二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Happening ( No.64 )
- 日時: 2015/04/24 21:18
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: iQk5t9Pn)
闘技場に入った鈴花は、深く深呼吸し、目の前を見据えた。
「…さぁ、かかってきなさい!」
鈴花がそういうと、煙が上がり、その奥から鉄球のようなものが飛んできた。鈴花は、それを素早く避け、ボールを手に持つ。
「…先制攻撃は卑怯じゃないの?」
『かかってこいって挑発したからだよー。だから、本気になっちゃったんだと思うよー?』
ジャラジャラと鎖の音がし、忍が出てくる。だが、それは凪を模したものではなかった。
「えっ!? ぼ、牡丹!?」
それは、自らの記憶と力を元に生み出された分身、牡丹を模していた。
『性能はNAGIと一緒だよー。だけど、大玉を装備するとねー…。BOTANに変化する仕組みなんだー!』
「ちなみに大盾でも変化するの?」
『うん。それはー、まぁ、追々ー?』
どんな姿になるかは楽しみだが、それは後だ。
『鈴花、mark4は今、BOTANモードだ。だから、バトルボールは全て、お前の元に渡す。敵陣に渡っても、こっちに転送するようにしてあるから、手詰まりはない。安心しろ。』
「ありがと、昴さん!」
『そうしないとフェアじゃないからな。じゃあ…試合、開始だ!』
昴の宣言の後、すぐにmark4は鈴花目掛けて鎖鉄球を飛ばしてきた。
「うわっ、危なっ…! 当たったら一溜まりもなさそうだね…!」
『あ、鎖鉄球っぽく見えるけど、当たってもあまり痛くないぞ。本家同様、ただのゴムボールだから。鉄球はあくまでも見せかけ。』
「それなら安心だね!」
何が安心なのかはわからないが、鈴花はそう言ってからボールを投げた。
が、それは鉄球により弾かれる。
「弾いた!?」
『BOTANは攻撃特化だが、防御も出来ない訳ではない。油断してると痛い目見るぞ?』
「弾けるくらいじゃ、今さら動揺しないよ!」
ボールを二つ持ち、再びmark4に立ち向かう鈴花。
「そーれっ!」
そして素早い玉を投げる。mark4は鉄球を大振りに振って弾く。
『!?』
だが、その目の前に、別のボールが迫っていたと気が付いた時には、もうボールは自分の間合いに入っていた。
それでも何とか避け、鈴花を見る。
「あー、惜しい! 避けられた! って、うわっ!」
ギリギリのところで避けられ、悔しがる鈴花。すぐに鉄球が飛んできて、避ける。
mark4はそれを見て、悔しそうな表情を浮かべる。
「うー、能力使えたら、あんな奴いつも通りボコボコに出来るのに…!」
『私があの場に出ていたら、ボコボコにしてあげましたのに…。』
鈴花と、ハロボットから聞こえる牡丹の悔しそうな声に、 互いの時間が一瞬止まる。
次の瞬間、険悪なムードが流れた。
「…何か言った? 牡丹。」
『…何か言いまして? 鈴花。』
『「ちょっと待てお前ら。野試合みたいなのでボコボコにし合うな。」』
そんな二人に、外でネロを押さえながら試合を見ていた烈と、運営にいる昴が同時に、同じ文章でツッコんだ。
- Happening ( No.65 )
- 日時: 2015/04/24 21:36
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: iQk5t9Pn)
その後も、鈴花が投げたボールをmark4が弾き、mark4が投げた鉄球を鈴花が避けると言う、長い攻防が続く。
「もーっ! 当たってよー!」
『とっとと当たって下さいませ!』
互いに悪態をつきながらボールと鉄球を繰り出す。
「…なぁ、昴さん。もうさ、牡丹と鈴花を直接対決させたら?」
