二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 同盟と撃破と通達と ( No.35 )
- 日時: 2015/04/13 20:10
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: ijyp/C.M)
休憩も終わり、十一人は互いに円を組むように集まった。
そして再度ルール等確認した後、烈がポツリと呟いた。
「これから敵同士だな、みんな。」
「だな。」
その言葉に陽介が同意し、全員が頷く。
「よし、まずは一分間、散らばる猶予を与える。その間、バトルボールを誰かに投げるのは禁止だ。そして一分経ったら、鐘の音を鳴らして、お前らに渡してある携帯のアプリを一斉に起動させるから、そこから制限時間百二十分間の戦いをスタートさせろ。」
昴がそう告げた後、互いの健闘を祈るかの様に、バトルボールを高く上げ、互いに触れさせる。
全員が闘技場を出ていってから、影は1分のタイマーを起動させた。
「ドキドキする…!」
「鈴花、いい試合をしましょうね。」
「氷海ちゃんも! オープニングじゃ負けたけど、次は負けないから!」
これから始まるのは、当たれば即失格の、サバイバルゲーム。
「どうなるのかな? ドキドキするね、鳴上君! 風雅君!」
「ああ。天城、絶対にお前には負けない!」
「僕だって負けはしないよ! 雪子先輩!」
「ふふっ、一撃で仕留めてあげる!」
最後の一人となり、賞品獲得と…。
「絶対優勝して、スーチャンのチッスをもらうクマー!」
「優勝するのはオレだーっ!」
初代王者の称号を目指す。
「花村先輩、烈君、互いに全力を出しましょう!」
「女だからって手加減したら許さないかんね!」
「そりゃこっちの台詞だよ、直斗、千枝先輩!」
「俺達だって負けねぇっつーのっ!」
それが…!
Battle for Money—戦闘中—
- 同盟と撃破と通達と ( No.36 )
- 日時: 2015/04/13 20:17
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 68ht.95d)
《バトルフィールド》
創世島・モード「聖域」
東京ドーム三つ分の広さを持つ場所(に、改造した)。
辺りには木々が生い茂っており、建物は中心部のもの 一ヶ所(神殿)のみと少ない。しかも運営本部なので入れない。
武器屋は二ヶ所(穴蔵)。闘技場あり。戦闘可能範囲には結界が張られており、外に出る事も入ってくるのも不可能。
神殿を中心に十字に区切り、その四隅に木々が生えており、それぞれ北東エリア、北西エリア、南東エリア、南西エリアとある。
また、神殿近くにある電話を使えばエスケープも可能。
ただし、今回はお金が絡んでいない為、特に利点はない。
牢獄は神殿近くにあり、脱落者はそこで日向ぼっこついでに試合を見守る事になる。
☆
「よし、一分経ったな。りせ!」
『ダイジョブ! 海の中でも聞こえるよ! それでは、闘争…開始っ!』
りせがそう叫ぶと、どこからか鐘の音が鳴る。
戦闘開始の、合図を知らせる音が…。
- 同盟と撃破と通達と ( No.37 )
- 日時: 2015/04/13 20:22
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: mSRzWlsB)
「始まった…!」
南西エリアに向かった烈は、鐘の音を聞いて身震いした。
これから二時間。長い戦いが始まる。
(まずはマップでも確認するか。)
烈はアプリからマップを起動させ、確認する。
「…確かに、普段通りの聖域だな。公園はないけど…。おっ、現在地も大体だけど知らせてくれるんだ。便利だな、これ。」
『僕のお手製だよー!』
「うおっ!?」
背後から凪の声が聞こえ、烈はびっくりして前のめりに倒れた。
埃を払い、後ろを見ると、そこにはカメラを取り付けた丸い何かが頭の羽のようなものをパタパタとさせ、浮いていた。
「な、なんだこりゃ…?」
『こら、凪。大声出してやるな。…驚かせたな、烈。』
「昴さん、これは…?」
