二次創作小説(映像)※倉庫ログ

テスト本番! その前に。 ( No.242 )
日時: 2015/07/18 01:23
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 3KMw6yl.)

そして、テスト当日。

「あー、駄目だ、終わった。終わったよー…。」
「イデア、諦めるの早すぎだよ…。テスト、始まってさえもいないし。」

既に会場である神殿に作られた教室のような部屋に入り、机に突っ伏して絶望しているイデアに、ティズが溜息をつきつつ、彼女に言った。
ちなみにここには、光の戦士達と一緒に、ジャンとニコライがいた。全員、すっぴん姿であり、ジャンとニコライは帝国軍在籍時の姿だ。

「だって! 英語なんてワケわかんないもん! 何なのオープンサシーミーって!」
「open sesameよ。サジッタの隠れ里で言ってたでしょ。」

ティズの言葉にがぱりと起きつつ、むくれながら答えるイデアだが、完全に発音が間違っているのでマグノリアが言うも、すぐに首を傾げた。

「でも、こっちにもopen sesameって言葉があるのに驚いたわ…。何か、謂われでもあるのかしら。」
「あ、それ、オレ理乃さんから聞いたよ。確か、あるお話で、盗賊が宝の隠し場所を開く時に使った呪文が、オープンサシミ…じゃなかった。オープンセサミ…開けゴマ、だったんだって。」
「へー。そんなところから来てたんだな。」

ユウが勉強を教わっている間に理乃から聞いた知識を教えると、リングアベルが反応を示した。

「待たせたな!」

そんな時、話を中断するかのように、教室のような部屋のドアが開かれ、中にデニーと影が入ってくる。
デニーはいつものように皇帝の姿(仮面はありません)だが…。

「あれ? 影さん、その姿…。」

いつものムラクモMZDの体で、血塗れの法衣に身を包んでいた。

「あぁ、これ? このエンペラーオブフリーダム様がいきなりガイストの持ってたアスタリスク奪って僕に渡してきたんだよ。んで、いきなりジョブチェンジしろって言われてしただけ。」

エンペラーオブフリーダムには誰も突っ込みをいれずにスルーしつつ、影はにこやかな表情で淡々と説明をする。すみません、血塗れの法衣でその笑顔は怖いです。
あ、横でユウが項垂れている。

「何か、本当に兄さんがごめんなさい。」
「あはは、気にしないでいいよ、ユウ。何だかんだで楽しいけど…。」

影は笑みを消し、ジロリとデニーを睨み付ける。

「この馬鹿兄に言っといて。うちの馬鹿と意気投合してろくでもない事考えないでって。今回だって普通に集まるだけでいいのに…。」
「何を言う影。みんなが楽しめればそれでいいではないか。」
「兄さん、自重しようよ…。」

どうやら、ろくでもない事を考えているようだ。あろう事か、あのMZDも巻き込んで…。
ユウがそっと自重するよう言うが、聞き入れて貰えるかどうか…。

「ねぇ、ジャン。あのお兄さん何したの? お父様達を巻き込んで。」

イデアはジャンを呼び、訊ねる。

「知らん。俺も気になってんだよ。まぁ、要するに、アレだ。ろくな事じゃないのはわかる。イデア、ブレイブ達から何か聞いてないか? 確か、公国のアスタリスク所持者を集めてたが。」
「あ、うん。アナゼルから聞いたんだけど、お父様達がジャンに呼ばれた後、いきなり何も説明されずに籤を引かされたんだって。」
「駄目だ、その時点で嫌な予感しかしない。」

何の説明も無しに、籤を引かせるなんて嫌な予感しかしない。デニーの企みが見えない分、余計に嫌な予感しかしない。

「あー、心配しなくていいよ。命取るような物じゃないから。ただ…籤運次第では発案者であるデニーが殺される。」
「何か知ってんのか? 影。」

何かを知っていそうな影に、ジャンが聞く。
影は溜息をつきながら頷いた。

「あ、そろそろ静かにしといて。第一陣が来る。」
「は?」
「多分、上手い具合に昨日の夜再放送でまとめみたいなのをやってたから、それ見てる人は理解できる。」

いまいちよくわからないが、黙っている事にした。

テスト本番! その前に。 ( No.243 )
日時: 2015/07/18 01:30
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 3KMw6yl.)

