二次創作小説(映像)※倉庫ログ

パート6:雷電霹靂(10) ( No.89 )
日時: 2015/03/28 13:39
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
参照: https://www.youtube.com/watch?v=tL2ztHq8_iw

 メガハッサムの特性は、メガシンカ前と同じテクニシャン。
 そして、特筆すべきは、底上げされた攻撃力だけではない。
 まさに、積み技を積むために強化されたかのような、鋼の耐久。
 防御種族値140、特防種族値100。HP種族値が70なのがせめてもの救いではあるが、ぶっちゃけ物理耐久力はギルガルドシールドフォルムとどっこいどっこいなのだ。
 メインウェポンが、強化された先制技のため、鈍足も然程気にならない。
 
「耐久の高さ、耐性の良さ、弱点は炎のみで半減以下を取られるタイプが非常に多い。俺が出て行っても良いが、マニューラ対面の時に削られていたら痛い」
「氷タイプはあんたの弱点よね?」
「だが、敵の氷技が氷の礫だけならばワンチャンある。俺はまだメガシンカしていないし、威嚇を入れてメガシンカしてしまえば、珠特化礫でも俺は余裕で耐える」

 ぶっちゃけると、性能がイカれているのは、どっちもどっちである。

「積まれるかもしれねぇが、モーターで受けに行けば問題ねぇ!」

 
【ムゥの地震!】

『メガハッサム残りHP:40%強』

 
 思った以上に入った。HPには全振りしていないのだろうか。
 
「オ、ノ、レィ……俺ノ鋼ノ肉体ヲヨクモ……!!」

 次の瞬間だった。
 ハッサムは戦いの舞いを踊る。
 そして、ビキッ、と何かが膨れるような音と共に、体が膨張した。


【ハッサムの剣の舞! 攻撃がぐーんとあがった!】


 そして、欠伸の効果が此処で現れる。


【ムゥは眠ってしまった!】


「よし、受け出しだ!」
「しかし、何でこのタイミングなんだ?」
「相手の技構成を見極めるためでさァ! あっしの予測が正しければ、あいつは次のターンで、あれを使ってくる!」

 眠ってしまったムゥを無理やり引っ込め、出て行くのは---------


「ワタシの出番ネ! ボマーの恨みはワタシの恨みデース!」


【チーム・ボマーはロトムを繰り出した!】

 
 モーターだ。
 そして、ハッサムのとった行動は---------


【ハッサムの羽休め! ハッサムの体力が回復した!】
『ハッサム残りHP:ほぼ満タン』


「ああ、回復されちゃったじゃない!」
「いや、ビンゴ! このハッサム、恐らく技構成はバレパン、剣舞、羽休め、後はせいぜい、とんぼ返りか叩き落とすでさァ!」

 つまり、普通のハッサムほど、攻撃技は多くは無いこと。そして、モーターに有効打が殆ど無いということ。
火傷ダメージを食らったものの、まだまだ余裕はある。

【モーター残りHP:97/157】

「オボンが無い以上、叩き落とすも余り入らねぇですゼィ! 積み型のメガハッサムに、トンボ返りを入れるスペースは、これ以上ねぇ!」
「ホザケェェェ、俺様ハ無双体制ニ入ッタンダ!! ココデ、皆殺シニシテヤル!!」

 殺意に満ちた眼差しを向けたメガハッサムは、そのまま弾丸のような拳でモーターを----------貫けなかった。


【ハッサムのバレットパンチ!!】

【効果はいまひとつのようだ】


「ベリースイート。お汁粉に蜂蜜入れるくらい、甘いデース」


『モーター残りHP:74/157』


 はっきり言おう。
 バレパンマンもクソもあったもんじゃない、と。
 たったの28ダメージ。1舞バレパンがこれである。悲しいね。
 元々、鋼技はモーターに4分の1の威力にされる。電気/水という優秀なタイプが此処で生きてくるとは。

「お、おのれィ……!」
「行くヨ! ゴーストポケモンを怒らせたら、怖いんだからネ!!」


【モーターの鬼火!】

【敵のハッサムは火傷状態になった】


 メラメラ、と鋼の装甲に青い炎が灯った。
 
「コ、コノ、ビチグソガァァァァァァァァァァァァァァァ!!」


【ハッサムの剣の舞!】

 
 やはりと言うべきか、強引に積んできた。
 しかし、こちらにも手がある。

「やれっ、モーター!! お前にはイカサマがある!! 強引に積んだ相手なんざ、怖くねぇぇぇ!!」

 そう。ロトムがORASで新たに習得した教え技、イカサマ。相手の攻撃力を利用して不意の一撃を叩き込む悪タイプの技だ。
 ただし、

「ソーリー、ボマー。教え技のデータは全てリセットして、ロストしちゃったネ!」

 覚えていれば、の話であるが。

「……え、んじゃあ今回の型は……」
「10万ボルト、ボルトチェンジ、ハイドロポンプ、鬼火のテンプレスタイルネー!」
「アホかぁぁぁ!! その構成は、強引に積まれたときにヤバいからやめておけ、と言っただろーがぁぁぁぁ!!」
「ちなみにダメ計ソフトの結果、ハイドロポンプでH振りメガハッサムに乱数二発ネ!」
「ドロポン2発ブチ込むしかねぇの、この状況!! 羽休めで粘られたら、流石のお前でも-----------」

 大丈夫ネ、と彼女は自信満々の笑みで答えた。


「ワタシを信じて、マイ・ダーリン♪」


 何か、ボマーは言い返そうとしたが、そんな気は失せてしまった。
 彼女はいつも、主人の命令に忠実だった。
 技を外したのは余り見たことがなかった。
 擬人化体を得てからも、それは同じだった。
 絶対なる信頼。
 それこそが、彼女の強さを裏付けていた。
 ここぞというときに技を外す口ばっかりの連中なんかより、多少おどけていても彼女の方が心強かった。

「勝ッタツモリダッタカ、廃材メ!! オ前ヲ、オ前ヲコントロール下ニオイテイナカッタコトガ、俺ノ唯一ノミスダ!! 
シカシ、叩キ潰セバ関係ナイ!! 貴様ナンゾニ、俺ガ倒セルカァァァァ!!」
「強がっちまって、まー」

 嘲りの笑みを浮かべたのは、今度はボマーだった。

「てめぇの自信はどっから来てんだ? 裏にいる自分たちのボスか? ボスから貰った力だから負ける訳が無いってか」
「何ヲ、貴様ァ……!!」
「馬鹿言ってんじゃねぇよ。現環境トップメタだろうが、何だろうが、この世界では負けるときは負けるんだよ。100%の勝利なんざ、この世界にはありえねぇんだよ!!」

にやり、といつもの嫌な笑みを浮かべて、彼は言った。


「冥土の土産に、こいつの力を味わいな、脳筋バサミさんよっ!!」


 次の瞬間-------------ハッサム目掛けて、全てを押し流す激流が襲い掛かった。


「照準確認、ロックオン!! いっけぇぇぇぇぇぇ!!」