二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- パート6:雷電霹靂(9) ( No.88 )
- 日時: 2015/03/28 07:09
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
「仕方ガナイ。アマリ、手荒ナヤリ方ハ好ミデハナイデスガ----------!」
【相手のエーフィのマジカルシャイン!!】
太陽のように、眩い光が放たれた。恐らくはボマーへの交換読みか。
その光が、モーターを焼いていく。
ダメージは決して小さくは無い。しかし。
「シット……!」
『モーター残りHP:78/157』
以前よりも、食らうダメージの量は減っていた。
「すげぇ、3Vだったころとは比べモンにならねぇ耐久だ」
「流石、改修に出しただけはあるわ」
さらに、それだけではない。今の攻撃でモーターのHPは見事に半分を切った。
即ち、それは彼女の持っている持ち物の効果が発動するということ。
彼女は手に持っていた木の実をドラム型洗濯機の蓋を開けて、放り込む。
「デリシャス! やっぱり木の実はオボンに限るネ!」
【モーターはオボンの実を食べた!】
『モーター残りHP:117/157』
オボンの実は、自分のHPが半分を切ったときに最大HPの4分の1を回復するという効果を持つ。
全員は思った。
そのドラム缶洗濯機は四次元ポケットか!? と。
どっから吸収・消化されているのであろうか、全くの謎である。
「そして、このままビリビリさせちゃうネーッ!」
【モーターのボルトチェンジ!!】
くるくる、と回転したモーターは、電撃を放ち、エーフィに浴びせる。
閃光で目が潰れたエーフィは、目が開けられなくなる。
その隙に、電光石火の勢いで戻って行った。
「よーし、お疲れだったモーター」
「やん、お疲れだなんて、嬉しいデース、もっともっと褒めてー♪」
「調子乗るな、馬鹿」
冷ややかな声で返したボマーは、ムゥの方を一瞥した。
「よし、行って来い」
「……あ、ハイ、行ってきます!」
だっ、と駆け出した彼女は巨体を引っ張り、バトルフィールドに現れた。
「そんでもって、今回のムゥの型は何だ?」
「地震、氷の礫、氷柱針、フリーズドライで珠持ち、ACベースS調整にした型よ。単純な火力は、今までよりもかなり高くなっているわ」
「そうですねィ。今回のムゥ嬢のスタイルは、あっしとフレイさんも協力して考えましたからねィ」
マンムーはギャラドスや、ラグラージで止まりやすい。
しかも、彼らに起点にされるのはかなり痛い。
ギャラドスには岩技があっても、ラグラージには有効打が無い。
だが、それはフリーズドライを搭載することで、解決されるのである。
「ま、この試合でフリドラが生きることは無さそうだけど」
「それは言わないお約束ですよぅ……」
「ワーオ! ワタシも新人には負けていられないネ! マーベラスなスタイルだと思いマース!」
さて、ムゥには後攻ボルチェンのおかけで、負担は掛かっていない。
この状態から、何をされてもエーフィは倒すことができるはず。
1発耐えて、返しの地震で倒すことができる。
「エーフィの防御面はH60 B65でかなり脆いゼィ、とっとと倒しちまいなお嬢!!」
「了解ですっ!」
【エーフィの欠伸!】
ふぁあ、と相手のエーフィが欠伸をする。
「此処で欠伸ですかィ!? ループに嵌められなくてよかったですねィ……」
安堵した表情で、ガメリオは呟いた。
欠伸は、相手を次のターンに眠り状態にする技。交代すれば、眠りを免れることはできるが、その隙に技を使われる可能性もある、択ゲーマーの常套手段の1つだ。
しかし、此処でエーフィを倒せるのならば、何の関係は無いのである。
「そんじゃ、頼んだぜィ!!」
「分かりました!」
【ムゥの地震!!】
ムゥの巨大な脚から、大振動が巻き起こる。
エーフィの華奢な体が、それに耐えられるわけもなく、あえなく倒れ、影になって消えた。
『敵のエーフィは倒れた!』
「やりました!」
「ベリーグッド! マンムー族は、確実に役割をこなしてくれるネ!」
「やはり、ガブリアスと同じ攻撃種族値持ってるからな。高火力と組み合わされば、恐ろしいことこの上無い」
「珠持ってるから尚更ね」
【ムゥは命の珠で命が少し削られた!】
『ムゥ残りHP:163/181』
さて、こちらは手間取ったものの、1体目は何とか撃破した。
残るは、激重のマニューラと、まだ見ぬ3体目のみである。
「しかし、さっきのエーフィの行動……相手の3体目が見えてきやしたゼィ」
うーむ、と思案するガメリオ。
欠伸は主に、後続の積みアタッカーの積む起点を作るために使う。
そして、相手のパーティに居る目だった積みアタッカーといえば--------------
【番人はハッサムを繰り出した!!】
「剣はペンよりも強し……んっん〜、名言だね、これは」
こいつだ。
ハッサムは、虫・鋼タイプで弱点は炎のみという優秀な耐性の持ち主なのだ。
さらに、特性:テクニシャンで先制技のため威力の低いバレットパンチの威力を底上げし、メインウェポンにできるため、通称・バレパンマンと呼ばれるほど。
「どうする、ガメリオ!! 此処は----------」
「こっちにはモーターのお嬢が居まさァ!! 少々不安だが、削るしかないですゼィ!! すまねぇが、突っ張ってくだせェ!!」
「はいっ!」
元気の良い声が返ってくる。
しかし。
「舐めるな、ゴミ共がぁぁぁぁ!! 俺様に敵うとでも思ったか、この間抜けがぁぁぁぁ!! モンキーが人間に勝てるかぁぁぁ!! お前らは俺にとってのモンキーなんだよぉぉぉ!!」
奮い立たせるかのような咆哮。
邪念が集合する。
ハッサムの赤い鋼の鎧に、黒い瘴気が集まった。
【黒い影の怨念が瘴気を生み出す------------!!】
一瞬、瘴気で体が見えなくなった。
しかし、それが晴れると共に、そこには傲慢な鋼の戦士が佇んでいた。
「メガシンカ、完了ダァァァァ!!」
【敵のハッサムは、メガハッサムにメガシンカした!!】
より巨大になった鋏、羽、装甲の厚くなった鋼の体、鋭い眼光。
全てが、進化論を上書きしたことによって得られた力の産物だった。
「全テ、俺ノモノダ……、人気モ、コノ工場ノコイルモ、コノ世界モ、俺ノモノニナルンダァァァ!!」
強欲で傲慢なハッサムの化身は、残虐に微笑んだのだった。