『そうさせたいが、この状態じゃ牡丹がハンデになるだろ。実際戦ってるのは牡丹じゃなくてmark4なんだから。』
ギャンギャン言い合いながら戦う二人に、烈は思わずそう考えて昴に提案するも、彼女の説明に納得がいったのか、「そうだったな。」と頷いた。
「とっとと当たって言う事聞きなさいよ!」
『貴方こそ、とっとと当たって諦めたらいかがですか!?』
『「お前らここでも喧嘩すんなよ!」』
「女子とは、かくもこう、怖いものなのだな…。くわばらくわばら…。」
完全に二人がいつもの調子になり、mark4もまるで牡丹が乗り移ったかのように本気を出す。おい、ネロが怯えて拝んでるぞ。
「さっさと…!」
鈴花は何を考えたか、mark4の足元にボールを転がす。すぐに転送されるが…。
『!』
その僅かな時間の間に、mark4は足をとられ、よろけて体制を崩した。
「言う事聞けこの馬鹿牡丹ーっ!」
体制が崩れている隙に、mark4目掛けてボールを投げる。
勝敗は、決したようだ。
■
鈴花達が戦いを繰り広げている頃、北東エリアでは…。
「この辺りから声がしたはずだけど…。」
声の出所を探し、千枝と氷海が辺りを見回す。
だが、周りは木や草ばかり。見つけるのは困難かと思いきや…。
「た、助けてーっ!!」
「!?」
再び声が響き、場所が特定できたようだ。
「先輩、あの茂みの奥から聞こえます!」
「行こう、氷海ちゃん!」
「はい!」
二人は茂みを掻き分け、奥を目指す。
その最中に、見つけた。
「あ、あれ、誰だっけ?」
千枝が首を傾げる、その人物の正体は…。
「エージェントさん!?」
ポップン19に出てきた、エージェントだった。姿はいつものスーツではなく、青色のローブを纏っているが、間違いないだろう。
彼は今、泥濘にはまっているのか、何とか必死に出ようともがいていた。
「えっと、確か、氷海ちゃん、だよね!? た、助けてもらっていい!? 泥濘にはまって、出られなくて…!」
「は、はい!」
「ここはあたしが!」
そう言って千枝は駆け出そうとするも、それを氷海が止める。
「ま、待って下さい千枝先輩! 普通に行けば貴方まで泥濘にはまってしまいます!」
「あ、そっか。うむむ、困ったぞよ…。」
困り果てる千枝。良い知恵は出てこないようだ。
「この辺りには蔓草が生えてるけど、流石に強度が心配だわ…。あ、確か、ここからなら武器屋が近いはず…。ロープか何かをそこで借りてくれば…。」
「成程! じゃあ、あたし、借りてくるね!」
そう言うなり、千枝はさっさと行ってしまった。
「氷海ちゃん、悪いんだけど、その蔓草を近くの木にくくりつけて、こっちに投げてくれないかな? 確かに君の言う通り、強度が心配だけど、これ以上沈まないようにしないと…!」
「そ、そうですね。」
氷海はエージェントに言われた通り、適当な蔓草を木にくくりつけて、エージェントに投げた。彼はそれをしっかりと掴み、千枝の救援を待った。
- Happening ( No.66 )
- 日時: 2015/04/24 22:10
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: iQk5t9Pn)
「あ、出口だ。すみませーん!」
武器屋に辿り着いた千枝は、すぐに受け付けにいた茶色のローブが似合う猫耳を生やした女性の元に駆け寄った。
「はいはーい! あ、女を捨てた肉食獣の…。」
「や、お願い、そっちは忘れて!」
自分が最も忘れたい過去の二つ名を言われ、千枝はすぐにそうお願いをした。
「ご、ごめん…。えーっと…。」
正しい名前を呼ぼうと、女性は申し訳なさそうな表情をしながら、固まる。
「…。」
武器屋に、静寂が訪れた。
「あ、あのー…。」
『ニャミ姉、まさかとは思うけど…ちー姉の名前、飛んだ?』
ハロボットから聞こえる鏡の言葉に、女性…ニャミは頷いた。
「だ、だって、強かったから…。肉食獣…。」