『監視用機材兼、撮影機材兼、本部への質問等の連絡用だ。まぁ、本物っぽくインタビューとかもやるんで宜しく。あ、名前は…そうだな…。ハロボットくんとでも呼んどけ。』
「…ハロボット? …あぁ、ガンダムのハロに似てるからか。」
昴の音声を届けるハロボットくんに、烈は頷くだけだった。
『では、烈。早速だから、インタビューでもするか。』
「次は紅か。何だ?」
『今回の賞品の使い道だ。まずはMZDの方。』
「勿論、馬鹿神は仕事だ。」
『ひでぇっ!』
『(じごうじとく、じごうじとく)』
紅の後ろでMZDが泣いているも、影がジトリと目があったら細めながら音を発している姿が用意に想像つく烈。
『安定だな。馬鹿神への仕事命令は。』
「他の奴等にも聞いたのか?」
『ああ。お前で最後だった。一分間の間にも聞き回っていたからな。お前を含め、十一人中五人が仕事を頼んだ。して、神へはどうだ?』
「(絶対陽介先輩と千枝先輩と直斗だ。後は、氷海か?)昴さんには、格ゲーに付き合ってもらうよ。でも、苦手みたいだし、きっとその内飽きちまうだろうから、ポップンも付き合ってくれ。あ、影は昴さんと一緒で。」
『(♪)』
嬉しそうな音が奏でられる。仕事をしなくていい上に遊びに行く事ができて、嬉しいのだろう。
「さて、もういいか? あんまり話していると誰か来るだろうし…!」
突然背後から飛んできたボールを避ける烈。
- 同盟と撃破と通達と ( No.38 )
- 日時: 2015/04/13 20:30
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: ijyp/C.M)
そして、すぐに地面へと落ちたボールを拾い、身構えた。
「気付かれましたか…。やはり、君には敵いませんね、烈君。」
「不意打ちとは卑怯じゃないのか? 直斗。」
草むらの影から出てきたのは、直斗だった。
「けど、いきなり一個しかないボールを投げるなんて、お前らしくないな。盾一個でどう抜けるつもりだ?」
「…抜けるつもりなんてありません。そもそも、当てるつもりもありませんでした。」
「どういう事だ?」
直斗は烈に近づき、顔をあげた。
「烈君、君は、昴さんに何を望みますか?」
「な、何って、格ゲーとポップンと…まぁ、とにかく、気分転換の遊びに付き合って欲しいだけだ。昴さんの気分転換にもなるだろうしな。」
「やはり、烈君を見つけて正解でした。」
不適な笑みを浮かべる直斗。烈はまだ、なんの事だかわかっていない。
「…話を本題に戻します。僕と、一時的に共同戦線を張ってほしいんです。」
「…あぁ、成程な。直斗の言いたい事、ようやくわかった。」
そして、烈は直斗にボールを…投げた。
「わっ…。」
だが、直斗がキャッチ出来る程の、優しいスローインで。
「よっしゃ、一時休戦と行こうぜ。俺もお前は狙わない。最後までな。」
「ええ、僕も、烈君を狙ったりしません。勿論、裏切ったりも。恐らく…烈君は僕と、同じ思いに行き当たったでしょうから。」
「ああ。…絶対に勝たせちゃいけない奴等をぶっ潰す。だろ?」
「はい。その通りです。恐らく、風雅君はまだまともでしょう。どうせネクロニカの事でしょうから。ですが、鳴上先輩、天城先輩、それから、クマ君なんかに勝たせたら…!」
ギャグ展開が大好きな二人や腐った雪子に賞品を渡すと、昴の身に何が起こるかわからない。そう探偵の勘が告げた直斗は、最初に出会った人物と同盟を組み、その三人を何とかしようと考えていた。それが、烈だったと言うわけだ。
「俺も同感。」
烈は直斗に、手のひらを差し出した。
「俺とお前が戦うのは、最後だ。よろしくな、直斗。」
「はい。…最初に出会ったのが君でよかったですよ、烈君。」
ガッチリと固い握手を交わす二人。
直斗は烈と、同盟を組む事にしたようだ。
- 同盟と撃破と通達と ( No.39 )
- 日時: 2015/04/13 20:36
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: ijyp/C.M)
同じ頃、インタビューを終えた鈴花は今…。
「…。」
その場を通りかかった千枝と睨み合っていた。
互いに油断なく盾を構え、ボールを持って睨みあっている。
