二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- ある神様の聖誕祭 その二 ( No.148 )
- 日時: 2015/06/17 22:52
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: L.9EcUH1)
「ふぅ、疲れたー…。」
ユウはあの後、すぐにニコライの持つビショップのジョブで神聖魔法【リザレクション】を使い、ラーズを治療していた。とはいっても外傷とかはないので、すぐに終わったが、その後ラーズの幸福状態は治らず、困り果てていたが一応現世に留まりそうなので放置してきたとか。
「あはは、でもなんとかなりそうでよかったねー。」
「だ、大丈夫でしょうか、ラーズさん…。」
「なんとかなるんじゃん?」
何の根拠もない凪の自信だが、今はその自信を信じるしかなかった。
やがてホールへと戻ってきた二人は、人の多さに驚いた。
「わっ、また人が多いですね!」
「そういえば、さっき休憩時間がどうのこうの言ってた気がするー。」
どうやら二人はいつの間にか休憩時間に入っていた事をこの時に初めて知ったらしい。
「いっぱいお客さんが来てたんだねー。…あーっ!!」
知り合いの姿でも見つけたのか、凪は駆け出した。
「あっ、凪さん!」
人の波に飲まれてはぐれないよう、ユウも慌てて駆けていった。
その頃、凪は知り合いの姿を見つけ、飛びついていった。
「デーデーデーさーんっ!!」
「ん? おー、なぐぶぇっ!」
なんと、凪は目の前にいたガウンを来たペンギン、デデデ大王に向かって盛大にダイブしたのだ! …正確には、デデデの腹目掛けて、だが。
「わーい! ぷよぷよー!」
「いたた…。う、嬉しいのは分かったからダイブは勘弁ゾイ。って、いつまでワシの腹に顔面を押し付けてぷよぷよしてるゾイ!」
デデデの腹にぷよぷよする凪に、彼は怒鳴りつけるも振り払う事はしない。
「ぷよぷよおぉぉぉぉっ!!」
「いつまでやってるゾオォォォイッ!!」
「誰か止めたほうがいいのかな…。」
現場を目撃したユウは、おろおろと困っていた。丁度そこに、自分の足をポンポンと叩く何かがいるのに気づいた。
「ぽよ!」
「え、君はもしかして…えっと、カービィ?」
「ぽよ!」
ピンクボールのまん丸ボディが特徴の、カービィだった。彼はくいくいとユウの足を引っ張り、デデデと凪がいる場所に引っ張っていこうとしていた。一緒にぷよぷよぽよぽよしようというのか。
「え、えーっと…。わっ!」
悩むユウをせかすように、カービィはユウを投げた。ユウはデデデの脇腹に見事ヒットした。
「ふぐぉっ!!」
そのままデデデは床に倒れ、その場で悶えた。
「わわわわ、ご、ごめんなさい!」
「ぷよぷよー!」
「ぽよぽよー!」
「ぐ、ぐふっ、や、やめるゾイ、カービィ、凪も!」
ここぞとばかりに、凪とカービィはデデデの腹を猛烈にぷよぷよした。
「全くお前達は何をやっているんだ…。」
そんな時、彼らに声をかける者が一人。仮面とマントが特徴の、カービィによく似た球t
「誰が球体だ。」
…失礼。カービィによく似た…球体。メタナイトだ。
「(結局球体以外の言い表し方が見つからなかったのかナレーター…。)凪、カービィ、陛下をあまりいじめてやるな。」
「はーい…。」
「ぽよーい…。」
メタナイトの説得により、凪とカービィは渋々デデデから離れた。
「ふう、まったく、酷い目に遭ったゾイ…。」
「だ、大丈夫ですか? えっと、回復魔法、かけますか?」
「いんや、これくらいなら平気ゾイ。ワシは体だけは頑丈だからな!」
そう言って愉快そうに笑うデデデ。それにユウは少しだけ安堵した。
「あの、ところで…凪さんとどういうご関係ですか? 随分親しいと見えましたが。」
「昔、凪…いや、凪達にワシ等の世界を救ってもらった事があって、それ以来色々と交流があるんだゾイ。」
「えー、デデデさんは僕を助けてくれたしー、お相子でしょー?」
「…えっと、つまり、恩人…みたいなものでしょうか?」
ユウが訊ねると、デデデとメタナイトは頷いた。
「まぁ、その辺の事情は追々話すねー。って、あれ?」
急に、凪は辺りをきょろきょろと見回した。
「どうしたゾイ、凪。」
「カービィはー?」
「ん? そう言えばいないな。」
どこに行ったのかと、辺りをきょろきょろと探し始める一同。カービィは小さいので、その姿は見つかりづらいと思っていたが、すぐに見つかった。
「ぽよー!」
「あ、いた! って、あの方角は…!」
