二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 対戦パート2 ( No.7 )
- 日時: 2015/03/01 20:32
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)
【行け、ラグラージ!】
人によっては生理的嫌悪感を覚える掛け声とともに、ココロに代わってラグナロクがフィールドへと飛び出した
『Information
ラグナロク(DM:ラグラージ)
性格:キモイ(常識人ではあるが無自覚にウザいことがしばしば)。
性質:キモイ(起点作りなどのサポートがメインだが、攻撃性能も悪くないためアタッカーにもなれる)。
攻撃性能[B] 防御性能[A] 機動性能[D] 多様性[S]
特徴:キモイ。
End』
「……で、今回のラグはどういう型なの? あたし、物理受けってことしか知らないんだけど」
「腕白HB、地震、欠伸、ミラコカウンター搭載の、サイクル戦導入タイプの読み型だな」
「なにその型……」
ラグナロクの特異な型に首を捻っているココロ。まあそうだろう。
この型はサイクル戦で物理技を受けつつ、相手のサイクル崩壊を目的とする型だ。
「ラグラージっつーポケモンは、器用だが一つの型でなんでもできるわけじゃねぇ。お前がアタッカーしながら補助技を使うのとは別なんだ」
特化させなければ、案外ラグラージは脆い。サイクル戦で何度も受け出しするなら、HB特化にするくらいがちょうどいいのだ。
しかしそうすると、今度は火力が足りない。サイクルの中で相手への負担がかけ難くなってしまう。
「だから、それを補うミラコカウンターってわけね。火力に振らなくても、相手の攻撃を耐えれば大ダメージが狙えるものね。欠伸は?」
「起点回避用だな。反射を狙う以上、相手に積まれる可能性もあるし、積まれたらタテられることもある。だから積んできそうな奴には、欠伸で起点にされないようにする」
ただしその弊害として、まともな攻撃技が地震ワンウェポンになってしまったのだが。
それについては後で述べるとして、相手の攻撃がラグナロクへと叩き込まれる。
【マンムーの氷柱針!】
マンムーの周囲に無数の氷柱が浮かび上がる。一本一本は細く頼りないが数が多く、まるで針に囲まれているようだった。
とりあえず読み通りの攻撃、問題はこの攻撃が何発当たるかだが。
無数の氷柱が、ラグナロクへ向けて一斉に射出される。
「ぬぅ……!」
襲い掛かる大量の氷柱針を受けきるラグナロク。そして、そのヒット数は、
【三回当たった!】
[ラグラージHP:145/207]
「三回……ま、こんなもんか」
「最低回数よりも一回多いと聞くと少なそうだけど、大体こんなものよね」
「少なくとも地震を喰らうよりダメージを抑えられた。それだけで十分だ」
しかし、HB特化したラグラージに、三回の氷柱針でこのダメージ。
これは相手のマンムーの火力が高いのか、それともラグラージがやはり脆いのか。どちらであろうか。
「では雷切さん、この後はなにをすれば?」
「そうだなぁ……相手の行動次第としか言えねーな」
相手が突っ張って地震を撃ってくるなら、カウンターで返したい。
しかし相手も、水技持ちかもしれないラグラージに、倒せもしない地震で突っ張るのは勇気がいるだろう。
「相手としては、安定行動は恐らくウォッシュロトムへの交換だ。そうなると、カウンターも地震も透かされる」
「では欠伸ですねぇ!」
「正直それしか選択肢はねーんだが、そうなると今度は、欠伸を当てたところで洗濯機との読み合いが発生するんだよなぁ……」
ここで欠伸を撃って相手がロトムに交換して来たら、今度は相手がロトムを交換するかどうかの読み合いになる。ここで滝登りでもあればその読み合いに持ち込ませず後続への負担も微量ながらかかるのだが、生憎持っているのは地震のみ。
「どうせ滝登りでもほとんど効かないんだし、地震を撃てばいいんじゃない?」
「だがそうなると、こっちに水技がないと勘繰られて、それはそれで面倒そうだよなぁ……それに、あんま無意味な行動は取りたくねぇ」
さてどうしようかと雷切はしばらく悩み、そして、
「……ま、欠伸でいいか。突っ張っても交換しても、それが最善手だろ」
後の読み合いはその時考えることにして、とりあえず今はこの時点での最善手を打つ。
【男たちはマンムーを引っ込めた!】
【男たちはロトムを繰り出した!】
「相手はやっぱり交換」
「それが安定だからな」
「それでは、欠伸しますねぇ。ふわあぁ……」
【ラグラージは欠伸をした!】
【ラグラージは相手のロトムの眠気を誘った!】
「……なんかキモイわね、やっぱり」
「こんなガタイの野郎が欠伸してっと、果てしないキモさを感じるってのは分かる」
「ふわぁ……なんですかぁ、なにか言いましたかぁ……?」
「なんもねーよ。お前はいつも通りキモイってだけだ」
「なんなんですかぁ、まったく……」
ともあれ、これで相手のロトムに欠伸が入った。相手はこちらのラグラージをステロ欠伸型とでも考えているのかもしれない。
ゆえにこれで、読み合いが発生する。
