二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 神様の気まぐれから始まる戦い ( No.14 )
- 日時: 2015/04/10 22:24
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: owa39mxZ)
とある日の学園にて。
「なぁ、昴。戦闘中とかやってみねぇ?」
「帰る。」
MZDに呼びつけられた昴は、即行で踵を返し、立ち去ろうとした。
「ま、待て待て待て待て! 何で帰ろうとしてんだよ!」
そんな彼女を、MZDは腕引っ掴んで引き留めた。
「人を呼びつけておいて用件がそれだからだっつーのっ!」
(…)
昴の前で影が頭を下げる。
どうやらMZDが下らない案件で呼び出した事に対し、本気で申し訳なく思っているようだ。
「影、お前は頭下げなくていいから。下げてほしいのはこいつだから。」
「ひでぇ! オレはただやってみないか誘っただけじゃねぇか!」
「戦闘中のシステムがよくわかってない奴を誘うか普通?」
「ダイジョブじゃね? 今はインターネットもあるし、なにより、お前が尊敬する作家さん達も書いてる人は書いてるじゃんか。」
とてもいい笑顔のMZD。どうやら冗談とかではなく、本気でやりたいみたいだ。
—いいじゃない。やってあげなさいよ、私。
突然、昴の手からノートが飛び出して開かれ、文字が書かれる。
「おっ、本体の方が話わかるじゃねぇか。」
—どうせこいつ、すぐ飽きるし。一回くらいやらせてあげれば、二度と言わないでしょ。
「成程、言えてる。」
「ひでぇよお前ら!」
MZDは大声でツッコミを入れるが…。
「事実だろ?」
—事実でしょ?
ものの見事に否定され、次の瞬間にはがっくりと膝を折っていた。
「…しかし、やるのはいいが、本気で戦闘中なんて聞いた事はあるが見た事ないんだよな…。」
—…あ、なら、これあげる。参考になるかわかんないけど…。
ノートに文字が書かれた後に、ポンッ、と音を立てて3DSのソフトが現れる。
忍者が描かれたパッケージ。まさしく、今話していた戦闘中のゲームだ。
「これ…。」
—駅前の古ゲーム屋に売られてて、面白そうだったから買ってみたよ。まずは、そのゲームを少しもじってやってみたら? お試しだしさ。
「ああ、そうだな。ありがとう、俺。」
昴はソフトを鞄にしまうと、影を見た。
「…というわけだ。影、とりあえずやってみるよ。」
(ごめん、ごめん)
どうやら影はまだMZDが振り回した事を謝っているようだった。
「気にすんな。影は悪くない。」
「オレのせいかよ!」
「ああ、テメェのせいだよ! たくっ、普段からお前より忙しいのに下らない用件で呼びつけた上に仕事増やしやがって!」
どうやらかなりご立腹のようだ。無理はないが。
「オレだって働いて」
「影に全部押し付けて聖域の大樹で昼寝してる奴が何言ってる?」
「え、何で知って…。」
「凪の力を舐めんじゃねぇよ? お前が聖域にいる事くらい、お見通しだ馬鹿神!」
…その後も、こんな下らない言い合いが続いた…。
- 神様の気まぐれから始まる戦い ( No.15 )
- 日時: 2015/04/10 22:31
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: owa39mxZ)
その夜、昴は早速ゲームを起動させ、やってみる事にした。
「…おしっ、撃破だ! …何か、楽しいな、これ。」
—でしょー? なかなか楽しめそうだよね。
(ドッジボールの要領で相手にボールを当てて、当てた人が当たった人の賞金を奪える、か。ルールも簡単そうだな。これならお馬鹿なクマにもわかりそうだ。)
—メンバーはどうするの?
