二次創作小説(映像)※倉庫ログ

飯盒炊さんと温泉の時間 ( No.356 )
日時: 2015/08/03 21:32
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 0JVd9KgH)

ゴミの分別も終わり、いよいよ飯盒炊さんだ。

「氷海、悪いけど、鍋に水。そしたらちょっと塩入れてくれ。直斗は材料の分量を計ってくれ。レシピはこれな。」

烈は直斗にレシピの画面を開いたスマートフォンを手渡しながら、指示をてきぱきと出す。

「わかりました。これくらいなら簡単です。」
「水を入れて塩を入れるだけでいいのね。わかったわ。」

二人はすぐに行動に移し、作業を始めた。

「よし、んじゃ俺は火を起こしちまうかな…。」
「あ、烈。こっちも火、いいか? オレんとこ火属性いねぇし、センパイらに頼むのもアレだしよ…。」
「あ、そっか。風雅は風だし鈴花は花だしりせはサーチしかできねぇしな…。」

隣で作業をしていた完二がそう懇願すると、烈は一つ頷き、火種を渡した。

「まぁ、完二単体でも起こせそうな気はするけどな。」

更に隣で作業をしていた由梨が、材料を置きながら言った。

「あん? 何でッスか? センパイみたく二種類の属性は扱えないッスよ?」
「電気だけで十分だよ。」

完二にお手本を見せるかのように、由梨は指先に電気を宿し、薪の上で一気に解き放った。
すると、小さな炎が薪の上で揺らめいていた。

「う、うぉっ!? す、スゲェ! 火ィ着いちまった!? どうやったんッスか!? センパイ!」
「成程、電気で火花を散らせて、着火させたのか。」
「当たりだ、烈。まぁ、こっから火種を大きくするのが面倒だから、炎を使った方が早いんだけどな。」

見も蓋もない事を言ってから、由梨は炎を宿して火を起こした。

「陽介ー。材料仕上がったら飯盒の方頼むー!」
「あいよー!」

陽介は由梨と交代し、飯盒の前に座った。

「おっ、烈、それ、パスタ?」
「氷海と直斗のリクエスト。野外でパスタって考えにビックリだよ。」
「いいんじゃねぇの? たまには。」

何だかんだで、まともな部類の男子三人が揃った。
火の前で、楽しそうに話をしている。

「…料理が出来る男子っていいよね…。」

テーブルの方で作業をしていた葉月が、ポツリと呟く。
彼女の手元には、何故か日本刀が。その下にあるまな板の上には、見た事のない色をした肉(?)があった。

「主夫って言葉もあるくらいだから、男子が料理しても変じゃないわね。…烈さんと完二さん、いい主夫になれそうね。」

そう語る理乃の手には、何故か鉈が。彼女の背後には、理乃の身長を優に越える体格を持つ熊の毛皮が干されている。

「…野上先輩。」
「…由梨ちゃん。」
「直斗、千枝。何も言わなくていい。お前らの感覚は正常だ。安心していい。」

何かを尋ねようとした直斗と千枝に、由梨は死んだ目を浮かべながら二人に言い放った。

飯盒炊さんと温泉の時間 ( No.357 )
日時: 2015/08/03 21:38
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: g9MFapnu)

