二次創作小説(映像)※倉庫ログ

新たなイベントと新たな犠牲者 ( No.48 )
日時: 2015/04/17 23:21
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: lQ3omTqs)

南西エリア、烈と別れた直斗は、誰にも見つかる事なく武器屋前まで来て、真っ先に武器屋へと通じる穴蔵を潜った。

(立て看板がなければ、あやうく見逃すところでした…。)

そう、建物が建っている訳ではないので、一見すると素通りしてもおかしくない。だって、ただの穴蔵だったのだから。
穴蔵の中は緩い坂道になっており、先の方に光が見える。

(とにかく、これを売って先輩達との戦いに備えよう。)

盾がなくなるのは少し心細いが、その代わりに手に入る物はとても魅力的なもの。
直斗は期待に胸膨らませ、光を目指す。

「すみませー…」
「いらっしゃいませーっ!」

光を潜ると、一番に元気な声が聞こえ、直斗は声がした方を見た。
そこには、ウサギの耳を生やした三つ編みの女性が、茶色のローブを纏ってニコニコと笑っていた。

「えっと、確か、ミミさん…でしたよね?」
「うんっ! 初めまして! 噂は聞いてるよ、探偵王子!」
「ミミさんの噂も色々と伺っています。ところで、何故ここに?」

女性…ミミが何故ここにいるのか、直斗は首を傾げながら聞く。

「MZDに頼まれたの。戦闘中を盛り上げる為に、昴さんに力を貸してやってくれって。」
「それで、売り子のブラウンクロウ役を?」
「うん! 何人かのポップンキャラも手伝いに来てくれてるよ! ちなみに、反対側の売り子はニャミちゃんなんだ!」
「そうでしたか…。っと、そうだ。ミミさん、この盾を売却します。」
「はいはーい!」

直斗は盾をミミに渡し、40万を受け取った。


白鐘 直斗
所持金:25万→65万(+40万)


「あっ、この金額は…。」
「ええ。このお金で、忍を購入させて下さい。」
「りょーかいっ! はい、契約の腕輪!」
「ありがとうございます。」


白鐘 直斗
所持金:65万→5万(-60万)


お金を払い、忍との契約の証たる腕輪を身に付けると、忍が納められている箱の前に立つ。
不透明なプラスチックのようで、中の様子は見えない。

「…忍…起動!」

直斗は一気に箱を開ける。

新たなイベントと新たな犠牲者 ( No.49 )
日時: 2015/04/17 23:29
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: lQ3omTqs)

が、すぐに蓋を閉めてしまった。

「どしたの?」
「ミミさん、忍、売却できませんか?」
「うん? えっと、無理なんだよね。忍は売却不可だよ?」
「では、今までの流れ、取り消していただけますか?」
「もうお金受け取っちゃったし、無理だよ?」

どうやらこの取引は成立してしまい、取消しは無理らしい。

「で、ですが、集中できませんよ! 何で忍がこの姿に…!」
「直斗君には嬉しい要素だって昴さんが言ってたけど、嫌なの?」
「い、嫌ではありませんが、気が散ってしまいます!」
『気が散るって酷いなー。折角僕がこの日の為に夜なべして作った…。』

ハロボットから凪の声がすると、プシュー、と煙が吹き出し、忍が起動して中から出てくる。
その姿は…忍装束を身に纏った、凪のロボットだった。

『自律思考を完備した戦闘中用忍アンドロイド・NAGI-mark1が気に入らないのー?』
「いや、気に入る気に入らないの問題じゃなくて! あぁ、もうっ! 凪君のロボットと一緒に行動するって考えただけで集中できないよ! 何でロボットと凪君という僕が好きな要素を二つも入れるかな! …って、あっ…!」

直斗は口をつぐんだ。
そう、ここにはミミがいる事と、このハロボットは本部に映像と音声を届けている事を忘れていたのだ。しかも、本部で絶賛録画中。

「…ふーん、へー、ほー♪」
「う、うわあぁぁぁっ! み、ミミさん! 忘れて下さい! す、昴さん! 今の下り、カット」
『勿論一切しねぇよ♪』
「うわあぁぁぁんっ! 意地悪ですっ! 酷いですうぅぅっ!」