「…何でテストの日に撮影なんかするんだよ。つか何の撮影だよ。」
「知らないけど、何か嫌な予感はしてきたー。」
「私達三人だけに来るのも謎だよね。あ、何かあるよ。」

扉を一つ隔てた所に、どうやら、女子が一人、男子が二人の三人組が現れたようだ。
会話は何かを見つけた所から始まる。ん? 撮影?

「えっと…。『撮影前に君達には名前が付箋でつけられたこのオレンジ色の石を掲げて“ジョブチェンジ!”と言って貰う。』おい、これ…。つかこの石…。」
「え、何かよくわかんないけど面白そうだし。」
「やるっきゃないかー。」
「おい、むやみやたらに触らない方が」

どうやら一人の男子が制止するにも関わらず、残りの二人がオレンジ色の石を手に取ったようだ。あ、ジョブチェンジ! と声もした。

「おー! 何か成金って感じがする!」
「わー、何か僕にぴったりー。」
「やっぱりアスタリスクかよ…! ん? この組み合わせ、まさか…!」

何かに気づいた制止した男子は、残りの石—アスタリスクを取ったのか、すぐにジョブチェンジ! と叫んだ。

「やっぱりこれかよ! つかこれ誰かわかんのか!?」
「気にしない気にしない。えっと次はー。目の前に見える台座に立ってカメラに向かって決めポーズ?」

変な指令だなー。と呟きつつも、どうやら台座に乗った三人。

「次はー…ブレイブリー・デフォルトと叫べ、だって。」
「嫌な予感しかしない。けど、やるしかねぇんだろ?」

制止した声の主が諦めの声を出した後、チャキッ、と音がした。武器でも構えたのか。

「ブレイブリー・デフォルト!」

三人の声が合わさった瞬間、ガラッ、と教室のドアが開いた。

「…。」

目の前にある偽物のカメラを挟んで見える三人にしばらく全員、沈黙。反対側にいる台座に乗っている三人も沈黙。

「…はい、おはようさん。」

そんな中、ジャンがようやくこの声を絞り出す。その直後、盗賊のような姿をしてフードを被った男子が笑い出した。

「ブッ、アッハッハッハッ! マジでめちゃイケじゃんこれ! アッハッハッハッ!」
「セットもやり口もまんまで私も笑えてきた! あははははははっ!」

赤いドレスのようなものに身を包み、粒の大きなネックレスと広い鍔を持つ帽子を被った女子がつられて笑う。
その横で、フルフェイスのヘルメットを被った槍のようなものがついた人物が呆れ返っていた。

「何でこんな姑息な真似するんだし。誰だ発案者。」
「私だ!」

フルフェイスの人物が訊ねると、デニーは悪びれもなく答える。
数秒ともかからぬうちに、デニーの頭に槍が刺さったのは言うまでもない。

「痛いではないか! 何をするんだ烈!」
「普通に集まるだけでいいだろうが! 何考えてんだこのエンペラーオブフリーダム!」
「七海と凪はあんなにも喜んでいるではないか!」
「あれはただ爆笑してるだけだ!」

頭を押さえながら反論するデニーに、フルフェイスの人物…烈は、更に反論する。
ちなみに、現在の彼らの姿は…。

烈:ヴァルキリー
凪:シーフ
七海:商人

となっている。

「あれ? この組み合わせ…。」

ティズが何かに気づいたのか、首を傾げた。

「どうかしたのですか? ティズ。」
「思い出さないかい? アニエス。この組み合わせ。リングアベルとイデアもわかるはずだよ。ユウとマグノリアは知らなくて当然だけど。」
「えっ? えーっと…。」
「何かあったっけ?」
「次のを見ないと何とも言えないが、思い当たる節はある。」

どうやらアニエスとイデアはピンと来ていないようだが、リングアベルは思い至っているようだ。

「あ、丁度いい具合に第二陣が来たね。あと烈、誰かわからないからその兜とったら?」
「そうするよ。」

烈は兜を脱ぎながら、凪や七海と共に席についた。

テスト本番! その前に。 ( No.244 )
日時: 2015/07/18 01:35
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 3KMw6yl.)

