二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 仲間との別れ 姫との出会い ( No.136 )
- 日時: 2015/06/15 00:30
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 35Ra9Fox)
「…さよなら。」
薄れる意識の中で、その悲しそうな声を聞いた気がしました。
昴さんの声だったのでしょうか。今となっては分かりません。
その声の後で、光に包まれた感覚もありましたが、やはりこちらもうろ覚えですわ。
ですが、これははっきりしていますわ。
…私は今、見知らぬ世界で、一人だという事が。
あぁ、雪花、凪、鏡、昴さん…! 会いたいです…!
お願いです、どうか、私の声が聞こえたなら、答えて下さい!
…お願い、私を、一人にしないで…!
- 仲間との別れ 姫との出会い ( No.137 )
- 日時: 2015/06/15 00:36
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 35Ra9Fox)
「…。」
私は、気がつくと、ベッドの上にいました。
身体中が痛い、です。
でも、それよりも、心が、痛いです…。
「…みんな…。どこにいるんですの…?」
いつも側にいてくれたみんなの気配が、ない。
それだけで、私の心が痛む。
「…答えて…下さい…誰か…!」
私は暫く、喘ぐように泣いていたと思います。
この現実を受け入れたくない。ただ、それだけの思いを抱いて。
ふと、扉を見ると、誰かが入ってくるのが見えました。
桃色のドレスを纏った、綺麗なお姫様。
私には見覚えがありました。だけど、咄嗟には思い出せませんでした。
「…! よかった、目を覚ましたのね。傷の具合はどう?」
「…動けない、程ではありませんわ…。」
私は痛む体を無理矢理起こす。
大分痛みが襲ってきましたが、確かに動けない程ではありませんでした。
あれだけの爆発だったにも関わらず、そこまで傷を負っていないのは、奇跡に程近いですわね。
…いえ、多分、あの光…。
「それよりも、ここは…。」
「空中コロシアムの医務室よ。貴女は空から落ちてきたの。そこを、私とゼルダで助けたの。試合中に落ちてきたからビックリしちゃったわ。…あら、いけない、私ったら。自己紹介をしていなかったわね。私はピーチ。キノコ王国と言う所のお姫様なの。貴女は?」
あぁ、そう。この方は確か、ピーチさん。
ようやく思い出せましたわ。
「私は…牡丹、ですわ…。」
「牡丹ちゃんね。宜しくね。」
「宜しくお願い致しますわ…。あ、あの、私以外に落ちてきた人は、いませんでしたか…?」
私は希望を込めて、ピーチさんに聞く。
お願い、誰か一緒に落ちてきたと言って下さい…!
- 仲間との別れ 姫との出会い ( No.138 )
- 日時: 2015/06/15 00:41
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 35Ra9Fox)
「いいえ、牡丹ちゃん一人だったわ。」
だけど、帰ってきた答えは、絶望的でした。
「そう、ですか…。」
昴さん達は、完全に行方知れず、と言うわけですわね…。
…無事だと、いいのですが…。
「もしかして、お友達もここに来ているの?」
「…はい。恐らく、ですが…。」
「なら、私も探してあげるわ。」
ピーチさんの申し出に、私は思わずビックリする。
「そっ、そんな! 助けて頂いただけで十分ですわ! 仲間の行方は私一人で…痛っ!」
急に動いたせいか、傷が痛む。
そんな私を見たピーチさんは、慌てて私を支えてくれた。
「駄目よ! 急に動いちゃ! 今はゆっくり休みなさい。…ねっ?」
「でもっ…! 早く、探し出して迎えに行かないとっ…!」
あの、悲しそうな昴さんの声が、耳から離れないのですっ…!
早く…早く、迎えに行ってあげないとっ…!
きっと、今頃泣いています…!
「…今は、怪我を治すのが先決よ。そんな体で迎えに行ったら、その人が心配しちゃうわ。」
「…。」
…ピーチさんの、言う通りですわね…。こんな体で探し当てても、心配されるだけですわ…。
「…わかりました…。もう少し、休む事にしますわ…。」
「わかってくれて嬉しいわ。そうだわ! 気分転換に次の試合を観ない? 動けない程じゃないみたいだから、向こうで休んでも大丈夫でしょう。」
「試合を…?」
「気が乗らないのはわかるわ。でも、次の試合は、大物二人の対決だから、盛り上がるわよ?」
…試合…。何の、試合なのでしょう…。
「あ、あの、何の試合、ですか…?」
「勿論、タイマンバトルよ。次の試合は、マリオとカービィの試合だから、結構盛り上がるのよ。」
バトル、ですか…。
…気分転換になるかわかりませんが、行ってみる事にしましょうか。
「…行きますわ。」
「本当!? じゃあ、私と一緒に特等席で見ましょう?」
「はい…。」
私はピーチさんと共に、試合が行われると言うスタジアムに向かう事にしましたわ。
- 仲間との別れ 姫との出会い ( No.139 )
- 日時: 2015/06/15 00:46
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 35Ra9Fox)
「あら、ゼルダ!」
特等席に着くと、そこには先客がいましたわ。
ピーチさんと同じように、ドレスが綺麗なお姫様ですわ…。
「ピーチ、間に合ったみたいですわね。」
「えぇ、まぁ。」
「あら、その子…先程の?」
お姫様…確か、ゼルダさんって言ったかしら。
彼女が私をちらりと見て、にこやかな笑みを浮かべました。
「ええ。牡丹ちゃんよ。」
「ど、どうも…。あ、あの、助けて頂いて、ありがとうございました…。」
私ったら、お礼を言っていない事を思い出しましたわ。
「気にしないでいいのですよ。私はゼルダ。ハイラルの姫です。その、怪我の具合はいかがですか?」
「動けない程ではありませんわ…。」
「そうですか、よかった…と言いたい所ですが、浮かない表情だと言う事は、何か心配事がある、のでしょうか。」
「!」
…バッチリ見抜かれてますわね。
「牡丹ちゃん、仲間とはぐれたみたいなの。」
「そうでしたか…。」
ゼルダさんのお顔も暗くなってしまいましたわ…。
この分だと次の展開は…。
「ならば、このバトルが終わったら、牡丹さんのお仲間を探しに行きましょう。」
ですわよね。
「だ、大丈夫ですわ。そ、それより、試合が始まりますわ!」
私ははぐらかすように、スタジアムがある場所を指差す。
よ、よかった。ちょうど始まろうとしている所みたいですわ…。
…って、あら?
