二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 更新前のアテンション ( No.320 )
- 日時: 2015/07/29 20:37
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: G1JcBOCg)
☆あてーんしょーん
私
—今回、ラピストリアのキャラクター達のネタばれがあるから、嫌な人は戻ってくださいな。
昴
「ストーリーばれはないだろうけど、一応あったら怖いから、そこも注意な。」
私
—大丈夫大丈夫ばっちこーいな人は次レスからどうぞ!
- Welcome to Lapistoria Academy ( No.321 )
- 日時: 2015/07/29 20:42
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: G1JcBOCg)
世間では夏休みに入った、とある快晴の日。
「さて、お前ら、今日は待ちに待ったラピストリア学園との交流会だぜ!」
BEMANI学園より遠く離れたここ、ラピストリア学園の体育館に、BEMANI学園の一部の生徒がやってきていた。ちなみに、高等部、大学部の生徒達が来ている。
「学校間の交流会とか、修学旅行の八十神学校と月光間学園での交流会以来です。」
「おぉ、直斗さんは私達の学園に来た事があるんですか。」
「ええ、まぁ。」
直斗が思い出話を呟くと、月高出身のアイギスが反応し、二人で仲良く話していた。
「ほら、お前ら、話は後にして説明聞いとけよ。今氷海生徒会代表で向こう行ってていないんだから俺達が覚えとかないと。」
「はーい。」
そんな二人に烈がそっと言うと、二人はすぐに指示に従った。
ステージに目を移すと、いつの間にか厚手の黒いマントを羽織った男がいた。
「ジェダイト先生、こんなクソ暑い日にもマント着てんのか…。暑くないのかな。」
「烈さんはあの人とお知り合いなのですか?」
不思議そうな表情の烈に、アイギスは疑問を持って首を傾げながら烈に訊ねると、烈は首を縦に振った。
「ああ。ポップンパーティーで会ったんだ。会ったって言っても、見かけただけで話はしてないけど。」
「へぇ、なるほどなー。やはり烈さんの交友関係はポップンパーティーから来るんですね。」
「まぁ、大体はな。ポップンパーティーの参加者である以上、そういったこういう関係がくるのは当たり前だと思うけど?」
そんな話をしつつも、マントの男—ジェダイトの言葉に耳を傾ける烈。
どうやら今は、この交流会の趣旨を説明しているようだ。やがて、話も終わり、今度はMZDが舞台に立った。
「よっしゃ、この交流会の趣旨は理解できたなー? んじゃ、こっから本格的に交流会の説明に入ってくぜ! BEMANI学園の奴等は、クラス毎に分かれてそのまま教室に入ってくれ。んで、担当の先生から授業を受ける。以上!」
「校長先生、説明が簡潔すぎます!」
生徒会会長としてステージにいた氷海が思わずMZDにそう突っ込む。突っ込まれた彼はぶーと頬を膨らませた。
「だってよー、これ以上説明する事なんかあるのか?」
「はぁ…。確かに概要はそれであっていますが、授業内容やクラスの場所を示したプリントも配っていませんし、担当の先生方のご紹介も」
「それは各自でいいじゃん! 固い事いいっこなしなし」
「もうちょっと気遣えや馬鹿神。」
スパーン、と軽快な音が体育館に響き渡る。いつの間にかMZDの後ろにいた影が張りせんでひっぱたいたのだ。
「いでぇっ! 叩くなよ影!」
「えー、これからみんなには、プリントで指示された場所に向かって、今日一日授業をしてもらうよ。言うまでもない事だけど、担当の先生には迷惑かけないように! それから、学校内で能力使っちゃ駄目だよ? あと、服も脱いじゃ駄目だよ? 脱いだら首と胴体が二度と出会えないと思って。」
一部を見ながら影は続ける。
その一部は…。
「何で脱いだら駄目なんだ影! 服を脱ぐ事の素晴らしさをラピストリア学園の人達にも」
「自 重 し ろ っ !!」
危ない発言をした為、同じクラスの陽介と由梨によって沈められました。ちなみに理乃は他のクラスメイトによって耳を塞がれていたとか。
「あと腐るのも駄目だからね。面倒にな」
「何で腐るのは駄目なの!?」
「同士達がいっぱいいそうなのに!」