「突然メールで時間指定された時には驚きましたが、皆さんもそうだったんですね。」
「ええ。わたくしも氷海と時間を分けられましたから驚きましたわ。」
「俺も風雅と違う時間に呼び出されたから驚いた。」
「私もローズと離れた時間に呼び出されてビックリだよ。」

今度は女子が三人、男子が一人のようだ。その四人の足がいきなり、ピタリと止まる。

「…何か嫌な予感がしてきたのですが。」
「奇遇だな。俺もだ。」
「わたくしもですわ。」
「あはは、私も…。ねぇ、この石って、アニエスさんも持ってる…アスタリスク、だよね?」

どうやら目の前にあるアスタリスクで、何かを察してしまったらしい。

「指令書がある。どうやらこれでジョブチェンジしてほしいそうだ。」
「嫌な予感はしますが、話が進まないのでやりましょう。」
「何のジョブかなー? とりあえず露出低い方がいいなー。」
「僕も同感です。」

そして、一斉にジョブチェンジ、と叫び声が響いた。

「あ、これは中々いいジョブに当たりましたね。」
「凛としていて美しいですわ。わたくしのは…あら、中々のものですわね。」
「忍者か。俺は…うわぁ、らしからぬジョブだな…。」
「クマ君みたいに思えばいいよ。ほら、クマ君も治癒術師だし。私は…烈君達とネクロニカしてたのを思い出した。あ、次の指令があるよ。台座に乗ってカメラに向かって決めポーズだって。」

四人は近くにあった手近な武器を持ち、台座に乗ったようだ。
そして、決めポーズをして、ブレイブリー・デフォルト! と叫ぶ。同時に、扉が開く。

「…。」
「はい、おはようさん。」

流石に慣れたか、ジャンはすぐに固まる四人に向けてそう言った。
しばらくして、固まっていた四人は教室内に入る。同時に、扉がしまる。

「聞いていいか? 発案者。」

白い服に身を包んだ熊が、デニーに向けて言い放つ。あぁ、わかってたんですね。誰が犯人か。

「何だ? フランシス。」
「何故俺が白魔道士なんだ。」
「アミダ籤の結果だ。」
「そうか。」

あっさりと会話を終える熊…もとい、フランシスとデニー。続いて、全身鎧に身を包んだ女子がやってきた。

「ねぇ、聞いていい? デニーさん。」
「何だ? 鈴花。」
「何で私がナイトなの?」
「アミダの結果だ。」
「そう。」

ここもあっさりと会話を終える女子—鈴花とデニー。続いて、和服のようなものに身を包み、口許を黒い布で隠した女性がやってきた。

「あの、少々お伺いしてもよろしいでしょうか、デニーさん。」
「どうした? セシル。」
「何故わたくしが忍者なのですか?」
「アミダだ。」
「そうですか。」

更にあっさりと会話を終える女性—セシルとデニー。最後に、セシルとは違う和装をした中性的な顔立ちをした女子がやってきた。

「あの、デニーさん。」
「どうした? 直斗。」
「何でこんな事を企んだんですか? あと、何で僕ソードマスター?」
「普通に集まってはつまらないからだ! あと、アミダの結果だ。」
「そうですか。では…。」

女子—直斗が何かを言った後、刀を抜いた。ついでに言うと、セシルも忍刀を抜いており、フランシスは杖を構え、鈴花は盾の持ち方を間違えている。ええ、叩きつける気満々。

「下らない事を考えた罰として、いっぺん僕らに殴られてください。」

直後、デニーが袋叩きにされたのは言うまでもあらず。
ちなみに彼らの服装は…。

直斗:ソードマスター
フランシス:白魔道士
セシル:忍者
鈴花:ナイト

となっている。誰の服装なのかは、ご想像にお任せします。

テスト本番! その前に。 ( No.245 )
日時: 2015/07/18 01:41
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 3KMw6yl.)

そんなこんなで第三陣が来たとの報告を受け、集まったメンバーは黙った。

「何で鈴花と別の時間なんだろー?」
「私もセシルとは別の時間だったわ。何か意味があるのかしら?」
「私達はたまたま一緒だったけど、由梨達とも離れちゃったし…。」
「何故、時間帯がバラバラなのかしら? あら? 何かあるわ。」

今度も男一人の女三人の四人組。

「…恐らく次は、暗黒騎士、モンク、海賊、スーパースターだ。」
「えっ? 何でそう思うのですか、ティズ。」

外に聞こえないように、小声で話すティズとアニエス。そこに、烈が加わった。

「アニエスさん、まだ気づいてなかったのか? この組み合わせは、総司令部でイデアの親父さんがやった…。」
「あっ…!」

烈に言われ、ようやくアニエスは思い出す。
そう、この組み合わせは、ブレイブが敷いた、最凶の布陣。その組み合わせなのだ。
本気を出したエタルニア公国のアスタリスク所持者はそれはもう強く、かなりの苦戦を強いられたのを思い出した。