暫く、直斗は泣き続けた。
直斗の周りは、違う意味で敵だらけだ…。











本部では、クスクス笑う昴と、いつもの笑顔より少しだけ嬉しそうな表情の凪がいた。
他のメンバーも、微笑ましく直斗が映るモニターを見つめていた。

「あー、面白い。直斗いじり。つかさ、凪。お前も堂々と直斗と付き合ったらどうだ?」
「周りもみんな公認してるよ?」
「だめー。直斗、照れ屋さんだからねー。」

昴とりせの言葉に、凪はえへへと笑いながらそう答えた。
まだ、時期には早いという事か。

「そうだ。昴さん、そろそろアレ、出すー?」
「ん、武器屋もオープンしたし、いい時間帯かな。よしっ、出すか。」

昴はキーボードを叩き、全員に向けてメールを出す。

「難易度は緩くなっちまうけど、流石にこういう措置もなきゃ、面白くねぇだろ。」

彼女なりの救済措置のミッションが、始まろうとしていた。

新たなイベントと新たな犠牲者 ( No.50 )
日時: 2015/04/17 23:34
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: lQ3omTqs)

残り100分を迎えようとしていた頃、南西エリア、武器屋の前で千枝と鈴花は今後の対策とマップを確認する為にスマートフォンをいじくっていると、直斗の装備欄が変更されている事に気がついた。

「あっちゃー、直斗君に先越されたかー。」
「ねぇ、昴さん。忍って、一店舗につき、一体だけなのかな?」
『あ…わりぃな、メールに書き忘れた。本家のルール同様、一店舗につき一体のみだ。だから南西エリアの忍は品切だ。』
「初めてだし、そういう不備もあっても仕方ないよね。よしっ、あたしは闘技場に賭けようっ!」

本部のミスを享受しつつ、千枝は今後開かれるチャンスに意気込む。
そんな二人の前に、宝箱のようなものが現れた。

「わっ、な、何!? って、うわっ!」
「メールだ!『イベントその二:宝箱を破壊せよ!』…?」
「た、宝箱って、これ? えっと…。『エリア毎に三つずつ、宝箱を用意した。中には5万から10万の現金を用意。スカあり。物によってはアイテムも同時に入っている。破壊した者がそのアイテムを入手できる。ただし、残り時間80分になったら宝箱は自動的に消失する。』あっ、負けたチームへの救済措置なのかな?」
「かもしれない…!」


《イベントその二》
・宝箱を破壊せよ!
エリア毎に三つずつ、宝箱を用意した。
中には5万から10万の現金を用意。スカあり。物によってはアイテムも同時に入っている。
破壊した者がそのアイテムを入手できる。
ただし、残り時間80分になったら宝箱は自動的に消失する。


まさかの、昴からの救済措置。
鈴花は驚くも、目の前の宝箱を見つめた。

「千枝センパイ、これ、壊していい!?」
「いいよ! あたしは別のを壊すし…!」

千枝の許可に、鈴花は「ありがとっ!」と礼を述べてから、宝箱を破壊した。
中から、10万とパチンコ型のアイテム…バトルシューターが出てきた。


鈴花
所持金:1万→11万(+10万)
装備品:バトルボール、盾、バトルシューター(new)


「うわっ! 凄いね、鈴花ちゃん! いきなりいいのゲット出来たんじゃないの!?」
「…! 昴さん、試し打ち、していい?」
『玉、四発しかないけど?』
「まぁ、四発もあれば十分、だけどねっ!」

パチンコを引き絞り、草影に向けて放つ。
ガサッ! という物音と共に、「うわっ!」という聞き覚えのある声が聞こえる。

新たなイベントと新たな犠牲者 ( No.51 )
日時: 2015/04/17 23:39
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: lQ3omTqs)

「あっぶなー…。」
「あ、風雅君。」

草影から出てきたのは、風雅だった。それに気がついた千枝は、顔色を青くさせる。

「風雅君、一応言っておく。逃げた方がいいよ。」
「えっ? なん、うわっ!!」

鋭いボールが、風雅の横から放たれる。

「あーあ、避けられちゃったー。おっしいなー…♪」
「え、り、鈴花…?」
「駄目だよー、風雅くーん、ちゃんと当たってくれなきゃー♪」

今の鈴花はヤバイ。流石の風雅でも、それは理解できた。
でも、何故? そう考えて…答えは、すぐに出た。

「も、もしかして、完二を撃破したのが僕だから…?」
「ぴんぽーん♪」

満面の笑みで鈴花は返す。今はその笑顔でさえ、恐ろしい。

「と、言うわけで…。とっとと当たりなさいこのモヤシ野郎ーっ!」
「鈴花ちゃん! 女の子がそんな汚い言葉使っちゃダメー!」
「うわあぁぁぁんっ!!」

風雅は泣きながら逃げ回り、それを追いかける鈴花。千枝は既に追いかける事を諦め、眺めているだけだ。

「あ、里中先輩。」
「直斗君。あれ? 凪君?」
「忍型アンドロイド・NAGI-mark1だそうです。早い話が、これが忍です。一見すると凪君ですが…ほら。」
「…あ、ホントだ。アイギスさんみたいなロボットの間接だ。」