「言ってる側から腐ったグッズの取引始まってるって何?」
なんと、腐った女子達は既に腐ったグッズの取引を始めていた。校長先生の話をそっちのけで。
「影くーん、能力の許可お願ーい。」
「一発だけねー。」
千枝が既に技を放つ気満々だったので、影は一発だけ、という条件で許可を出した。
その後、氷像が建ったのは言うまでもない。
「さて、くだらないやり取りのせいで時間がとられちゃったから、担当教官の説明は各々の教室でお願い。じゃあ、出入り口にあるプリントをもらってから、解散!」
影の指示で、全員散っていった。
- Welcome to Lapistoria Academy ( No.322 )
- 日時: 2015/07/29 20:48
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: G1JcBOCg)
大学部のクラス。風花はラピストリア学園の技術を学んでいた。
「へぇ、ここにこのコードを入れるとこんな風に動くんですね。」
「はい、更にこうすると、面白い動きをしてくれるんですよ。」
そんな会話をしながら、風花も横でパソコンをいじる。
(これは面白い事を聞いたなー。後で理乃ちゃんにリークしてあげようかな。)
後で理乃に習った事を教えてあげようと考えつつ、ふと横を見る。そこでは大牙が一緒になってパソコンをいじっている…はずだった。
「…あれ?」
だが、そこには大牙の姿はまったくなかった。まったく。
「あ、あのー。」
「どうかしましたか?」
嫌な予感がして、担当教官を呼ぶ風花。何かを知っているかもしれない、そう思って。
「私の隣にいた、えっと、顔に傷のある金髪の三つ編みの男の人を知りませんか?」
「ああ、君の隣の子だったら…。」
流れ出る冷や汗。それが止まらない。嫌な予感が風花の中でぐるぐると巡る。
「トイレと言って教室を出て行きましたよ。数十分も経っても戻ってないのでどうしたのか心配してきたのですが…。」
(あ、これ絶対嘘だ。)
嫌な予感が的中した、そう考えた風花は、すかさず手を上げた。
「すみません、私が様子を見に行ってきます!」
ただ、それだけを言って、すぐに教室を出て行った。
担当教官が止めるも、お構いなしだ。
「…。」
教室を出た風花はすぐに、女子トイレへと駆け込んだ。そして持ってきていた拳銃型の召喚器をこめかみに当てた。
「(大牙君の事だから、絶対に高等部の方だ! 急いで探さないと…!)お願い、ユノ!」
そして躊躇いもなく引き金を引き、自らのペルソナ、ユノを召喚した。と同時にすぐにこの辺り一体のサーチを開始する。
大牙の気配は、すぐに見つかった。
(あぁ、やっぱり高等部の方にいる!)
当たってほしくない予想が当たり、風花はどうしようかと考えていた。
(と、取りあえず鈴花ちゃんに連絡しないと…!)
風花は通信機能を働かせ、鈴花へと飛ばした。
- Welcome to Lapistoria Academy ( No.323 )
- 日時: 2015/07/29 20:53
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: G1JcBOCg)
所変わって、鈴花達の教室…。
「さぁ、はりきって授業するわよぉーん♪」
BEMANI学園生徒全員、目の前にいる担当教官に何とも言えない表情を浮かべていた。
明らかあの人教師か? と訊ねたくなるような露出の多い格好。その胸から取り出される、三角定規に全員絶句していた。
ちなみに、ラピストリア学園の男子生徒は一部を除いてその胸に釘付けになっていたとか。女子? 冷めた視線で見つめてます。
「うわー、相変わらず濃い先生だな…。」
「ま、まどか先生って、これがデフォルトなの? タクト君。」
「はっきり言っていつもこう。と言うか、別の学校の生徒が来てるんだから自重してほしいよまったく…。」
風雅と鈴花が引く中、鈴花はタクトと呼んだ青い髪の青年と会話をしていた。
「八十神高校も濃いのがいたけど、こっちも相当だなぁ…。」
「うん、私、センパイのクラスの…えっと、誰だっけ。名前は思い出せないけど姿を思い出したよ…。」
「奇遇だな。オレもだ。」
完全に冷めた視線を浮かべる完二とりせ。二人の脳内にはきっと同じ人物が出てきているに違いない。
『あ、ようやく捕まえた!』
そんな折、鈴花の脳内に声が響いた。風花の通信だ。
(あれ? 風花さん? どうしたの?)