「そ、そういえば確かに…!」
「やはりか。俺もそうじゃないかと思っていた。あの時は本当に殺されるかと思ったからな。」
「最後の試練的なものだし、あの勢いは納得だよ。」

納得するアニエスの横で、リングアベルとティズがそんな他愛ない内緒話をしている間に、外ではジョブチェンジをしたらしい。

「何だか歌いたくなる服装ね。十字砲火、十字砲火、貴方のハート目掛けて砲火(ファイア)! なーんて。」
「か、海賊…。まぁ、海というか水属性の私にぴったりかな。」
「わー、かっこいー! 見て見て! サガクけーん♪」
「これ、鈴花か牡丹がなればいいと思うのだけれど…。」

あ、何だか最後の一人以外ノリノリのようだ。そして次に外にいる一同はそのまま…。

「ブレイブリー・デフォルト!」

指示書に従い、決めポーズを浮かべたと同時に、がらりと教室のドアが開いた。

「はい、おはようさん。」
「…。」

全員、まずはぞろぞろと中に入ってくる。そして扉が閉まると同時に突然、ステージ衣装を着た女子が笑い出した。

「ぶっ、あははははっ! め、めちゃイケ、そのまんま! あはははははははっ!!」
「わー、きっとこれに引っかかった人、こんな何とも言えない気持ちだったんだろうなー。あははっ!」

同時に、黒耀の鎧に身を包んだ小さな子も、笑い出した。だが、残りの…海賊のような格好をした女子と、チャイナドレスを着た女子は笑っていない。それどころか目が据わってます。

「理乃もローズ君も笑ってないで。…ねぇ、聞くけど、誰? 発案者。」
「こいつ。」

教室にいた全員、一斉にデニーを指差した。

「…やるよ、氷海ちゃん。」
「ええ。やりましょう、葉月先輩。皇帝陛下。悪いけど…。」

海賊—葉月は斧を構え、チャイナドレスの女子—氷海はポーズをとった。

「私達に盛大に殴られて。」

直後、デニーが沈んだのは言うまでもあらず…。
ちなみに格好だが…。

理乃:スーパースター
葉月:海賊
ローズ:暗黒騎士
氷海:モンク

であったりした。

テスト本番! その前に。 ( No.246 )
日時: 2015/07/18 01:47
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 3KMw6yl.)

その後も…。

「…おはようさん。」
「…何でめちゃイケの企画みたくなってんだよジャンさん。」
「この馬鹿の仕業。」
「よしわかったぶっ飛ばす。」

次々と犠牲者が現れ…。

「おはよ…あり? リリィ、ローブ着たのか。」
「千枝さんが駄目だって言ってたから。」
「千枝、何故リリィにローブを着せた! 折角彼女の際どい衣装が」
「氷海、一時俺とアスタリスク交換してくれ。この変態を殴る。」
「リングアベル、歯、食い縛ろっかー。」

最後の人々がやってきて、

「おはようさん。完二、どうした?」
「ん、あ、いや。何でこんなだっせぇ金具を…。」
「ダサいとは酷い言いぐさではないか! 見よ、このフォルム! 前進的なこの金」
「時計の針にも使いたくないくらいダサいな。あと、裏から勝手に出て来んな秒針王。」

ここに、全員が揃った。
ちなみに、残りのメンバーの格好は、

陽介:召喚士
鏡:魔界幻士
りせ:薬師
風雅:黒魔道士

リリィ:ヴァンパイア
千枝:魔人
雪子:赤魔道士
牡丹:魔法剣士

完二:時魔道士
由梨:狩人
クマ:聖騎士
雪花:導師

となっている。…って、ん? 一人足りなくないか?