そんなこんなで、ようやく完成した食事。
二年組は美味しそうなパスタとけんちん汁、炊き込みご飯が並んでいるのに対し…。

「…。」

三年組の前には、禍々しいオーラを放つおにぎりが並んでいた。適当に置いたので、誰が誰のか分からない。

「…烈、お前んとこのパスタ、余ってねぇ?」
「完二、お前のところの炊き込みご飯、余ってたりしないか?」
「食べる前から諦めないでよ!」

陽介も由梨も、食べる前から不味いと分かったのか、後輩の食事をたかる。それに、千枝は盛大にツッコミを入れた。が、正直な話、ここで自分も諦めたかった。

「…とにかく食べてみよう。意外に美味いかも知れない。」

悠はおにぎりを一つ手に取り、口に近付けた。

「フッ…。勇気のバロメーターが“豪傑”の俺でも怖いものがあるとは…。だが、負けはしない!」

何に、とツッコミ属性持ちはツッコミたくなったが、敢えてその感情を無視した。
その間にも悠は、おにぎりを口に含み…盛大に吹き出した。

「か、辛…! それに、し、食感…。」
「あ、私のだ。ハバネロと牡丹ちゃんが品種改良した特製のラフレシア。」
「なんっつー物入れてんだ天城!」
「鳴上先輩、お水です。」

悶絶する悠に、直斗は素早く水を出してやる。
水を飲んだ悠は、ほっとしたような表情を浮かべていた。

「あー…。生き返る…。よし次。」
「勇気あるな…。」

早くも次のおにぎりに手を伸ばし、口に含み、吹き出す悠。

「ま、不味い…。パサパサ…。生臭い…!」
「あ、私のかな? フォアグラとキャビアとフカヒレ。」
「何珍味を一気に入れてんだよこの馬鹿七海! お前、一辺死んでこい!」
「な、鳴上さん、お水です。」

死にかけている悠に効果は薄いだろうが回復魔法をかけてやりながら、理乃は水を差し出す。
再び水を飲んだ悠は、ほっと一息ついていた。が、それも束の間、すぐに次なるおにぎりを手に取る。

「なぁ、相棒。あんまり言いたくないけど、お前、馬鹿なの? 何で懲りないの?」
「“豪傑”たる勇気を持つ男の辞書に、懲りると言う言葉はブフゥッ!」

そして話しながら口に含み、吹き出した。

「…く、臭い…。これは、く、くさや、か…!?」
「は、くさや? 誰持ってきたんだよそんな珍味。」

陽介は全員を見渡し、尋ねるも、全員、首を横に振る。

「あたし、ビフテキ串だよ?」
「何気にチョイス良くなったな、里中。じゃあ、誰だ?」

首を傾げる一同。そんな時、

「…。」

よろよろと、手を上げる人物がいた。
全員、視線をその人物に注ぐ。

「…悠先輩、馬鹿なの? 馬鹿軍団なの?」
「烈君、さらっと僕の台詞をとらないで下さい。まぁいいですけど。」

そう、くさやの犯人は悠だったようだ。

「…まともなのチョイスして、食おうぜ…。」
「さんせーい。」

一同は悠を無視して、まともなおにぎりを見つけて食べ始めた。
ちなみに、ドラゴンの肉と熊肉は、意外にも美味しかったそうな。
残りのおにぎりは、七海の胃袋に消えたそうな。

飯盒炊さんと温泉の時間 ( No.358 )
日時: 2015/08/03 21:46
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 0JVd9KgH)

食事も終わり、テントも建て、後は就寝となった頃…。

「っ、はぁ〜…。気持ちいい〜♪」

烈、風雅、陽介、完二は、キャンプ場の近くにあった露天風呂に来ていた。

「暖かさが身に染みるぅ〜♪」
「そんなに寒かったのか? 烈。」
「花村センパイ、烈、凍ったじゃねぇッスか。」
「あ。」

陽介はゴミ拾いをしていた時の事を思い出し、口をつぐんだ。

「でも、あん時よりはましだよ。…本気で死ぬかと思ったもんな…。リリィと戦った時以上に、死を覚悟したもんな…。」
「…そんなに、大変だったの? 氷海のダンジョン…。」
「あ、風雅、あん時いなかったし、知らないか。…大変どころじゃねぇよ。俺達も危なかったし、烈なんて死ぬ寸前だったんだ。天城が助け出さなきゃ、今頃…。」
「…。」