「あー、うん。あたしもそれ自分でも思います。あたしがつけた訳じゃないけど…って、そんな事言ってる場合じゃなかった! ニャミさん、ロープかなんか、ある!?」
「はぇっ!? ぶ、武器とかじゃなくて、ロープ?」
「うん! 実は…!」
千枝はエージェントが泥濘にはまって出られない事を、事細かに、かつ足早に説明した。
説明を受けている最中、ニャミの表情が段々と険しいものに変わる。どうやら一大事だと悟ったらしい。
「…事情はわかったよ。昴さん、セットっぽいけど、このロープ、貸して良いよね!?」
『ああ。大丈夫だ。それなら強度も申し分ないだろう。』
ニャミは昴の言葉を聞くと、すぐに背後の壁からロープをとり、千枝に渡した。
「ありがとう!」
千枝はすぐさま踵を返し、エージェントと氷海の待つ場所へと戻っていった。
- Happening ( No.67 )
- 日時: 2015/04/24 22:15
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: iQk5t9Pn)
「では、これが契約の腕輪だ。烈殿はこちらを。」
「ありがとう!」
「サンキュー!」
勝負がついた鈴花は闘技場から出てきてすぐに、烈と共に忍との契約の証である契約の腕輪を受け取り、互いに撃破した忍に向き直る。
「それじゃ、行こうぜ! mark3!」
「mark4、妙な真似したら承知しないよ!」
そう言った後、烈は鈴花を見た。
「鈴花、俺は先輩らとクマをとっちめたいけど、お前はどうする?」
「なら、一緒に行くよ。私だってクマには借りがあるからねー。」
(ああ、うん。あるな。)
恐らく、オープニングゲームを思い出しているのだろうか、鈴花の笑顔が怖い。
「そうだった。この闘技場で忍を最初に入手できた人物に教えておいてほしいと昴殿から言われた事が。」
「何だ?」
「神殿裏手にある長老樹の根元に、役立つアイテムが埋まっているそうだぞ?」
「アイテムが!? 鈴花、わりぃ、先にそっちに行っていいか?」
「うん、いいよ! 何が出てくるんだろう…。」
鈴花と烈はワクワクしながら神殿裏へと向かっていった。
「忍を最初に入手した奴限定の話って事は、やっぱり忍に関する奴かな?」
「どうだろう…。でも、その可能性はあるよね。烈君だったら何がほしい?」
「うーん、重いけど、バトルランチャーとかかな? 忍用なら大玉かなー。」
そんな話をしつつ、警戒を怠らないようにしながら二人は歩く。
いつしか、二人の前には巨大な大木がそびえ立っていた。聖域の長老樹である。
木の根元にははしごが立て掛けられているが、誰がいるかまでは分からない。
「あ、長老樹だ。」
「この根元に、何か埋まってんだな。おっ、スコップ発見。鈴花、手伝ってくれるか?」
「うん!」
何本かあったうちの一本を鈴花に渡し、烈はすぐに掘り始める。忍達も、手伝ってくれるようだ。
二人と二体で掘ったからか、それはすぐに出てきた。
「あ、この箱かな?」
「うわ、でかいな…。こりゃ忍用かな?」
大きな黒い箱。烈は意を決し、その箱を開けた。中から出てきたのは、大きな盾であり、どう見ても鈴花はおろか、烈にも持つ事は難しそうだ。
『見事掘り当てたみたいね。烈、鈴花。』
「雪花か。こりゃ何だ?」
『忍専用の大盾よ。こう言えば、必然と誰に装備させるかは、わかるわね?』
「烈君、mark3に装備させていいよ?」
鈴花の言葉に、烈は驚いた表情を浮かべて彼女を見る。
「いいのか?」
「うん! だって、私のは大玉忍だから。それに、最初に忍を入手したのは烈君だから、烈君が受けとるべきだよ。」
「…ありがとな、鈴花。」
『話はついたみたいね。烈、その盾をmark3に持たせて。重いから気を付けてね。』
「おぅ。ん、しょっと…。うわ、本当に重てぇ…。酒瓶のケース持ってるみてぇだ。」
結構重量のある盾を、烈はゆっくりとmark3に手渡す。
- Happening ( No.68 )