「鈴花ちゃん、あたしをここで打ち負かしてもいいけど、あたしのお願い、聞いてくれる?」
「いいですよ。何ですか?」
「雪子と鳴上君とバカグマを打ち負かしてもらっていい?」
「…あー、成程。千枝センパイの言いたい事、わかった。」
どうやら千枝も直斗と同じ事を危惧していたようで、もし誰かに自分がやられてもいいように、こうして声かけをする事を選んだのだろう。
すると、鈴花はボールを地面に置いた。
「え、えっ? 鈴花ちゃ…。」
「千枝センパイも置いて置いて。大丈夫。襲いませんから。」
「う、うん…。」
千枝もボールを置き、鈴花を見た。
「同盟、組みませんか? 私だって、昴さんが嫌がる姿なんて見たくもありませんから。」
「鈴花ちゃん…! うん! あたし、最後まで鈴花ちゃんだけは狙わないから!」
「同盟、成立ですね!」
体力が人一倍あるこの女子二人も、がっちりと握手を交わした。
- 同盟と撃破と通達と ( No.40 )
- 日時: 2015/04/13 20:42
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: ijyp/C.M)
南東エリアにて、完二が風雅と睨み合う。どうやらこちらは本気のようだ。
「へっ、まさかオメェと最初にぶち当たるとはな。」
「僕も同じ。でもよかったよ、最初に当たったのが赤チームの人でさ。流石に一万じゃ何も使えないし、ね。」
そう、風雅は先程のオープニングゲームで敗者チームである青チーム。勝者であった赤チームの完二は、ここで倒しておきたい相手…!
「うっしゃ! 来い! 風雅!」
「言われなくて、もっ!」
風雅はボールを放り投げ、完二目掛けて飛ばす。
「へっ、あまっちょろいな、風雅。」
「…やっぱりね。」
が、あっさりとキャッチされてしまう。これで風雅はバトルボールなしに。
「今度はこっちから行くぜ! おらぁっ!」
完二は風雅の投げたボールを投げ返す。
が…。
「遅いよ。」
属性的な加護からか、元々の素早さが高い風雅に、あっさりと避けられてしまう。
「チィッ!」
負けじと自分のボールを投げるが、これも避けられた。
そして、完二はここでミスをした事に気がつく。そう、ボールは全て、風雅の後ろに行ってしまい、どう考えても取れない…!
(やべっ! こうなったら、風雅の投げた奴を取るしかないかっ…!)
「今度こそっ!」
風雅はボールを持ち、大袈裟に振りかぶって投げる。何故か、真上に。
「う、上えっ!? あっ…!」
完二は上を見上げ、落ちてくるボールを取ろうとしたが、その前に腹部に衝撃を感じ、下を見る。
コロコロと転がる、バトルボール。
そして、暫くして。もうひとつ…真上に投げたボールが、落っこちてきた。
「一つを囮にさせやがったか…!」
「一つに気をとられたらやられるよ、完二。」
「ハッ、オレもまだまだだな。…オレの分まで暴れてこい!」
「勿論! 君の分まで頑張ってくるさ!」
風雅は完二から25万を受け取り、互いにがっちりと握手を交わした。
112:03
巽 完二撃破
残り、十人
風雅
所持金:1万→26万(+25万)
- 同盟と撃破と通達と ( No.41 )
- 日時: 2015/04/13 20:47
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: ijyp/C.M)
ピピピ、と一斉にスマートフォンから音が鳴る。
南西エリアにいた烈と直斗は、スマートフォンを見ながら表情を変えた。
「メールだ…!『風雅が巽完二を撃破。風雅の所持金は26万となった。』完二がやられた…!?」
「これで本格的に始まりましたね。…烈君、僕達も動きましょう!」
「おぅ!」
二人は同時に駆け出す。最悪の結末を避ける為に。
同じ頃、北東エリアにいた鈴花と千枝も、メールを見ていた。
「…。」
「やっぱり完二君、風雅君には勝てなかったかー…。ん? どしたの? 鈴花ちゃん…。」
メール画面を見たまま固まる鈴花に、千枝は声をかける。
すぐに鈴花はスマートフォンをしまい、そして…。
「…風雅君、ぶっ飛ばす。」
