二次創作小説(映像)※倉庫ログ

対戦パート4 ( No.47 )
日時: 2015/03/31 05:10
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)

【ラグラージは欠伸をした! しかし上手く決まらなかった】

【オーダイルは眠ってしまった!】


 相手の交代もなく、これでオーダイルは夢の国へ。
 だが、ここからがまた考えどころだ。

「このままミスティに代えて剣舞するってのも手だが、最速で起きられると面倒だ。できれば、ミスティはリーフィアの前で舞わせたい」
「先輩のためなら、どこでも舞いますよ!」
「うるせぇ! オーダイルの前で舞うのはリスキーだって言ってんだ! 死にてーのか!」
「先輩のためなら死ねます!」
「会話が噛み合ってないわね……」

 ともかく雷切の言うとおり、ミスティの耐久では、オーダイルの前で積むのは危険だ。一撃で落とされかねない。
 だがサポーターと思われる、リーフィア程度の火力なら、一撃は耐えられるはず。

「問題は、一舞不意打ちでオーダイルを倒せるかどうかだ……場合によっちゃぁ、ラグナで少し削る必要があるかもな。ミスティ、どうだ?」
「先輩のためなら——」
「それはもういいんだよ! 落とせるかどうかしっかり見極めろっつってんだ! そう教えたろーが!」
「あぅ……はい、ごめんなさい……えーっと……」

 ミスティは雷切に怒られて少ししょげるも、すぐに気を取り直し、相手のオーダイルを見据える。

「うーん……すみません、かなり微妙です。落とせるかなぁ……?」
「今回はCS振りだからな、ASなら確実に落とせるんだろうが……うし、ならもっと正確に計るか」
「どうするんですかぁ?」
「やだなー、ラグナ君。なんのための『BOHパ対戦記録譚』第四戦目があると思ってるの? 前回から読み直して来たら? こういう時こそスパコンちゃんの出番でしょ!」
「言ってることは意味不明だが、その通りだ。こんな時のためのスパコンピだぜ。スパコンピ、ダメージ計算だ。頼むぞ」
「4249362」



攻: メガアブソル
防: オーダイル
ダメージ: 129〜153
割合: 80.1%〜95%
回数: 確定2発



「メガアブソルの一舞不意打ちで、H4振りオーダイルには最低八割は入るようね」
「相手のオーダイルは、ステロダメ一回、珠ダメは二回受けている。舞えれば落とせるな」

 だが、かといってここでミスティを後出しできるわけもない。
 相手は龍の舞を使用して、Sも115族は抜いているはずだ。ならばここでミスティを出して舞っても、不意打ちとアクジェの不利なじゃんけんになってしまう。
 なので、ここで一度、オーダイルには退場してもらわなくてはならない。

「ラグナ、吠えろ」
「え……いいですけど、リーフィアが出てきますよぉ」
「構わねーさ。ここで吠えてオーダイルを流し、リーフィア対面でお前を捨てる。その後、死に出ししたミスティで舞ってニタテするぞ」

 それが、雷切の見出した勝ち筋だ。

「まがいなりにもエースだからな。任せたぞ、ミスティ」
「はい! 先輩の期待には、絶対に応えてみせます! 見ててください!」
「僕は完全に捨て駒なんですけどねぇ……まぁ、仕方ありませんか……」

 そもそもそういう型なのだ。むしろ、ここまで生き残っていられただけでも僥倖とさえ言える。


【オーダイルはぐうぐう眠っている】

【ラグラージの吠える!】

【リーフィアは戦闘に引きずり出された!】

【リーフィアに尖った岩が食い込んだ】
[リーフィアHP:5割未満4割以上]

 相手のオーダイルが眠っているところを、ラグナロクは凄まじい咆哮で吹き飛ばし、リーフィアを引きずり出す。

「とりあえず、リーフィアとの対面は作れましたねぇ」
「もしかしたら、ここで草技を持ってないとかいう事態が起こる可能性もあるが、まあそれならラグナで欠伸して、ミスティ後投げでいいか」
「僕としてはそちらの方がいいんですがねぇ……」


【リーフィアのリーフブレード! 効果は抜群だ! 急所に当たった!】

【ラグラージは倒れた!】


 しかしそんなことはなく、やはり攻撃技は持っていた。
 体力満タンなら、無振りリーフィアのリーフブレードでも乱数次第では耐えたが、ここまで削られてしまえば流石に死ぬ。
 オーバーキルな無駄急所も加え、ラグナロクは撃沈した。


