二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 闘技場オープン! ( No.55 )
- 日時: 2015/04/18 22:16
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: KF4wky37)
牢獄…。
「あー、うめぇ。お前の作る料理ってホント何か昔懐かしい感じがするな。」
陽介は完二が作ったコロッケを頬張りながら、暖かい日差しに幸せを感じていた。
ちなみに、昴の許可は降りている。
「んなもんじゃねぇよ。あんま誉めんな。照れんだろうが…。」
「いや、憧れるよ。俺なんて米しか炊けねぇし。あ、卵焼きくらいなら作れっけど。」
そんな他愛もない話をしながら、日向ぼっこをする二人。
「風雅、いつ起きっかな…。何か、鈴花ちゃん関連で酷い目に遭ったみたいだけど…。」
「暫くは無理っしょ…。何があったかは知らねぇけど。」
未だにうなされる風雅を心配しながら、コロッケ片手に話し込んでいた。
「…そうだ。センパイ、いつ、クマの奴にやられたんッスか? まったくのノーマークだったから思わずあのメールに驚いたんッスけど…。」
「ん? ああ…。俺も、あんなやられ方をするとは思わなかったよ…。」
「一体、何があったんッスか? まさかクマにやられるなんて…。」
「クマだけじゃねぇよ。悠とクマにやられたんだ。」
陽介は悔しそうな表情を浮かべながら、何があったかを話し出した。
■
遡る事、数十分前。丁度、鈴花が風雅を追いかけ回していた頃、陽介は北東エリアの武器屋前で張り込んでいた。
ちなみに彼、ここに来る前に宝箱をひとつ破壊したが、中身は空だった。
(中身空は流石にいてぇ…。流石に25万は心もとねぇし、誰か通ったらそいつを倒して、少しでもあのバカトリオをやっつける為の戦力アップを図りてぇ…ん?)
誰かがこちらに近づいてくる。あれは、悠だろうか。
(よりにもよって相棒かよ。まぁ、ここで倒しとくのもいいな。よしっ!)
陽介は意を決し、悠の前に飛び出した。
「あーいぼっ。」
「何だ、陽介か。…やるか?」
「勿論。」
悠と陽介は互いにバトルボールを構え、じりじりと横に動きながら、隙を見つける。
「相棒、動き回るだけじゃ俺には勝てないぞ?」
「わかっているさ。お前こそ、投げてこないのか?」
「そのうち投げるよ。その内。」
互いに隙を見せない二人。見つけようと奮闘するも、互いに隠す事がうまいようで、中々見つからない。
(まずいな…。これじゃ、完全に防戦一方だ…。あぁ、くそっ。相棒の余裕綽々のあの顔、ムカつくな、なんか。)
陽介は焦りからか、少しイラっとして来た様子だが、それを表に出さぬよう、必死に隠す。
「来ないのか? なら…。」
「こっちから行くクマー!」
「えっ!? うわっ!」
背後の声に気が付いた時には、既に陽介の体へボールが当たり、地面へと落ちていた。
95:27
花村 陽介撃破
残り、8人
クマ
所持金:1万→26万(+25万)
「クマ吉…まさか…!」
「クマ、優勝する為にセンセイとタッグを組んだクマ! 二人一緒なら、怖くないクマ!」
「一日利用権を半日にする約束で、クマと契約した。」
「うわ、ずっりー! 何だよ一日を半日って!」
陽介はむくれるも、その二人にやられた自分がこれ以上口を出す事など出来ない。
(相棒とクマ…意外に、強いかも知れない…。何とか、こいつらを打ちのめさないと、昴さんが…! 後輩とか、女子に頼るとか、情けねぇけど…多分、頼れるのはツッコミ四天王達だけだ! 頼んだぜ、リーダー!)
