二次創作小説(映像)※倉庫ログ

選出画面 ( No.58 )
日時: 2015/04/16 15:54
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)
参照: https://www.youtube.com/watch?v=QoA-c9VLoOg

「つーわけで、選出画面だ……物理と野郎が多めなパーティーだといいんだが……」
「え? 雷切君ホモだったの? うわー、引くわー」
「そうじゃねーよ……」

 いつもなら声高らかに反論するはずの雷切だが、なぜか今回はげんなりしたように言葉を返す。
 そのことに疑問を感じながら、対戦相手のパーティーが表示される。



【橙PT
 ・メタグロス[—]
 ・ヌオー[♂]
 ・ニョロトノ[♀]
 ・ボルトロス[♂:化身フォルム]
 ・フシギバナ[♂]
 ・ヌメルゴン[♀]
    Analysis end】



「対戦相手は橙さんですね。えっと、パーティーは……」
「……雨パ、か?」
「ニョロトノがいるあたり、そうっぽいわね」

 キングドラやオムスターのような露骨な雨アタッカーがいるわけではないので断定しづらいが、しかし雨パっぽい面子ではある。

「とりあえず、選出を考えるぞ。まずココロは確定だ」
「……即決……」
「まあ、バナの突破を考えるならエスパー技は欲しいわよね。技の通りもそこそこいいし、メタグロスにだけ気を付けましょうか」



【選出確定
 ココロ——[♀:サーナイト]】



「次にココロが相手できないグロスだな」
「今回のあたしは臆病スカーフ型。メインウェポン二つにトリック、サブウェポンには気合玉を搭載しているから、対面ではまず勝てないわね」
「では、そこを補完するんですね。誰が行くのかしら?」
「グロスを相手できる奴は、うちのパーティーでは三人いる」

 そう言って雷切は、ちーちゃん、トンベリ、ラグナロクを順番に見遣る。

「火力で真正面から叩き潰すちーちゃん、鬼火自己再生で封殺するトンベリ、壁になるラグナ……さて、どいつで行くか」
「今更ですけど、僕は壁としか認識されないんですぁ……?」
「私も! 私もグロス倒せるよ!」
「お前は道連れするしかねーだろ。シャドボの威力低すぎて無理だ」
「えぇー……なんかいつもお預け喰らってる気がするんだけど、私……」

 残念ながら、バレパンも持っている可能性があるメタグロスに道連れは使いづらい。他への刺さりも良いとは言えないので、雪姫の選出は見送りだ。

「できればちーちゃんで火力を押し付けて行きたいんだが、相手には特殊アタッカーと物理受けが多めだからな。ちーちゃんは出しづらい」
「メガフシギバナにも有効打がないから倒せません……ごめんなさい」
「バナは絶対いるだろうしなぁ」

 ヌメルゴンと対面した時も、先手で大文字を喰らうと致命傷、ニョロトノの雨ドロポンや化身ボルトの電磁波からの即麻痺バグも怖い。
 下手に削られるとグロスの地震圏内、最悪ではバレパン圏内に入れられ、役割遂行できないままやられてしまう可能性も考えると、軽々に出すのは躊躇われる。

「かと言って、まともな物理アタッカーがグロスだけの相手にトンベリもなぁ……」
「……化身ボルト……挑発、持たれてたら……きつい……」
「タラプメタバ型だからバナには勝てそうなんだがな。つっても、グロスに後出ししづらいし、ココロが拘ってることから、サイクル戦になりそうだ」

 そうなると、受け回して戦えるような駒を選出したいところだ。
 このパーティーで耐久があり、メタグロスに後出しができる気持ちの悪い壁役と言えば、一人しかいない。

「ラグナ、出番だぜ」
「なんだか釈然としないのですが……まぁ、了解ですよぉ!」



【選出確定
 ココロ————[♀:サーナイト]
 ラグナロク——[♂:ラグラージ]】



「さて、これで二体決まったな。最後はちっと危険だが、火力を出せるちーちゃんでもするか……」
「ねぇ、雷切君」
「それか、メタバの反射に賭けてトンベリにするか? そこまで高火力もいねーし、物理アタッカーが少なくても、鬼火は無効化されない。スリップダメにはなる」
「雷切君? もしもーし?」
「いや、やっぱ誰でも一体持って行ける雪姫でもいいかもな。さっき出たいっつってたろ。せっかくの機会だし、たまにはお前も出してやる、喜べ。お前の道連れは飾りじゃないってところをだな——」
「雷切君」
「……っ」

 再三にわたる呼びかけに応答せず、遂に痺れを切らしたのか。
 ギュッ、と。
 みゆりは雷切の背後から——抱きつく。

「え? な、なにを……!?」
「うわー、うらやまけしからんいいぞもっとやれ」
「あぁ、雷切さん……南無です」

 ミスティが見たら発狂死しながら憤死しそうな光景、そして男なら本能的に興奮を覚えるような状態だが。
 当の雷切は、抱きすくめられたまま、なぜか顔が真っ青に青ざめていた。

「雷切君……私のお話、聞いてくれますか?」
「……はい」

 それまでみゆりの発言には無視を決め込んでいた雷切だが、諦めたように頭を垂れた。
 そしてみゆりは、嬉々として口を開く。

「この編成では、相手のニョロトノがアタッカーだった時に辛いですよ」
「い、いや、そん時はココロがなんとか……」
「いいえ、ココロさんは他にお仕事があるので消耗は控えた方が良いです」
「そ、そうっすかね……?」
「そうです。それと……私、出られそうじゃないですか?」

 ビクンッ!
 その言葉を聞いた瞬間、雷切は飛び上がりそうになる。
 背筋になにか冷たいものが通り抜け、悪寒が絶え間なく襲いかかる。
 そんな雷切のことなどお構いなしに、みゆりは続け、

「メタグロス以外になら……勝つ自信、ありますよ?」
「た、確かに先輩は刺さってるかもしれませんけど……」
「なら決定ですね。久々の雷切君たちと一緒の対戦、張り切ってまいりましょう」
「あ……」



【選出確定
 ココロ————[♀:サーナイト]
 ラグナロク——[♂:ラグラージ]
 みゆり————[♀:ユレイドル]
           All select】



「あぁ……恐れていたことが……」
「雷切さん、もう無理です。みゆり先輩、やる気満々ですよぉ」
「あーなっちまったらもう止めらんねーな。せめて、ココロとお前だけでなんとかしたいんだが……」
「僕も頑張りますが、先輩の言うことももっともですからねぇ……」
「くそっ、なんでよりよってこんな時に特殊より雨パなんて出て来るんだよ……!」

 陰でなにやら言い合っている雷切とラグナロク。
 なにか、みゆりが対戦に出ることをかなり渋っているようだが、その真意は不明。
 周囲からしても疑問符が浮かぶばかりだ。

「……ライとラグはなにをそんなに渋ってるのかしらね」
「さーねー、私もよく分かんないや」
「……謎……」

 さて、なにはともあれこれで選出は決まった。
 時間も切迫しているので、そろそろ次の画面へと移る頃合いである。

「はぁ……やっぱもう諦めるしかねーんかね……」
「でしょうねぇ……ともかく、橙さん」



『対戦、よろしくお願いします!』