『鈴花ちゃん、聞いて。実は…。』
「鈴花?」
鈴花の様子がおかしい事に気づいたタクトが、彼女に話しかけた。どうやら通信は鈴花にしか聞こえていないようだ。
「あ、ごめん、何? タクト君。」
「いや、様子が変だったから。具合悪いなら保健室行くか? 付き添うけど。」
「だ、大丈夫! ただちょっと事情があって…。ん?」
急に、不吉な予感がして、何か知っている気配がした方であるドアの方を見た。
「…。」
そこには、大牙がいた。あろう事か、既に能力発動する気満々で。
狙いは…!
「た、タクト君、逃げて! 風雅君、タクト君を逃がして! みんな逃げてえぇぇぇぇっ!!」
「え?」
嫌な予感がして、鈴花はタクトを風雅に預けた。風雅は鈴花同様何かの気配を感じたのか、すぐにタクトを抱えて浮いた。
同時に、大きな地震が、それこそもう立っていられない程の大地震が巻き起こった。
- Welcome to Lapistoria Academy ( No.324 )
- 日時: 2015/07/29 20:55
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: G1JcBOCg)
影響は他のクラスにも…。
「…!? な、何だ!? 地震!?」
「っ…!」
地震が発生した瞬間、理乃はふらりと倒れこんだ。
「うえっ、理乃ちゃん!?」
「地属性の攻撃!? まずい、理乃にとっては弱点だ!」
「なら俺が理乃を抱えて逃げるぞ!」
何故か既に服を脱いでいる悠が理乃を抱える準備をして待機していたので、陽介が窓の向こうへ広がる空へと風で吹き飛ばしました。ちなみに今彼女達がいるのは四階です。
「お前ら、とにかく揺れが治まるまで机の下に!」
「つかこれこの学校大丈夫なのかあぁぁぁぁぁっ!?」
「知らねぇよおぉぉぉぉっ!!」
揺れで舌を噛まないよう注意しつつ、話す二人。お前らはまず口を閉じろ。
また、千枝達のクラスでは…。
「あわわわわわ…! な、七海ちゃん、地属性なんだし、何とかならない!?」
この地震に何とか対応してくれそうな七海に千枝は頼ろうとするが、それに待ったをかけたのは葉月だった。
「…千枝ちゃん、こいつが何とかこの揺れを相殺できるような力の制御ができる人だと思う?」
「うん、ごめん、七海ちゃん、今の言葉忘れて。」
「酷くない!?」
「ごめん、七海ちゃん。私も同士だけど同意。大人しくしていた方が身の為だと思う。」
雪子にまで否定された七海は、がっくりと肩を落としてしまった。
そして烈達のクラス…。
「震度…こ、この揺れでは測定できません! ですが恐らく七くらいはあるかと! 震源地はここから近いであります!」
「割と冷静に震度分析ありがとうなアイギスさん! でも今はそんな事してる場合じゃねぇんだけど!」
「震度七ってこの校舎大丈夫なんですか!?」
机に隠れながら、アイギス、烈、直斗がこの揺れについて話していた。
「一応、耐震工事はしたって聞いているけど、持つかしら…。」
「うーん、僕も持つとは思えないけど…。今頃ヴァイス先生、病院の手配してるかな?」
「ニコラ、冷静にさらっと言わないでくれ。あと暢気な事言ってる場合じゃないから!」
氷海と、病弱そうな男の子—ニコラの会話に、烈は思わず突っ込んでしまった。
そんな折、通信が聞こえた。
『だ、駄目! 校舎の被害が甚大すぎて、もう崩れます!』