期待するのは、ツッコミ四天王。その中でも自分がもっとも頼れる、ツッコミ四天王リーダー、烈。
彼は、烈に心の中で全てを託しながら、牢獄に転送された…。
- 闘技場オープン! ( No.56 )
- 日時: 2015/04/18 22:18
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: KF4wky37)
そして現在、牢獄…。
「…んな事があったわけ。」
「はぁー…。鳴上センパイとあのクマ吉がタッグを組んでねぇ…。」
一通り話を聞き終えた完二は、はぐはぐとコロッケをかじる。
「それ、まずいッスね。」
「ああ。非常にまずい。あいつら、カオスな展開になると…!」
「あの二人、一気に強くなるッスからねぇ…。」
ギャグ展開で何故か強くなるあの二人。
恐らく、ギャグの神様に愛されているのだろうか。
「とにかく、何とか昴さんをカオスから救うには、あいつらを何とかしてもらわねぇと…!」
「だよなぁ…。ちなみに紅よぉ、あの二人が昴さんに望んでいるのって何だ?」
『…ロクな事ではなかった。ああ、ロクな事ではなかった。こいつらの勝利は神の貞操が危うい気がした。』
神妙な面持ちで紅が答えている事が目に浮かぶ。その姿に、陽介も完二も嫌な予感しかしない。
『だが、案ずるな。悠とクマが同盟を組んだように、烈と直斗、千枝と鈴花が同盟を組んだようだ。』
「あいつらも同盟を!?」
『ああ。二組共、神をそのカオスから助け出す為に同盟を組んだようだ。』
「烈と直斗に、里中と鈴花ちゃんか! そりゃ心強ぇや!」
ツッコミ四天王のリーダーと参謀がタッグを組み、体力が人一倍ある二人が組む。
これならば勝てる気がする。気だけど。
『それに、神がそろそろあの通達を出すはずだ。それで、多少は違うだろう。』
「あの通達…? あっ、アレか!」
「あー、オレもやりたかったなぁ…。なぁ、昴さん。後で終わったら、ちょっとバトっていいっすか?」
『ああ。別に構わないぞ。』
「オッシャー!」
昴の許可に、完二は喜んだ。
余程忍と戦ってみたかったのだろう。
■
本部。
「…そんなに戦いたかったんだな、忍と。」
「完二は早々に退散しちゃったからね…。」
昴の呟きに、鏡は悲しそうにそう言う。
「それに、ちょっとバトル好きなところもあるし…単純に、凪が造った忍の性能を肌で感じてみたいのかも知れないわね。」
「それはあるかもな。もし、完二がここまで生き残っていたら、きっと挑んでいたな。」
雪花の話に答えながら、カタカタと昴がキーボードを叩く。
「さーてとっ、誰があの忍に挑むのかなっ、と!」
そして、一通のメールが送信された。
戦いを左右する、一通のメールが…。
- 闘技場オープン! ( No.57 )
- 日時: 2015/04/18 22:23
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: KF4wky37)
千枝はあの後、鈴花と別れ、北東エリアに移動した。忍を購入できたらしようと考えた故の移動だった。
途中で烈と別れて北東エリアにやって来た氷海と出会い、烈同様互いにまだ戦わない事を誓い合う。
そんな二人の元に、一通のメールが届いた。
「あら、メールが…。あっ!『イベントその三:闘技場オープン!』闘技場がオープンしたみたいですね!」
「『神殿前に闘技場を設置した。入口にいるブラウンクロウに10万を払えば忍と戦う権利を与え、見事忍に勝利した者に、その忍を与える。忍は三種類。先着五人まで。』よっしゃー! 来たよ来たよ! 闘技場!」
《イベントその三》
・闘技場オープン!
神殿前に闘技場を設置した。入口にいるブラウンクロウに10万を払えば忍と戦う権利を与え、見事忍に勝利した者に、その忍を与える。
忍は三種類。先着五人まで。
闘技場イベントが始まった事に、千枝は張り切る。
高額な料金を払って忍を購入するか、闘技場で忍と戦うか、それは、当人次第だ。
「神殿前だね! あたし、行ってくる!」
「ええ、頑張って下さい、千枝先輩!」
氷海の応援を受け、千枝は走り出そうとした。
「だ、誰かーっ! 助けてーっ!」
「!?」
その声が聞こえるまでは。
「氷海ちゃん、今…!」
「はい、誰かが助けを求めてましたね。」
「よしっ、闘技場はあとあと! 探しにいこっ、氷海ちゃん!」
「いいのですか? 先着五名ですが…。」
「いいのいいの! いざとなったら盾売って買うし、ダメなら契約の腕輪を買うもん! それに、警察官志望としては、困った人を放っておけないぞよ! さっ、いこいこっ!」
