二次創作小説(映像)※倉庫ログ

闘争フィールドと景品と ( No.17 )
日時: 2015/04/10 22:42
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: owa39mxZ)

ある日の土曜日、昴に誘われた烈達は、制服姿で聖域に集まっていた。

「…と言うわけで、昴から聞いていると思うけど、戦闘中をちょっとやってみる事になったぞ!」
「なんか悪いな、お前ら。休日なのにこんな下らない事に巻き込んで…。」

MZDの宣言の後、昴は集まった一同に向け、謝罪をした。

「構いませんよ、昴さん。面白そうですから。(…えぇ、普段から処理しきれないボケをかます先輩達をボコボコにできるので、面白そうですから。)」
「そうそう!(…風雅に日頃の鬱憤も晴らせそうだしな。)」
「ああ、楽しそうだからな!(…相棒やクマに手加減なしでやれるのが。)」
「だよねー!(…雪子に仕返しできるし。)」
「おいそこの苦労人。気持ちはわかるが、能力は禁止だ。ちゃんとボール使って倒せよ? 能力使ったら強制失格にするからな。」

日々ツッコミ役を担当している直斗と烈と陽介と千枝が、ここぞとばかりに物騒な事を考え、能力を発動させかねない勢いだったので、創世ノートを見ていた昴は抑えるように言う。
効果はあるかわからないが、わかってはくれるだろう。多分。

「それと、みんなも色々予習はしてきたと思うが、これは最後の一人に残ったら賞金が貰えると言う奴なんだが…残念だが、賞金を出せる程の大金がないし、学生にそんな大金渡すわけにも」
「スーチャン、クマはガクセイさんじゃないクマよ!」

昴の言葉を遮るようにぶーぶー文句を言うクマに、昴はきっぱりと、少し語気荒く、

「お前に大金渡したら、ろくな事に使わないからだ!」

と反論した。

「…。」

これには文句を言ったクマも、閉口するしかなかったそうな。

「とにかく、賞金は無しだ。あぁ、武器屋とかのシステムで使う用のお金モドキは用意してあるから安心しろ。てなわけで、まずはお前ら、中にあるロッカーに用意したものに着替えろ。後、通達やミッション連絡用の携帯もこっちで用意したものにするから、自分の携帯もロッカーに入れておけ。」
「はいはーい、昴さん、質問!」

一度解散を宣言しようとした時、千枝が手をあげた。

「どうした? 千枝。」
「賞金の代わりみたいなのってあるの? いや、うん、やっぱり何かないと燃えないって言うか…。(雪子に仕返しできるチャンスは嬉しいけど…。)」
「心配すんな。そこはちゃんと考えてあるから。」
「ほんと!? 何々!?」

全員、気になっていたのだろう。昴の言葉を、期待の眼差しで待っていた。

「優勝者には、俺とMZDの一日利用権を与える。それで文句ないか?」
「おい、オレ聞いてないんだけど、昴。」

横でMZDが何か言ってくるが、昴は気にも留めなかった。

「マジで!?」
「ああ。好きにしてくれていい。」
「はいはーい! クマ、スーチャンとチッスしたいクマ!」
「いや、キスじゃ足りないぞクマ! ここはやはり男女の営」
「そうだよクマ君! ここはやっぱり男女の営」

悠と雪子の言葉が終わる前に、鈍い音が二つ分響いた。

「相棒、自重しろ。」
「雪子、自重して。」

陽介と千枝が、ペルソナを呼び出して各々の弱点をついた攻撃を食らわせた。それにより、二人は伸びてしまうはめになったとさ。
…ちなみにこの後、伸びた二人は昴によって回復されました。

闘争フィールドと景品と ( No.18 )
日時: 2015/04/10 22:48
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: owa39mxZ)

そんなこんなで、一度解散し、男女に別れて装備を整えた後、再び神殿前に集まった。

「…あれ? 氷海、その盾何だ?」

女子達が出てくるなり、自分達の場所にはなかった盾のような物を見て、烈は氷海に聞いた。

「あぁ、これ? ロッカーに入っていたのよ。…持ってきても良かったのかしら?」
「大丈夫だ。女子はハンデとして、開始時に盾が与えられるんだ。他にも、闘技場では広い陣地で戦えたりするな。」
「いいなぁ…。けど、仕方ねぇよな。」