風花だ。混乱して、鈴花にだけつなげていた通信を、全員につなげてしまったのだろう。
校舎が崩れる、そんな中で、誰かがぽつりと呟く通信越しの声を届けた。
『…あのクソ兄、後で—————。』
…風花はここで始めて、冷静でいた方がよかったと気づいただろう。その声の人物—鈴花の言葉を、ほぼ全員に届けてしまったのだから。その証拠に…。
「り、鈴花が怖いよぉ…!」
タクトを持つ風雅の手がガタガタと震えているのだ。
(…ブチコロス、なんて…女の子が使ったら駄目だと思う、鈴花。)
そのタクトはというと、僅かに震えながら殺気を感じる背後から視線を逸らした。
『タクト、鈴花、怖い。』
(うん、今は気にしてやるな、シャル。)
タクトの頭にくっついたピアノのような精霊—シャルが怯えていたので、タクトはそっと慰めておいた。
- Welcome to Lapistoria Academy ( No.325 )
- 日時: 2015/07/29 21:01
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: G1JcBOCg)
そして、大牙の起こした地震のせいで、このラピストリア学園は完全に倒壊してしまった。
幸いにも死者は不思議な事に出なかったが、重軽傷者が多数出た為、近隣の病院から保険医ヴァイスの要請で出張してきた医師が対応に当たっていた。
「…一体何が起こってこんな倒壊したんだい? まったく…。」
冷一は怪我人の手当てをしつつ、傍らにいた娘の氷海に訊ねた。
「…り、鈴花のお兄様がやらかしました…。」
「氷海、何かあったのかい? 何だか鈴花ちゃんの名前を出す度に震えてないかい?」
「き、気のせいにしておいてください、お父様…。」
鈴花、と友達の名前を呼ぶ度に震える娘に疑問を抱きつつも、冷一は治療を続けた。
■
別の場所では、能力者達が協力して救助活動をしていた。
「ほら、大丈夫か? 弓弦。」
「あ、ありがとう、烈君。」
瓦礫に埋もれていた武人風の青年—弓弦を助け出した烈は、他にいないかと辺りを見回した。
『烈君、近くにもう一人反応があるよ! 弓弦君が埋まっていたところの更に右!』
「了解! ここか!?」
『うん、そこ!』
風花のサーチで特定した場所を掘り起こしてみると、きっちりとした制服に身を包んだ眼鏡の青年を見つけた。と、同時に、烈は嫌そうな顔をする。
(げっ、桐生…!)
眼鏡の青年—桐生は気絶しているのか、ピクリとも動かなかった。だが、風花の話では生体反応はあるようなので、生きてはいるだろう。
「嫌な奴見つけちまったなぁ…。よりによってこの学園の風紀委員って…。」
桐生は風紀委員に属しており、烈のような素行の悪い存在にとってはあまり近づきたくない存在。しかも委員長。だからここで気絶してくれていたのはありがた
「…この由緒正しきラピストリア学園の風紀どころか学園を破壊するなど…。ふふふ、私の風紀のみだレーダーが過剰に反応していますね…。」
(げっ、起きてた!? しかも何か滅茶苦茶怒ってねぇ!?)
「…助けてくださり、ありがとうございました。では、私はこれにて失礼します。」
前言撤回。怒りでただ黙っていただけだったようだ。桐生は烈の手を振り払うと同時に、すぐさまどこかへと消えた。
(…風花さん。大牙さん、どうなると思う?)
