二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 第四章「清く 正しく 、そして美しく」 ( No.57 )
- 日時: 2017/08/14 21:27
- 名前: ポカラ ◆V6LJ8P/cKo (ID: idHahGWU)
リンとメイ、2人が喫茶店を出たのはあれから1時間後の事であった。お互い食べたいものを食べ、満足した様子だ。
日曜日ということもあって中野ブロードウェイ館内は未だ沢山の人で賑わっていた。
ふとメイが思い出したかのように口を開いた。
「そういえば、今日って他の用事があるって言ってなかった?」
そう、先も言ったようにこの中野ブロードウェイに来たなは探偵事務所に依頼の報告をする為。それを親友の口から聞き、リンはハッとした表情をすれば苦笑いを浮かべる。
「あっ!あはは…忘れてた…そう、実はここにある探偵事務所に用事があるんだよね。少しだから付き合ってくれる?」
リンのその意外な言葉にメイは驚きを隠せなかった。探偵事務所…そのような所普通の人は立ち寄るはずがない。ましてや極々普通の女子高生が一体何の用事があると言うのか。
「探偵って、あんたまた面倒なことに巻き込まれてるんじゃないでしょうね?それってもしかしてあのデジモンとやらが関係してるとか?」
ご名答。流石は長く苦楽を共にした親友である。
正にその通りだよとばかりにリンはゆっくりと頷いた。
「ちょっと色々あってね、でもそれも解決して今日はその報告をするだけだから。えっと確か探偵事務所は…こっち」
メイを誘導しながら人気のない通路へと入っていく。他の場所の賑わいが嘘のように、探偵事務の周辺は静寂に包まれていた。
そしてあいも変わらず近くには相談屋なるものがあり、そこには一匹の白い猫がちょこんと座っていた。
「あっ!あの猫ちゃんまたいる。ほら、よーしよし」
リンは白猫に駆け寄るとその小さい頭を優しく撫でてあげる、すると白猫は気持ち良さそうに目を細めると喉を鳴らした。どうやら人には慣れている様子、まぁこんな所に大人しく座っているのだ、色んな人には触れられているのかもしれない。それなら慣れているのにも納得できる。
「ほら、メイも触ってみなよー」
「あたしは良いわよ……猫、苦手だし」
首を横に降るメイを見てリンはふと思い出す、確かに小さい頃はメイが猫を苦手としているのは知っていたが今も触れないとは思わなかった。
「あぁ、そっか…今もダメなんだね」
「そゆこと。ほら探偵事務所行くんでしょ?」
それもそうだ、名残惜しいが白猫の頭から手を離す。その場から立ち上がろうとした瞬間、ふと背後から女性が語りかけてきた。
「あら?お客さんかしら?」
そこには眼鏡をかけた何処か不可思議な印象の少女が立っていた。