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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 妖怪ウォッチ・妖怪&オリジナル妖怪対談 ( No.13 )
- 日時: 2015/03/07 14:59
- 名前: のらねこ (ID: Fas9i7dG)
八尾比丘尼さんからお借りした雪狐さんのお話です。
バトル
ちょいグロいので注意
妖怪であるあたしは人間よりも遥かに長い寿命をもつ。
海を渡った唐土(もろこし)を治めた人間の王は永久の命を
願い、大陸全土に臣下を送り、その秘薬なるものを求めたらしい。
バカバカしい……そんな薬がこの世にあるわけがない。
長く生きるというのは、必ずしも利益があるわけではないのだ。
長寿をもつあたしにとって生きると言うことは戦いの連続であった。
否応なしに襲い来る妖怪・退魔士を討ち、死線をくぐり抜けてきたあたし。
何度か死にかけた事もあったが、ただ1度だけ、恐怖したことがある。
群雄割拠時代の末期、ある宿場での事だった。
その頃、あたしは賭場の用心棒をしていた。
用心棒といえば聞こえはいいが、実際は殺しもやる。
特に大きな仕事の後は界隈などに出ようものなら、ただの的だ。
ほとぼりがさめるまでしばらく身を隠さねばならない。
身を隠すのに、この宿場は最適だった。
突き出た耳も九つの尾を隠す必要もない。妖力をもたない人間には見えないからだ。
活気に満ち溢れているようでいても、
澱んだ空気がこの宿場を覆っている。
堅気の人間はこの宿場には近寄らない。
悪人を取り締まる役人でさえもだ。
それもそうだ。この宿場は悪の巣窟といっても過言ではない。
侍崩れが徒党を組み、我がもの顔で表を歩いている。
この宿場の住人は物乞い、遊女、奴隷商、密売人に殺し屋、
用心棒等々……
そういったことを生業とする者が集う腐った宿場であった。
その中の1つがこの賭場(とば)だ。
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