『うーん、そうだなー。完膚なきまでに鈴花ちゃんからフルボッコと桐生君、だっけ? その子からの正座でのお説教に外付けハードディスク。』
(同じく更に昴さんからの雷をつけたのにアメド一週間分。)
何を賭けてる。何 を 賭 け て い る 。
ちなみにこの後、桐生がどうしたかは…ご想像にお任せします。
■
更に所変わった、倒壊したラピストリア学園が望める少し高い高台…。
「…。」
そこでは、不思議な雰囲気の少年が学園を真っ直ぐに見つめていた。
「…。」
隣には、マントの男、ジェダイトが付き添っており、その後ろではMZDが土下座していた。
「ジェイド、本当にすまねぇ! うちの生徒が…!」
「…。」
ジェイド、と呼ばれた少年は、倒壊した学園をただ真っ直ぐに見るだけだった。
「…。」
ふと、ジェイドは視線をはずし、ある喧騒を見つめた。
そこでは今、鈴花がこうなった原因である大牙をただ黙ってガスガス蹴っている光景があった。
「…ジェダイト。」
「何だ? ジェイド。」
「ちょっと僕、行ってくる。」
ジェダイトににこりと笑うと、ジェイドは高台から降りていった。
(ジェイド、怖…。)
そんな彼を見て、MZDとジェダイトは同じ事を思ってしまったとさ。
- Welcome to Lapistoria Academy ( No.326 )
- 日時: 2015/07/29 21:06
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: G1JcBOCg)
程なくして、現場まで辿り着いたジェイドは、鈴花達のところまで歩いた。
「い、痛い! 悪かったからもう蹴るのやめてくれ、鈴花!」
大牙は反論するが、鈴花は何も言わずに蹴り続けるだけ。禁断の部位を。はっきり言ってローズには見せられない光景です。あー、この光景を見てる周りの比較的被害の小さな男子が一斉に同じ場所を押さえてるよ。
「鈴花ちゃん。」
そんな光景を目にせず、ジェイドは鈴花に声をかけた。
「あ、理事長先生!」
ジェイドに気づいた鈴花は、兄を蹴るのをやめ、深々とお辞儀をした。
「ご、ごめんなさい! このお兄ちゃんのせいで学園が…!」
「うん、泣かないで。」
申し訳なさそうに謝罪する鈴花に、ジェイドはにこりと笑って返す。そして、足元で悶絶している大牙に目を移した。
「ねえ、僕がどんな想いでこの学園を創ったと思ってるの? 多分、ほとんどの生徒はそんなこと気にかけないし、意識しなくてもいいとは思ってるよ? でも…でも…!」
涙を湛えた怒りの眼で、ジェイドは説教をし始めた。
「校舎を滅茶苦茶にして…僕の想いを踏みにじるなんて、あんまりだよ…! それだけじゃなくって、他のみんなをひどい目に遭わせて、お医者様に迷惑をかけて、生徒と学園の周りの人達を不安にさせて…! なのに、キミはずうずうしく許しを乞うの…?」
今にも泣きじゃくりそうな顔で、延々とジェイドは大牙に説教をした。
「…。」
流石の大牙も、このジェイドの言葉には申し訳ないと感じたのか、居住まいをただし、土下座をした。
「本当に、すみませんでしたっ!」
大牙の謝罪を聞き届けたジェイドは、ひとつ頷いてから心配してついてきてくれたMZDとジェダイトの方に振り返った。
「…ジェイド。学園がこうなった以上、生徒達はオレん所で責任もって預かるよ。」
「うん、ありがとう、MZD。」
「いっそのこと、こことBEMANI学園を合併させちまうか? こっちも結構校舎広いし、ここの生徒全員を教える設備も整ってるぜ。」
大人数を受け入れる気でいるMZDに、ジェイドは小さく微笑んだ。ラピストリア学園理事長として、彼の提案に乗るつもりらしい。
「そうだね。じゃあ、お願いしようかな。BEMANI学園は有数の進学校らしいし、そのカリキュラムは僕も興味があったんだ。」
「うっし、決まりだ。あ、じゃあついでだしお前ら二人、BEMANI学園の校長と理事長やってくれ!」
「へ?」
唐突な願いに、ジェイドもジェダイトも面食らう。
「そしたらオレは晴れて自由の身! いつでも昴の聖域でぐーすか寝られるってもんだ!」
「やっぱりそういう意味合いで言ったのこの馬鹿! もう最低! 信じられない!」
しかも自分がサボるための校長、理事長業務だと知り、ジェダイトは困った顔を浮かべてしまう。そんな困った二人をよそに、影がMZDを怒鳴りつけた。
…ん? ジェイドの様子がおかしいぞ。口元に笑みを浮かべ、俯いている。