ドスの効いた声を、恐ろしいオーラを出しながら放つ。足元で植物達がうねりをあげているが、これは…相手にも危害を加えたりしていないし、ノーカウントにしましょう。自分の意思じゃないし。
「…り、鈴花ちゃん…?」
「千枝センパイ、協力してくれるよね?」
「い、いや、あの…。」
「…してくれるよね? ねっ?」
笑顔なのに、オーラが怖い。殺気を感じる。
「…はい…。」
千枝は承諾するしか出来なかった。
恋する乙女は恐ろしい…。
■
神殿内、運営本部。
ちなみに、インタビューをしている頃に、神殿を元通りに戻してもらっていた。
「同盟が早くも二組か。あの四人なら裏切りとかなさそうだし、互いにいい選択をしたんじゃないか?」
昴は監視モニターを見ながら、そう言った。
「しかし、同盟を組んだ理由…。」
「センパイ達とクマ、それ程までに信用ないんですねー…。まぁ、わかりますけど。」
乾いた笑いを浮かべる昴の言葉を聞いていたりせは、呆れながら溜息をついた。
「りせ。完二を【エスケープロード】で神殿の牢獄に。…完二、お疲れ。」
『ちっと悔しいが、敗けは敗けだ。ここで待ってればいいんッスか?』
監視モニターは首を傾げた完二を撮している。悔しそうだが、どこか清々しそうだ。
「ああ。今からりせにこっち飛ばしてもらうから。」
「風花さん直伝のだから、安心して飛ばされてよね!」
「…さて、完二はりせに任せて、アレ出すか。」
昴は目の前のキーボードを叩く。
「こっからが本当の始まりだ。さぁ、思う存分暴れろ!」
とある通達を、闘争者全員に送りつける…!
- 同盟と撃破と通達と ( No.42 )
- 日時: 2015/04/13 21:00
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: ijyp/C.M)
南西エリアに移動した陽介は、けたたましい音のなるスマートフォンを素早く取り出す。
「見つかったら洒落にならんっつーの…! えっと、通達?『イベントその一:武器屋オープン!』武器屋が開いたか! おっ、こりゃ、俺近くね?」
陽介がそのメールを見ているのと同じ頃、悠も北西エリアでメールを見ていた。
「『南西エリアと北東エリアに武器屋がオープンした。所持金を支払う代わりに、戦闘が優位になるアイテムを買う事が可能。』いよいよ始まったな…!」
《イベントその一》
・武器屋オープン!
南西エリアと北東エリアに武器屋がオープンした。
所持金を支払う代わりに、戦闘が優位になるアイテムを買う事が可能。
以下、商品リスト(()内は売値)
バトルボール:10万(売却不可)
バトルシューター:30万(15万)
盾:50万(40万)
バックシールド:30万(20万)
契約の腕輪:30万(20万)
忍:60万(売却不可)
「始まったな…! 直斗、どうする?」
南西エリア、烈は直斗に尋ねる。
「盾を売却すれば、僕の所持金は65万になるので、忍を購入できますね。戦況を優位にする為にも、購入しておいた方がいいでしょう。僕には、闘技場で忍に勝つ自信はありませんし…。」
「俺は忍を買うのに、後二人、赤チームのメンバーか風雅を倒さなきゃいけないから…闘技場に賭けっか。じゃあ、ここで一旦お別れだな。」
「はい。…烈君。気をつけて。」
「おう! じゃあな、直斗!」
「はい、烈君も、頑張って!」
それぞれの思いを胸に、烈は他のプレイヤーを探しに、直斗は武器屋へと向かっていった…。
- 同盟と撃破と通達と ( No.43 )
- 日時: 2015/04/13 21:05
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: ijyp/C.M)
撃破者情報
一人目:巽 完二
完二
「あー、最初はオレかぁ…。もーちっと生き残りたかったなぁ…。風雅の奴、頭良すぎるだろ。フェイントかけやがって…。あー、油断したぜ…。」
《闘争者情報》
所持金
26万:風雅
25万:烈、氷海、直斗、千枝、陽介
1万:鈴花、悠、雪子、クマ
アイテム
・バトルボール
2個:風雅
1個:残り全員
・盾
女子全員
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今日はここまで。感想あればどうぞ。