ユウは、カービィが向かおうとしている方角を見て青ざめる。
カービィが向かおうとしている場所、そこは…。
「カービィ、そっちは女子トイレだあぁぁぁぁぁぁっ!!」
「ピカチュウ、駄目だ、そっちは女子用だから待ってくれえぇぇぇっ!!」
メタナイトが素早く駆け寄り、カービィを掴んで止めた。妻の暴走を止める夫みたいだ。
その隣では、同じように黄色い生き物と、それを止めた女性がいた。
「ぽよー?」
「ピカー?」
カービィと、黄色い生き物…ピカチュウは「なんでー?」とでも言いた気に首を傾げる。
「何でではない! そっちは女性用のトイレだ! お前が入ったら色々と面倒事が起こるだろう!」
「ピカチュウ、そっちは私みたいな女性が用を足すトイレだ。お前は男の子だから、入るとしたらその隣のトイレだ。」
メタナイトと女性はそう言ってカービィとピカチュウを諭す。何とか納得はしてくれたようだ。
「あら、そこにいるのはカービィさん達ですの?」
「あっ、サムスさん! ピカチュウも!」
「え?」
声のした女子トイレの方を見ると、そこには牡丹と雪花がいた。
「ぽよーぃ!」
「ピッカー!」
彼らはその姿を見つけ、カービィは牡丹に、ピカチュウは雪花に飛びついた。
「お久しぶりですわね、カービィさん! チケット、届いたようで何よりですわ!」
「サムスさんと一緒に遊びに来たの? ふふっ、ありがとうね、ピカチュウ。」
本当に久しぶりに会ったのか、二人の表情は嬉しそうだ。
どうやら、二人の気配を感じて、トイレへといったようだ。
「あ、あれ? 雪花? 何だ、そう言う事だったのか…。」
「? どうかしたの? サムスさん。」
雪花はピカチュウを抱きながら、女性…サムスの元に行く。ちなみに今回の彼女はパワードスーツを着用しておらず、よそ行きの私服のようだ。
「いや、いきなりピカチュウが私の手を離れて、女子トイレに向かっていたからな。そっちもそうだろう? メタナイト。」
「ああ。いきなりカービィがいなくなったかと思えば、女子トイレに行こうとしていて驚いた。牡丹の気配を感じて会いに行くつもりだったんだな。」
「ぽよ。」
牡丹の頭の上に乗ったカービィは、こくんとメタナイトの問いに頷いた。
「あら、そんな事が…。カービィさん、駄目ですよ? 乙女の花園に覗き見するのは。」
「(お、乙女の花園って…。)ピカチュウ、貴方もよ。」
「ぽよー…。」
「ピカー…。」
どうやら二匹は反省しているようだ。なので、牡丹も雪花もこれ以上は言及しない。
『みんなー! そろそろ休憩時間、終わるよー! また盛り上がっていこー!』
そんな中、りせのこの宣言が聞こえ、ぞろぞろと戻っていく観客達。
「あら、休憩は終わりのようですわね。私達も戻りましょうか。」
「ええ。凪とユウはどうするの? まだ外にいた方がいいかしら?」
席に戻ろうとした雪花が、ユウに訊ねる。ライブの雰囲気に呑まれたので、まだ外にいた方がいいと考えた雪花は、一応彼に聞いてみたのだ。
「うーん、オレ、外で聞いていた方が楽でいいです。ここにいても、スピーカー越しにちゃんと聞こえますし、今気づいたんですけど、モニターもあるようなので、暫く外で眺めています。」
「僕も一緒にいるよー。昴さんにもそう言っておいてー。」
「分かったわ。じゃあ、行きましょう、牡丹。」
「ええ。カービィさんも一緒に行きましょうねー。」
「ぽよー!」
そして、観客達に混じり、牡丹達も戻っていった。
- ある神様の聖誕祭 その二 ( No.149 )
- 日時: 2015/07/23 17:55
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: q9qYGNqH)
会場につくと、何故かステージがライブハウスのような雰囲気になっており、きちんと“PASTEL WONDER CLUB”と英語で書かれたDJブース設置されていた。
「…。」
その看板を見た瞬間、この場にいた全員、そのDJブースを誰が設置したかわかった。
『さぁ、ここからも張り切って盛り上がろー!!』
「ちょっと待てそこのネズミ。」
これにはツッコミ属性じゃなくてもツッコミたいわ。何故昴の誕生祝いなのに完全に自分色を出すこのネズミ。
『えー、だめー? せっかくMZDに黙って新調したのにー。』
『おいちょっと待てそこの趣味が多すぎて本業わからんネズミ。』
これにはMZDもマイク越しにツッコミをいれた。
『お前、このライブの真意、わかってんのか?』
『忘れてないよー。久し振りに出たがりパステルくんを発揮させてライブを盛り上げるんでしょ?』