「なぁ、そういえばあの裸族は?」
「言われてみれば悠がいねぇな。」

そう、悠がいまだに姿を現さないのだ。

「ああ、あいつは嘘の日付を教えといた。来たら来たで面倒だからな。だからここには」
「とぉーりゃあぁぁぁぁぁぁっ!」

ジャンが悠の行方を説明している最中に、ドカーン! と激しい音を立てて教室のドアが壊れた。
立ち上った砂煙が薄れ行く中、現れたのは…。

「待たせたな!」

なんと、スーパースター満のポーズをした全裸の悠だった! ある意味すっぴんの彼に、保護者が動いた。

「葉月、どうしたの? いきなり視界を塞いで。」
「鈴花ー、見えないー!」
「お兄ちゃん、見えない。」
「雪花、どうしたのー? 見えないよー!」
「あの、ティズ、どうして私の目を塞ぐのです?」
「ね、ねぇ、ニコライさん、どうして目を塞ぐのですか?」
「あんな粗末なもの見る価値はない。」

あろう事か純粋組が気にし出したので、即座に保護者達が同じ事を言い放つ。そして…。

「影ー、ちょっと今僕とアスタリスク交換してー。」
「何するかわかったから一緒にいこうか、凪。」
「あ、僕も一緒にいい?」

つぎドカ!風コンビが影と一緒に消えた。恐らく行き先は説教部屋だろう。そして、直後…。

「僕らのスーパースターを汚さないで! 特大の【ファイガ】!」
「悠さーん、お願いだからかっさばかれてー?」
「ぎゃあぁぁぁっ!」
「はい、ここで【アンドゥ】! 風雅、凪、ワンモア!」
「やめてえぇぇぇっ! アンドゥ拷問だけはあぁぁぁぁっ! ぎゃあぁぁぁっ!」

悠の悲鳴と、技を放つ凪と風雅。そして、それをなかった事にする影の声が聞こえた。

テスト本番! その前に。 ( No.247 )
日時: 2015/07/18 01:55
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 3KMw6yl.)

数十分後、戻ってきた風雅達を交え、ジャンが教壇に立った。

「じゃ、改めて自己紹介といくか。俺がお前らの担任の、ジャン・アンガルドだ。」

ジャンは少し不格好な字で自分の名前を書く。
だが、

「ジャン! そこは読めないような文字を書くのが決まりだろう! こんな風に!」

デニーが何か不満だったのか、ジャンからチョークを奪い取り、明らか読めない字で黒板にデカデカと文字を書き、最後に訳のわからないターンをして、決めポーズをした。

「わかったか!」
「で、こいつが副担任のニコライ・ニコラニコフだ。」

ジャンはデニーを無視し、副担任として隣に座るニコライを紹介した。

「ニコライ・ニコラニコフです。よろしくお願い申し上げます。」
「ニコライのおっさんについては指示があるまでいじらないように! えー、先週、アイドルグッズを買いに行く為に、某オタクの町に正教騎士団にいた頃のビショップのあの格好で出没した事は、決していじらないように!」
「…何故それを知っているのですかな、ジャン。大事な事なのでもう一度お伺いします。何故それを知っているのですかな?」

ニコライの変な話題はさておき。

「それと、カンニング等しないように見張り役として、影と馬鹿皇帝がつく。」
「よろしくね。物を落とした時は遠慮なく言ってね。」

これで一通りの自己紹介は終わった。

「では、お前らに集まってもらった理由は…もうわかりきった事だが、テストをしてもらう。ルールはこの間説明した通りだ。で…。」

そう言ってジャンはチョークを取りだし、再び黒板に文字を書いた。

「テストをして、最下位になった奴に“初代脳筋馬鹿”の称号を与える!」
「いらねぇよんなもん!」

口々に反論するも、決定事項なので仕方がない。

「まぁ、最後の悪あがきとして一時間自習させてやる。あぁ、作者のネールから魚届いたから、好きな時に食え。じゃあ、自習開始だ。ああ、その前に用意した学ランとセーラー服に着替えてからな。」

ジャンの宣言の後、最後の悪あがきの時間が始まった。

テスト本番! その前に。 ( No.248 )
日時: 2015/07/18 02:01
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 3KMw6yl.)

ここで、各々の学力を見ていこう。


【つぎドカ!組】
★赤羽烈
ある時を境に馬鹿脱却を目指しているつぎドカ!リーダー。常識力は高いが、学力はまずまず。自身の、ほおずき程度ではないが赤い頭髪並みの点は避けたい。
得意科目は家庭科と体育。苦手科目は英語。