【任せた、アブソル!】


 そして、そんなラグナロクの屍を踏み越えて、ミスティが颯爽とフィールドに立つ。

「さて、それじゃあここから全抜きよ!」
「超えるのはいいですが、踏むのはやめて欲しいですよぉ……」

 ラグナロクの嘆きは当然のようにスルーされ、ミスティは刃を振るい、勇ましく、そして力強くステップを踏む。


【アブソルの剣の舞! アブソルの攻撃がぐーんと上がった!】


 これでミスティの攻撃力は二倍。全抜き体制は整った。

「後はリーフィアを落として、オーダイルも落とすだけ、か」
「負け筋があるとしたら、リーフブレード急所、不意打ちと龍舞のじゃんけん、オーダイルが耐久に厚く振っていた、とかかしら」
「なんだかんだで一番ありそうなのは急所だよね」

 だがさっきラグナロクが急所を引いたばかりなので、連続はないと信じたい。


【リーフィアのリーフブレード!】
[アブソルHP:41/140]


「っ……!」

 リーフィアは返しにリーフブレードでミスティを切り裂く。火力に振っているのかは分からないが、やはりアブソルは脆い。余裕で確定二発だ。
 しかし、確一でなければ問題ない。晴れていないので上は取れている。有効打も持っている。

「ミスティ」
「はい、先輩!」
「きっちり決めて来いよ」
「了解です! 行きます!」

 グッと踏み込み、ミスティは飛び出す。
 そして、一息でリーフィアとの間合いを詰めると、漆黒の鎌を振りかざす。

「——切り裂け!」

 振りかざされた鎌は、剣舞の踊った勢いのまま、振り降ろされた。
 死神の如きその鎌は、まずは風を切り、次に虚空を切り、そして最後には、敵を切る——


【アブソルの叩き落とす!】
[リーフィアHP:意外と残った1割くらい]


 ——はずだった。

「……あれ?」

 確かにミスティの刃はリーフィアを捉えていたはず。しかし目の前には、しっかりとしなびたレタスの化身が立っている。
 レタスの化身は、お返しだと言わんばかりに、葉っぱのような尻尾を振るった。


【リーフィアのリーフブレード!】

【アブソルは倒れた!】


「きゃっ!」

 そして、その一撃で、ミスティは崩れ落ちる。
 確定一発でなければ問題ない——そんなものは幻想だった。
 それは慢心か、ミスティは確定二発に殺されたのだった。
 そして、その様子をしっかりと見ていた雷切は、

「……おい、ミスティ」
「は、はい……なんでしょう、先輩……? め、目が怖いですよ……?」
「てめぇ! なんで叩き落とすなんだよ! リーフィアの物理耐久分かってんのか!? B130だぞ130! てめーの持ってる大文字は飾りか!? あぁ!?」
「あうぅぅぅぅ! ごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃぃぃ! 叩きと落とすで倒せると思ったんです! 大文字命中不安だったんです! ごめんなさいひよりましたすみませんすみませんすみません先輩だからそんなに怒らないでえぇぇぇ!」

 剣舞による攻撃上昇の過信と、リーフィアの物理耐久を舐めていたことによるミスだ。ここは大文字を撃つ場面だった。
 怒鳴る雷切に、ミスティは涙目——というかほとんど泣いていた。

「……まあ、これはリーフィアを殴る直前にダメージ計算しておくべきだったわね」
「とゆーかこの時に気づいたけど、お相手さん忘れ物してたんだね。これ持ち物あったら倒せてたなぁ」

 計算してみると、相手のリーフィアは火力にはまったく振っておらず、恐らくHSかHB。葉緑素でS調整をして、残りをHBに振った感じだろう。
 仮にHB特化だとすると、ダメージは四割から五割弱。倒せるかどうかはかなり怪しいものだった。
 もっとも計算しても、相手が忘れ物をしていたことを忘れていたので、間違った計算をして、落とせると思ってしまっていただろうが。

「はぁ……もういい。とりあえず、対戦は終わりだ。最後の締めを忘れるな」
「うぅ、ごめんなさい……」
「もういいつってんだろ。いいからほら、やるぞ」
「はい……」


『ライアンさん、対戦ありがとうございました!』

【ポケモントレーナーのライアンとの勝負に負けた……】