二次創作小説(映像)※倉庫ログ

選出画面 ( No.24 )
日時: 2015/03/21 15:50
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)
参照: https://www.youtube.com/watch?v=uOyy2oynLno

 洞窟の中は真っ暗だが、ココロがフラッシュで洞窟内を照らしてくれたため、視界は明瞭だった。
 内部は大きな一本道が奥まで続いており、その周りにはいくつもの横穴が空いている。
 現在、雷切たちは一本道をひたすらまっすぐに歩いていた。

「……この穴はなんだ?」
「恐らく、低級ドラゴンの寝床だろう。今は休眠中なのかもしれんな。いつもなら、もっと外に溢れているはずだ」
「んなこと分かんのかよ」
「仕事柄、経験上、その程度の理解は及ぶ」

 横穴の先にいるのが低級なドラゴンであるのなら、この大きな道の先にいるのは、恐らく——
 そう思考を進めたところで、グレンが足を止めた。

「……どうした?」
「この先は広間のようになっているようだ。少し様子を窺う」

 そう言って、一同は身を縮める。
 そして、先にある広間のようになった空間に目を向けた。
 そこにいたのは、三体のポケモン。
 オノノクス、カイリュー、リザードン——いずれも龍型のポケモンだ。

「恐らく、奴らがこの洞窟内に潜む龍たちのリーダーだな」
「では早速、皆で討伐に向かいましょうかねぇ——」
「待て」

 ラグナロクが勇んで出て行こうとするのを、グレンが制する。

「広間のようであるとはいえ、あの空間はそれほど広くない。我々が総出で出向いても、むしろ動きにくくなるだけだ」
「確かにな。相手は三体、ならこっちも同数で出て行く方がいいだろ」

 さぁ、ここから選出決めの時間だ。
 相手はドラゴンタイプ二体と、炎・飛行のリザードン。
 もしかしたら援軍で他のドラゴンタイプも呼ぶかもしれないが、とりあえずこの三体を相手取るとして考える。

「さて、相手はドラゴンばかりっつーことで、ココロか雪姫には行ってもらいてーが……」
「あたしは今回CSのチョッキ型。リザードンとは流石に殴り合えないし、オノノクスも勝てるかどうか怪しいわね」
「ドラゴンへの打点はそれなりにあるし、リザはなんとかしねーとなぁ」
「僕も今回はステロ欠伸型なので、リザードンには打点がありませんねぇ」
「ならば私が行こう。今回は炎タイプに打点を持っている」

 そもそもこの仕事を持ちかけたのはグレンなので、グレンは選出されてしかるべきとも言える。
 さて、残り二体だ。

「んじゃ、とりあえずラグナ、お前もいけ」
「僕ですかぁ? しかしどのポケモンにも打点がありませんよぉ」
「ステロがそこそこ刺さってるし、お前なら連中相手にも受け出しができる。とりあえず壁になれ」
「……そんなことだろうと思っていましたよぉ。仕方ないですねぇ」

 渋々ながらも、ラグナロクも選出が決定した
 これで、残りは一体。

「最後はどうするかね……」
「リザはともかく、オノノクスやカイリューに打点が欲しいでしょうし、ドラゴンタイプの弱点を突ける技を持っている方がいいわね」
「だったら雪姫、行くか」
「え? 無理」
「あぁ!? なんでだよ!」

 いつも出番が少なく、時々駄々をこねては雷切をイラつかせる雪姫は、その数少ない出番を与えてやろうという時に、唐突かつ協調性のない拒否を示す。
 その返しに怒りを露わにしつつ詰め寄る雷切に、雪姫は手に持った機械を軽く掲げた。

「……なんだこれ」
「ハンディカメラ」
「なんでそんなもん持ってんだよ……」
「ちーちゃんやトンベリ君に、雷切君たちの勇姿を録画して見せてあげようかと思って。というわけで、私は今回記録係だから無理」
「ざけんな、んなもんココロに任せて行ってこい」
「やだもん」
「てめぇ……!」

 相手パーティー的に、雪姫はかなり刺さっている。なのでここは選出したいところだが、当人がそれを渋る。
 このまま雪姫が折れるまで押し問答を続けるという手もあるにはあるが、あまり悠長にやっていると、相手の方がこちらに気付いて動きかねない。

「くっ……畜生め、仕方ねぇ。俺が行く!」
「……大丈夫なのか?」
「一応、今回の俺はめざ氷持ちだ。オノノクスはともかく、カイリューには打点がある」

 しかしH4振りメガマンダをギリギリ確一にする程度の火力なので、マルチスケイルが潰れていたとしても、カイリューを倒せるかどうかは甚だ怪しいところではあるが。

「決まりだな。ふむ、この三人か……」
「HAHAHA! 久し振りに、雷切さん、グレンさん、僕の御三家トリオですねぇ!」
「嬉しくもなんともねーがな。だがしゃーねぇ、行くぞお前ら!」