★緑谷風雅
不運でお馴染みのつぎドカ!風使い。学力は高め。最悪でもBクラス止まり。
得意科目は国語。苦手科目は特になし。

★青柳氷海
烈とパステルくんをこよなく愛すつぎドカ!1P副リーダー。二年学年トップの優等生。トップクラス候補。
得意科目は保健と理科。苦手科目は特になし。

★黄木鈴花
完二が好きな植物使い。つぎドカ!メンバーの癒し担当。
得意科目は理科と体育と家庭科。苦手科目は数学。

★赤羽鏡
つぎドカ!メンバーの癒し担当その二。2Pのリーダーであり、わんこ。異論は認めない。
得意科目は国語と理科。苦手科目は英語。

★緑谷凪
つぎドカ!メンバーの参謀であり癒し。抜け目なさナンバー1。直斗ラブ。
得意科目は技術と数学。苦手科目は特になし。

★青柳雪花
つぎドカ!副リーダーであり、みんなの避難係。お姉ちゃん的存在。トップクラス候補。
得意科目は保健と理科。苦手科目は特になし。

★黄木牡丹
つぎドカ!メンバーの腐った会話担当。植物使いだがこいつに草使わせたらアカン。
得意科目は理科と保健。苦手科目は数学。


【ペルソナ組】
★鳴上悠
学力生き字引級のペルソナ組裸族。毎度理乃と一緒に同率学年トップであり、トップクラス候補の一人であるが、正直こいつが五位以内に入ったら昴がヤバい。
得意科目は保健。苦手科目は特になし。

★花村陽介
ペルソナ組リーダーであり、不運組。ほおずき程度には赤い点数は避けたい。
得意科目は音楽。苦手科目は英語。

★里中千枝
ペルソナ組閃き担当。正直脳筋タイプだが、赤点はなんとか免れる。ほおずき程度には赤い点数は避けたい。
得意科目は体育。苦手科目は英語と数学。

★天城雪子
ペルソナ組の腐った会話担当。成績もよく、トップクラス候補の一人。しかしこいつも五位圏内に入ったら昴がヤバい。
得意科目は美術と国語と家庭科。苦手科目は特になし。

★巽完二
ある意味不憫な目に遭ったり愚痴を聞かされたりするペルソナ組の調停者というか良心。最後に得をする事が多目。成績は正直いいとは言えないお馬鹿候補。
得意科目は家庭科。苦手科目は数学と英語。

★久慈川りせ
ペルソナ組現役アイドルのバ辛党。アイドルと学業の両立をしているが、学業が疎かになりすぎである。お馬鹿候補。
得意科目は音楽。苦手科目は英語。

★クマ
ペルソナ組の変態裸族。ただしこちらは聞き分けよいので危険度(?)は低い。学校に通っておらず、お馬鹿候補の一人だが、免除組の一員。
得意科目は家庭科。苦手科目は数学。

★白鐘直斗
ペルソナ組の参謀であり、現役探偵。祖父の手伝いをしつつ、メキメキと腕をあげる。凪が好き。成績はいい方だが、最悪でもBクラス止まり程度。
得意科目は技術と数学。苦手科目は国語。


【ジョーカー組】
★リリィ・ダイヤ
ジョーカー一味のダイヤの子で癒し担当。学校に通ってないので成績が悪いお馬鹿候補だが、免除組。
得意科目は家庭科と数学。苦手科目は英語と社会。

★フランシス・クラブ
ここ最近不運属性が芽生えてきたジョーカー一味のクラブの子。学校には通ってないが、知識はリリィ達以上にあるので通常組。割といい成績はとれる方。
得意科目は家庭科と理科と数学。苦手科目は特になし。

★セシル・スペード
こちらも最近不運属性が芽生えてきた気がするジョーカー一味のスペードの子。みんなのいいお姉様でありお母さん。フランシスと同じく知識はある方なので通常組。こちらもそこそこの成績はとれる方。
得意科目は家庭科と保健と理科。苦手科目は特になし。

★ローズ・ハート
ジョーカー一味のハートの子で癒し担当その二。お花さんが大好きな可愛い弟。鈴花とは大の仲良し。学校には通ってないのでお馬鹿候補だが免除組。
得意科目は家庭科と理科。苦手科目は数学と英語。


【司組】
★桜坂理乃
言う事なしの万能才女。悠と共に常に学年トップのトップクラス候補。しかし、致命的な弱点も…。
得意科目は美術以外。苦手科目は美術。

★野上由梨
医者を目指す姉御。しかし勉強を始めたのは遅い為、得意分野以外は赤点危機のまだまだお馬鹿候補。
得意科目は理科と家庭科と美術。苦手科目は社会と英語。

★杉山葉月
ほんわか癒し担当。勘の鋭さは司組一。由梨同様得意分野以外は赤点危機のお馬鹿候補。
得意科目は国語と音楽。苦手科目は数学と理科。

★金杉七海
力と能天気が取り柄の脳筋馬鹿。言うまでもなくお馬鹿候補。
得意科目は保健体育。苦手科目はそれ以外。


【ブレイブリー組】
★ティズ・オーリア
光の戦士達の中の調停者的な役割を持つリーダー的存在で、奇跡の朴念仁。故郷ノルエンデ村で羊飼いをしていたのが強みか。
得意科目は理科と家庭科。苦手科目は英語と数学。