羨ましそうに呟く烈だが、すぐに男女の体力差を考えると、当然だと思い至った。
だが、どうも納得できていなさそうなのが一人。

「はいはい、スーチャン!」
「うわっ! 何だよクマ。」
「男並みの体力を持つチエチャンにハンデはいらんと思うク」

ドゴォッ! と鈍い音が響き、クマはその場から姿を消した。

「…昴さん、あのバカグマ、不戦敗でいいよね?」
「千枝、落ち着け。気持ちはわかったから落ち着け。それから、トモエしまえ。」

ペルソナを待機させつつ殺気を放っている千枝を、昴は必死に宥める。
どうやら千枝がクマを蹴飛ばしたらしい。…空の彼方まで。

「今の一撃であのバカグマも懲りたろうから、もう何も言わないと思うぞ? 仲良くやろうな? なっ?」
「うぅ、わかった…。」

昴の説得が効いたのか、千枝は大人しくなってくれた。
やがて、クマが墜落してきたのを見て、昴はクマの怪我を治しつつ、一同に向き直った。

「さて、みんなも気になっているだろう場所なんだが…。」
「…。」

全員、昴の言葉を待つ。

「場所は勿論、この聖域全域だ。けど、流石にご近所さんに迷惑かかるし、十一人もいたら狭いだろうから…。」

昴の言葉が言い終わらないうちに、MZDか指を弾いた。
すると、辺りが目映い光に包まれ、烈達の体が宙に浮く感覚に襲われた。

「うわっ!」

全員、驚きを隠せないが、すぐにそれは治まった。

闘争フィールドと景品と ( No.19 )
日時: 2015/04/10 22:54
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: owa39mxZ)

光が消えると、そこは…。

「…聖域?」

そう、先程まで自分達がいた聖域だった。

「けど、うまく言えないけど、何か違う気がするよ? この辺りの植物が、何か違う。」
「風も少し変だ…。潮の匂いがする。」
「鈴花、風雅。お前達なら違いを感じてくれると思ってたよ。」

違和感を覚えた二人に、昴は嬉しそうな表情で彼らを誉める。
誉められた二人は、少し照れ臭そうな顔をした。

「烈、陽介、直斗、千枝。前にさ、お前ら四人を遊園地につれてったろ? 紅と一緒に。」
「あ、あぁ、うん。ツッコミ四天王結成記念に…。」

陽介がそう言うと、突然雪子が吹き出した。

「ブッ! つ、ツッコミ四天王…! アハハハハハ!」
「誰のせいで結成したと思ってる?」
「はい、私達です。」

が、笑っていたのも束の間、千枝の静かなツッコミで笑いをやめる雪子。

「その遊園地、今いるこの場所だ。」
「ええっ!?」

昴の言葉に驚きを隠せないツッコミ四天王。
無理もない。遊園地の面影なんて、何一つないのだから。

「ここは俺の管理する島、創世島だ。ネーミングが捻り無いのは(アイツのボキャブラリーの無さのせいだから)気にするな。」
—(#^∀^)<張っ倒していい? ねぇ、張っ倒していい?

数秒と掛からぬ内にその顔文字と文字がノートに描かれたのを見て、昴は一瞬冷や汗をかいた。
が、一切無視して説明を続ける。

「普段は遊園地として解放しているが、この島は俺の思い描いた形に作り替える事ができるんだ。烈達には、前にネクロニカした時にやった、フィールドマジックのリアル版だと思ってくれればいい。あん時はただ景色だけを変えていたからな。」
「な、なるほど…。」

わかったようなわからないような、そんな呟きを漏らす烈達。

「話を元に戻すぞ。今回の舞台は、見てわかる通り、お前らにお馴染みの場所、聖域で戦ってもらう。ただし、いつもよりも広く、東京ドーム3つ分は入る。」
「広いね…。ねぇ、昴さん。ここ、ずっと森が続くの?」
「ああ。…だが、安心しろ。フィールドに誰も入れない、出れない結界を張った。だから、範囲外に逃げる事は不可能だし、迷って誤って出る事もない。」
「よかった…。」

風雅の心配を言い当てたかのような昴の説明に、安堵を見せる。
迷って誤って外に出て失格なんて、格好が悪い。

「あ、そうそう。神殿を運営本部で使うから、侵入は禁止だ。あくまでもこの森が、お前達の舞台だからな。」
「よし、説明はこれくらいにして、とっとと始めちまおうぜ!」

早く始めたいのか、MZDは昴を急かす。

「そう焦るな馬鹿神。んじゃ、オープニングゲームから、スタートだ!」

昴の宣言が、今、高らかに響いた…。







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