- 日時: 2015/04/24 22:20
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: iQk5t9Pn)
『…えっ、わ、私が言うの?』
『そりゃ、雪花が言うべきだよー。』
そんな最中に、本部で何か揉めているのか、声が入る。
「おーい、本部ー。何揉めてるか知らないけど、マイクは切っとけよ。」
『あ、ご、ごめんなさい。…こほん。』
雪花はひとつ咳払いをし、深呼吸をしてから、
『モードSEKKA、起動なさい。』
そう、冷たい声で告げる。
すると、mark3の体が変化し始めた。まるで、ロボットが変形するかのように。いや、ロボットだけど。
「うわ、すっげー! かっけー!」
(烈君の喜びようも凄いね…。)
目の前の変形に、流石の烈も童心にかえって喜んだ。男の子はみんな、こういうのが好きなのだろうか。
そして変形が終わる頃には、mark3は巨大な氷の盾を持った、雪花の姿を模していた。
『見てわかるだろうけど、大盾忍の…SEKKAよ。』
「凪君が通常の忍で、馬鹿が大玉忍。雪花ちゃんが大盾忍なんだ!」
「つーか凪、すげーな、お前。こんな高性能なロボットを作ったのか…。」
『夜なべして頑張ったー!』
(夜なべのレベル遥かに越えてそうだけど…。)
何かを思う烈だが、今は黙る事にした。いや、黙るしかなかった。
『…!』
「うわっ!」
mark3がいきなり烈を背後に庇ったからだ。何かに気が付いたmark4も、臨戦態勢に入る。
「あー、惜しかったクマー。」
「流石に奇襲は難しかったか。」
茂みから出てきたのは、悠とクマ。どうやら忍を所持した烈達を見かけ、早めに叩き潰そうと奇襲したが、mark3に気が付かれたようだ。
「って、グマァッ! り、リンチャンもいたクマか!?」
「いーいとこで会ったね、クマ君ー。」
「女子のハーレムとは、羨ましいぞ、烈。」
「いや、mark3はさっきまで凪だったし、それにロボットはノーカウントだろ? 先輩。」
全員、バトルボールを構え、臨戦態勢をとる。
「mark3、鈴花も一緒に守ってやれ。ここは、共同でやる。目的、多分一緒みたいだし。」
『…。』
烈の願いに、mark3は頷く。
「mark4、今、mark3は攻撃できないから、頼りになるのは貴方だけだよ。」
『…。』
mark4は、勿論。とでも言うかのように頷いた。
大盾忍は防御に特化しており、大きすぎる盾のせいで攻撃は不可能である。大玉忍のように攻撃も防御も出来るわけではないのだ。
「センセイ、いっちょやるクマー!」
「ああ! 忍と戦う手間が省けそうだ。」
悠達は闘技場を経由せずに、ここで忍を手に入れようとしているようだ。
「そんな事、させるかよっ!」
「絶対にさせないんだからっ!」
烈と鈴花もそうさせないかのように、バトルボールを構えた。
- Happening ( No.69 )
- 日時: 2015/04/24 22:26
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: iQk5t9Pn)
「そりゃっ!」
鈴花は先制攻撃とでも言うかのように、バトルボールをクマ目掛けて思いきり投げる。
だが、クマは難なく避け、はしごに当たって倒れてしまった。
「当たらないクマよー♪」
「なら、こいつでっ!」
残り一発しかないバトルシューターの玉を立て続けに放つも、こちらも避けられてしまった。
mark4も隙あらば攻撃を仕掛けるが、いずれも避けられる。
「鈴花、後ろががら空きだ!」
「あっ…!」
その隙に、悠が鈴花の背後から狙いを定めるも、それはmark3の盾により防がれた。
「俺達がいるのを忘れてもらっちゃ困るぜ、鈴花。」
「ありがと、烈君、mark3。…さて、どう料理しようかな、この二人。」
「どーすっかなぁ…。」
