々しい眼、全部最高デース!」
「さて、相手は何を繰り出してくるんだ?」
「すっごい嫌な予感がするわ」


【番人はマニューラを繰り出した!】


「試合終了、どつかれさんした、逃げるぞ!!」
「まだ始まってすらいないわよ!」

 初手読みは外れた。よくよく考えてみれば、リーダーの男がハッサムだったのに、メガリザードンYがここで出てくるわけがないのである。
 そんでもって、マニューラは攻撃力も素早さも高く、素早さに至ってはメガシンカしたボマーさえも上回っている強敵。
 最後にやばいところを挙げるとすれば、氷タイプであることだ。

「うーん、勝てない相手を見極めるボマー、最高デース!」
「あんたはさっきからそればっか!?」
「もう無理デース、このままボマーの家の洗濯機に成り代わり、下着とか下着とか下着とか洗ってしまい----------」
「何で変態しかこのパーティには居ないのよぉぉぉ」
「とにかく俺は交代だ」


【ボマーは引っ込んだ!】


 さて、問題は引き先であるが、そんなものはとっくに決まっていた。

「頼んだぞ、モーター!」
「いっきマース!」


『ポケモンDETA
モーター:ロトム
性格:メンタルデータは♀を基準にしている。非常に明るく人懐っこく、ボマーLOVE。素直で、率直でストレートに彼に好意をぶつけるが、肝心の本人はやや引き気味。しかし一方で彼に仇名すものには容赦をしないなど、少々ヤンデレ気味な一面も。フレイのことは恋のライバルと一方的に認めている。
性能:恐らく、対戦小説史上で最も汎用性の高いポケモンといえる。その理由は、素を含む6つのフォルム。5個の”家電キューブ”によって対戦前に変身できる。そして、物理ポケモンキラーとも名高く、鬼火で機能停止にし、さらに複合タイプによっては地面にも打点があるなど、非常に優秀なポケモンである。
火力:B 速度:C 耐久:A 自覚:A スタミナ:S ボマーLOVE:SS』


【マニューラの氷の礫! 効果はいまひとつのようだ】

『モーター残りHP:145/157』
『マニューラ残りHP:珠ダメで9/10』

 相手のマニューラの持ち物は珠。さらに、猫だましを放たなかったあたり、切っているものと思われる。
 しかし流石の物理耐久、ダメージはたったの12。全く通用していない。

「今、氷技を撃ちましたネ? 完全にボマーを殺すつもりだったネーッ!!」
「アンダトコラ、氷タイプガドラゴンニ氷技撃ッテ何ガ悪-----------」
「ワタシはボマーをラブしてるネーッ!! オーバーヒートで焼き尽くしマース!」
「落ち着けぇぇぇ、お前の今のフォルムはウォッシュロトムだぁぁぁ!!」

 ぱかり、とドラム洗濯機の蓋が開いた。
 無論、彼女が依り代にしている洗濯機のことである。

「これで仕留めマース!」
「あ、ちょっと待て!」
「砲門開放!!」

 ドラム型洗濯機の体から、青白い炎が飛び出していく。
 

【番人はマニューラを引っ込めた!!】


 引っ込めた。
 だが、後続に鬼火を受けても平気なポケモンはリザードン以外いないはず。
 いや、居た。
 そういえば、一番出てこられたらまずいのがいた。

「ま、待て、モーターのお嬢! ここで鬼火は-----------!」
「ファイアアアアア!!」


【番人はエーフィを繰り出した!】

 
 皆さん、合唱。
 エーフィの特性はマジックミラー。
 その効果は、もうお分かりであろうか----------


【モーターの鬼火!】


「アウチ!?」
「何で鬼火撃ったんだ、ポンコツ洗濯機があああああ!!」

 放たれた青白い炎は物の見事に跳ね返り、モーターへ一直線。そして彼女の体を焼き始めたのだった。
 マジックミラーは問答無用で相手の変化技を跳ね返すというもの。ステルスロック、威張る、エレキネットなど、そういった技は勿論、どくどく、電磁波、そして鬼火。
 これらの技も反射圏内である。


【エーフィのマジックミラー発動! 変化技を跳ね返した!】

【モーターは火傷になった!】


「おいいい、ふざけてるんじゃねえよ! 何で鬼火打った!? 何で鬼火打っんですかィィィ!!」

 作戦指南担当のガメリオがブチ切れた。

「だ、だって、ワタシ……」
「ざっけんじゃねえよ、どーしてくれんだぁぁぁ!!」
「ガメリオさん、落ち着いてください!」
「くっ、滅茶苦茶じゃない……!」

 相手の方から笑い声が上がった。

「ふははは、所詮はその程度なんだよ! 友情だの絆だの抜かしてはいるが、所詮はその程度ということ! この世界に必要なのは、友情などという非・効率的なものではない! 全てが統率された効率によって裏づけされた実利的主義!! お前らの友情は我々の前で挫かれるんだよばぁぁぁか!!」

 ハッサムは嘲笑した。
 モーターは愚か、チーム全員を馬鹿にするように。

「なーにが環境トップメタだぁ、催眠を逃れた取りこぼしが、てめぇを潰して、このエリアは完全に機能停止に-----------」

 そこまで言いかけたところで、ハッサムは言葉を失った。
 視線。
 殺意の込められた視線が自分を貫いた気がしたのだ。


「お前、ちょっと黙れ」


 その表情は、鬼のそれだった。

「---------ふざけんじゃねえよ。邪険にしていてもコイツの頑張りは知っているんだ! こいつは普段ふざけてても、誰よりも仲間が大事なんだよ!! 友情だとかんな言葉、必要ねぇくらいにな!!」
「ボマーの旦那」

 モーター、とボマーは彼女の名を呼んだ。

「ソ、ソーリー……ボマー。ワタシの所為で……」
「今のはボルトチェンジが安定だったの否めないが、仕方が無い。マジックミラーを失念するなんてよくあることだ。なら、こう思えば良い」

 にやり、と彼は嫌な笑みを浮かべたのだった。


「相手への、せめてものハンデだとな!!」


 いやな、言葉と共に。
 ブチり、と余裕綽々だったハッサムの表情が崩れた。

「殺せェェェェ!! 奴をブチ殺せェェェェ!! 皆殺しだァァァァ、エーフィィィ!!」
「了解ダ」


【モーター残りHP:126/157】


 戦いは、まだ始まったばかりなのだ。