(鏡達とりせは運営の補助として使いたいから、烈達四人と、悠達七人。wiki先生の情報によると本家でも十人以上らしいし、丁度良い人数だろ。…本人達がやってくれるかはわからねぇけど。)
どうやら最終的には烈達の承諾で決めるようだ。
「すーさーん、いるー?」
「ん? どうした? 鏡。あ、鍵なら開いてるぞ。」
「お邪魔しまーす。」
普通に入ってくる鏡。その手には創世手帳が握られていた。
「戦闘中の事、すー姉さんに聞いたよ。MZDから頼まれたって言って、凪に少し調べて貰ってる。今、烈達にもメールしたけど、全員やりたいって。」
「まぁ、話しているとは思ったけどな。…って、全員やりたいってマジか!?」
「うん! これ、みんなの返事!」
鏡は昴に携帯を渡す。
『戦闘中? …あぁ、うん、やってみたい!』
『戦闘中って、何だかわからないけど…面白そうね。やってみたいわ。』
『ボール投げて相手を倒すあれだよね? やりたーい!』
『戦闘中か。テレビで前に見たが、菜々子が面白がっていたし、やりたいな。』
『戦闘中? 何だか面白そう! 参加していい?』
『せんとうちゅうだぁ? 何だか面白そうなゲームじゃねぇか。オレも参加するぜ!』
『セントーチュウってなにクマか? 面白そうならクマも参加するクマ!』
上から、風雅、氷海、鈴花、悠、雪子、完二、クマのメール本文。どうやら参加する意欲があるようだ。
しかし、
『戦闘中!? やりてぇ! 風雅に仕返…げふんげふん。風雅と勝負できるじゃん!』
『戦闘中って、時々やってるあのゲームだよな? 面白そうだし、やるよ! …相棒とクマをはっ倒…じゃなくて、勝負してぇし!』
『戦闘中…あぁ、あのゲームのか。雪子も出るならやりたい! ちょっと懲らしめ…いやいや、ボコボコ…いやいや、楽しくできるし!』
『あの、たまにフジテレビでやっているあれですよね? 僕も参加します。普段からお世話になっている先輩方やあのクマ君にお礼参りができますし。』
参加する意欲はあるが、明らか何かしそうな理由で参加したい烈、陽介、千枝、直斗だった。
これを見た昴は思わず、
(…修羅場が起こる。)
と、思うしかできなかったそうな。
「…と、とにかく、参加者は決まったが、日取りと、会場が問題だよな…。」
「結構広くないと、思いっきり出来ないもんね…。」
「そこは、あの馬鹿神に相談するか。アイツが提案してきたし、会場の目処は立ってんだろ。」
—絶対立ってないに一票。
ノートが開かれ、文字が書かれる。その文字が書かれたと同時に、昴は苦い顔をした。
「俺も同感。」
「オレも…。」
本人がいたら「ひでぇ!」とか言われそうだが、この場にはいないので何事もなかった。
- 神様の気まぐれから始まる戦い ( No.16 )
- 日時: 2015/04/10 22:36
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: owa39mxZ)
翌日、案の定何も考えていなかったMZDを校長室に縛り付けてきてから、昴は影と鏡、紅と共に、空から会場探しに明け暮れていた。
「広い場所かー…。いざ言われると、困るよね。まったく、あの馬鹿はほんっと計画性がないんだから。」
『…もう分かりきった事だがな。』
ムラクモMZDの姿になった影のぼやきに、紅がボソリと呟く。
「鏡、疲れてないか?」
「へーきだよ? すーさんにぎゅーされて、元気出るもん♪」
「なっ…!? もぅっ…!」
顔を赤くしてそっぽを向く昴と、ニコニコしながら昴に抱かれている鏡。
「まぁ、これが見られているから役得と言えば役得かな、紅。」
『うむ、そうだな。』
そんな微笑ましい二人を見られて、影と紅は満足そうに微笑んだ。
「さて、一通り探したが、そうそう広い場所はないよな。あったとしても、貸し切りにしないといけないだろうし…。」
『ふむ、難しいな…。』
全員、頭を捻って考え込む。
「…やっぱ、あそこしかないか。」
「あそこって?」
何か妙案を思い付いた昴が呟いた言葉に、鏡が反応する。
「…あのな…。」
昴はみんなに話し始めた。風が吹いているせいか、よく聞こえない。
「…うん、いいね! その場所なら、みんな知ってるし!」
『うむ、格好の場所だろう。』
「とりあえず、能力の使用は厳禁って事にすれば、多分行けるよ!」
鏡も、紅も、影も、昴が提案した場所に賛同する。
「さて、決まった所で…帰って準備だ!」
「おーっ!」
一路、神殿へと戻る昴達。その顔はどこか、楽しそうだった。