互いに背を合わせながら、相手の出方を伺う二人。その間にもじりじりと、悠達が迫ってくる。
「…ひっく…。」
「ん?」
ふと、烈は何かを聞いた。
「うっ、ひっく、うぇぇん…!」
「…おい、鈴花、何か、聞こえないか?」
「えっ? …ほんとだ。誰か、泣いてない?」
鈴花にも聞こえたのか、互いに顔を見合わせ、声の出所を探す。
「どしたクマー? さてはクマ達に降参する算段でも立てて」
「ちげーよ馬鹿。んな算段なんか誰が立てっか。お前らも探せ。誰かどっかで泣いてんだよ。」
悠とクマを押し止め、烈と鈴花は再び声の出所を探す。
「…上から聞こえて…って、お前、何やってんだよ!」
声の出所をつかんだ烈は、上を見上げる。他の三人も同様に上を見上げた。
「あ…れ、烈お兄ちゃん…!?」
「何でそんなとこにいるんだよ! アリシア!」
赤い髪の、ウサギのぬいぐるみを抱いた茶色いローブの少女、アリシアが涙をいっぱいに溜めながら、下にいた烈達を見ていた。
「あ、アリシア、ね。MZDに、頼まれて、ボール、拾ってたの…。だけど、疲れちゃって、休みたくてここに…。それに、丁度、この木の上に、ボールがあったから、拾ったの…。」
『アリシアにはボールの行商を任せたんだが…うん、どうやら、はしごが倒れちまって、降りられなくなっちまったようだな。』
この辺りを飛び回っていたハロボットからの映像を分析していたのだろう。MZDはそう結論付けた。
その結論に、鈴花の顔色が悪くなり、血の気が引くような感覚もした。
『…鈴花、お前、クマにボール放った後、音したの、わかったようだな。』
「ご、ごめんね、アリシアちゃん!(やっぱりあのはしご、倒しちゃまずかったんだ…!)」
「アリシア! 今、助けにいってやるから待ってろ! 鈴花、俺がはしごを押さえてるから、お前が行ってくれ。身軽だし。」
「うん。…私が原因だしね。」
鈴花はちょっと落ち込みながらも、はしごを立て掛ける。
「烈、手伝おう。」
「さんきゅ、先輩。クマ、念の為、お前は木の下で待機。もしアリシアが滑って落ちてきたら、受け止めろよ?」
「わかってるクマ!」
クマを木の下で待機させ、鈴花を登らせる。
彼女はすぐにアリシアのいる場所まで辿り着く。
「お、お姉ちゃん…!」
「大丈夫だよ、アリシアちゃん。(もう少し…もう少し、って、あっ!)」
アリシアの元まで向かおうとしたが、途中、バキィッ! と激しい音がした。
見ると、アリシアと鈴花を裂くように、枝が折れていたのだ。
「あ…!(まずい、このままじゃ、アリシアちゃんの所に行く前に折れちゃう!)」
鈴花は悔しそうな表情を浮かべ、恐怖で震えているアリシアを見るしかできなかった。
今の彼女に自身の能力の事が、過る余裕もないようだ。
「アリチャン、飛ぶクマー!」
「!?」
アリシアは、涙いっぱいの目で下を見る。
クマが大手を振って、自分を見ていた。
「クマ、ちゃんと受けとるクマ! だから、飛び降りるクマー!」
「で、でも…怖い…。」
「ダイジョブクマ! クマ、ウソつかないクマ!」
「…。」
真摯に見つめる、クマの目。アリシアは意を決し、飛び降りた…。
- Happening ( No.70 )
- 日時: 2015/04/24 22:34
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: iQk5t9Pn)
《闘争者情報》
所持金
35万:氷海
27万:鈴花
26万:クマ
25万:千枝
20万:烈
5万:直斗
1万:悠、雪子
アイテム
・バトルボール
4個:鈴花
3個:該当なし
2個:烈、クマ、直斗
1個:氷海、悠、千枝、雪子
・盾
氷海、鈴花、千枝、雪子
・バトルシューター
鈴花(玉1個)
・忍
烈(大盾忍)、直斗、鈴花(大玉忍)
■
今日はここまで。明日、夜の八時ぐらいから番外編の募集をしようかと思いますので、宜しくお願いします。
感想、あればお願いします。