二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 対戦パート2 ( No.26 )
- 日時: 2015/03/21 15:56
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)
【カイリューのドラゴンクロー!】
[ラグラージHP:5/207]
「っ……耐えた……!」
「うおぉぉぉぉぉぉ! 行きますよぉぉぉぉぉ!」
【ラグラージの吠える!】
再び、ラグナロクの号砲の如き雄叫びが響き渡る。
その勢いで、カイリューは吹き飛ばされ、代わりの龍が飛び出してくる。
【リザードンは戦闘に引きずり出された!】
「……とりあえず、助かったわね」
「まさか耐えるとは思わなかったぜ」
「流石はラグナロクだ。やはり貴様の耐久力は、評価に値する」
「そんな照れますねぇ、HAHAHA!」
「キモイからちょっと黙れ。さて、出て来たのはリザだが……」
ここでまた積んでくるのか、それともラグナロクを処理するつもりなのか。
相手は先ほど、カイリューで積んできた。ということはこのメガリザードンも、ここを起点にする可能性は十分あり得る。
ならば積まれてもいいように吠えるか。いや、それでは最低限の危機回避にしかならない。こちらがアドバンテージを全く取れていない。
「なら、積み対策、兼こっちが少しでもアドを取るために、ここは欠伸かね」
「欠伸を入れたからといって、アドバンテージが取れるわけではなさそうだが」
「少なくとも、お前が死に出しした時に動きやすくはなる。とはいえ、ここはステロが欲しい場面だな。カイリューを流すんなら、波乗りじゃなくてステロの方が良かったか……」
しかしそんなことは所詮、結果論にすぎない。そもそも積んでくるとは思わなかったからこそ、あの場面は波乗りを選択したのだ。
【リザードンのドラゴンダイブ!】
【ラグラージは倒れた!】
「普通に殴ってきたわね」
「しかしこいつ、全然外さねーな……命中90%を切ってる技を三回すべて当てるとか、運命力の高さを感じるな」
「四回に一回は外れるドラゴンダイブも二回当ててるし、ヤケモン適正はありそう?」
実際、このメガリザードンは採用技がヤケモンっぽい気がする。龍の舞を採用している時点で、ヤケモンなはずはないのだが。
「さて、と。ラグナもぶっ飛ばされたっつーことは……」
「うぅ、すみませんグレンさん、後はお任せしますねぇ」
「あぁ、任せろ。だらしない貴様たちの分まで戦うとしよう」
「一言余計だっつーの」
雷切、ラグナロクとやられてしまっては、もう後はグレンにすべてを委ねるしかない。
ここから、グレンで三タテする。勝利への道はそれだけだ。
「ちっ、まさかここで、全部お前に頼ることになるなんてな……」
「不満か? それとも私が信用ならないか?」
「俺としちゃ不満だらけだ……がお前の力は信用してる。なんとかして来い」
「無茶苦茶な司令塔だが、まあいい。では、私も出るとしようか」
【任せた! バシャーモ!】
『Information
グレン(DM:バシャーモ)
性格:クールで毅然としており、仕事柄こと戦闘においては非常に頼りになる存在。とても男前。
性質:高い攻撃力と広い技範囲、そして加速により際限なく上昇する素早さで相手を蹴散らしていく。
攻撃性能[A] 防御性能[C] 機動性能[A] 多様性[A]
仕事:拳で解決できる依頼は大体引き受けている。
End』
「さて、相手はメガリザードンX。このままではスピードが足りんな。一度守って加速す——」
「待て」
グレンが守りの体勢を取ろうとしたところで、雷切からの制止がかかった。
「なんだ」
「ここでの守るは安直だ。相手としてもそれは読めるだろうぜ」
バシャーモの守るは読みやすい。ほとんどのバシャーモには守るが採用されるため、ここで相手が守る読みの行動をしてきたとしても、なんら不思議はない。
特に、もしここで守るを読んだ龍の舞でもされようものなら、堪ったものではない。
「だが、素の状態ではあちらが速い。先手で攻撃されたらどうする」
「俺の読みでは、あのメガリザXは恐らく、CSベースの両刀だ。地震があるかは分かんねーが、メガシンカしたお前なら一発は耐えられると踏む」
「……根拠はなんだ」
「ラグナへのダメージと、奴が両刀であることだ」
一舞したドラゴンダイブを急所に当ててもなお、相手のメガリザードンはラグナロクを倒せなかった。硬い爪の補正がかかっているのに、だ。
それはつまり、相手はAにあまり努力値を割いていないのだと考えられる。CS振りで特殊火力を上げつつ、物理火力は龍の舞で補う。恐らく、そんな型なのだろう。
なので、ここで相手の攻撃を、グレンが耐える可能性は十分あり得る。
「……いいだろう。貴様を信じよう」
「別に信じるかどうかはお前の勝手だぜ。だが、ここは守る読み龍舞読みの、サブウェポンで殴ることを勧めとくがな」
「やはり、貴様はブレインをしている方が有能だな」
「まるで実戦じゃ無能みてーな言い方だな、おい」
「では、行くぞ!」
雷切の言葉を無視して、飛び出していくグレン。雷切の読みが正しければ、相手は守るを読んだ居座り龍舞。
グレンはそこに攻撃を叩き込み、メガリザードンを撃破する、つもりだった。
