二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第二章:『蔓延する狂気』-4 ( No.21 )
日時: 2015/08/08 22:40
名前: 霧桜 ◆U7aoDc6gZM (ID: K3Hf956n)


 ——確固たるは我もまた持たず。我が答え得るは、創られし時のみ。

「今の状況はケモノかトカゲに聞けばいい。神とは何か、その予備知識だけ今は欲しい」

 ——解せり。
 ——我創られし時、地の果て遥か深くに神在せり。
 ——其は暗き螺旋の底。緋白(ひはく)交わる暗き洞(ほら)。死毒満つる混沌。

「地の果て遥か深く……空高くでふんぞり返ってるって御伽噺は嘘だってのか」

 ——双方、虚ならず。天地の極める所神在り。

「ンだってぇ? んじゃ、雲の向こうにも神サマが居るってかよ。どーゆーこった」

 ——我は神の姿を投影す。
 ——神は“ソラ”翔ける姿を持ちながら、混沌の底に住める唯一の者。

「ソラ? 何だよ、古代の機械みたいに神様も空飛ぶってのか?」

 ——“空(そら)”ならず。“虚(ソラ)”なり。
 ——其は星屑満ちる遠闇(とおやみ)の海。神は永久(とわ)翔ける方。

「虚……虚(ウロ)とは空(カラ)と言うことだろう? 何もないはずの場所に、何故星屑が満ちている?」

 ——その輝きに我等は触れられぬ。満ちるものは即ち全て虚ろのもの。故に虚。
 ——神が往くは虚。我が往くは空のみ。

「えーと、んじゃぁ……あんたは神の創った粗悪品、ってとこか」
「おい、槍使い!」

 ——構わぬ。否定する材は我に無し。
 ——我は空のみを己が圏とする模倣の獣。