全員、口をつぐんで黙り込んでしまった。

「…そういや、悠先輩は?」

嫌な雰囲気が漂い始めたのを見て、烈は話を変える。

「ん? ああ、相棒ならちょっと用事があるみたいで、出掛けてった。あ、そうそう。ちょっと聞きたいんだけどさ、誰か、理乃ちゃんの鞄とか、漁ったか?」
「いや、俺は漁ってないけど?」
「オレもッス。」
「僕も。寧ろ、三年の方にはあんまり行かないよ。理乃先輩の鞄がどうしたの?」
「何かな、漁られた形跡があるみたいなんだ。しかも、理乃ちゃんが開発した魔法薬が一個、紛失してるんだとさ。」

魔法薬、と聞いた瞬間、烈達の頭に嫌な予感が過った。危険な代物だと思ったのだろう。

「あ、でも、危険はないみたいだぞ? ただの性転換薬らしいから。」
「スゲェッスね、理乃センパイ…。何でそんなもん作れるんッスか…。」
「あの四人、ほら、魔法使いだし、それくらい容易いんだろうさ。まぁ、作れるのは理乃ちゃんくらいらしいけど。」
「理乃先輩、頭いいもんね。」

そんな話をする男湯。
その仕切りの反対側では、女子全員ゴミ拾いでの汗を流していた。

「いや〜、気持ちいいねー。」
「沢山働いた後のお風呂って気持ちいいよねー!」

湯船に浸かった千枝の言葉に、七海が同意する。

「わ、理乃センパイ、肌白っ!」
「えっ? そ、そうですか?」
「ほんとだ、白い。しかも凄いスベスベ。」
「肌とか綺麗で羨ましいなぁ…。胸も大きいし。」

先に湯船に浸かっていた理乃の回りに集まったりせ、雪子、鈴花は、理乃の肌に触りながら、ついでに胸の方に手を寄せる。

「きゃっ! ちょ、ちょっと! どこ触ってるんですかっ!」
「いいじゃんいいじゃん! 減るもんじゃないし!」
「どさくさに紛れて触ろうとしないでくれる? 七海。」

どさくさに紛れて胸に触ろうとした七海を、風呂桶で沈める理乃。

「それに、胸の大きさなら氷海さんや白鐘さんだってあるではりませんか。私の胸でなくたって…。」
「(理乃/桜坂)先輩、こちらまで巻き込まないで下さい!」

理乃にとばっちりを受けた、胸が大きい方に代表される氷海と直斗が、胸を隠しながら同時に言い放った。

「…むぅ、見れば見る程本当に大きいね…。」
「やっぱり、烈や凪君に揉んで貰ってるの? 揉まれたら大きくなるって聞いた事ある。」
「まっ、まだ烈とはそんな事してないわ! そもそもまだ恋人じゃないわよ!」
「ぼっ、僕だってそうですよ! そもそも何でそこに凪君が出てくるんですかっ!」

りせがからかい混じりにそう尋ねると、氷海と直斗は反論する。

「…? 葉月、何で私の耳を塞ぐの?」
「理乃は気にしないでいいから。」

りせが話始めた辺りから嫌な予感がしたのか、葉月は理乃の耳を塞ぐ。

飯盒炊さんと温泉の時間 ( No.359 )
日時: 2015/08/03 21:50
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: /9RVPCwZ)