しかし、
【龍たちはリザードンを引っ込めた!】
「む、退避した、だと……?」
「こいつぁ……守る読みっつーのは当たってかもしれねーが、舞わずに交代してきたか。どの道、殴って正解かね」
【龍たちはオノノクスを繰り出した!】
【オノノクスの型破り! 相手のオノノクスは型破りだ!】
「出て来たのは、オノノクスですかぁ」
「好都合だ。奴は襷の可能性が高い」
「ここで襷を潰せりゃ、次の攻撃で落とせるだろうしな」
守る読みとは言え、なぜメガリザードンを残したのかは疑問ではあるが、この際そんなことは気にしていられない。
後はこのまま、一気に突き抜けるだけだ。
「さて、まずは……力を解放させてもらおう」
【バシャーモのバシャーモナイトと、メガバングルが反応した!】
グレンのメガストーンと、どこにあるのかが定かではないメガバングルに付けられたキーストーンが激しく輝く。
そしてその輝きの中で、グレンは、さらなる進化の形態へと、昇華する——
【バシャーモはメガバシャーモにメガシンカした!】
「——準備は整った。ここからが本当の、戦闘開始だ!」
【バシャーモの地震!】
[オノノクスHP:4割弱]
グレンは激しく震脚し、地面を揺さぶる。洞窟を崩壊するのではないかという勢いで、傍からすれば内心恐々だ。
「ふむ、確定二発は取れているな。これならば、次も地震で落とせる」
「あぁ……それはいいんだが、グレン」
「なんだ?」
「なんで地震なんだ?」
「跳び膝蹴りは外すリスクがあるからな。あの体力のメガリザードンXであれば、地震で倒せる」
「いや、そうじゃなくてだな……言い方を変える。お前、なんでエッジを撃たねーんだ?」
「採用していないからだ」
【バシャーモの加速! バシャーモの素早さが上がった!】
グレンが加速する中、雷切の中では静寂と沈黙が支配していた。それでも脳みそはフル回転。
先のメガリザードンX対面で、グレンは地震を撃った。それは、つまり、
「今回の私はフレアドライブ、跳び膝蹴り、地震、守るという技構成だ。ストーンエッジは最初から組み込まれていない」
「馬鹿野郎! それだとカイリューに打点ねーだろうが!」
「確かにそうだな……だが、なにか貴様には考えがあるのではないのか?」
「あるわけねーだろ!」
「なんだと!?」
と、ここでグレンが雷切のところまで戻ってきて、その胸倉を掴みあげる。
同時に雷切も同じことをしており、胸倉の掴み合いとなった。
「なんてことだ……ということは、カイリューへの有効打は貴様しかもっていなかったということか!」
「お前がリザに打点があるとか言うからだ! 適当なこと言うな!」
「私はあの時点で相手のリザードンがXだと確信していた! 相手は龍だと何度も言っただろう! それに、私は炎に打点があると言ったのだ! リザードンへの打点があるとは一言も言っていない!」
「紛らわしいんだよ! もっとはっきり言いやがれ!」
「あー、また始まった……お二人とも、今はそんなことしている場合じゃないですよぉ」
諍いとなった雷切とグレンの間に、ラグナロクが仲裁に入る。しかし、ヒートアップした二人はなかなか止まらない。
そんな三人を、外野の二人が呆れた表情で見ていた。
「……カオスになってきたわね」
「なんにしても、これはちょーピンチだね。流石に今回は負け試合かなぁ。せっかくいい対戦だと思ったんだけど、ボツ試合になっちゃった」
「なんの話?」
「メタい話」
それはそれとして。
雪姫の言うように、ここから勝ち筋を拾うのは絶望的だ。というか、ほぼ負けといって差し支えない。
しかし、これがネット対戦なら降参すれば終わりだが、残念ながら今回は討伐の仕事。そういうわけにはいかない。
まあ、また雪姫にならってメタいことを言えば、ランダムマッチでの対戦に脚色を加えているだけなので、降参は可能なのだが。
「——ちっ、しゃーねぇ! もうこの際だ、こうなりゃ最後までやるだけやるっきゃねぇ!」
「早々に倒れた貴様が言える台詞ではないな。いいだろう、私がすべて薙ぎ払ってみせよう」
「ふぅ……お二人とも、なんとか分かってくれたみたいですねぇ」
ラグナロクの頑張りによって、雷切とグレンの喧嘩はとりあえず収ま——ってはいないが、矛先はとりあえず龍へと向いた。
雷切は一度深呼吸をして、思考を切り替える。
「……こうなっちまった以上、もう俺らは正攻法じゃ勝てねぇ」
「だろうな。もはや考えることはあるまい。私が、ひたすら殴るまでだ!」
と言って、グレンはその拳を地面に叩きつける。
【バシャーモの地震!】
【オノノクスは倒れた!】
それと同時に発生した衝撃波でオノノクスが吹っ飛ばされ、戦闘不能。
まずは一体だ。
「……ここ、相手が最速スカーフであることを考慮して、一度守っといたほうが良かったかもな」
「少し浅慮だったか。反省せねばな」
結果的には相手は襷だったのか、なにもせずに倒せたが、こういう細かいミスを潰していかなくては、高みには登れない。
【バシャーモの加速! バシャーモの素早さが上がった!】
グレンはさらに加速する。これで素早さ二倍。たとえスカーフ持ちがいても、もう追いつくことはできない。
しかし、今の問題は素早さではないのだ。
【龍たちはカイリューを繰り出した!】