二次創作小説(映像)※倉庫ログ

対戦パート5 ( No.63 )
日時: 2015/04/16 16:13
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)

 相手の最後の一体は、メタグロスではなくフシギバナ。
 ある意味、絶望したくなる相手だった。

「フシギバナ……とりあえず、ラグナはもう使い物にならなくなったな」
「結局、一回も出てないんですけど、僕……」

 そもそもメタグロスピンポ気味の選出だったので仕方ないと言えば仕方ない。
 しかしこれは少し困ったことになった。

「相手がどんな振り方なのかは分からないけど、メガバナじゃあたしのサイキネでも確一は無理よ」
「となると、ラグナを捨ててココロを死に出しするにしても、ココロのサイキネ圏内までバナを削る必要があるわけか」
「……で、それは誰が削るの……?」

 と雪姫が言って、一同が目を向けるのは一人だけ。
 みゆりだ。

「あー……やっぱこうなるのか」
「こんなことならユキを連れて来るべきだったわね……」

 みゆりなら、フシギバナを削ることはできる。いや、というより、フシギバナには勝てるのではなかろうか。
 粉は無効、HDなのでギガドレインもヘドロ爆弾も確定二発にはならない。纏わりつくで拘束ダメを与えて粘り、光合成をされても自己再生の方がPPが多いので競り負けることはまずない。
 なによりもこちらにはミラーコートがある。これで特殊技を反射させれば、倒すとまではいかずとも、大ダメージを与えられるはずだ。
 懸念材料と言えばヘドロ爆弾の毒くらいだが、猛毒でなければそこまで問題はない。

「では、このまま続けますね。それでいいですよね、雷切君」
「ああ、もう、好きにしてください……」

 既に投げやりになったように言う雷切。できればみゆりの性癖が発覚しないように対戦を進めたかったのだが、ここまで来てしまえばもうどうしようもない。
 ある意味、雷切はやっと諦めがついたのだった。
 諦めたというより、手遅れだったというべきかもしれないが。


【フシギバナのフシギバナイトと、橙のメガバングルが反応した!】

【フシギバナはメガフシギバナにメガシンカした!】


 相手は当然の如くメガシンカ。今やメガしないフシギバナなどほとんどいない。
 そもそも、メガフシギバナ自体、個体数が減っているように感じる。それでも一定数はいるだろうが。
 そして、そんなメガフシギバナの初手は、


【フシギバナの宿木の種!】


「あ? 宿木?」
「草タイプのみゆり先輩には効きませんよねぇ……交換読みでしょうかぁ?」
「単純な押しミスか、それともユリさんが草タイプであることを失念していた可能性もあるわね」


【ユレイドルには効果がないようだ……】


 草タイプに宿木の種は効果がない。みゆりは自身に植え付けられる種を軽く振り払いつつ、


【ユレイドルの纏わりつく!】

【フシギバナはユレイドルに纏わりつかれた!】


 触手を伸ばしてフシギバナを拘束する。これで微量ながらも拘束ダメージが入る。


【雨が上がった】

【フシギバナは纏わりつくのダメージを受けている】
[フシギバナHP:割合的に5/6−微ダメ]


「さて、こっからは耐久勝負だな。高速再生技のPPと、ミラコ存在からしてこっちが有利だが、相手は環境でも活躍しているメガバナだ。気は抜けねーな」
「でも相手が宿木を撃ってきたってことは、光合成は切ってるかもしれないわね」

 個人的な感覚だが、宿木はそれだけで回復ソースになるので、ギガドレと合わせて光合成の代用ができると考える。フシギバナはやはり眠り粉やめざ炎が欲しいはずなので、宿木を採用している個体は光合成を切っていることが多い、ような気がするのだ。

「どちらにせよ構いませんよ。男性はちょっと苦手ですが、ああいうタイプなら、少し私の好みですし。勿論、女の子の方が可愛くていいんですが……」
「先輩、そういうのはいいんで、対戦に戻ってください……」
「はーい。では、とりあえずここはミラーコートでいいですね」


【フシギバナのギガドレイン!】
[ユレイドルHP:143/193]

【ユレイドルから体力を吸い取った!】


 相手のフシギバナはギガドレイン。やはり受けタイプのポケモンのようで、ダメージ量は大したことない。余裕で受かる範囲だ。
 そして、この受けたダメージは、

「お返しですよ」


【ユレイドルのミラーコート!】


 反射作用を持つ膜によって、受けたダメージが光線のように跳ね返される。
 さらに、


【フシギバナは纏わりつくのダメージを受けている】
[フシギバナHP:2割程度]


 纏わりつくの拘束ダメージも合わさり、メガフシギバナの体力はあっという間に削られた。
 ミラーコート一発でこれだけのダメージがあるなら、削るどころか競り勝てそうだ。

「さて、ではここは……ココロさんの光合成切りを信じて、もう一度ミラーコートで行きましょうか」
「仮に光合成されてもリカバリーできますもんね……」

 対戦としては良いことなのだが、素直に喜べない。
 というわけで、みゆりはミラーコートを選択するが、


【フシギバナの光合成!】

【ユレイドルのミラーコート! しかし上手く決まらなかった】

【フシギバナは纏わりつくのダメージを受けている】
[フシギバナHP:6割程度]


 フシギバナはしっかりと光合成を持っており、太陽の光を浴びて回復。ミラーコートは見事に透かされてしまうのだった。

「持ってたか、光合成……相手はこのまま粘るつもりらしいな」
「まだ技が一つ不明ですが、やはりヘドロ爆弾でしょうかねぇ」
「負けることはないとは思うが、ヘド爆急所に毒引くとか嫌な事件が起こらないとも限らねーし、毒を喰らって粘られても面倒だな……」

 それでも最低限、ココロのサイキネ圏内まで削れれば問題ないのだが、しかし。
 みゆりはそんなことは考えていなかった。

「問題ないですよ」

 と、彼女は言う。
 環境でも対策必須級のトップメタに位置するメガフシギバナを相手にしても、恐れず、どころか今の状況を楽しんでいるかのように、妖艶な微笑みを浮かべ、彼女は続けた。


「いくら回復しようとも、どれだけ長い時が経っても、日が落ちて光がなくなるまで——いつまでもいつまでも、私がお相手いたしましょう」



【降参が選ばれました】


「あ、降参したわね……」
「最後の台詞がとどめだったな……」

 対戦相手は気の毒なことだ。だが最後までみゆりの相手をさせなくて良かったとも言える。
 しかし、もはやここまでみゆりの本性を晒してしまっているので、それはそれで手遅れのような気もするが。

「終わってしまいましたか……最後までお付き合いしても良かったのですが……」
「無益な上に気分悪くなって罪悪感も上乗せされるのでやめてください……えーっと、んじゃ、そろそろ終わりにすっか」
「そうね……最後はちゃんと締めましょう」



『橙さん、対戦ありがとうございました』


【ポケモントレーナーの橙との勝負に勝った!】