二次創作小説(映像)※倉庫ログ

対戦パート1 ( No.59 )
日時: 2015/04/16 19:43
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)

【ポケモントレーナーの橙が勝負を仕掛けてきた!】

【行け、サーナイト!】


「……対戦開始だぜ。先発はココロからだ」
「なんであたしなの?」
「とりあえず技の通りがいいからな。それに、化身ボルトがいたら先発で出て来る可能性が高いと踏んだ」

 化身ボルトはパーティー全体で対応可能と言えば可能だが、まともに殴り合えるのはココロだけだ。
 みゆりは出しても逃げられるだけ、ラグナロクは挑発でステロ欠伸を封じられてしまい厄介。
 なので、面倒な補助技で引っ掻き回される前に、上から殴って倒してしまおうと考えたためである。

「ま、電磁波は怖いが、そん時はそん時だ」
「ちょっと雑すぎやしないかしら……で、お相手は本当に化身ボルトなのかしらね?」


【橙はヌメルゴンを繰り出した!】


 残念ながら出て来たのは雷親父ではなく、R18ドラゴンだった。

「……読み外した……」
「で、でも相手はドラゴンタイプ。ココロさんなら有利ですよっ」
「まあ、タイプ上はな……だが、流石のヌメルゴンでも、ココロのムンフォなら確二にできるか?」
「どうかしらね。たぶん行けると思うけど」

 こういう時にちゃんとダメージ計算をして、裏に退くかどうかをしっかりと考えなくてはならないのだが、しかしこの時、彼らはそこまで思考が働かなかった。


【サーナイトのトレース。ヌメルゴンの潤いボディをトレースした】


「ん? うるボ? ……あぁそうか。雨パならそりゃ、草食やぬめぬめより、うるボだよな」
「潤いボディだからと言って具体的になにをするかは分からないけれど、とりあえずドラゴン相手なら、殴り合えそうかしらね」

 うるボヌメルゴンの型なんて知らないため、こればっかりは正確な分析ができるはずもなく、しかし特に根拠もないまま殴り合えると判断。
 ココロは月の力を吸収し、ヌメルゴンへと解き放つ。


【サーナイトのムーンフォース! 効果は抜群だ!】
[ヌメルゴンHP:約半分(ギリギリ緑ゲージ)]


「かてぇ!」
「ココロさんの攻撃が半分も入ってませんよぉ!」
「……いや、ギリギリ、半分……ないか……」
「無補正とは言えCぶっぱなんだけどね、これでも……」

 一致抜群技でギリギリ半分削れない火力。これはココロが火力不足というより、ヌメルゴンの特殊防御が高いためだろう。
 この耐久から、相手のヌメルゴンがDにも努力値を割いているだろうことが推測される。

「それでも、ヌメルゴンからの有効打はないですよね? 火力に努力値を割いていないなら、このまま押し切れるんじゃ……」
「いや、ちーちゃん。たぶんそうもいかねーぜ」
「ヌメルゴンにはあるもんね、サナへの打点」


【ヌメルゴンのヘドロ爆弾! 効果は抜群だ!】


 直後、ヘドロの塊がココロへとぶつけられ、炸裂する。
 フェアリータイプに毒タイプは効果抜群。さしものココロでも大ダメージは免れない。
 しかも、さらに悪いことは続き、


【サーナイトは毒を浴びた!】

【サーナイトは毒のダメージを受けた!】
[サーナイトHP:50/143]


「う……ただでさえヘド爆が痛いのに、毒なんてついてないわ……」
「確二にはできてねーから突っ張るのは悩むが、退いても毒のせいで長くないか」
「……どうする、ここ……」

 相手のヌメルゴンは、ココロのムーンフォース二発では確実に倒せる保証がない。
 だが相手はヘドロ爆弾を持っているので、そのままココロを落とすことができる。

「ここは悩みどころだな。ムンフォは見た感じ、乱数二発だが……」

 ヌメルゴンを倒せると信じてムンフォで突っ張るか、裏に退くか。
 そして退く場合の交代先となるのは、特殊受け。つまり、

「退く場合は私でしょうか。私ならヌメルゴンを抑えられますけど——」
「よし! ココロ、ムンフォだ! あの粘液ドラゴンを吹き飛ばせ!」

 と、みゆりが最後まで言い切る前に、雷切は結論を出した。
 もう一度ムーンフォースを打ち込めば倒せる可能性も確かにあるので、間違った判断とは言えないが、どこか軽率な気もする。
 というより、よほど裏に退きたくないから押したようにも見える。

「なんだか妙な感じだけど……まあいいわ。ライがそう言うなら、このまま押すわよ」

 相手も裏に軽々には下がれないだろう。こちらが倒せる可能性があるように、向こうもココロの攻撃を耐え、反撃して倒す可能性があるのだ。
 勝てる確率はフィフティフィフティ——五分五分といったところ。
 ヌメルゴンが攻撃を打ち出さんと構えた。それに合わせて、ココロも手中に月の力を込める。

「あたしの力が勝つか、あなたの守りが勝つか……勝負ね」

 そして最大までその力を溜め込むと、一気に開放する。


【サーナイトのムーンフォース! 効果は抜群だ!】

【ヌメルゴンは倒れた!】


 月の力が最大まで凝縮された光球の直撃を受けるヌメルゴン。最初の一撃は余裕で耐えられたその一撃だが、二撃目はそうはいかなかった。
 乱数の悪戯——この世界ではそう呼ばれるものの力により、ヌメルゴンはその場から崩れ落ちるのだった。


【サーナイトは毒のダメージを受けた!】
[サーナイトHP:33/143]


「なんとか突破よ……!」
「さすがですっ、ココロさん!」
「なんだかんだで仕事はきっちりするからな、ココロは」

 場合によってはなにもできない雷切や雪姫とは違うのだ。
 とはいえココロも、毒のダメージも重なり、かなり消耗してしまった。
 この先も戦い続けるのは、少々厳しいだろう。

「恐らくフシギバナはサイキネ一発じゃ落とせないし、少しまずいかしら」
「確かにまずいかもな……」
「? どうかしましたか? 雷切君」
「いえ、別に……」

 と、雷切はみゆりを見遣りつつ呟くように言う。
 この時、ココロのまずいと、雷切のまずいには、大きな隔たりがあるのだが、それは後ほどわかること。
 それよりも、ここまでココロが消耗してしまうと、フシギバナと殴り合えなくなるどころか、後出しすらできない。選出されているかも分からない状況ではあるが、こちらのメガバナへの打点の乏しさを見ればまず出て来るはず。どうにかして突破手段を考えなければならない。

「現実的に考えるなら、誰かで適当に削って、サイキネ圏内に入れて仕留める、ってくらいかね」
「あたしは今ムンフォで拘ってるし、どの道裏に退かないといけないからね」

 ただ、その削り役をどうしようか、と雷切が考えている中。
 相手の二番手が登場する。