『パステルくん、違います。何か違います。ライブを盛り上げるのは当たりでしょうが、今は出たがりを押さえた方がいいですよ。』
パステルくんの言葉に、スミスはツッコミしかできない。ええ、もう突っ込むしかできない。
『まぁまぁ、出してしまった以上仕方がないデス。このまま進行しまショウ。』
困り果てた空気になったが、すかさずレイシスがこのまま進行しようと提案し、全員それに乗る。
『とりあえずパステルくんは後で元締め達からこってりと絞られるといいよ。さぁ、次の乱入者はだぁれ!?』
りせはもう司会業に専念するつもりのようで、マイク越しに訪ねた。
「はいはーい! 私だよー!」
その声と共にどこからか降ってきたのは、ネールさんの所の北風楓華だった。
りせは彼女の姿を確認すると、すかさずマイクを手渡した。
『昴様、お誕生日おめでとうございます!』
「おー、楓華か。ありがとな。」
『では、早速ですが…。』
楓華はくるりと一回転をすると、何故か服装が変わっていた。双眼鏡を持った少女の格好だ。
『一曲目、歌わせていただきます! 曲は恋愛観測!』
「おっ、かおりんの歌か。そういや格好もかおりんだな。」
そんな事を言っている間に、曲が始まった。
“恋愛観測/pop'n music 20 fantasia”
曲が終わると、拍手喝采の中、楓華は再び回転して衣装を変える。次は和装のようだ。
「鹿の子か。という事は…。」
『お次は凛として咲く花の如くです!』
そして、次の曲が始まる。
“凛として咲く花の如く/pop'n music 15 ADVENTURE ”
また曲が終わると、再び回転して衣装を変える。次はさながらバスケ部の男の子のようだ。
『次は、High scool loveですっ!』
どうやら次は翔の担当曲のようだ。
“High School Love/pop'n music 14 FEVER!”
そして、これで最後と言わんばかりに、衣装を変える。次は鈴花の衣装のようだ。
『ここからは三曲連続です! まずは紅焔、次に恋閃繚乱、最後にcrazy for youですっ!』
どうやらここからは三曲連続でいくようだ。
まずはギターの音が一音流れる。烈の代表曲、紅焔だ。
“紅焔/pop'n music Sunny Park”
そして曲が終わると、今度は鈴花の曲が流れる。
“恋閃繚乱/pop'n music Sunny Park”
最後に、メタルな感じの曲が流れた。
“crazy for you/pop'n music 10”
そして、すべての曲が終わると、楓華は礼をして、舞台袖に向かった。
- ある神様の聖誕祭 その二 ( No.150 )
- 日時: 2015/06/17 22:55
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: L.9EcUH1)
『楓華ちゃん、ありがとー! さて、まだまだ乱入したい人は沢山いるんじゃないのー!? やりたい人は出ておいでー!』
「はいはーい! オレやりまーっす!!」
その声が観客席から響き、一直線にステージに上がろうとしている茶髪童顔の男が見えた。
「おい待て鶏! 行くなっての!」
そして、そんな彼の服を鍔付き中折れ帽子に眼鏡をかけた青年が掴み、必死に止めていた。
「えー、だってせっかくのライブだしいいじゃん! 募集募ってるみたいだしさ!」
「俺達は観客として来たんだろ! 大人しくしていろこの鶏!」
「ちえー。」
ぶーたれる童顔の男だが、渋々席に着席した。
(え、誰だ? 初めて見る顔だけど…。)
—あぁ、彼らは最近支部でよく感想をくれるようになった0の地平線さんの所のリフレクの幻獣イベントの子達だよ。今乱入未遂しようとしてたのがグリフォンさんで、鍔付き中折れ帽子の人がリヴァイアサンさん。
(あー、成程な。…リヴァイアサンの格好、何か作曲者が過ったんだけど。)
—意識してるみたいだね。
そんな話をしながら、先程騒ぎ立てた男…グリフォンとリヴァイアサンを見た。今はグリフォンがむくれながら、リヴァイアサンに宥められていた。
『あらら、ちょっと残念かも。じゃあ、他にはいないかなー?』
「ならば…わしが乱入してあげるですー!」
そう言いながらステージにスタッと降りてきた人物を見て、全員、目が点になった。
- ある神様の聖誕祭 その二 ( No.151 )
- 日時: 2015/07/23 17:58
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: q9qYGNqH)