千枝は氷海を伴い、声が聞こえた場所に向かっていった。
■
神殿前、闘技場特設ステージ。
「おっ、ここか。」
一番乗りでやって来たのは、烈だった。
周りには誰もいない。まだ、誰も挑もうとしていないようだ。
「おや、烈殿。」
「あ、ネロさん! お前が受付?」
「うむ、いかにも。」
茶色いローブを纏った黒猫の剣士、ネロを見つけ、烈は声をかける。
どうやら彼が受付のブラウンクロウのようだ。
「忍と戦うのか?」
「ああ! はい、10万!」
烈
所持金:30万→20万(-10万)
烈はネロに10万と現在所持している装備品を渡すと、彼に案内されて柵の中に入った。
「ルールは大丈夫か?」
「ああ。おっ、これか? 闘技場専用の青いバトルボール。」
「いかにも。そのバトルボールを投げ合い、忍に当てる事ができたら忍を獲得できる。だが、当たった場合は10万が無駄になる。尚、女子には陣地が広くとれるハンデがあるが…お主には関係ないな。」
「だな。俺、男だし。」
そんな話をしていると、目の前のゲートが煙に包まれ、そこからバック宙とバック転をしながら凪を模した忍…NAGIが入ってきた。
『烈の相手はNAGI-mark3だよー! mark3とか言ってるけど、忍としての性能は全部一緒だから安心してねー。』
「上等だ! 行くぜっ!」
烈と忍は同時にボールを持った。
- 闘技場オープン! ( No.58 )
- 日時: 2015/04/18 22:32
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: KF4wky37)
一足遅れて、闘技場にやって来たのは、鈴花だった。
「とうちゃーくっ! …あれ?」
だが、受付らしき場所には、誰もいない。
「ウニャー! 危ないっ、烈殿! 我も助太刀致」
「ネロさんダメーっ!!」
ネロが柵を飛び越えて烈に助太刀をしようとしていたようだが、鈴花が咄嗟に足を掴み、引きずり下ろした。
「何をするのだ鈴花殿! 烈殿の危機なのだぞ!?」
「いや、そうだけど、これは一対一の真剣勝負だから、水を差しちゃダメだよ!」
「ぬうぅ…!」
『ネロ、気持ちはわかるが、鈴花も言ったように、一対一の真剣勝負の最中だ。お前だって、その勝負の最中に水を差されたら嫌だろ?』
鈴花のハロボットから、昴の宥める声がする。
「むぅ…それは…確かに、嫌だな…。」
『だろ? なら、黙って見てやれ。』
昴の説得により、ネロは大人しくなった。どうやら納得してくれたようだ。
「ところで、鈴花殿も忍と一騎討ちを?」
「うん!(ネロさん、正義感強いなぁ…。烈君にちょっと見張ってて貰おうかな…。)」
「おっしゃっ!」
鈴花がそう考えていたら、烈がいつの間にか忍を撃破していた。
「あ、烈君が忍を撃破した!」
「いやー、やばかったやばかった。当たるかと思ってヒヤヒヤしたぜ…。おっ、鈴花。お前も挑みに来たのか?」
「うん! 烈君、ぱぱっとやって来るから、ちょっとここで見てて。(ネロさんを。)」
「おう、わかった。(ネロさんを、だな。マジで入ってこようとするとは思わなかった…。)」
どうやら烈は鈴花が言わずともすべてわかったようだ。
「てなわけで、ネロさん!」
鈴花
所持金:37万→27万(-10万)
「うむ。鈴花殿は女子だから、ハンデありだな! 昴殿!」
『ああ。』
鈴花から10万を受け取り、装備品を預かったネロの声に昴が反応すると、闘技場の舞台が少しだけ動く。
見ると、プレイヤー側の陣地が広がっていた。
「よーっし! じゃ、烈君、行ってくる!」
「おう! 行ってこい、鈴花!」
「頑張れよ!」
烈とネロの声援に答えるかのように、鈴花は手を振って闘技場内に入っていった。
- 闘技場オープン! ( No.59 )
- 日時: 2015/04/18 22:38
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: KF4wky37)
撃破情報
三人目:花村陽介
陽介「今回はしてやられたけど、ぜってー次回あったら生き残ってやる!」
《闘争者情報》
所持金
35万:氷海
27万:鈴花
26万:クマ
25万:千枝
20万:烈
5万:直斗
1万:悠、雪子
アイテム
・バトルボール
3個:鈴花
2個:烈、クマ、直斗
1個:氷海、悠、千枝、雪子
・盾
氷海、鈴花、千枝、雪子
・バトルシューター
鈴花(玉1個)
・忍
烈、直斗
■
今回はここまで。感想あればどうぞ。