「あれは…フィギュア、ですか?」
「え? えぇ…。私達は死にそうになると、ああなるけれど…。牡丹ちゃん、知らないの? この世界の常識よ?」
「え、えぇと…。」
この世界の、常識…?
フィギュアになるのが、常識ですの?
昴さんが新たな常識を加えた…訳はありませんわね。いくら神様とはいえ、そんな事ができる方ではありませんわ。
「…。」
ならば、考えられるのはひとつ。
「…昴さんがお創りになった世界から、見知らぬ世界に飛ばされた…。」
こう、考えるのが妥当ですわね。
あの爆弾か、私を包んだあの光、そのどちらかに、世界を越える力があった。
私はそれにより、見知らぬこの世界にやってきた。
…ちょっと無茶苦茶な気がしますが、そう考えると辻褄があうのです。
「えっ?」
「牡丹さん、どういう事ですか?」
あっ、とと…。声に出していたみたいですわね。
「…あくまでも、仮説ですわ。ですが、事実と言っても過言では無さそうです。」
私は、ゼルダさんとピーチさんに、自分で立てた仮説を話しました。
- 仲間との別れ 姫との出会い ( No.140 )
- 日時: 2015/06/15 01:06
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 35Ra9Fox)
最初は二人とも驚いていたみたいで、口元を手で覆っていましたが、すぐに私を真っ直ぐな瞳で見て、
「では、仲間だけではなく、元の世界に帰る方法も探さないといけませんね。」
「ふふっ、探し物が一気に増えて大変ね。」
と言って下さいました。
…あら? 私、これ、助長していませんか?
「で、ですから、仲間は私一人で探すと…。」
「気にしないの。旅は道連れ、世はなんとやら、よ?」
「そうです。それに、この辺りには危険なモンスターがいますから、大人数で行った方がいいと思います。」
う、うぅ、これは…引かないですわ。
可愛い顔をして、意外と強情…。
「…わ、わかりましたわ…。」
これは、私が折れる他ないですわね…。
「決まりね。そうと決まれば、試合を観戦しましょう?」
「そうですね。」
…お二人は、試合を観戦し始めました。
どうやらもう、反論させていただけないみたいですわね…。
■
「…不安だったろうな、牡丹。」
ここまでを振り返り、ポツリと、七海は呟いた。
「ああ。日常的に一緒にいた昴達が、一気にいなくなったんだ。不安だったろうよ。」
「一人ぼっちで、知らない世界に飛ばされて、とても不安だったろうな…。」
ジャンの言葉に同調するように呟く七海。
「…でも、どうやら誰かに会えるような飛ばされ方をしたみたいだし、まだ不安は拭えたんじゃないかな? 本当に一人ぼっちにならないように、誰か助けてくれるような人がいるような場所に…きっと、そう願いながら力を放ったんだと思う。」
「うん、そうだね。きっとそうだよ。だからこんなにもいい仲間に出会えたのかも。多分、牡丹はピーチに出会わなかったら、きっと…。」
スバルの言葉に答えた七海は、途中で言葉を消した。
恐らくその次に紡ごうとした言葉は、言わない方がいいだろう。
「…続き、見て行こうか。」
スバルはノートをパラリとめくった。
☆
私
—今日はここまで。…今度スマブラ組とか、BDBS組で料理対決なんてのを想定してるんだけど、やるとしたらどっちがいい? 多分どっちにも生物系は一人いる設定にするだろうし、BDBS組参入によって公式甘党が入ったし、どっちにもミラクルいるけど。そして昴、どっちも固定審査員決定。あ、ちなみに、BDBS組だと部隊毎にチーム戦になるかな。ええ、どう考えても毒物混入を平然とやるのがいるから(例:薬師、赤魔道士)止めてもらう的なもので。それと、スマブラ組は固定審査員を2Pドカ達にするつもりだから確実に凪君も死にます。
昴
「あー、カダとディローザはなー…って、待 て や ゴ ル ァ ! …か、感想どうぞ…。」