「相手が交換するか、突っ張るか、ね」
「突っ張ってドロポンでも撃ってくれるならミラコで跳ね返して一体突破なんだが、まあ初手は鬼火だろうしな。相手はスカーフでもねーし」
ロトムのスカーフ鬼火はわりと普通にあるが、しかしこの対面でスカーフなら、鬼火よりもハイドロポンプを撃つだろう。
そもそも最初のターンでオボンをむしゃむしゃ食べていたので、スカーフはありえないのだが。
「そうなるとこっちの選択肢は、地震か欠伸だな」
「交代はないんですかぁ?」
「ココロに退いて相手もマンムーに退いたらどうすんだよ。不利対面作られてサイクルを崩壊させられるかもしれねーだろうが。ちったー考えろ」
「でも突っ張られるとどっちにしても意味ないじゃない。さっき無意味な行動は取りたくないとか言ってたくせに」
「うるせーな、さっきはさっきだ。とにかく、ここでの俺たちの選択肢は交換読み以外にはない。ここでマンムーが出てくると限らねーが、後続に負担をかけるために地震で行くぞ!」
「了解ですよぉ!」
まず、交換読み以外の選択肢がないのなら、それは読みでもなんでもないのだが。
なんにせよここは、マンムーあたりへの交換を願って、ラグナロクは地面を揺さぶる体勢に入るが、
【ロトムの鬼火! ラグラージは火傷を負った!】
残念。
相手は突っ張って鬼火。これでラグナロクの火力はますますしょっぱいことに。
いや、そもそも今回のラグナロクは、ウォッシュロトムには有効打がまったくないのだが。
【ラグラージの地震! しかしロトムには効果がないようだ……】
【ラグラージは火傷のダメージを受けた!】
[ラグラージHP:120/207]
返しの地震は当然効かず、火傷のダメージでミラコカウンターの機能を怪しくさせる。
しかし、悪いことばかりではない。相手が突っ張ったということは、
【ロトムは眠ってしまった!】
「ラグナが火傷になる程度の被害で、洗濯機を眠らせることができたな」
「相手は眠りターンは稼ぐために、少なくともここは居座るはず。どうする? ラグじゃなにもできないけど」
「そりゃ、流石にここは交換だろ。だが、相手の体力的に、次のココロのエナボで落ちるかどうか微妙だな……」
最初のエナジーボールによる相手のロトムへのダメージは7割前後といったところ。そして今の体力はおおよそ6割。
落とせそうな気はするが、しかし乱数次第では耐えられそうである。
それなら、
「ラグナ!」
「なんですかぁ?」
「俺に代われ」
「……随分と早い出撃じゃない」
「相手はなかなか草の通りがいい、ここいらで俺が出てもいいはずだぜ」
確かに、既にウォッシュロトムとマンムーの二体が見えている、どちらも草弱点だ。
草技は通りが悪いのでなかなか撃ちづらいが、一貫性があると分かれば容赦なく撃てる。火力が足りないものは特に。
【ラグラージ交代! 戻れ!】
【任せた、ジュカイン!】
ラグナロクが戻って来て、それと入れ替わりに、雷切がフィールドへと飛び出した。
『Information
らいきり(DM:ジュカイン)
性格:パーティーの参謀にしてリーダー。粗雑な言動も多いが、頭の回転が速く、指揮力や状況判断力も非常に高い。不遇ゆえに対戦に対する姿勢は人一倍積極的。
性質:高速紙耐久の速攻アタッカーだが、補助技が少なく、火力もいまひとつ足りていないので、終盤の掃除役になることが多い。
攻撃性能[C] 防御性能[E] 機動性能[A] 多様性[D]
ポジション:劣等生系主人公
End』
【ロトムはぐうぐう眠っている】
相手のロトムは当然いまだ夢の中。問題はここで退いてくるかどうかだが、
「退いて来たら三体目が見られるな。下手したら起点にされかねないが……ま、草技の通りも比較的いいわけだし、とりあえずぶっ放すか」
雷切は標的を定める。ターゲットは眠っているロトム、動きはない。この距離なら外すこともない。
そして相手がココロのエナジーボールを耐えたウォッシュロトムでも、雷切のこの攻撃を耐えることは不可能だ。
「さぁ……吹き飛べ!」
【ジュカインのリーフストーム! 効果は抜群だ!】
刹那のうちに、大量の緑葉を含む大嵐を解き放つ雷切。
嵐はウォッシュロトムを巻き込み、洗濯機のように大回転。洗濯機のボディを持つロトムを切り刻んでいく。
【ジュカインの命が少し削られた】
[ジュカインHP:131/145]
【ジュカインの特攻がガクッと下がった!】
その間、雷切は大技を使用した弊害を受けるが、微々たる損害だ。
やがて、大嵐が止む。
【ロトムは倒れた!】
嵐が去った後に残ったのは、戦闘不能になったウォッシュロトムであった。
「ウォッシュロトム突破、だ」
「とりあえずは一体ね」
「HAHAHA! やりましたよぉ! こちらが先手を取りましたねぇ!」
「いやまだだ。相手には俺やココロだと単独で倒せないマンムーに、まだ見せてねー一体が残っている」
そして、それは恐らく……
と、雷切が最後まで言い切る前に、尊大な声が相手側から響いてきた。
「まったくどいつもこいつも使えない連中ばかり……仕方ない! 俺様が直々に出向いてやろう!」
例の黒スーツの男だ。男もポケモンの姿へと変わり、フィールドへと現れる。