二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 対戦パート1 ( No.25 )
- 日時: 2015/03/21 15:53
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)
【荒ぶる龍たちが勝負を仕掛けてきた!】
【行け、ジュカイン!】
「さぁ、対戦開始だな。先発はリザ読みで俺だ」
「相手はどう来るのか……」
【龍たちはリザードンを繰り出した!】
「HAHAHA! 先発読みは大当たりですねぇ!」
「……なーんか、忘れてる気がするんだよねぇ」
「というかこの対面、なんだか見覚えが……」
「うっし、んじゃとりあえず一発ぶちかますか!」
と、雷切が岩雪崩を放つ動作に入ろうとした、その直後だ。
相手のリザードンの持つメガストーンが反応した。
【リザードンのリザードナイトXと、龍たちのキーストーンが反応した!】
「……は?」
「あ」
「……なんだか、見覚えのある光景が……」
【リザードンはメガリザードンにメガシンカした!】
雷切の読み通りと言えば読み通り。リザードンはメガシンカした。
ただし、雷切が役割遂行できるメガリザYではなく、ドラゴン複合で岩が二倍弱点となる、メガリザXの方であったが。
まるっきりBOHパ対戦記録譚、一話の展開と同じである。
「おいおいマジかよ、メガリザXか……!」
「? どうした、貴様はリザードンに打点があるのではないのか?」
「俺の役割対象はリザYの方なんだよ!」
「な……なぜそれを先に言わない! 相手は龍だと言っただろう!」
「だからってXとは限らねーだろうが!」
【ジュカインの岩雪崩! 効果は抜群だ!】
[リザードンHP:ギリ6割]
【ジュカインの命が少し削られた】
[ジュカインHP:131/145]
そんなこんなやっているうちに、雷切の岩雪崩がヒットするも、ダメージは半分も届かない。
しかし岩雪崩でこのダメージなら、次の地震で落とせる可能性がある。ここでなにか奇跡が起こって、雷切が起点にされずなおかつ生き残ることができればまだワンチャン——
【リザードンの龍の舞! リザードンの攻撃と素早さが上がった!】
——残るわけもなかった。
「ちょっと、積まれてるわよ!」
「流石に今回も都合よく怯むなんてことはねーか……どうすっかね、これ」
とりあえず次の行動だが、一舞したメガリザXの攻撃を後受けできるようなポケモンは我がパーティーには存在しない。ラグナロクでも、オボン込みでも一発耐えるのが限度だろう。
「とりあえず、俺はここで捨てるっきゃねぇ。そしてラグナを死に出しからの、吠えるで流すか……」
「私が出て仕留めるという手もあるが」
「守る読みでもう一度積まれたら本格的にゲームオーバーなうえ、メガシンカしてもお前は準速だろ。種族値では同速だから、相手がSに補正をかけていたら一加速でも抜かれる。それならラグナを壁にして流した方が確実だ」
「壁という言い方が引っかかりますが、致し方ありませんかねぇ……」
とりあえずここで雷切は捨てるしかない。
一応、相手が舐めてかかってもう一舞する、なにかを読んだ命中不安技を外す、などの奇跡的展開を信じて地震を選択するも、彼の運命は変わらない。
少々、意外な過程ではあったが。
【リザードンの大文字! 効果は抜群だ!】
【ジュカインは倒れた!】
「あっつ! ……が、熱いだけだな。衝撃がねぇ」
「不可解だな。龍の舞を使用しておいて、特殊技の大文字とは……」
「確かに変だが、あり得ないってほどでもねーか? こいつは両刀メガリザXっぽいぜ」
メガリザードンXと言えば、特性の硬い爪を生かした物理アタッカーが多いが、元のリザードンが特殊よりのステータスをしていただけに、特殊攻撃もそれなりに高い。
なので、奇をてらった特殊型——とはいかずとも、役割破壊のような感覚で両刀にするケースも、少数ながら存在する。
龍の舞という積み技こそあれど、今回もそのケースなのだろう。