「…MZD。」
「ん? どうした? ジェイド。」
「校長業務も引き受けさせるし、理事長業務も引き受けてあげる。」
「ほんとか! よっしゃ!」
(私には拒否権はないのか。ジェイド。)
大喜びで舞い踊るMZDと、呆れる影。そんな二人を見ながら、ジェイドは誰にも聞こえないような声で、
「…後で覚えておいてね。」
そう、どこか邪悪な気配を帯びながら笑顔でぽつりと呟いたとか…。
- Welcome to Lapistoria Academy ( No.327 )
- 日時: 2015/07/29 21:13
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: G1JcBOCg)
こうして、交流会は強制終了し、翌日からラピストリア学園の生徒で家がBEMANI学園から遠い人は寮への入居を許可されたので、何人かが入居して来た。
「あ、弓弦さん。」
「よっ、弓弦。寮に入ったんだ。」
そんな日に、氷海と烈が寮生となった弓弦と玄関口でばったりと出会った。
「こんにちは、氷海さん。烈さん。お二人共、何故こちらに?」
「私達に用があってきたんだよね。」
そう言って玄関から出てきたのは、葉月と由梨。
「…!」
二人の姿を見た弓弦は、烈の後ろに隠れる。そんな彼を見た烈は、苦笑を浮かべた。
「女性が苦手なのはまだ治ってなかったんだな…。」
「! す、すみません。慣れた人なら話しかけられるようになったのですが…。」
「あはは、まぁ、アタシはストーリーモードで知ってるからいいよ。さて、烈。わざわざ迎えにこさせて悪かったな。…聖域に行くか。」
「おう! フランベルジュは持ってきといたぜ!」
「あーらら、烈君、やる気満々だねー。氷海ちゃん、はい、これ。鍛錬用のエルヴンボウ。」
「鍛錬用に最強武器を渡すのはどうかと思いますが、そこはもう何も言わない事にしますね。」
各々の武器を持ち、聖域へと向かう。
「あ、あの。」
そんな彼らの背に、弓弦は声をかけた。
「どうした? 弓弦。」
「僕も、見学していいですか?」
「うん、いいけど…多分、私の弓術は我流みたいなものだから、参考にならないかもしれないけど…。」
「…! そ、それでも、構いません。」
「その台詞を俺の後ろに隠れながら言わないでほしいんだけど。まぁ、いいか。一緒に行こうぜ、弓弦。」
「はい!」
早くも友情を育んだ一同は、聖域へと向かう。
また別のところでは…。
「ふむふむ。その調合なら害がない面白歯磨き粉ができるんですのね。」
「うん。試してみる? 牡丹ちゃん。理乃先輩。」
「折角ですので試してみましょうか、牡丹さん。」
「はい、理乃さん!」
「お前ら神殿で変なもの調合すんなし!!」
神殿に来ていたニコラと理乃、そして牡丹を交えて薬学講座が開かれていた。これにはもう昴はツッコミしかできない。
「ちなみに、ここにこの草を混ぜれば、一気に口の中が爆発する歯磨き粉に変身しますよぉー。」
「勝手に入ってくんなカダ! テメェが来たら一気に危ない薬品に様変わりするわ!」
なんと、ここに薬師のカダがやってきたので、昴は急いで追い返す。いや、ここで追い返さないと死ぬ。そんな気がした。
「つーか説教部屋で危ない薬品を試すな! 帰れ!」
「えー…。」
何だか残念そうな一同に、昴はがっくりと肩を落とした。
戻って、寮内…。
(ここが寮というものか…。確か、共同生活というものをすると言っていたな。)
頭に何かぷにぷにしたものを乗せたような男、ラーズが自分に与えられた部屋をまじまじと、部屋の外から見ながらポツリと心の中で呟いた。
「ん? 確かおめぇはラーズじゃねぇか。こんなとこで何してんだ?」
「なっ!!」
そんな中、急に誰かに話しかけられたので、ラーズは思わず驚いた。振り向くとそこには、完二がいた。
「何用か!?」
「いや、用って程でもねぇけど、部屋の外で何してたのかなってよ。」
どうやら、完二はただ部屋の前で立っているラーズに話しかけただけのようだ。特に大した用もない。
「何でもない! 何も持っていない!」
「あん? 別に何か持っててもとるわけじゃねぇんだけど…。」
「そ、そうか…では、私は用があるので、これにて!」
そう言ってラーズはそそくさとその場を離れた。
(知っているぞ! 刑務所は罪を犯した者を更生の為に鎖す施設だと! まさか、私は罪を犯した覚えがないのに刑務所に鎖されるところだったのか!? 早く脱出せねば…!)
