二次創作小説(映像)※倉庫ログ

選出画面 ( No.15 )
日時: 2015/03/02 20:54
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)

「——って、フリーバトルなの? レーティングじゃなくて?」

 ランダムフリーの海に足を踏み入れた瞬間、ココロからそんな突っ込みが入る。
 なお、今は対戦相手とマッチングするまで待機だ。

「あぁ、そうだが」
「せっかくだからレートに潜ればいいのに……マスターからレーティングに潜る許可が出たんでしょう?」

 レーティングの第七シーズンが終わり、新しいシーズンに入ってからすぐバトル・オブ・ホウエンがあったため、第八期レートパではほとんどレーティング対戦をしていない。つまり、レーティングも上がっていない。
 バトル・オブ・ホウエン後は、雷切たちの影武者にボコられるなど色々なことがあり、そういったことが契機となってBOH縛りで対戦することを決行したため、レーティングもBOH縛りで行うことにした。
 しかし、雷切はグレードが高く多くのプレイヤーが取っつくレーティングではなく、気軽に対戦できるフリーを戦場に選んだ。

「確かに俺たちはレートに潜れるようになったが、俺がフリーバトルを選ぶ理由は二つある」
「? それってなんですか?」
「一つ。レートパは長期間で一つのパーティーを使いづつけることになる。勿論、調整のために適宜入れ替えはするだろうが、型が単調になりやすいから人様に見せるには不向きだ」

 忘れてはならないのが、雷切たちは借金返済のために対戦しているのだ。少なくとも表向きの理由はそうだ。
 なので純粋に強さを求める以上に、エンターテイメント性を追求する必要がある。それゆえに、ガチパばかりのレーティングよりも、フリーバトルの方が多様性を見せやすい。
 これが、一つ目の理由。

「なら……二つ目、は……?」
「……俺がレートパから解雇された」
「あぁ……そういうこと……」

 レーティングに関しては雷切たちだけで対戦するわけではなく、トレーナー——今こうして地の分を書いている作者が操作することも多い(というか実質的には全部モノクロが操作しているのですが)。
 なので編成もトレーナーの意志で変わるわけで、今の環境でほとんど役割を持てない雷切は解雇、代わりに特殊受けのカクレオンを投入していた。お陰でレートが1600までならわりと無理なく目指せるようになりました。

「だから今回はフリーだ! 文句あっか!」
「別に……でも、そっちが本命の理由よね」
「あ、対戦相手、マッチングしましたよっ」
「……相手は、エヌアード、さん……パーティーは……」



【エヌアードPT
 ・サンダース[♀]
 ・シャワーズ[♀]
 ・ニンフィア[♂]
 ・キレイハナ[♂]
 ・バクーダ[♀]
 ・スピアー[♀]
    Analysis end】



「……なんつーか、すげーコメントに困るパーティーだな」
「相手にはブイズが半分……フリーだと結構いるわよね、パーティーの二、三枠くらいをブイズで埋める人」
「ブイズは好きだけど、それだとバランスが悪いから他でカバーしてるんかね」
「それならブースターをレジェンドフォルムにして使えば——」
「それ以上はやめろ。そんなゲスいこともやめてやれ」

 ブイズからブースターとグレイシアを抜き、ブースターの枠を某伝説ポケモンにすればあら不思議、とってもゲスいパーティーの出来上がり。

「……いいから……選出……」
「あぁ、そうだな。とりあえずニンフィアを止めるためにちーちゃんは必須か。バクーダ以外にも強く出れるしな」
「分かりました! がんばっちゃいますよー!」



【選出確定
 ちーちゃん——[♀:クチート]】



「あとはどうすっかね……バクーダをなんとかするためにラグナか?」
「でもお相手、どう考えてもトリルはなさそうだし、メガバクーダが出て来るかしら」
「俺たちは炎の通り自体はいいし、出てきそうだが、メガじゃないとなると……うーむ」

 今回のラグナロクは、前回と同じ腕白HB型。サンダース以外のブイズとキレイハナにはまず勝てないだろう型だ。
 バクーダが出るなら必須ではあるが、

「ニンフィアに起点にされるのが一番怖いな……」
「ねむカゴ瞑想だったら、欠伸でも居座るしね。シャワーズもなんだか不気味だし」
「それなら私の出番かな?」
「あ?」

 急に雪姫がしゃしゃり出て来る。いつものことだが。

「私なら道連れで一体持って行けるし、麻痺撒いてちーちゃんのサポートもできるよ?」
「……まあ、いいか。他に特別出したいって奴もいねーし」
「やったぜ」



【選出確定
 ちーちゃん——[♀:クチート]
 ゆきひめ———[♀:ユキメノコ]】



「……それじゃあ、最後は僕ですねぇ! ちーちゃんさんと雪姫さんでは、やはりバクーダがきついですからねぇ!」
「あぁ、そうするつもりだったんだがな」
「……違うんですか?」
「とりあえず入れときゃ便利だろうと思って、トンベリ出しちまった」
「……え……また……?」



【選出確定
 ちーちゃん——[♀:クチート]
 ゆきひめ———[♀:ユキメノコ]
 トンベリ———[♂:ヤミラミ]
           All select】



 とりあえずいれば便利という理由でほぼ反射的に選出されてしまうトンベリ。事実その通りで、出ればほぼ確実になにかしらの仕事はしてくれる。
 ゆえに彼は過労死担当と呼ばれることになったりなかったり。



「……さて、バクーダの突破手段は雪姫で道連れするだけか」
「なんだかいきなり危なげな選出だけど、大丈夫かしら?」
「もーまんたいもーまんたい! ぜーんぶ雪姫ちゃんに任せなさい!」
「では、行ってきます!」
「憂鬱……オレの、選出理由……酷すぎる、だろ……」

 早速不安しかない三人ではあるが、選んでしまったものは仕方ない。
 この三人で、今回は戦い抜くだけだ。

「それじゃあ、エヌアードさん」


『対戦、よろしくお願いします!』