「まあどの道、これで俺はノックダウン……ラグナ、行け」
「了解ですよぉ!」
【行け! ラグラージ!】
ラグナロクの役目は、ともかく積んだメガリザードンを流すこと。両刀ならAを削っていることも十分あり得るので、一撃はほぼ確実に耐えられるはず。
ここでS上昇だけでもなんとか打ち消して、後でグレンに掃除してもらうのが一番だ。
「……来るぞ、ラグナロク」
「分かってますよぉ!」
【リザードンのドラゴンダイブ!】
相手のメガリザードンは、洞窟の天井付近まで急上昇し、即座に急降下する。
そして、凄まじい勢いのまま、ラグナロクへと突撃した。
「ふんぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」
「気張れラグナ! 耐えろ!」
「HAHAHA! これくらい余裕ですねぇ!」
と、軽く笑って見せるラグナロク。確かに今回のラグナロクの耐久なら、一撃はそれなりの余裕を持って耐えられるはずだったが、
【急所に当たった!】
[ラグラージHP:41/207]
残念ながら、当たり所が悪かったようだ。
「おいコラ。なにが余裕だ!」
「急所は仕方ないですよぉ!」
せっかくの壁役が、ここまで削られてしまうとかなり心もとない。
【ラグラージはオボンの実で体力を回復した】
[ラグラージHP:92/207]
オボンが発動して少しばかり体力を回復するも、それでも残りHPは半分を切っている。これで、残るカイリューやオノノクスの攻撃を耐えられるかどうか。
「む、むぅ、ですが、とりあえずあのリザードンだけでも流しますよぉ!」
【ラグラージの吠える!】
【カイリューは戦闘の引きずり出された!】
「出て来るのはカイリューか……まあ、正直なにが来ても大して変わらねーか」
「次はどうしますかぁ?」
「とりあえず、マルスケだけでも潰しとくか。この体力じゃお前も長くはもたねーだろ。ここでラグナも捨てて、あとはグレンがなんとかする」
「無茶苦茶な作戦だな」
「こうなった以上、そうするしかねーよ。ごちゃごちゃ言うな」
「雷切君が最初に一話と同じ轍を踏んじゃうからー」
「うっせぇ」
ともあれ、とりあえずここはカイリューのマルチスケイルだけでも潰しておきたい。
そうすれば、まだグレンで突破できる可能性が広がる。問題は、ラグナロクが今の体力でカイリューの攻撃を一撃耐えられるかどうかだが。
そういう問題ではないことも、起こり得るのだ。
【カイリューの龍の舞! カイリューの攻撃と素早さが上がった!】
「っ、龍舞だと……!?」
「これは一本取られたな。このタイミングで龍の舞とは」
「くそっ、まさか吠えるで流された直後に舞うとは思わなかったぜ……!」
確かに、カイリューも龍の舞で抜きエースになるメジャーなポケモンの一体だが、メガリザXが龍の舞を使っていたので、二体も抜きエースのようなポケモンがいるとは思わなかった。
なによりも、先ほど吠えるを見たばかりで、まさかいきなり積むとも思っていなかったのだ。なかなかどうして、相手は肝が据わっている。
「まーでも、こっちも積んでもいない相手に吠えるわけないし、舞った後に仕留められるなら、ここを起点にしてもいいような気はするよね」
「そんでも心理的に積みにくいはずなんだがな……」
【ラグラージの波乗り! 効果はいまひとつのようだ……】
[カイリューHP:満タン−カスダメ]
とりあえず波乗りでマルチスケイルを潰すものの、ダメージ自体はほぼ皆無に等しい。
本当に、マルチスケイルを無力化しただけのようだ。
「流石に次の攻撃は耐えられねーか……?」
「積むタイプのカイリューじゃ、無理でしょうね」
「くっ、だったらもうここでラグナも捨てて、次のグレンで守ると龍舞の読み合いでなんとかするっきゃねーか……さっきのリザみてーにドラゴンダイブしてくる可能性があるし、一応ここは吠えるを選んどくか」
淡い外しを期待すものの、こういう時に限って相手の攻撃は外れないものだ。
しかし、どうもこの対戦は、良くも悪くも予想外の事態が頻発するようだった。