…盛大な、勘違いを残して…。
(なんだぁ、アイツ。変な奴…。)
完二は首を傾げつつも、自分の部屋へと入った。
余談だが、ラーズは寮の入り口でばったりと出会った、丁度寮の誰かに会いに来たリュータに、正しい知識を教えてもらい、ここが寮であること、刑務所ではないことを教わったとか。ついでに、完二が犯罪者ではないことも。
こうして、BEMANI学園に新しい生徒が多数入学してきた。
これから先、彼らがどうこの物語にかかわってくるか。創造者は、まだ知らない…。
- Welcome to Lapistoria Academy ( No.328 )
- 日時: 2015/07/29 21:18
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: G1JcBOCg)
後書き de 雑談
私
—ラピストリアサントラvol.2発売記念に加えてみました、ラピストリアキャラ! このラピストリアキャラ達も、もちろん烈君達も、ラピストリアでの冒険はしてこないで、ただポップンパーティーで出会った仲なだけだよ。私の世界にラピストリアはないんで。こっちのストーリーモードはMZDが書いた戯曲的な意味合いでお願いします。
MZD
「オレの考えた最強のストーリーはどうだった?」
昴
「いや、ポップンチーム開発陣が考えたストーリーだから。メタいの言うと。…多分大体の人が思ってる事だろうが、烈の暴走回はマジで燃えた。」
私
—あと萌えた。ええ、風烈要素がたっぷりだったのでついつい萌えました。
MZD
「お前、腐ってんの出てるぞ…。」
昴
「後は最後かな。まさかのシメに泣きかけた。そして…風雅お前こんな時でもヨーヨーかよと突っ込みたくなった時に、涙が引っ込んだ。」
私
—あと、曲だけど…ジェイド君のも難しかったけど…お前の難しすぎないか!? 何ノーマルでレベル34って! いやEX50だから納得だけど! 最初の方コンボ繋がんないんだけど!
MZD
「神だからー。」
私
—…あ、でもスケールアウトより下か。
MZD
「うぐ。」
昴
「あ、一番てこずったエレクリよりも下だな。」
MZD
「ぐはぁっ!!」
私
—ちなみにどうでもいい話ですが、スケールアウトもエレクリも当初本気でクリアできませんでした、暫く。スケールアウトはようやく安定したけど、エレクリは…。最後の縦連二つと同時押しの乱打をグルーヴゲージが赤いままか二つくらいマイナスくらいで抜けられれば何とか最後で回復できるけど、安定しない…。あ、そういえば今回のは一発でクリアできたか。
昴
「…まぁ、いずれも黄色譜面に手を出そうとは思わないけどな。」
私
—それは…同意。多分即座に死ぬ。グルーヴゲージが点滅しないまま終わる。
鏡
「え? 黄色譜面簡単じゃないかな?」
理乃
「ええ、何だかやり応えないですよね。」
私&昴
「化け物は黙ろうか。」
鏡&理乃
「しょぼーん。」
私
—では、この辺りで失礼します。ばいばーい!
■
感想ok