二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 第二章「青春熱血!熱き拳」 ( No.22 )
- 日時: 2015/03/26 00:43
- 名前: ポカラ ◆Cewk4iJLMo (ID: gJuvDJZQ)
「やっぱりそうか!丁度良かった。俺達さ、今戦う相手を探してたんだ。でもよーデジモン持ってる奴何て全然見当たらなくてよ、そこにお前がやって来た!」
「は?…え?」
なんだなんだ、何を物騒な事を言ってるんだこの男は…戦う?何故見ず知らずの人と戦わなくてはならないのだろうか。
きっと血の気の多い連中なんだ、これは是非ともあまりお関わりになりたくないと思うのだが…逃げられそうにもない。
「俺の目的の為にも一試合付き合ってくれよー。頼むっ!この通りだ!」
青年は両手をパンッと強く合わせると、頭を自分とツメモンに向かって頭を下げる。横でその光景を見ていた犬のデジモンもそれを真似してか頭を下げていた。
「って、言われても…ねぇ、ツメモン…」
抱えるツメモンを見つめる、心底困った眼差しで此方を見つめ返してくる…私にどうしろというのだ…
その青年を落ち着かせる意味を含めリンは今の自分の状況を説明し出す。
「ちょちょ、ちょっと待って!私達は今探してる物があるの。それでこのクーロンに来た…その探し物を見ていないか聞きたいだけだから、戦いはまたの機会ってことで、ね?」
これだけ言えば(遠まわしにお断りすれば)相手も分かってくれるだろう…いやそう願いたいのであるが、その思いは見事に粉砕される。
「うーん…よし!じゃぁその探し物を一緒に探してやる代わりに一度だけ戦うって事でいいな!」
何故だ、何故そんな都合の良い事に私が言った言葉が脳内変換されてしまったのか…何にせよもうこの人は止まりそうにない。
困っているリンを腕の中で見つめていたツメモンはこう語りかけた。
「あの人間もデジモンを連れてる訳だし、何か情報を持ってるのかも知れないよ。ここは情報と引き換えにお願いを聞くしか…だから戦ってみるよ、リン」
「えっ!ツメモン、待ってよ」
自分の制止を振り切り、ツメモンは腕からすり抜ければ青年と犬デジモンの目前に浮遊した。
戦うって、あんな体格の違うデジモンと戦うなんてことツメモンに出来る気がしない…
「熱いぜ!お前のデジモン。俺達も特訓の成果、見せてやろうぜ、ガオモン!」
「おうよ、タクト!」
向こうも向こうでやる気満々だ…私は一体どうすればいいのだろうか…
確かにこの世界を救うと決意した段階で戦いがいつか起こるとは思っていたけど、それがこんな思いも寄らぬ出来事で起きてしますとは…
それに初めての戦闘…私に出来ることは果たして何かあるのだろうか。そんな悩むリンを見据え、ツメモンはそっと呟いてくれた。
「リン、私はリンを信じてるよ!だから指示をお願い、それ通りに動いてみせるから!」
ツメモンも戦う意思を見せた…そうか、そうだよね。覚悟はしたんだ、戦闘はいつか避けられないとも思ってはいたんだ。
不本意ではあるけれど、ツメモンはこんな私を信じてくれている…出来るか分からないじゃない…やらなければ駄目なんだ。
「わ、分かったよ!ツメモン。私もやってみるよ。」
「さぁ、実戦だガオモン…俺達の熱い思いをぶつけてやろうぜ!」
ツメモンとガオモンがお互いに対峙し、今小さな戦いが始まろうとしていた。