二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 第四章「清く 正しく 、そして美しく ( No.60 )
- 日時: 2017/09/03 23:04
- 名前: ポカラ ◆V6LJ8P/cKo (ID: j5axgBAW)
「えっ!?」
リンとメイは同時に後ろを振り向いた。
そこに立っていたのは1人の少女。確かに見た目は少女なのだがどこか大人びた印象も感じられる…クールな少女であった。
「ここ、私の相談屋よ」
意外であった。まさかこの少女が相談屋を営んでいるだなんで思いもしなかった。
「えと…すみません!猫ちゃんが可愛かったのでつい撫でてしまって」
先程まで撫でていた猫を見ながらそう説明する、それと同時に白猫はふいっと顔を背け何処かへ行ってしまった。
「ふふ、良いのよ。次は是非お客さんとして来てね」
慌てふためいているリンの様子を見ると、その少女小さく笑った。猫を撫で、突然声を掛けられてこの慌てよう…何とも面白いと思ったのであろう。
「では、失礼します…行こ、メイ」
ペコリと一礼すれば、メイと共に探偵事務所に向かおうとしたその時、再び声を掛けられる。
「ちょっと待ちなさい。あなた…なるほどね」
少女は一瞬何かを考える仕草をすれば、直ぐに納得したかのように頷いた。そして…
「私は御神楽ミレイよ。あなたとはまた何処かで会う気がするわ…いえ、必ずまた巡り会うわね。これは決まった運命よ」
突如そんな事を言われれば、当然動揺を隠しきれない。
何を根拠にそう言っているのかは分からないが何故だか妙に説得力があるのも確かであった。
「それは一体…どういう意味で…」
「それでは、また会いましょう。朔日リンさん」
途中で言葉を遮られるかのように、そう告げられれば少女は振り向きゆっくりと歩いて行った。
「何なのかしら?あの人」
妙に不思議な少女を目の当たりにしたメイは腕を組み、目を細めている。やはり相談屋ってのは変わってる人が多いのかしらと若干偏見な事をポツリと付け足して。
「あの人…何で私の名前を?」
額から一筋の汗が滴り落ち、頬を伝う。
疑問ばかりが頭をぐるぐると駆け巡る…しかしここで悩んでいても仕方がないのも確か、ひとまずあの少女の事は忘れ、探偵事務所に向かう事にした。