その間に直斗が千枝の前にやって来る。千枝は始めて見る忍に一瞬凪と勘違いするも、直斗が肩を捲って見せた部位に見覚えがあり、納得する。

「ところで、あの状況は一体…。」

話が終わったのを見計らい、直斗は千枝に目の前で追いかけっこをしている鈴花と風雅を見て聞いた。

「…完二君を撃破されて頭に血が上った鈴花ちゃんが風雅君を見つけて…結果。」
「成程、よくわかりました。」

どうやらその言葉で全部納得がいったらしい。
その間にも、追いかけっこは続く。

「うわっ!」
「あ、風雅君が木にぶつかりましたね。」

が、目の前にあった大木に気がつかずに、思いきり体をぶつけてしまう風雅。
背後から、パチンコを構えた鈴花が忍び寄る。

「うふふふっ。つっかまっえたっ♪」
「あ、ああ…!」

笑顔なのに、笑顔なのに、どこか、黒い。醜く歪んだ鈴花の笑顔が、そこにあった。

「…うわあぁぁぁんっ!!」


97:00
風雅撃破
残り、九人

鈴花
所持金:11万→37万(+26万)
装備品:盾、バトルボール(三個)、バトルシューター(玉一個)


「…直斗君。」
「何でしょう、里中先輩。」
「恋する女の子って、怖いんだね…。」
「はい…。」

もう当たっているはずなのに、いつまでも風雅に馬乗りになり、パチンコを引き絞りながら笑う鈴花を見て、女子二人は思わずそう思ってしまったそうな。

新たなイベントと新たな犠牲者 ( No.52 )
日時: 2015/04/17 23:45
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: lQ3omTqs)

風雅の撃破情報はすぐに、スマートフォンにて伝えられた。

「おっ、メールだ。『鈴花が風雅を撃破。鈴花の所持金は37万となった。』すげぇな、鈴花。あれ? でも、鈴花って1万しか所持してなかったよな?」

北西エリアに移動した烈は、メールを見ながら宝箱を破壊する。中身は5万とバトルボール一個だ。



所持金:25万→30万(+5万)
装備品:バトルボール(二個)


「あ、これか。鈴花の奴、10万出した上に風雅を倒したから、一気に所持金トップか。すげーなー。」

飛び出してきた5万を見て、鈴花の所持金の計算が合う事に気がつく。

「あら、烈。」
「おぅ、氷海か。やるか?」

烈はやって来た氷海に向け、バトルボールをちらつかせる。だが、氷海は首を横に振った。

「今は、貴方と戦う時じゃないわ。…そうね、約三名程を排除してから、ね。」
「うん、だよな。そうだ、氷海はもうこのイベントやったのか?」
「ええ。10万程出たわ。アイテムはなかったけどね。」


氷海
所持金:25万→35万(+10万)


「すげぇなぁ…。ん? またメールだ。…なっ…!?」
「あら、本当だわ。…!? まさか、嘘でしょう!?」

本文を見た烈と氷海は、同時に驚く。

「俺も信じたかねぇけど…信じるっきゃねぇだろ…!」

そのメール文には…。

「陽介先輩がクマにやられた…!」

『クマが花村陽介を撃破。クマの賞金は26万となった。』と書かれていた…。

新たなイベントと新たな犠牲者 ( No.53 )
日時: 2015/04/17 23:53
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: lQ3omTqs)

撃破情報

二人目:緑谷風雅

風雅
「gkbrgkbr…。」



《闘争者情報》
所持金
37万:鈴花
35万:氷海
30万:烈
26万:クマ
25万:千枝
5万:直斗
1万:悠、雪子

アイテム
・バトルボール
3個:鈴花
2個:烈、クマ
1個:氷海、悠、千枝、雪子、直斗

・盾
氷海、鈴花、千枝、雪子

・バトルシューター
鈴花(玉一個)

・忍
直斗







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