そんな会話を繰り広げている中、仕切りの向こう側では…。

「…なぁ、烈。お前、まだ氷海ちゃんと鏡には言えない如何わしい事、してねぇの?」
「燃やすぞ陽介先輩。」

興味本意で訊ねた陽介に、烈が焔を宿してじりじりと陽介に近付いていった。
当然、陽介がすぐに謝罪したのは言うまでもない。

「はぁ…。」

風雅はそんな二人を見て、溜息を吐くと同時に羨ましいと感じていた。

「(あんな風にじゃれ合えていいなぁ…。)完二、あの二人、仲が良くていいよね…。」
「…。」

寂しそうな声でぽつりと呟くも、完二からの答えはない。
何だか心配になり、完二の顔を覗くと…。

「う、うわあぁぁぁっ!?」
「!?」

その顔に驚いた風雅は、思わず悲鳴を上げる。これには先程喧嘩していた二人も動きを止め、風雅を見た。

「どうした!? 風雅!」
「れ、烈、どうしよう! かっ、完二がヤバイ!」
「は? …はいぃっ!?」

烈と陽介も、完二を見て、風雅の悲鳴を理解した。
完二が、湯船の外に体を投げ出して、倒れていた。
…鼻から、大量の血を流して。

「えっ!? か、完二がどうしたの!?」

隣から、鈴花の声がする。心配して声をかけてきたのだろう。

「大量の鼻血だして倒れてるんだよ! 女子、これ以上如何わしい会話するな! 完二、そう言うのに耐性ないんだから!」
「えー、完二の変態。」
「変態とかそういう問題じゃねぇよりせ! だあぁっ! 風雅! ティッシュ! その前に湯船から出すぞ!」

男子側から暫くの間、喧騒が聞こえてきた。
一方、女子側…。

「か、完二、大丈夫かな…?」
「烈達が一緒だもの、平気よ。多分。」

心配無さそうに、氷海は語る。

「心配だし、後でアタシが様子見に行くよ。鼻血の対処なら、バイトん時に氷海の親父さんに聞いたし。」
「あれ? 由梨ちゃん、バイトしてたの?」
「ええ、私の父が経営する病院で、簡単な介護の仕事を。介護ヘルパーの資格を持っているから、私達も助かっています。」
「その見返りみたいなので、色々な医療技術を学んでる訳。アタシ、将来は医者になるつもりだし。」

どうやら由梨は将来の夢の実現の為に、病院で働いているようだ。

「由梨ちゃんは医者か…。」
「千枝は警察官だっけか? そっちも大変そうだな。」
「正直、大変だよ。でも、堂島さんを見てて思ったんだ。こんな人になりたいって。だから、あたしも頑張る。頑張りたい。」
「皆さん、夢があるんですね。」
「直斗君は、探偵業を継ぐんだっけ?」

雪子が訊ねると、直斗は少し照れ臭そうに頷いた。

「もう、継いではいますけどね。…僕も、この仕事を投げ出したくはありません。極めて、極めて…いつか立派な、女探偵になりたいです。」
「うんうん、夢があっていいな。」
「貴方は夢とかあるのですか?」

理乃は、直斗の話に同調した銀髪の女生徒に話しかけると同時に…睨み付けた。

「…夢を聞く前に、その夢を断ち切る事になりそうですがね。」
「えっ?」
「何故、女湯にさも同然に入っているのですか、“鳴上さん”。」
「!?」

銀髪の女生徒…悠は、思わず湯船から出た。
その体は、まさに女性のものだった。胸はあまりないようだが。

「えっ、な、鳴上君、女!?」
「私の鞄から性転換薬を抜き去ったのは貴方でしたか…。」
「女の体ならバレずに行けると思ったが、思わぬ伏兵がいたとはな、理乃。」

悠は身構え、いつでも逃げ出せるようにする。

「私の力を侮らないで頂けませんか? それよりも、逃げるなら早くお逃げになったらいかがですか? …そろそろ、“時間”の筈ですから。」
「どういう」

理乃の言葉の真意を聞く前に、ポンッ、と音を立て、悠の体が元の男性の物に戻る。

飯盒炊さんと温泉の時間 ( No.360 )
日時: 2015/08/03 21:54
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 0JVd9KgH)