ステージに降り立った人物、それは…。
「あ…あ…! 茜えぇぇぇぇっ!?」
なんと、あろう事か烈の祖母、茜だったのだ! しかもその格好が紫のインナーと水色と赤のボーダーのアウター…。
「しかもポチコおぉぉっ!?」
『ご主人! ポチネ、精一杯歌うですー! 聞いてくださいっ!』
「…茜、歳考えろ。」
『わしが望んでやってると思うか?』
あ、茜さん既に涙目です。
(うふふっ、茜さんの新たな一面、いいですわー♪)
(こいつのせいかよ。)
どうやら、こうするのは牡丹からの提案だったようだ。
『じゃあ、ポチネ、歌うですー! 曲は、ポチコの幸せな日常ですー! 聞いてくださいっ!』
茜さん、若干涙目のまま歌い始めたとか。会場の一部の方が笑っていた気がしたが、そこは水に長そう。
“ポチコの幸せな日常/pop'n music Sunny Park”
やがて歌い終わり、すぐにどこかに消え去り、すぐに戻ってきた。衣装はいつもの山伏のような姿だ。
『こっからは本気でいくぞ! 曲はわしの担当曲、朱と碧のランページじゃ!』
力強い眼差しを浮かべた茜が、マイクを握りしめ、言い放つ。その目はかなり真剣だ。…若干まだ涙が残ってるけど。
“朱と碧のランページ/pop'n music ラピストリア”
茜が歌い終わると、惜しみ無い拍手が溢れた。茜はその声援に答えつつ、舞台袖へと引っ込んでいった。
「…ばーちゃん、ムチャシヤガッテ…。」
孫の烈はそんな消え行く祖母を、そっと眺めているだけだった。
『さぁ、まだまだライブはこれからだよ! 乱入者、出てきてねー!』
りせの声が高らかに響いた。
- ある神様の聖誕祭 その二 ( No.152 )
- 日時: 2015/06/17 23:08
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: L.9EcUH1)
その頃、ユウと凪はホールに中にあった自販機で紅茶を買い、飲んでいた。
「ユウはコーヒー苦手なの? 真っ先に紅茶を選んでたけど。」
「はい、コーヒーよりも紅茶派ですね。ここにクロワッサンがあればもっとよかったのですが…。」
そんな他愛ない話をしながら、のんびりと、そう、のんびりとモニター越しにライブを観戦していた…。
「だあぁぁぁるぅぇぇぇぇくぅあぁぁぁぁぁっ!!」
「回復魔法、回復魔法うぅぅぅっ!!」
のをぶち壊すかのように現れた声に、凪は(ああ、また誰か死にかけてるのか。)と心の中で呟きつつ、紅茶を一口含んだ。
「あ、あの、またどうかなさいましたか?」
「あ、ああ、ユウさん!! 実はまた死人が出そうなのです!!」
「え、ええっ!? えっと、とりあえず落ち着いて状況をご説明お願いします!」
慌てふためくスタッフに、ユウは自分の紅茶を差し出し、飲ませる。
幾分か落ち着いたのか、スタッフは一つ溜息をつき、話し始めた。
「実は、先程歌った茜さんが、楽屋に戻るなりいきなり頭を壁に打ち付けて…。」
「あ、茜さんって烈さんのお祖母さんですよね!? でも、何で…。」
「…歳相応の格好をして歌いたかったのに一曲目がアレだからでしょー…。」
「凪君の言う通りです…。」
どうやら、あの無茶な格好をして歌ったのが祟ったのか、恥ずかしさと何とも言えぬ思いから、壁に頭を打ち付けて忘れたかったのだろう。
「えっと、オレ、使えます! 神聖魔法でよろしければ!」
そう言ってユウはビショップにジョブチェンジをし、スタッフにそう叫んだ。
「あ、ありがたいです! ではすぐにこちらに!」
「はい! 凪さん、また行ってきます!」
「僕も行くよー。何か行かなきゃダメな気がするー。」
凪はそう言って再びユウと共に楽屋へと消えていった。
- ある神様の聖誕祭 その二 ( No.153 )
- 日時: 2015/06/17 23:11
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: /9RVPCwZ)
後書き DE 雑談
私
—ふー…。何とかゲスト乱入者一人目終わった。
ジャン
「まず一つ言わせろ。茜に無理させんじゃねぇよ。」
私
—え、いや、無茶させたつもりはないよ。ただ歳相応の格好から見た目年齢相応の格好させただけだもん。
ジャン
「悪魔かお前は。」
私
—ふへへ。
ジャン
「悪魔だなお前は。じゃあ、今回はここで終わらせるから続き書け。今は落ち着いてきたんだろ?」
私
—え、まだまだ地獄の残業週間は続きますけどねー。では、またねー。
☆
感想ok