★アニエス・オブリージュ
元風のクリスタルの巫女であり、現クリスタル正教法王。神殿内で一通りの教養は受けてきた。ティズが好きだが、彼が奇跡の朴念仁の為、発展しない。
得意科目は国語。苦手科目は英語と数学。

★リングアベル
彼の正体は色々割愛。光の戦士の中では一番の年長者。女好きの変態。イデアが好きだが、ギャグカオス組で変態なのでよく彼女からメテオ(物理)をもらっている。
得意科目は技術と国語と美術。苦手科目は特になしだが、強いて言うなら英語。

★イデア・リー
ブレイブの娘であり、カミイズミの弟子。未来のエタルニア公国元帥であり、現在は父から色々学んでいるが…公式脳筋のお馬鹿候補。
得意科目は体育。苦手科目はそれ以外。

★ユウ・ゼネオルシア
デニーの腹違いの弟であり、正教騎士団三銃士のリーダー。本人は剣より学の方が性に合っている。かなり高い学力を持つトップクラス候補。ある目的で昴に頼みたい事があり、意欲も十分。
得意科目は英語以外。苦手科目は強いて言うなら英語。

★マグノリア・アーチ
月からやって来た魔王バスターを生業とする女性。ユウの事が大好きで、いつも彼とデートを重ねる。
得意科目は英語と家庭科。苦手科目は国語。

テスト本番! その前に。 ( No.249 )
日時: 2015/07/18 02:06
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 3KMw6yl.)

「はい、やめー。勉強道具しまえー。」

チャイムの音と共に、ジャンがニコライと共に入ってきた。更にその後ろから影とデニーが入ってくる。

「じゃあ、国語から始めていくぞ。心してかかれよー?」

ジャンはテスト用紙を配り始める。これから長い戦いが、始まった…。











テストが終わり、ハギちゃんさんから届いたお菓子の国のパティシエ達が作ったお菓子を生徒達に食べさせている間に、解説組でテストの答案を見ていた。

「…ブレイブ、エタルニアをイデアに任せて大丈夫か?」
「うわぁ、おい、何でこんな回答するんだし…。」
「まさかここまでとはな…。」
「ふーむ、これは丸をつけていいものか…。」
「おい、何だこれ。どこをどうしたらこうなる。」

採点中、国語、数学、社会、理科、英語の担当者が苦悩の色を見せる。余程酷いのかおい。つか、カミイズミは何を心配している。

「うわっ、なんだいこれ! 解答用紙真っ赤じゃないかい!」
「ノブツナ、聞くな。胃が…。」
「こ、これは酷いよ…。料理以上に酷くないかな、これ…。」
「…山岸。彼らの学力はこの程度しかないのか?」
「これは絶対に料理したくないのぉ…。」
「うわっ、すげぇ、やっぱりこいつはすげぇな。…それに比べてこいつは…。」

同じように、保健体育、技術、美術、家庭科、音楽の担当が呆れている。おい、保健担当何あった。

「ぶっ…!」

その横では、雑学担当が笑いをこらえてる。何があった。

「よし、みんなのところもかなりの珍解答が出ているな。ジャン。」
「あいよ。答案返却の前に解答を、いじって、いじって、いじりまくるんだな。」

次回、解答をいじっていじっていじりまくります。はい。

テスト本番! その前に。 後書き ( No.250 )
日時: 2015/07/18 02:13
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 3KMw6yl.)

後書き de 雑談



—デニー陛下の企み回。別名、コスプレ回。ちなみに、解説者もコスプレしてるよ。

ジャン
「ジョブチェンジをコスプレ言うなし。」


—硬い事いいっこなしっと。とりあえず、次回から解答編に移るよ。クオリティは言及しないで。うん。

ジャン
「さーって、どんな珍解答が待ってるかなっと。」


—では、この辺りで失礼します。







本日はここまで。感想あればどうぞ。