二次創作小説(映像)※倉庫ログ

選出画面 ( No.43 )
日時: 2015/03/31 04:52
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)
参照: https://www.youtube.com/watch?v=KpSc-PeD028

「さて、そんなわけでこんな面子だが、今回も対戦するぞ」
「それにしても酷いパーティーバランスね……ゴーストの通りが半端ないわ」
「まあ、即席で偶然とはいえ、誘ってるんだけどな。今回はミスティをエースにするぞ」

 いつもならエースはちーちゃんなのだが、今回はいないため、代わりのミスティがその枠に収まることとなったようだ。
 というか、形としてはミスティがその枠を奪い取ったようにも見えるが。

「今回のパーティーはゴーストを誘う。加えて、雪姫やスパコンピは火傷を貰いやすいからな。だから今回は、そういうゴースト連中を誘って、ミスティの起点にするぞ」
「メガシンカしたあたしなら、状態異常技は効かないし、ゴースト相手には強く立ち回れる……流石先輩です! そこまで考えてパーティーを組んでいたなんて!」
「つーか、面子がこれだけしかいないから、そういう風に戦うしかねーんだが……」
「言っても無駄でしょうねぇ、ミスティさんなら」

 その辺はもはや共通認識。自分がちーちゃんとトンベリを追い出したとも思っていない様子だ。
 さらに雷切に酔っているような言動の数々。もはやまともに状況を判断しているのかすら怪しい。

「あたしで積むってことは、キモ……ラグナ先輩はやっぱ、ステロ欠伸型ですか?」
「今なんて言おうとしましたかぁ?」
「そうだな。ついでにココロがスカーフ、雪姫は襷、スパコンピはチョッキだ」
「テンプレだねぇ」

 だがしかし、テンプレは強いからテンプレなのだ。これはこれで動きやすい。

「そういやミスティ。お前、炎技はあるだろうな?」
「はい! 先輩に言われて、あっつい大文字を持ってきました!」
「そうか、ならいい」
「持って来たって、技をそんな道具感覚で……」
「このパーティーのナットレイ突破方法はそれしかねーからな。あのベイブレードが見えた瞬間、即決でこいつを投げるぞ。まあ——」

 いつもならちーちゃんが焼き千切ってくれるんだがな、とつい零しそうになるが、寸でのところで押しとどめる。
 そして言いかけた言葉を紛らわすように、一度咳払いして、

「さて、お喋りはこの辺にしとくか。スパコンピ、マッチングできたか?」
「1621400121968100191610867312136」



【ライアンPT
 ・バクーダ[♂]
 ・リーフィア[♂]
 ・オーダイル[♂]
 ・エムリット[—]
 ・グランブル[♂]
 ・ユレイドル[♂]
    Analysis end】



「対戦相手はライアンさん。パーティーは……うーん、なんとも言えねー感じだねぇ」
「攻守のバランスはなかなか整っているようには見えるがな。とにかく選出を考えるぞ」
「とりあえず目を引くのは、メガシンカするバクーダと、準伝説のエムリットよね。メガ枠は他にないから、メガバクーダで決まりかしら」
「エムリットは……なにすんのかねぇ」
「3UMAの落ちこぼれですもんね」

 一般的に、すべての種族値が平均的で、尖った能力のないポケモンは冷遇される。なぜなら、種族値が平均的ということは、なにをやっても半端だからだ。
 一つのことに特化させた方が効率が良いというのは、実際の産業や工業でも言えること。そしてポケモンでも同じ。一つの能力に特化させた方が、仕事がしやすい。苦手なところは、他でカバーすればいいだけなのだから。
 そして3UMAと呼ばれるシンオウ地方の準伝説エムリットは、HPと素早さが80、それ以外がすべて105という尖りのない種族値をしている。

「種族値自体はそれなりに高水準なんだが、タイプと特性がまったく同じ3UMAでも、攻撃面はエムリット、防御面はユクシーがいる。だから中途半端なこいつは不遇気味だが……」

 しかし、それが逆に厄介なのだ。
 不遇ということは、あまり見ないということ。あまり見ないということは、なにをしてくるのか分からないということ。
 はっきり言って、このエムリットの型がまったく予想できない。

「エムリットと言えば、3UMAの差別化技で、癒しの願いを覚えたはずだが……復活させたいようなエースがいるようには見えねーよな。精々、力ずくが解禁されたオーダイル程度か」
「そもそもあたしたちのパーティーに投げて来るかが疑問よね。別に特別刺さってるわけじゃなさそうだし、他から見てみましょう」
「他か……とりあえず、バクーダは来るか?」
「炎がガン刺さりなパーティーだからね」

 このパーティーはいつもそうだ。どう足掻いても、炎が弱点となる。

「そうなると、ラグナは必須か。草二体は相手できないとしても、それ以外の奴は止められる」
「HAHAHA、了解ですよぉ!」



【選出確定
 ラグナロク——[♂:ラグラージ]】



「そしてラグナじゃ相手できない草に強いスパコンピも入れとくか。鋼とエスパーの通りは悪くねーし、一応、全体に等倍以上で通る打点はあるしな」
「今回の相手だと、ラグとパコだけで受け回せるわね。確かに入れた方が良さそう」
「4249362」



【選出確定
 ラグナロク——[♂:ラグラージ]
 スパコンピ——[—:メタグロス]】



「残り一体ね。どうするの?」
「そうだな……型が不明なエムリットに引っ掻き回されるのが、この場合は一番困るか……?」

 恐らくはサポーターだろうが、奇をてらったアタッカーという線もなくはない。
 サポーターであれば、ココロのスカーフトリックや雪姫の挑発で妨害できるのだが、逆にアタッカーだとなにをされるかわかったものではない。
 ならば、どちらでも対応できるポケモンをチョイスしたいところ。そしてそのポケモンが、今回はいるのだ。

「相手がサポーターなら、電磁波とかステロとかは持ってるだろうし、メガシンカすればSも抜ける。ミスティ、お前が行け」
「了解です! 先輩のためなら、たとえ火の中水の中、虫の中でも妖精の中でも筋肉の中でも戦います!」
「元気ねぇ……」



【選出確定
 ラグナロク——[♂:ラグラージ]
 スパコンピ——[—:メタグロス]
 ミスティ———[♀:アブソル]
           All select】



「今回の戦術としては、ラグナで場作りしつつ、スパコンピと合わせて相手の攻撃を受け回し、削れた相手をミスティで処理するか、どこかで隙を見て舞い、全抜きするかってところか」
「どちらにせよ、ミスティさんが掃討役となるわけですねぇ」
「まっかせてください! あたし、先輩のために頑張りますよ! 気合! 入れて! 行きます!」

 なんにせよこれで選出は確定した。重い相手も未知の相手もカバーできるような編成だ。
 後はただ、戦うのみ。

「えーっと、そんじゃ、ライアンさん」



『対戦、よろしくお願いします!』