二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 番外編:パート1 ( No.96 )
- 日時: 2015/04/01 12:55
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)
***
「で、ふざけんじゃねえええええ!! 何で、一回戦敗退になるんだよ、今の流れでよォ!!」
全身ずたずた、杖を付きながらドーラはルルに怒鳴った。ようやくさっき、気が付いたところである。
ルルはほぼ無傷だったが。
しかし、完敗ボロ負けでした。あれだけ格好良い前フリをしておきながら。
実を言うと、どっかの空飛びバカとは違い、ドーラはそこまで強くないのである。いや、違う。正確に言えばあの空飛びバカが強すぎるのであるが。
それでも、まさか此処まで滅多打ちにされるとは思わなかった。
「完全に相手が悪かったね。ローブシンとメガフシギバナとか」
「おめーは俺がやられた瞬間から、ずっと死んだフリしてただろうがぁぁぁ!!」
このとき、ドーラは自分がサイコキネシスを覚えないことを恨んでいたのだった。
または、自分が飛行タイプで暴風覚えていれば楽勝だった、と思っていた。
「完全にここでタイトル回収するなんてね。前々前作(BW)でラスボス張ってても、キツい奴はキツいとはこのこと」
「お前がブシンを倒せば、ワンチャンあっただろーが!!」
「ボクがじゃれつく外しちゃったの忘れたぁ?」
「ああ、忘れてねぇとも!! 赤字で宣言しようか、汝は無能であると!!」
「なっ、んなこと言ったら君だって人のこと言えないだろ!! 流星群外しまくってマスターからクビにされた癖に!」
激しい罵り合いの始まりである。
ドーラの種族はサザンドラ。ルルの種族はマリルリ。
タイプ相性的にも最悪な2人が、何故コンビを組んでいるのか読者の諸君は謎であろう。
「ぐはぁぁぁ」
ああ、今決着した。ルルのじゃれつくが物の見事に炸裂。
効果は抜群だ(4倍)
「まさか、二度もタイトル回収するなんて……ゲブホァ」
「で、結局優勝したのは、あのローブシンとフシギバナだったからね」
「どうしよう。隠密機動が取り返しに行くのか」
「いや、幾らあいつらでもな……」
犯罪まがいのことも行う隠密機動は、本来ならば取り返しにいくのだろうが、どの道今はゲッコウガのクナイがやられ、カクレオンのガメリオが離れているので無理であろう。
ということは、ボックスの外にいる彼らが知る由も無かった訳であるが。
「ちっくしょー、こんなことならゲーフリに押しかけてサイキネを習得してくるんだった----------」
とボヤく。
「折角起動キーはこっちが持ってるのによ!」
ルルは沈黙した。
そして、言った。
「……ぶっちゃけ、その起動キーで命令して、こっちに来るようにすれば良かったんじゃ……」
「電波が届かん。無理---------」
「ぎゃああああ!!」
突如、悲鳴が上がる。
今、会場の入り口付近に居たドーラ達は、思わず振り返った。
「何事……?」
「さーな。だけど、裏社会のいざこざは俺らが解決する、そうだろルル」
「仕方がないな」
そう言って、彼らは急いで闘技場に戻って行ったのだった。
***
闘技場控え室401。鍵が掛かっていて、誰も入れなくなっているようだったが、逸早く駆けつけたドーラが扉を蹴飛ばし、中に押し入った。
「うっふ〜ん、ここを踏んで欲しいの? ん?」
「あ、あふん、そ、そこは----------」
さっきのローブシンの男が、喘ぎながら倒れていた。そして、その上で美脚をぐりぐりと捻じ込んでいるのは、グラマーで身長の高いモデルのような女だったが、顔には黒い覆面を付けていた。
そして、フシギバナと思われる男も、完全に口から泡を吹いて倒れていた。腹には風穴が開けられており、電子分解が既に起こっている。
明らかに二重の意味で、小さい子には見せてはいけない光景のそれである。
ぐしゃっ
「ぼげぇッ」
直後、女の脚がローブシンの男の頭蓋を貫通した。
いよいよ、R18Gのそれになってしまった。
「ふんっ、他愛も無い連中ね。このスーパーコンピューターMX201番型を手に入れるのはあたし達だって相場が決まっていたのよ」
「流石姉貴! 優勝者を襲撃して、確実にスパコンを手に入れようだなんてアタシは感激しましたぜ!」
「すごいぜ、姉貴! ひゅーひゅー!」
取り巻きの黒ずくめの2人が囃し立てる。
「さあ、速くずらかるわよ-----------と、そういう訳にも行かないようね」
目の前に立ち塞がる、2人。
「---------一級危険盗賊団・ブルーローズ」
目の前にいる彼女らの名を呟く。
「ここまでの外道とは知らなかったな」
ドーラとルルだ。
それに対し、相手の女は2人を呆れた目で見ると、さも面倒そうな口調で答えた。
「ふんっ、裏社会に道も何もあったもんじゃないわ」
「全治”一週間”。ナノマシン療法で回復できる範囲か」
電子分解を起こして動かないローブシンとフシギバナを一瞥し、ドーラはこれ以上の問答をやめた。
そして、あくタイプらしい笑みを浮かべると、叫んだ。
「どの道、そのメタンは俺らのモンだからな!」
ピッ、と指に嵌められたリングにあるスイッチを押す。
「メタン・起動!!」
ピピピピピ、と電子音と共にスーパーコンピューターの目に明かりが灯った。
折り込まれていた脚が現れ、自分を抱えていた敵2名を弾き飛ばすと、ドーラの元にやってくる。
「な、何で起動キーをあんた達が!!」
「元々こいつは俺らのところから盗まれた奴だからな。此処の賞品になってると知って、取り返しに来たのさ」
ちなみにこの起動キー、既に複製されていたようで、ローブシンの男の指にも嵌っていた。
しかし、既に支配権はこちらにある。
「ドーラ、こいつらやっつけておかないと面倒だよ」
「OK。早速やっちまうか!」
と、ドーラがコマンドを入力しようとしたそのときだった。
メタンが突如、声を発した。
いや、言語プログラムをインストールしていたのは知っているが、問題はその言葉だった。
「ぴこーん、ぼうけんのしょがきえました」
は? と全員は困惑した。何言っているんだこのスパコンは。
「あたらしく ぼうけんのしょをつくってください」
「何言ってるんだお前!!」
「そんな ひどい」
「何でファミコンネタ!? つーかこういう流れどっかの漫画で見たぞ!!」
「そんな ひどい」
「ドーラ……これ、無限ループだよ」
「どこのラダトームのお姫様だよ、畜生どうすんだオイ!!」
「あなたは しにました」
「勝手に殺すんじゃねぇぇぇぇぇ!!」
メキッ、と音がした。
見れば、女の足元の床が凹んでいる。
「下らない茶番は聞いていないんだよ!! とっととそれを寄越しな!」
「ちっ、仕方ねぇ! やるぞ、ルル! メタン!」
「ふっかつのじゅもんをにゅうりょくしてください」
「好い加減にしろぉぉぉぉ!!」