二次創作小説(映像)※倉庫ログ

賞金稼ぎとの邂逅 ( No.143 )
日時: 2015/06/16 13:08
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: g9MFapnu)

「…さよなら。」

遠くで、悲しそうな声が聞こえた気がした。
ただ一言。だけど、その一言が、私の胸に突き刺さった。
悲しい声で、そう言ったあの人。
短い言葉だったけど、私を絶望させるには、十分だった。










目を覚ましたら、あの人はいなかった。
あの人だけじゃない。鏡も、凪も、牡丹もいない。…いるのは、私だけ。私、一人だけ。
本当に…。本当に、さよならをしてしまったの?










そんなの、嫌っ! 絶対認めない!
私が必ず、迎えにいくから!
…だから、いつもの笑顔で待っていて、昴さん…!

賞金稼ぎとの邂逅 ( No.144 )
日時: 2015/06/16 13:12
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 0JVd9KgH)

「…。」

反復するのは、あの人の悲しそうな言葉。
あの人は何故、さよならと言ったのだろう。
あの人はどういう意味で、さよならと言ったのだろう。
考えてもわからない。でも、考えなければ気が紛れない。

「…ふぅ…。」

何度目になるか分からない溜息。
気が晴れない。いつもの私らしくない。
こんな姿、昴さんが見たら何て言うかしら。
…って、心配するだけね。

「起きていたのか。傷に障るからまだ寝ていろと言ったのに。」
「! …ごめんなさい、サムスさん…。」

サムスさんが部屋に入ってきて、私にそう言いつける。
彼女は、サムス・アランさん。青いボディースーツを纏った金髪の美しい人。突然この宇宙船…スターシップにやって来た私を、事情も聞かずに傷の手当てをしてくれた、優しくて不思議な人。

「君は動けない体じゃないけど、動くとまた出血してしまうぞ。」
「でも、私…仲間を、探しに行かないと…。」
「…焦る気持ちはわかる。だが、まずは怪我を治すのが先決だ。そうじゃないと、仲間に心配をかけるだけだからな。」
「…。」

サムスさんはそう言うけど、私は早く昴さんに会いたかった。
あの言葉の真意を聞きたかった。

「…しかし、そうだな。動けない程大怪我をしているわけでもないようだし、少し仕事を手伝って貰いたい。危険だが、やって貰えないだろうか。その、気分転換になるかはわからない。だが、君の身の安全は、私が保証しよう。」

…私に、気を遣ってくれているのかしら…。

賞金稼ぎとの邂逅 ( No.145 )
日時: 2015/06/16 16:22
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 0JVd9KgH)

ならば、その思いはありがたく受け取っておくわ。

「はい。私でよければ、手伝います。」
「ありがとう。…では、まずはこれを見てくれないか?」

サムスさんは何かの機械を操作すると、部屋の明かりが消え、何か、メカメカしいロボットのようなものが壁に映る。
これは、何かしら…?

「あの、サムスさん、これは…。」
「…私の、育ての親が私の為に作ってくれた、パワードスーツだ。賞金稼ぎ(バウンディーハンター)の仕事をする時、これを纏うのだが、ある日、これを奪われてな。君には、私と一緒に、ある奴等からこれを奪還してほしい。」
「…ある奴等、とは?」

私の質問の後に、サムスさんは映像を変える。
そこに映っていたのは、丸い、×印の何か。
間違いない。あれは…!

「これを知っているのか?」

私の顔色が変わったのを見て、サムスさんが聞いてくる。

「はい…。私達はこれのせいで、離れ離れになったんです。これがなければ、私達は今頃、平和に過ごせたはずなのに…。」
「…そう、だったのか…。」

あのお茶会を引き裂くように降ってきたあの爆弾。
鏡達は知っていたみたいだったけど、あれは何だったのかしら…。

「これは、亜空間爆弾。亜空軍と呼ばれる奴等が所有し、この爆弾が爆発すると、その周囲は亜空間と呼ばれるところに引きずられると言われているんだ。」
「亜空間…? 亜空軍…?」

分からない事だらけ。
だけど、あの爆弾と爆弾を使った奴等の正体がわかっただけでも、収穫かしらね。

「正体が今一分からないが、この世界を亜空間に引きずり込もうとしている奴等だ。」
「えっと、そいつらからあのパワードスーツを取り戻すのですね。」
「ああ。だが、もしかしたら、その後もこの亜空軍と一戦を交えるかもしれない。パワードスーツはこの亜空軍が亜空間爆弾を製造している研究所にあるようだからな。」

敵の手中に収まっているのね。確かに危険だわ。
だけど、助けてくれたお礼もしたいし、こんな時の為に鍛練していたのだからね。

「…大丈夫です。伊達に鍛えていないので。」
「フフ、心強いな。では、行こうか、雪花。」
「はいっ!」

私達を乗せたスターシップは、パワードスーツがあると言う星へと向かう事になった。
…そこで、何が待っているかは分からないけど…。できる事なら、今から向かう先で会えるといいわね、みんな。











「雪花が昴とサムスを重ねた理由、わかる気がするな。」

ジャンはぽつりと呟いた。

「確かに、あの破壊魔の如く男女だもんねー。あ、でもあの破壊魔みたいながさつさはないか。」
「後で殺されても知らないわよ。」

由梨がかなりご立腹になりそうな発言だったので、スバルはそう言ってしまった。多分本人聞いてないから大丈夫だろうが。

「とまぁ、こんな感じで雪花ちゃんはサムスさんの手伝いをする事になったわけ。…次、凪君いくよ。」

スバルはまたページをめくった。







感想ok
誕生日回第二話、明日には行けるかなー?