突然男性が出てきたので…。

「きっ…きゃあぁぁぁっ!!」

その場にいた女子(理乃、由梨、七海以外)が一斉に悲鳴をあげた。

「なっ、何だ!?」
「どうした!?」

その悲鳴を聞き付けたのか、烈と陽介がやって来た。
よりにもよって、仕切りを越え、女湯に。

「きゃあぁぁぁっ!!」
「あ、う、うわっ、ごめんっ!」

これには女子達も、更に悲鳴をあげ、烈と陽介はすぐに謝った。無理もないが。

「…。」

ただ、一人、理乃はその光景を見て、静かに、微笑んでいた。

「!?」

それに気が付いた長年理乃といる三人は、背筋を凍らせる。

「…赤羽さん、花村さん、鳴上さん。その仕切りの前で、正座して下さい。」

いつもの調子で、いつものように懇願する理乃。
だが何故だろう。言葉に殺気が籠っている気がした。

「り、理乃」
「鳴上さん、聞こえませんでしたかー? せ・い・ざ、してくださーい。」
「はひぃっ!!」

声のトーンはいつもと同じ筈なのに、従わなければいけない気がしてくる。下手に何かしでかしたら、殺される。そんな気さえした。

「あーあ、黒理乃降臨しちゃったよ…。」

避難させた女子の前で、七海がぽつりと呟く。

「く、黒理乃?」
「理乃が気にしている事や、度が過ぎた悪戯何かをすると出てくる…どうしようもなく怒った理乃の事を、私達は黒理乃って呼んでるの。あぁ、声に抑揚までついてる。あれはもうぶちギレてるね…。」
「黒理乃は、昴さんの女子化みたいなもんって言えば、分かるか?」

由梨の問いに、女子全員首を縦に振った。

「さて、お三方ー。女子の入浴を覗くなんて、いい度胸ですねー。」
「済みませんでしたっ!」

烈と陽介は、ただ心配してこちらに来ただけだが、覗いてしまったのは事実だし、理乃にそう言われ、ただただ謝罪する事しか出来なかった。

「理乃、聞いてくれ! 俺が女湯に入った理ゆ」
「聞きたくもありませーん。」

問答無用、とでも言うように、理乃はにっこりと笑って手に魔力を宿した。

「ではー…。さっさと男湯に戻りなさあぁぁいっ!」
「ぎゃあぁぁぁっ!」

そして、彼等を浮かせるように、竜巻を出現させて、三人を男湯に追い返した。

「ふぅ…。まったく、覗きなんて失礼しちゃうわ。」
「うん、理乃、それなんだがな。」

由梨は遠くから、理乃に話しかける。

「何? 由梨。まさか、あの変態共の肩を持つつもり?」
「悠はもう完全に変態だ。あれはああなるべくしてなった。だがな、烈と陽介にやったのはやり過ぎだ。」
「理乃、私もそう思う…。少なくとも烈君と陽介君は、私達が悲鳴をあげたから、心配してこっちに来たんだと思う…。ほら、千枝ちゃんと氷海ちゃんもいたし…。」

葉月も、理乃に弁解するように話しかける。
確かに今、こちらには陽介の恋人である千枝と、烈が考えを巡らせている最中の氷海がいる。彼女達に危険が訪れたと思い、いや、そうでなくとも、仲間の危機にいてもたってもいられず、女湯に入ってきたのだろう。

「…そう、ね。そう考えればそうだわ…。烈に、悪い事をしてしまったわね…。」
「烈君、ちゃんと氷海ちゃんを心配してきてくれたのにね…。」
「花村も、心配して来てくれたんだよね…。前は完全に覗きだったけど、今回は事情が違うしなぁ…。」
「確かに覗きは犯罪ですが、悪意があった訳ではありませんし…花村先輩と烈君は許してあげてもいいと思います。」

氷海も、鈴花も、千枝も、直斗も、少なくとも烈と陽介は許す気でいるようだ。
話に加わっていないが、りせと雪子も、同様の事を思っていた。

「…そうだね。赤羽さんと花村さんはやり過ぎね…。後で私から二人“には”謝るわ。」

には、を強調して言う理乃。どうやら悠には謝る気はないらしい。

「さて、そろそろ消灯時間になるんじゃね?」
「そうですね。いくら校長先生に許可を取ったとは言え、本来入浴するのはプログラムに組み込まれていませんから、戻った方が得策ですね。」

女子達はそう話しながら、露天風呂を後にした。







今日はここまで。感想ok