二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 妖怪ウォッチ・妖怪&オリジナル妖怪対談 ( No.80 )
日時: 2015/10/02 02:03
名前: のらねこ (ID: v6.r5O3g)

『———次のニュースです。近年増加する振り込め詐欺の被害ですが
郵パックなど多額の金を送金させる手口が——』
ニュース画面には赤いグラフラインが年を追うごとに上昇している。
「怖いわねぇ…あなた」
「そうだねぇ…会社でも話題になってるよ、銀行や郵便局でも
注意しているって」
「お義母さんはケマモトにいるから、まだいいけど、
最近ぼけちゃってるからねぇ『昨日もケータが来たって』
騙されてなければいいけど、心配だわ」
「……………」
ケータはとても気まずい雰囲気で朝食のコーンフレークを掻き込んだ。
おばあちゃん痴呆疑惑の原因は自分にあるからだ。
(ケマモト行く時はおばあちゃんの家にうんがい鏡があるからなぁ…
今度から正面岩にしなくちゃ……)
「ウチも注意しなくちゃ…」
「ごちそうさま」
「ケータ、ちょっと郵便局に言ってハガキ10枚買ってきて」
「ええ……朝からぁ?」
「いいじゃない、春休みなんだし。お小遣いあげるから。
ハイ、100円」
「はぁーい…」
気怠い返事をしてケータは家を出た。
「ケータ、おいらチョコボー欲しいニャ」
お供のジバニャンが言った。
「1本しか買えないからムーリー」
むり壁に取り憑かれてもいないのだが
汗を拭いながらケータは呻くように言った。
「ケチだニャ。だから自転車パンクで修理中ニャン」
「関係ないって……って、あれ?」
肩を落としながら、ふと顔をあげると視界に入ったのは
木霊文化だった。
「あ、フミちゃーん」
「あら、ケータ君、おはよう」
「そうしたの?こんな朝早くから…」
「ママに頼まれたお使い、ゆうパックでお金を送るの」
文化がかなり膨れたパックを手さげ鞄からだした。
「はッ?いやいや、それダメでしょ!振り込め詐欺だよ!!」
「うるさいな…ケータ君には関係ないでしょ!?」
いきなり怒鳴った文化に妖怪ウォッチが反応した。
「フミちゃん何かに取り憑かれてるニャ!ケータ」
「うん!」
怒って郵便局に向かう文化にウォッチのレンズを当ててみると
文化の肩に大きな鳥がとまっていた。
色は灰色、眼に当たる部分に大きなサングラスをかけている。
「どうみても妖怪ニャ!」
「う、うん…でも、あんな妖怪みたことないけど」
その鳥がこちらに振り返った。
「サギ?お前等、オレオレの事が見えるサギ!?」
鳥妖怪がクワっとクチバシを開いて、けたたましく言った。
「何ニャ、お前は?フミちゃんから離れるニャ!」
「うるさいサギ!オレオレの仕事邪魔するなサギ!」
鳥が翼を広げて、襲いかかってきた。
「ジバニャン!」
「オイラの肉球パンチくらうニャ!」
ジバニャンがワンツーパンチを繰り出し、
鳥の顔にクリーンヒットした。
「サギッ!そんなパンチ、オレオレには効かないサギ」
クェックェッと嘴(くちばし)でつつかれるジバニャンとケータ。
「痛い痛い!地味に痛い!」
「この鶏妖怪!ニャめるなよ!フライドチキンにしてやるニャ!」
「サギッ!?鳥の毛を抜いて油で揚げるなんて、悪魔の所行サギ!」
よりいっそう嘴でつついてくる鳥妖怪。
「ジバニャン!必殺技だ!」
「了解ニャ!百烈肉球!オラオラオラオラオラッ!」
猛烈なパンチの応酬をくらって、鳥はたたらを踏んだ。
「サギサギサギー!めちゃくちゃ痛いサギ!」
「ニャ!?おいらの百烈肉球くらっても倒れないニャ!」
羽毛を散らしながらしきりに喚く鳥妖怪にジバニャンは唖然とした。
「オレオレ、お嬢がいないと厳しいサギ!覚えてろよ!」
クエーと捨て台詞を吐いて、鳥は飛んでいってしまった。
「フン、口だけは達者だニャ、
そう言えばフミちゃんは大丈夫かニャ?」